滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【1005/214:遺跡発掘】土偶出土の相谷熊原遺跡 国史跡・重文指定めざす

2010-05-30 23:36:44 | Weblog
■県や県教委 建物跡を地下保存

【写真:相谷熊原遺跡から出土した国内最古級の土偶(手前)について説明する松室主任(東近江市で)】

 「空白期」とのイメージが強かった近畿の縄文時代草創期(約1万3000年前)の様子を探る成果――。優美な女体を表した最古級の土偶に加え、これまでより大幅に床面が深い竪穴建物5棟を検出した東近江市永源寺相谷町の相谷熊原(あいだにくまはら)遺跡。縄文研究に大きな影響を与える“大発見”に、県や県教委は建物跡を地下保存し、将来的に国史跡や重要文化財などへの指定を目指す考えだ。

 同遺跡は背後に鈴鹿山脈、目前に愛知川と湖東平野を臨む平らな段丘にある。山・川の幸を得やすい場所に、縄文人が集団で協力し、集落を営んだ可能性が高い。

 竪穴建物は、現代でも完成までに10日間は必要な労作。泉拓良・京都大教授(考古学)は、「深さ1メートル級の竪穴建物は、シリアの遺跡(約1万2000年前)が最古とされる。今回の建物は世界的にも極めて古く、床面を深くし、寒冷期をしのいだ可能性がある」とみる。

 さらに、今回の発掘は600平方メートルに過ぎないことから、「全体では10基以上存在するはず。14基を検出した清武上猪(きよたけかみい)ノ原(はる)遺跡(宮崎市)などと並ぶ最大級の草創期集落となるだろう」と指摘する。

 鈴鹿山脈を挟んで約70キロ東南には、草創期の土偶2点が出土した粥見井尻(かゆみいじり)遺跡(三重県松阪市)があるが、意匠に共通性は無かった。谷口康浩・国学院大准教授(先史考古学)は「粥見井尻より明確に女性の特徴を表している。食糧獲得に便利な地に拠点を築いた縄文人が、乳房を強調した土偶を作り、豊穣を望んだ」と、定住化と土偶の関連に着目する。

 相谷熊原遺跡では昨年から今年にかけ、縄文晩期前半(約3000年前)の土器棺墓29基も検出。県文化財保護協会の松室孝樹(42)、重田勉(39)両主任は「縄文の遺物は出ると思ったが、まさか1万年以上も前の土偶や巨大な建物跡が出るとは……」と成果に驚き、「土偶の発祥地が三重、滋賀だったと想像すれば面白い」と思いをはせる。

 現地説明会は、警報発令時は中止。現場に駐車場は無い。詳しくは同協会(077・548・9780)。

【関連ニュース番号:1005/213、5月30日】

(5月30日付け読売新聞・電子版)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20100529-OYT8T00969.htm

【1005/213:遺跡発掘】国内最古級の土偶が出土 / 東近江の相谷熊原遺跡

2010-05-30 23:32:25 | Weblog
【写真:相谷熊原遺跡で出土した土偶(東近江市永源寺相谷町)】

 滋賀県文化財保護協会は5月29日、相谷熊原(あいだにくまはら)遺跡(東近江市永源寺相谷町)で、近畿では初となる縄文時代草創期(約1万3千年前)の竪穴建物群跡を発見、国内最古級の土偶1点が出土した、と発表した。同時期の土偶としては初の自立構造で、女性の体形を明瞭(めいりょう)に表現。建物も過去の発掘例には見られない規模で、同協会は「定住生活、集団生活の始まりが、草創期までさかのぼる可能性があり、当時の社会を考える大きな史料になる」と話している。

 土偶は高さ3・1センチ、最大幅2・7センチ、重さ14・6グラム。最も高い場所にある竪穴建物跡から、破損のない完全な形で出土した。乳房と腰のくびれがはっきりと表現され、底部を平らに仕上げ、自立できる構造になっている。頂部に小さな突起があり、深さ2センチのせん孔が施されていた。

 竪穴建物は5棟を確認した。全体像が判明した1棟は直径約8メートルの不整円形で深さは約0・6~1メートルあり、これまでに発掘された同時期のものより規模が大きかった。

 ほ場整備に伴い、昨年7月から、約4000平方メートルを調査した。

 現地説明会は、6月6日午前10時と午後1時半の2回開く。

(5月29日付け京都新聞・電子版)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100529000143&genre=M2&area=S00


【1005/212:知事選】上野氏、無所属で出馬

2010-05-30 23:20:10 | Weblog
 7月11日投開票の知事選に立候補する意思を固めている前自民党衆院議員で同県連会長の上野賢一郎氏(44)が、会長を辞任して離党し、無所属で選挙戦に挑むことが分かった。5月30日に開かれる県連役員会で方針が了承される。

 県連関係者によると、嘉田知事の県政運営に批判的な無党派の市長や各種団体の支援を得られるよう、無所属を選択。県連内部にも「自民党が一歩も二歩も引き、県民党として戦うべき」とする意見が多いという。

 県連は、知事選と同日選となる見込みの参院選滋賀選挙区で党公認の新人候補を擁立しているため、上野会長の辞任後に会長代行を置き、人選を急ぐ見通し。

 一方、再選を目指す嘉田知事は29日、大津市内で開かれた後援会主催の茶話会のあいさつで、上野氏の立候補に向けた動きについて触れ、「県民に(4年間の功績を)はっきりと言っていきたい」と強調。会終了後、取材陣に対し、「国政を目指している人が、県政でどういうビジョンを出してくれるのか」と上野氏の姿勢に疑問を呈した。

 知事選には、滋賀一般労組執行委員長の丸岡英明氏も立候補を表明している。

(5月30日付け読売新聞・電子版)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20100529-OYT8T00972.htm

【1005/211:公共交通機関】草津市「まめバス」試験運行 / 有料化、利用見極め  

2010-05-30 23:09:10 | Weblog
【写真:草津市が試験運行している「まめバス」。今夏をめどに有料となる(草津市野路1丁目・JR南草津駅前)】

 草津市は今夏をめどに、全区間無料で試験運行している小型乗り合いバス「まめバス」を有料にする。200円と100円の料金をそれぞれ試し、利用状況を見極めた上で試験運行終了後の料金設定や、各路線の存廃を判断する方針だ。市は「有料化からが本来の試験運行のスタート」としている。

 ■200円と100円今夏にも導入 料金や路線存廃判断

 5月17日。地域交通の在り方を考える「市地域公共交通会議」が市役所で開かれた。テーマは、まめバスの料金。事務局の市交通政策課によると、委員からは200円と100円の両方で運行する案が出たという。どちらの料金を先に実施するかは、市内を走る既存のバス路線やほかの自治体のコミュニティーバスとのバランスを考え、200円、100円の順で全路線一斉に導入することにした。

 ただ、導入期や実施期間は、近畿運輸局への申請から認可が下りるまで約2カ月かかると予想されることから、「8月か9月には有料運行に移行したい」(市交通政策課)と答えるにとどめている。

 まめバスは、公共交通空白地を解消する「市民の足」として、昨年10月28日から運行を始めた。国の緊急雇用対策事業で全額補助され、2012年3月末までを「試験運行」としている。今年3月末に計画していた7路線13系統がそろい、リース会社から借りた7台が無料で走っている。

 運行開始から7カ月がたった。市交通政策課によると、4月(運行日数25日)の調査では、全路線の1日平均利用者は約820人に上った。最も利用者が多かったのは、JR草津駅と南草津駅などをまわる「中心市街地線」の1日平均288人で、草津駅と市立図書館や北山田地区などをまわる「山田線」の同202人と続いた。最も利用者が少なかったのは「志津医大線」の同12人だった。

 利用者数や便数にひらきはあるが、無料運行が功を奏して市民の評判はいい。車内は、病院や買い物に行く高齢者や子どもを連れた母親の姿が目立つ。雨の日は通学を自転車からまめバスにかえる中高生の利用もある。週1回は中心市街地線で買い物などに出かける女性(80)は「いろんな路線があって便利」と話す。しかし、有料化については「無料だから乗っている。200円になれば草津-南草津間はJR(140円)を使う」とシビアな反応をみせた。

 市交通政策課の西岡善和課長は「お金がかかれば利用者は減ると思う。しかし、有料にしてどれだけの利用があるのかを把握することも試験運行の目的の一つ」と有料化への協力を求めている。

 有料でも利用を続けたいという声もある。山田線を利用している会社員女性(58)=木川町=は「町内の細い道を縫うように走ってくれる。高齢化が進んでいる地域なので自宅のそばにバス停があるのはありがたい」と利便性の高さを喜ぶ。

 市交通政策課は「まめバスは公共交通空白地の解消が目的。採算性の課題はあるが、路線を継続させて地域住民の足を確保したい」という。有料化後も路線ごとの学区や地域で住民が積極的に利用できるかが、今後の課題となるだろう。市民の足として定着するか、まめバスの行く末を見守りたい。

【関連ニュース番号:1005/49、5月10日;1001/27、1月6日;0910/187、09年10月24日】

(5月30日付け京都新聞・電子版)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100530000013&genre=A2&area=S00


【1005/210:県水防訓練】地元消防団ら河川の情報伝達確認/長浜で県水防訓練

2010-05-30 23:03:22 | Weblog
■750人参加

【写真:水防工法訓練に取り組む地元消防団メンバーたち(長浜市)】

 滋賀県水防訓練が5月30日、長浜市内の2カ所であり、湖北地域の消防団や自主防災組織、行政関係者など約750人が河川の危険情報の伝達や水防工法の訓練に取り組んだ。

 訓練は、台風接近による大雨で、高時川と姉川の水位が、水があふれる危険水位近くに上昇したと想定して実施した。

 高時川運動公園では、市などによる災害対策本部を設けて、午前8時半から開始。河川の水位や避難の情報伝達方法を確かめ、水防訓練にも取り組んだ。消防団や自主防災組織のメンバーが、消防署員の手ほどきで、土のうの積み方を学び、堤防の土砂崩れを防ぐ木やビニールシートを用いた水防工法の訓練を行った。

(5月30日付け京都新聞・電子版:31日付け毎日・中日の電子版も報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100530000090&genre=C4&area=S00
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100531ddlk25040288000c.html