滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【1005/123:口蹄疫】子牛確保に打撃

2010-05-18 23:47:10 | Weblog
【写真:宮崎県から買い付けた生後12か月の牛=近江八幡市安土町大中、松井牧場提供】

 宮崎県で猛威をふるう家畜の伝染病、口蹄疫(こう・てい・えき)の影響が近江牛に及び始めた。県内で感染例は確認されていないが、近江牛に育てる子牛の多くを宮崎産に頼る畜産農家は、最大の買い入れ先の惨状に不安を隠せない。県は5月17日、感染予防のための新対策を発表したが、子牛確保のめどは立っていない。(浅野有美、飯竹恒一)

■宮崎県産最大3割

 全国ブランドの近江牛は出生地を問わず、生後に最も長く過ごした飼育場所が県内である黒毛和種とされる。県畜産課によると、県内で飼育している約1万頭のうち、9割が県外産の子牛で、宮崎産子牛は最大の3割を占める。

 「全頭異常がないことを確認している」。県は17日、口蹄疫の感染が県内に及んでいないと発表した。

 3月以降に宮崎から県内に入った計271頭の子牛について、最長3週間の潜伏期間も踏まえた臨床検査を繰り返した結果、今月11日までに異常は確認していないという。さらに感染する可能性がある乳用牛や繁殖のための雌牛なども含めた約2万2千頭の牛と、約1万頭の豚についても、飼育する182の畜産農家に聞き取り調査を実施し、異常はなかったという。

 県は今後、飼料運搬車などの車両や農家に出入りする人の靴の消毒を徹底する方針。このため、畜産農家や県立農業高校の関係者を対象にした研修を今月19~21日に県内各地で開催する。畜産農家や県立農業高校に消毒薬として粉末炭酸ソーダを無償配布する方針だ。

 また、県内で感染があった場合には、即時に知事を本部長とする対策本部を立ち上げることも決めている。

■品質保持に不安

 感染の不安とは別に、宮崎を含む九州で子牛の市場がストップし、買い付けができなくなった余波が広がる。近江牛となる子牛の買い入れ先は宮崎のほか熊本、鹿児島など九州全体で6割を占める。

 「別の市場を探さなくてはいけないが、いつ入手できるかめどが立たない」。県内有数の頭数を飼育する竜王町山之上の澤井牧場では、毎月約80頭を九州から仕入れている。うち7割は宮崎産だが、今月は仕入れることができなかった。

 同町の別の牧場は今月、急きょ福島産の子牛約10頭を買い付けた。現在飼育している約500頭のうち半分は九州産で、今月入荷予定だった熊本産約20頭が入ってこなかったためだ。「来月も調達できるかわからない」という。

 近江八幡市安土町大中の松井牧場も、近江牛として育てている約200頭のうち8割が九州産。5、6月に予定していた計16頭の買い入れはできなくなった。「畜産業全体に影響が出ている。力になれることがあれば」と、全国の畜産農家とともに宮崎の農家への支援金を募っている。

 約50軒の畜産農家向けの子牛の買い付けを受託している全農しが畜産部の米谷幹男部長は「子牛の産地が変わると飼育方法やえさが変わり、今の品質を保てるかどうか不安がある。農家と相談しながら様子を見ている状況だ」と話している。

【関連ニュース番号:1005/111、5月18日】

(5月18日付け朝日新聞・電子版:同日付け京都・電子版なども報道)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001005180003
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100518000187&genre=C4&area=S00


【1005/122:カワウ被害】長浜・葛籠尾崎でカワウ営巣地 漁業や山林に被害拡大の恐れ

2010-05-18 23:35:23 | Weblog
【写真:カワウのふんの影響で白くなった葛籠尾崎の木の枝=長浜市で】

 琵琶湖最北部に浮かび、国内最大のカワウの集団営巣地(コロニー)がある長浜市の竹生(ちくぶ)島。2キロ北の対岸にある葛籠(つづら)尾崎(長浜市)でもコロニーが初めて確認された。竹生島では、アユなどが食べられる漁業被害が深刻化、ふん害により山林も枯死している。今後、葛籠尾崎でも被害拡大の恐れがあり、関係者を悩ませる。

 昨年8月と今年4月に漁業関係者や湖北野鳥センター(同市)の職員らが、葛籠尾崎の山林で群れを目撃。野生動物の調査会社「イーグレット・オフィス」(米原市)が5月9日に調べたところ、山林幅350メートルほどの範囲に、約820羽、268個の巣を確認した。既にふん害で枯れかかった樹木もあった。

 県によると、琵琶湖のカワウの生息数は、竹生島と、伊崎半島(近江八幡市)を合わせ3万~4万羽。周辺漁場では、アユなどが食べられる被害が見られ、県は昨春の個体数調査から食害を県全体で17億円とみている。竹生島では、ふん害や巣作りの際の枝折りで、山林14ヘクタールのうち杉やヒノキなど6~7割が枯死した。

 営巣地拡大は2008年度に中断した銃器駆除を09年度に再開した影響が考えられ、湖北野鳥センターの担当者は「竹生島のコロニーに人が出入りするのを嫌がり、葛籠尾崎に移ったのではないか」とみる。イーグレット・オフィスは「テンやアライグマといった天敵が現れない限り、被害が広がる恐れがある」と指摘する。

 県の特定鳥獣保護管理計画は、コロニーを確認した場合、駆除すると定めており、県自然環境保全課の担当者は「できるだけ増やさないようにしないといけない。対策を検討したい」と現場の個体数調査を始めた。  (浅井弘美)

【関連ニュース番号:1005/119、5月18日など】

(5月18日付け中日新聞・電子版)

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20100518/CK2010051802000002.html


【1005/121:外国人失業者支援】彦根で日系外国人の職業訓練始まる 国の支援事業

2010-05-18 23:30:10 | Weblog
【写真:職業訓練に臨む日系外国人ら=彦根市東沼波町で】

 人材派遣会社「アバンセコーポレーション」(愛知県一宮市)は5月17日、彦根市東沼波町の同社教室で、失業中の日系外国人の職業訓練を始めた。厚生労働省の緊急人材育成支援事業の一環で、滋賀労働局によると県内では初めて。

 県内の20~60代のブラジルやペルーの日系人計30人が、2カ月間で日本語やビジネスマナーを学び、同町の繊維資材製造会社「イグチ」で実習を4カ月間受ける。受講者に生活費月10万円が、アバンセ社には受講者1人につき月6万円が、国から支給される。

 ブラジル出身のアラキ・ネイデさん(52)は「日本語を覚えて、どんな仕事でも就きたい」と通訳を介して話した。イグチの伊丹豊二総務・経理部長は「内職仕事は人手が足りない。手が器用で日本語さえできれば雇える」と期待を寄せた。

 アバンセ社が中部を中心に派遣や請負で送り出している外国人はピーク時は3000人だったが、2009年3月には400人に激減。現在は1200人まで復調したが同社営業企画グループの西村英継グループ長は「状況は依然と厳しく、実習受け入れ企業は県内100社を回ってようやく見つけた。基本的なスキルを身に付け就職につながれば」と話している。 (伊藤弘喜)

(5月18日付け中日新聞・電子版:25日付け毎日・電子版も報道)

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20100518/CK2010051802000004.html
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100525ddlk25040482000c.html


【1005/120:児童虐待】児童虐待相談件数が前年度から2割増 / 滋賀県まとめ

2010-05-18 23:18:48 | Weblog
 滋賀県内の2009年度の児童虐待相談件数が2802件(人)と前年度から2割増になり、初めて子ども人口(18歳未満)の1%を超えたことが県のまとめで分かった。県は「通報を受けやすい態勢づくりが進んだ結果」とみている。また、家庭環境の改善に時間がかかり、一時保護の期間が長期化する傾向も明らかになった。

 2802件の内訳は、福祉事務所などを通じて相談を受ける市町分と、身体的虐待など深刻なケースを担当する県子ども家庭センターの分で、重複分を除いた。ネグレクト(育児放棄)が約5割を占め、身体的虐待が約3割と続く。虐待を受けたのは小学生以下が8割に達し、虐待者は実父母が約9割となっている。虐待による一時保護は306件で、前年度より32%増えた。

 県子ども・青少年局は「昨年から各市町で虐待情報を共有する協議会の設置が進み、学校や保育所から通報を受けやすくなった。早期発見で深刻化する前に支援につなげたい」としている。

 今回の結果では、虐待をなくす家庭環境の改善の長期化も鮮明になった。一時保護した日数の合計は、前年度より59%も増えて過去最多。親へのカウンセリングの実施などで時間がかかり、前年度から相談を継続している案件も市町分で25%増えた。

 虐待を受けて保護された子どもが、県の委託先の里親からさらに虐待を受けたケースも3件確認された。

【関連ニュース番号:1005/20、5月5日;1004/147、4月20日;1004/123、4月16日など】

(5月18日付け京都新聞・電子版:19日付け毎日・電子版、21日付け中日・電子版なども報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100518000200&genre=C4&area=S00
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100519ddlk25040520000c.html
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20100521/CK2010052102000003.html


【1005/119:カワウ対策】森林や漁業に被害 カワウ駆除 / 近江八幡・銃器捕獲

2010-05-18 23:08:17 | Weblog
【写真:カワウに銃を向ける猟友会の会員(近江八幡市・伊崎国有林)】

 森林や漁業に被害を与えるカワウの銃器捕獲が、営巣地である近江八幡市・伊崎半島と長浜市・竹生島の森林で県猟友会により実施されている。ことしは約4万羽が飛来してくると想定、うち約2万羽を駆除目標に掲げている。5月18日は伊崎半島で行われた。

 竹生島と伊崎半島はカワウの営巣地で、春から夏にかけて生息するとされている。伊崎国有林の生息抑制区域は約18ヘクタールあり、猟友会の12人がカワウのふんで白色に変わった木々の道を通り抜け、無数に飛び交うカワウを狙い、銃音を響かせた。

 滋賀県などによると、カワウによる河川や琵琶湖に住む魚の捕食の被害は年間約17億円に上り、竹生島の森林の約6-7割、伊崎国有林の約3割が、枝折れなどの被害を受けているという。

【関連ニュース番号:1004/125、4月17日;1003/84、3月10日など】

(5月18日付け京都新聞・電子版:19日付け毎日・中日の電子版なども報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100518000156&genre=H1&area=S00
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100519ddlk25040515000c.html
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20100519/CK2010051902000011.html