昨日12月4日、令和元年11月臨時会議を終えました。第77号議案 島本町建築物の高さ制限に関する条例の制定について、島本町議会は賛成少数で否決しました。
とだ*やすこは反対しました。※賛成2名:中田みどり(人びとの新しい歩み)河野恵子(日本共産党)敬称略
条例案は、地方自治法第74条に基づく住民直接請求によるものでした。2661名もの方が署名されていること(有効署名数2598筆)、住民から求めた高さ制限であることで報道各社から注目されました。
直接請求の条件、有権者数の50分の1以上(516筆以上)をはるかに超える署名数。町域内に建物の高さ制限が必要と思っておられる方の民意が、町長と町議会に示され、町長が「制定すべきではないもの」と意見を添えて提案、議会がこれを審議しました。
昨日12月4日、本会議場にて、冒頭、請求代表者から6名の方が意見陳述に立たれました。市民が議場に登壇するのは島本町議会の歴史上、初の出来事!素晴らしく堂々たる陳述を背筋が伸びる思いで拝聴しましたが、とだは、ご期待には添えなかったことになります。
ここに議場で発言したことを2回にわけて記し、議決に対する説明責任を果たします。まず、まちづくりへの思い、そして次に本条例案に賛成しかねる理由です。
建築物の高さ制限に関する条例の制定について
とだ*やすこのまちづくりへの思い
複数の大型開発で、高層マンションの谷に潜むように暮らすことになる島本町民の失望はいかばかりか。なぜ、こんなことになってしまったのか。←都市計画審議会にて公募委員がおっしゃったこと、折に触れ引用させてもらっていますm(__)m
わがまち島本は、水無瀬川と北摂山系が織りなす風光明媚な地域特性を尊重しこれを活かすまちづくりができているとはいえません。
都市計画法に基づき最高限度高度地区を設け、建築物の高さを制限することができたのに、それを怠った結果、後鳥羽院ゆかりの離宮跡地や日本ウイスキーの発祥の地という歴史文化的魅力を十分に継承することができていません。
仮に、島本町が過去のある時点で、地域ごとの特徴を活かし、最高限度高度地区を導入していれば、北摂山系、天王山を背にした街並み・景観・眺望を分断してしまうような高い建物の乱立は避けられました。
はたして本町は、町長が意見書で述べておられるように、地区別に適正なまちづくりを実施してきたのでしょうか(町長としては、これまでできていませんでしたとはいえない?)。たとえば、わたしの住んでいる山崎地区です。
京都西山、天王山につながる山並みと奥深い谷の景観、西国街道の風情とサントリー山崎蒸溜所の近代建築が溶け合う風光明媚な地区であったはずですが、複数のマンションが建ち並び、淀川対岸の男山との連続性も失われました。
世界に誇れるジャパニーズウイスキー発祥の地としての魅力は企業努力によってかろうじて支えられているといっても過言ではありません。
いうまでもなく、これは単に街並み・景観・眺望の問題ではなく、島本町のあらゆる施策に関連する人口に関わる重大課題です。近年の急激な人口増は島本町にさまざまな課題をもたらしました。深刻な待機児童数はその最たるものです。
過去、昭和後期には、都市への人口流入に応えるかたちでベットタウンとして島本町は発展してきました。その歴史的文脈のなかで、わたしもこの島本に住み、暮らしています。しかし、これからはどうでしょう。既に人口減少、世帯数減少時代に突入しています。
人口を構成する年齢も高度成長期とは異なっています。住宅開発により人口が増えたら町が発展するという時代ではありません。これからは都市の美しさが問われる、わたしは、そう確信しています。
もちろん人口適正規模を維持し、町税収入増をはかる必要はあります。しかし、これを開発に頼ってしまえば、都市間競争で疲弊する、住環境が悪化する、公共施設整備が負担になる、まちの空洞化を招くなど、むしろマイナスの要因が懸念されます。
実際、今、保育教育施設の加速化的な整備に追われ、これがひとつの要因となり、今後の財政収支の見通しは極めて厳しいものになると公表されているではありませんか。
また、今の消防力で高層マンションの火災に対応できるのか、増え続ける救急搬送を担えるのか、大規模災害時に避難所は足りるのか、限られた職員数で多種多様な災害対策に向き合えるのか、高層マンションは電気が止まれば水道も止まる、などの視点も欠かせません。
求められる住民サービスは複雑多様化しており、それを必要とする人口が増えるだけで、まちの担い手となる「関与人口」が増えなければ、基礎自治体は疲弊するばかり、活性化どころではないのです。
予測できる社会情勢に向き合い、戦略を持って都市の美しさと暮らしやすさを維持発展させる、その主体は常に島本町にあります。
近年、町域内において中高層マンションなどの建設が相次ぐことになったのは、島本町が都市計画に基づく「最高限度高度地区」や「地区計画」を定めていなかったからであり、また、景観条例の制定や景観計画の策定に極めて消極的であったからです。
「建築基準法」にある全国共通の建物の高さ制限とは別に、島本町独自に高さ制限を定めていれば、本請求の趣旨にあるように「島本町の恵まれた環境を保全し、良好な住環境、地域環境の実現を図り、未来へ引き継ぐ」ことができたのです。本条例案の審議に際し、今、改めて、このことを強く思います。
さて、本条例案は、地方自治法第74条に規定されている住民による直接請求によるものです。本条例案について、制定すべきではないという意見書(町長)や制定すべきではないと判断すること(議員・議会)が、直接請求権への尊重を欠いているかというと、決してそうではないはずです。←ここ重要
条例の直接請求の法的根拠である地方自治法第74条は、参政権を約束する重要な規定ですが、たとえ、署名数がどれほど多くても、それがそのまま建築物の高さに制限を設ける法的根拠にはなり得ない、ととだ*やすこは考えます。
つづく
画像
音楽の力をかりて思いをお伝えしました
長文の速報になっていますので難解です
地方自治法第74条に基づく住民直接請求
その思いに応えられない「反対」表明は
わたしにとって政治生命を揺るがす判断
高さ制限、直接請求に反対したのではなく
本条例案の内容に対する審議、採決でした
とだ*やすこは反対しました。※賛成2名:中田みどり(人びとの新しい歩み)河野恵子(日本共産党)敬称略
条例案は、地方自治法第74条に基づく住民直接請求によるものでした。2661名もの方が署名されていること(有効署名数2598筆)、住民から求めた高さ制限であることで報道各社から注目されました。
直接請求の条件、有権者数の50分の1以上(516筆以上)をはるかに超える署名数。町域内に建物の高さ制限が必要と思っておられる方の民意が、町長と町議会に示され、町長が「制定すべきではないもの」と意見を添えて提案、議会がこれを審議しました。
昨日12月4日、本会議場にて、冒頭、請求代表者から6名の方が意見陳述に立たれました。市民が議場に登壇するのは島本町議会の歴史上、初の出来事!素晴らしく堂々たる陳述を背筋が伸びる思いで拝聴しましたが、とだは、ご期待には添えなかったことになります。
ここに議場で発言したことを2回にわけて記し、議決に対する説明責任を果たします。まず、まちづくりへの思い、そして次に本条例案に賛成しかねる理由です。
建築物の高さ制限に関する条例の制定について
とだ*やすこのまちづくりへの思い
複数の大型開発で、高層マンションの谷に潜むように暮らすことになる島本町民の失望はいかばかりか。なぜ、こんなことになってしまったのか。←都市計画審議会にて公募委員がおっしゃったこと、折に触れ引用させてもらっていますm(__)m
わがまち島本は、水無瀬川と北摂山系が織りなす風光明媚な地域特性を尊重しこれを活かすまちづくりができているとはいえません。
都市計画法に基づき最高限度高度地区を設け、建築物の高さを制限することができたのに、それを怠った結果、後鳥羽院ゆかりの離宮跡地や日本ウイスキーの発祥の地という歴史文化的魅力を十分に継承することができていません。
仮に、島本町が過去のある時点で、地域ごとの特徴を活かし、最高限度高度地区を導入していれば、北摂山系、天王山を背にした街並み・景観・眺望を分断してしまうような高い建物の乱立は避けられました。
はたして本町は、町長が意見書で述べておられるように、地区別に適正なまちづくりを実施してきたのでしょうか(町長としては、これまでできていませんでしたとはいえない?)。たとえば、わたしの住んでいる山崎地区です。
京都西山、天王山につながる山並みと奥深い谷の景観、西国街道の風情とサントリー山崎蒸溜所の近代建築が溶け合う風光明媚な地区であったはずですが、複数のマンションが建ち並び、淀川対岸の男山との連続性も失われました。
世界に誇れるジャパニーズウイスキー発祥の地としての魅力は企業努力によってかろうじて支えられているといっても過言ではありません。
いうまでもなく、これは単に街並み・景観・眺望の問題ではなく、島本町のあらゆる施策に関連する人口に関わる重大課題です。近年の急激な人口増は島本町にさまざまな課題をもたらしました。深刻な待機児童数はその最たるものです。
過去、昭和後期には、都市への人口流入に応えるかたちでベットタウンとして島本町は発展してきました。その歴史的文脈のなかで、わたしもこの島本に住み、暮らしています。しかし、これからはどうでしょう。既に人口減少、世帯数減少時代に突入しています。
人口を構成する年齢も高度成長期とは異なっています。住宅開発により人口が増えたら町が発展するという時代ではありません。これからは都市の美しさが問われる、わたしは、そう確信しています。
もちろん人口適正規模を維持し、町税収入増をはかる必要はあります。しかし、これを開発に頼ってしまえば、都市間競争で疲弊する、住環境が悪化する、公共施設整備が負担になる、まちの空洞化を招くなど、むしろマイナスの要因が懸念されます。
実際、今、保育教育施設の加速化的な整備に追われ、これがひとつの要因となり、今後の財政収支の見通しは極めて厳しいものになると公表されているではありませんか。
また、今の消防力で高層マンションの火災に対応できるのか、増え続ける救急搬送を担えるのか、大規模災害時に避難所は足りるのか、限られた職員数で多種多様な災害対策に向き合えるのか、高層マンションは電気が止まれば水道も止まる、などの視点も欠かせません。
求められる住民サービスは複雑多様化しており、それを必要とする人口が増えるだけで、まちの担い手となる「関与人口」が増えなければ、基礎自治体は疲弊するばかり、活性化どころではないのです。
予測できる社会情勢に向き合い、戦略を持って都市の美しさと暮らしやすさを維持発展させる、その主体は常に島本町にあります。
近年、町域内において中高層マンションなどの建設が相次ぐことになったのは、島本町が都市計画に基づく「最高限度高度地区」や「地区計画」を定めていなかったからであり、また、景観条例の制定や景観計画の策定に極めて消極的であったからです。
「建築基準法」にある全国共通の建物の高さ制限とは別に、島本町独自に高さ制限を定めていれば、本請求の趣旨にあるように「島本町の恵まれた環境を保全し、良好な住環境、地域環境の実現を図り、未来へ引き継ぐ」ことができたのです。本条例案の審議に際し、今、改めて、このことを強く思います。
さて、本条例案は、地方自治法第74条に規定されている住民による直接請求によるものです。本条例案について、制定すべきではないという意見書(町長)や制定すべきではないと判断すること(議員・議会)が、直接請求権への尊重を欠いているかというと、決してそうではないはずです。←ここ重要
条例の直接請求の法的根拠である地方自治法第74条は、参政権を約束する重要な規定ですが、たとえ、署名数がどれほど多くても、それがそのまま建築物の高さに制限を設ける法的根拠にはなり得ない、ととだ*やすこは考えます。
つづく
画像
音楽の力をかりて思いをお伝えしました
長文の速報になっていますので難解です
地方自治法第74条に基づく住民直接請求
その思いに応えられない「反対」表明は
わたしにとって政治生命を揺るがす判断
高さ制限、直接請求に反対したのではなく
本条例案の内容に対する審議、採決でした