一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

四十二たび大野教室に行く(その3)・勝ちに不思議の勝ちあり

2013-03-12 00:34:29 | 大野教室
(再掲)
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1三歩、2一桂、2三玉、2四銀、2五歩、3一飛、3四金、4二金、4四歩、5三銀、5四歩、7四歩、8一桂、8四歩、9一香、9三歩 持駒:歩2
下手・一公:1七歩、1九香、2九桂、3六金、3八飛、4六歩、5六歩、5七銀、6五歩、6七銀、6九玉、7六歩、7八金、8七歩、8八角、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩2
(▲6五歩まで)

以下の指し手。△3五金▲同金△同銀▲2二歩△同玉▲2四歩 まで、一公の勝ち。

△3五金▲同金△同銀。私の右ではFuj氏が、自分の将棋そっちのけでこちらの行方を見ている。「下手劣勢ですねえ」と顔に書いてある。私も「もうダメだよお」と泣き言を言うが、私には狙っていた手があった。
▲2二歩△同玉▲2四歩。驚くなかれ、これで上手、受けがない。
A△2四同銀は▲2三金△同玉▲3一飛成。B△3三金は▲3五飛。C△1二金なら受かるが、こんな手はバカバカしくて指せない。
大野八一雄七段はD△3四飛と指したが、自身で決め手を見つけてしまい、ここで投了となった(▲4五金!がある)。
感想戦。△3五金では、△3五歩▲3七金△3三桂だった、と大野七段。これなら下手は本心から、泣き言を言うところだった。
「死んだフリをしてました」
「下手が死んだフリをして上手を騙すなんて」
という和やかな会話があったが、私もあまり喜べる勝ちではなかった。
3局目はHanaちゃんと指す。Hanaちゃんは最近居飛車を勉強し始め、将棋に幅がでてきた。ただし、いままでは真ン中に飛車を振ってガンガン攻めるだけでよかったが、居飛車は細かい指し方を要求される。たとえば横歩取りの将棋では、定跡の中にいくつもの落とし穴があるし、いままでのようにはいかないはずだ。しかしそれだけに、勉強のしがいもある。
私の先手で、横歩取りに進む。△3三角~△8五飛なら角を換わって▲9六角で脅かすつもりだったが、Hanaちゃんは角を換わって△7六飛ときた。相横歩取りだ。
…▲4六角△8二角▲同角成△同銀▲5五角△8五飛▲8六飛△同飛▲同銀。
ここでHanaちゃんは△7三銀と指したが、どうだったか。私は労せずして▲1一角成と香得し、指し易くなった。
本局は持ち時間30分・秒読み30秒。早指しの私が、ここまで15分以上使っている。前回宣言したとおり、本局は全身全霊をかけてHanaちゃんを倒しにかかっているのだ。
数手進んで、▲1三竜、△3二銀・4二銀の局面で、Hanaちゃんは△5四香。これを▲5八金と受けると、△5七香成▲同金△3五角で厄介である。
私は▲5六歩と突いたが、これが決め手。△同香は▲5八歩で受け切り。ここでHanaちゃんは長考に入った。決定的にHanaちゃんが悪く、どう攻めても自滅する。どうするかと見ていると、Hanaちゃんはじっと△4一銀と引いた。
攻めれば負けを早める。ならばまた来る春を楽しみにと、じっと遊び駒を活用する。実に落ち着いた手で、本局、私が最も感心した一手である。こんな手が指せるのなら、Hanaちゃんの女流棋士の道も近いと思った。
数手後、△7六銀に、私は▲6六の桂を飛車取りと7四に跳ねる。これでHanaちゃんの投了。△7四同玉は▲3六の竜で▲7六竜とし、先手必勝である。結局△5四香は、あれから一手も動かなかった。
Hanaちゃん、私に思わぬ負けを喫し、腐っているかと思いきや、感想戦では△7三銀に代えて△2八歩以下の定跡を、興味深く聞いていた。これは見事な姿勢である。繰り返すが、今後のHanaちゃんに期待大だ。
4局目。大野七段がN氏との将棋を勧めてくれたが、N氏はSat-Ma戦の観戦に忙しく、パス。私はMinamiちゃんと指すことになった。
私の二枚落ち。私は趣向を変えて矢倉に組むが、あまりよくなかった。
△7五同飛の銀交換に私は▲7六金と上がる。Minamiちゃんは△7四飛とひとつ引いたが、ここでは△7六同飛▲同銀、△6六角もあったかもしれない。
これは次に△4八金▲4六玉△5七銀までの詰めろ。それを▲5七銀と受ければ、△9九角成としてどうか。もっともMinamiちゃんにそこまで指されたら手合い違いだ。下手が上手に勝つコツは、下手はこんな手を指さないだろうと、神経を図太くすることである。
私は▲7五銀から▲7四歩とし、と金を作る。しかしMinamiちゃんも△1三角と反撃する。このノゾキが存外厳しく、角筋を防いで▲3五桂と犠打を放つようでは、上手も容易でない。
かなりもつれたが、最後は私の辛勝。しかし先にも書いたが、Minamiちゃんは本当に強くなった。駒が中央、中央へと向かうようになった。これは棋力が上がったらそうなる、というものではなく、天性のセンスがなければならない。
きょうの対局はこんなところか。4勝0敗は出来過ぎだった。
と、指導対局を終えた植山悦行七段が洋間に来た。盤上には、大野-一公戦の終了局面がまだ残っている。私は終了直前の状況を説明した。大野七段もその中に入り、プチ感想戦の再開となった。
▲2二歩に△3六歩は▲2一歩成△同飛は「▲4七桂か」と植山七段。さすがにプロの読み筋は同じだ。だから△3六歩で「△3七歩」(大野七段)と打ってみる。▲同飛△3六歩▲3一と△3七歩成▲同桂△3九飛▲6八玉△3七飛成はどうか。
これはむずかしい戦いだが、下手は7七~8六~9七と逃げる手があり、序盤でさりげなく突いた「▲9六歩がよく利いている」(植山七段)。しかし上手陣の上部も広く、上手ペースの戦いだった。
しばらく経って、植山七段が
「この間のNHK杯では、ひどい将棋を指しましたよ」
と言った。
(つづく)
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四十二たび将棋教室に行く(その2)・巧妙に緩めていただく

2013-03-11 00:29:21 | 大野教室
(再掲)
上手(角落ち)・植山七段:1一香、1七歩、2三銀、2四歩、3二玉、4三金、4五桂、6三歩、7二飛、8一桂、8五歩、9一香、9三歩 持駒:金、歩
下手・一公:1六歩、1九香、2五歩、2八飛、3七角、3九玉、5六歩、5七金、6六歩、7六歩、7七銀、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:金、銀2、桂、歩5
(△4五桂まで)

以下の指し手。▲3八歩△3六歩▲5五角△3七金▲4四歩 まで、一公の勝ち。

△4五桂には▲9一角成を考えたが、△5七桂成とされ、金2歩を持たれて気持ちが悪い。
私は▲3八歩と打った。これに△5七桂成なら▲2四歩と取りこんで一手勝ちという読み。また△3七桂成なら▲同歩で、角金歩なら寄りはないと思った。
とはいえこの数手前までは下手が十分と見ていたから、ここまで食いつかれているということは、下手がやり損なったのだ。
植山悦行七段は、△3七桂成は味消しと見て△3六歩。私は香を取りたいのをこらえて、▲5五角。植山七段は△3七金と重ねてきたが、私は構わず▲4四歩。
ここで植山七段が数秒考えて、投了した。
しかし私は釈然としない。上手のシャニムニ攻めに、潰された気がしていたからだ。どうもおかしい。
たとえば投了の局面で、△2八金▲同玉△4四金とする手はどうか。以下▲4四同角△3七歩成▲同歩△4八飛▲3八金(▲1七玉が正着)△3七桂成▲同玉△4四飛成…。
そのほかにもいくつかマギレがありそうだ。どうも、「終盤まで下手にうまく指されたら、最終盤でよくなっても投了する」という「植山美学」が表れた気がしてならなかった。
感想戦。私の▲7六飛の構想は、やはり無謀だったらしい。そこからは植山七段の優位に進んだが、△3四銀、▲2六角・3六銀の局面で、植山七段が△1三桂と跳ねた手が疑問で、▲2六角をサッと5九に引かれ、マズくした、とのことだった。
いずれにしても、僥倖の勝利だった。
続けて大野八一雄七段との対局。もちろん角を落としていただく。
私は居飛車の立ち上がりから2筋の歩を換え、続けて3筋の歩も換えにいく。
大野七段は、△2三歩は甘受しても、3筋の歩は謝らない。必ず盛り上がってくる。私もそれは分かっているのに、対策のないまま作戦負けに陥る。本局もそうなった。思うのだが、3筋の歩交換は下手がおもしろくないのかもしれない。
大野七段は△2三玉から△3一飛と回ってますます好調。私は左辺も駒が働いておらず、ここでは敗勢に近い。大駒を働かせなければしょうがないと、▲6五歩と突き越した。
ではその局面の駒の配置を示す。

上手(角落ち)・大野七段:1一香、1三歩、2一桂、2三玉、2四銀、2五歩、3一飛、3四金、4二金、4四歩、5三銀、5四歩、7四歩、8一桂、8四歩、9一香、9三歩 持駒:歩2
下手・一公:1七歩、1九香、2九桂、3六金、3八飛、4六歩、5六歩、5七銀、6五歩、6七銀、6九玉、7六歩、7八金、8七歩、8八角、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩2

ところがここから、6手で終わる。すなわち、私が勝つのである。
(つづく)
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四十二たび大野教室に行く(その1)・相手の手を見るのが大事

2013-03-10 00:19:09 | 大野教室
2日(土)は、埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。
午後1時35分ごろ、教室のドアを開けて中に入ると、講師の大野八一雄七段が5面指しを行っていた。Sat氏、Na氏、Ii君、Akiちゃん、Aoさんといつもの面々。手前の机では、Fuj氏がMinamiちゃんに、学校の勉強を教えていた。
奥の部屋では、植山悦行七段がMa君、Hanaちゃんに指導を行っていた。
きょうは植山七段から先に教えを請う。手合いはもちろん角落ちである。直近の3局(香落ちを除く)は私の3連勝だが、こんなものは植山七段のサジ加減でどうにでもなるわけで、全然自慢にならない。
植山七段に少しでも本気を出していただく。これが現在の課題である。
△6二銀▲7六歩△7四歩▲2六歩△7三銀。
3手目に植山七段は変化してきた。これももちろん一局だが、王道から外れた感じで、ありがたい気がした。
私はこの銀を狙って、浮き飛車から▲7六飛とひねる。しかしこれはあまりにも突っ張り過ぎで、作戦負けに陥った。
私の右では、Hanaちゃんが飛車落ちで教わっている。私は、Hanaちゃんには連戦連敗。そのHanaちゃんが植山七段に飛車落ちというのは解せない。早く飛車落ちを卒業してもらわないと、こちらが困る。
しかし局面を覗くと、きょうもHanaちゃんの具合が悪い。Hanaちゃんの無鉄砲な攻めが、植山七段にいなされている感じだ。
背後ではFuj氏とMinamiちゃんの二枚落ち戦が行われていたが、Minamiちゃんが快勝したようだ。Minamiちゃんは本当に強くなった。
Fuj氏も植山七段の指導対局に入る。「矢倉を教えてください」と、平手での対戦になった。
私は一手一手熟考を続ける。以前植山七段に諭された「もっと一局の将棋を大事にしないと」を実践しているのだ。
植山-Fuj戦は、Fuj氏の敗勢。▲5八飛・6八角に△6七成桂の両取りがかかっているうえ、△8六歩と金頭に叩かれた。△4二角がいるので、この歩は取れない。
ここが投了の時期か…と見ていたら、Fuj氏が「Fuj流で…」と▲5三桂(▲5四に歩がいる)と打った。金損を甘受して、角の利き筋を止めたのだ。
しかしこれはないだろう、これは。少なくとも指導対局では、これ以上の指し手に意味を感じない。さすがに植山七段も呆れて?「これでやめましょう」と終わりになった。まあ、そうであろう。
感想戦を横で聞いたが、植山七段の講義は論理的で分かりやすい。この名講は、もっと世の中に知られていいと思う。
同じ席にAoさんが座り、植山七段に二枚落ちで教えを請う。△6二銀▲7六歩△5四歩▲5六歩。
これではのちに△4四歩と突かれてしまうから、▲4六歩と突くよう、みなで教える。
△5三銀▲5六歩。Aoさんはどうしても▲5六歩が突きたいようだ。以前大野七段に、「△5五歩と突かれる恐れがあるから、▲5六歩を早めに突きましょう」と言われたのを守っているわけだが、それより優先すべきは▲4五歩である。当然この手は大野・植山両七段からいの一番で教わっているわけだが、すっかり失念している。
植山七段ももう何も言わず、△3二金。Aoさんは時間差で▲4五歩と突き、左銀を一目散に4六まで持っていった。
Aoさんは講義で銀多伝を教わった。それには「左4六銀」が形なのだが、あまりにもパッパッパッ指すので、上手の指し手に呼応していない感じがする。手の意味を考えていない。
前も書いたが、Aoさんは相手の手を見ないで指すところがある。まあ、手前から4段目までを自分の陣地とするならば、多少の手順前後も構わないだろう。
しかし▲4五歩の位取りは、双方5段目の境界線に侵入する手だから、指せるときに指さなければならない。相手が植山七段だから、手が遅れても△4四歩は見送ってくれるけれど、私相手ならどうか。素知らぬ顔で△4四歩と突くかもしれない。
Aoさんはその後もふつうに指しているが、よく見ると上手の左銀が5三にいる。Aoさんが▲3五歩を突き忘れたためで、さすがに植山七段も、△2二銀とは上がれなかったらしい。
Aoさんの二枚落ち卒業は、当分先であろう。
ここで3時休み。私はまだ植山七段との対局中で、指導対局の1局目から中断したのは珍しい。
さっき私の右にいたHanaちゃん、メガネを外して、コンタクトレンズにしたようだ。…と思ったら、それはAkiちゃんだった。このふたりは全く見分けがつかない。
Akiちゃんは現在、日本将棋連盟の研修会でC2クラスである。C1に昇級したら、女流棋士になるそうだ。もしそうなったら、Aki先生と呼ばねばならない。
詰将棋を解くのもそこそこに、10分程度で再開となった。
私の飛車は、2四→2六→7六→7七→6七→6八→2八→5八→3八と迷走し、現在は2八にいる。私のハチャメチャな指し手に、植山七段も困惑しているようだ。途中、植山七段が何か疑問手を指したらしいのだが、どこがそうなのか、私のチカラでは分からない。
植山七段、△3六銀とすりこんでくる。次に△2七銀打の飛車殺しがあるから私は▲2七歩だが、「にゃにおう!!」と植山七段は怒って、総攻撃をかけてきた。
では、最終盤の局面を以下に記そう。

上手(角落ち)・植山七段:1一香、1七歩、2三銀、2四歩、3二玉、4三金、4五桂、6三歩、7二飛、8一桂、8五歩、9一香、9三歩 持駒:金、歩
下手・一公:1六歩、1九香、2五歩、2八飛、3七角、3九玉、5六歩、5七金、6六歩、7六歩、7七銀、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:金、銀2、桂、歩5

△3七銀▲同桂△同歩成▲同角△4五桂まで。角金両取りがかかって、下手が危うい、というところ。
しかしここから5手で終わる。
(つづく)
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第4回 勝手にマッカラン勝負(倉敷藤花戦)

2013-03-09 00:11:30 | マッカラン勝負
8日のWBC「日本×台湾」戦は、いい試合だった。

8日、日本将棋連盟とLPSAから、第21期倉敷藤花戦トーナメントの組み合わせが発表された。
当ブログではここ3年、このトーナメント表をお借りして「勝手にマッカラン勝負」をやっている。これはLPSA女流棋士を対象にし、私が提示した条件をクリアすれば、1万円相当の商品を勝手にプレゼントする、というものである。
第1回マッカラン勝負は2010年の第18期から。このときの条件は一律4連勝だったが、厳しすぎたのか、達成者は出なかった。

[2010年・第1回]
中井広恵女流六段…○○○●
蛸島彰子女流五段…●
山下カズ子女流五段…●
石橋幸緒女流四段…○●
藤森奈津子女流三段…●
船戸陽子女流二段…○●
中倉宏美女流二段…○●
鹿野圭生女流初段…○●
大庭美樹女流初段…●
松尾香織女流初段…○●
中倉彰子女流初段…○●
島井咲緒里女流初段…●

そこで2011年の第2回は中井女流六段と石橋女流四段は3連勝、それ以外の女流棋士は2連勝でクリアとした。
これはかなり大甘な条件だったが、中井女流六段と石橋女流四段以外の女流棋士の星が全く伸びず、4回戦で中井女流六段と石橋女流四段の直接対決を石橋女流四段が制して、マッカラン獲得となった。
なおこのときの賞品は、石橋女流四段の意向により、ガールズ将棋プロジェクトに、1万円の寄付をさせていただいた。

[2011年・第2回]
中井広恵女流六段…○○●(対石橋女流四段)
石橋幸緒女流四段…○○○(対中井女流六段)●→3連勝で条件クリア
蛸島彰子女流五段…●
山下カズ子女流五段…●
鹿野圭生女流二段…○●
船戸陽子女流二段…○(対宏美女流二段)●
中倉宏美女流二段…●(対船戸女流二段)
大庭美樹女流初段…●
松尾香織女流初段…●
中倉彰子女流初段…●
島井咲緒里女流初段…●

2012年の第3回も、第2回と同じ条件とした。
ここでも中井女流六段、石橋女流四段以外の女流棋士はからきしダメ。中井女流六段が気を吐き、挑戦者決定戦に進出したが、矢内理絵子女流四段に屈した。
とはいえ中井女流六段は堂々の4連勝で、マッカラン獲得となった。このときは中井女流六段に、コーヒーカップとドリップコーヒーをプレゼントした。

[2012年・第3回]
中井広恵女流六段…○○○○●→4連勝で条件クリア
石橋幸緒女流四段…○○●
蛸島彰子女流五段…●
鹿野圭生女流二段…●
船戸陽子女流二段…●
中倉宏美女流二段…●
島井咲緒里女流二段…○(対美樹女流初段)●
大庭美樹女流初段…●(対島井女流二段)
中倉彰子女流初段…●

さて、第4回である。今年は中井女流六段から渡部愛LPSA3級まで、11人が参戦する。
クリアの条件は前回と同じ。中井女流六段と石橋女流四段は3連勝、それ以外の女流棋士は2連勝とする。
今期のトーナメント表を見ると、中井女流六段は4回戦で当たるであろう、清水市代女流六段との一戦がカギ。
石橋女流四段は3回戦で当たるであろう、上田初美女王との一戦がカギとなる。
船戸女流二段は、1回戦で北村桂香女流3級、2回戦で室田伊緒女流初段と茅原有希アマの勝者と当たる。船戸女流二段が持てる力をすべて出せば大丈夫、必ず勝てる。
渡部LPSA3級は、1回戦で中村桃子女流1級、2回戦で山口恵梨子女流初段と当たる。厳しい相手ではあるが、渡部LPSA3級の実力なら、絶対勝てる。
ほかの女流棋士は相手が悪く、見込みなし。勝ってもせいぜい1局だろう。
今回の出費は、最大9万円。私に全額出させるつもりで、どうか皆さま、頑張ってください。
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将棋ペンクラブ将棋会(後編)

2013-03-08 00:11:51 | 将棋ペンクラブ
上野裕和五段はC級2組所属の中堅棋士で、かつて理事も務めたことがある。ほとんど知られていないが、当時は縁の下の力持ちとして、大車輪の活躍だった。
その後上野五段は理事選に落ち、現在に至る。なぜに上野五段のような良識派が落ちるのか、投票する棋士の思考回路はよく分からぬ。
昨年はめでたく結婚。「将棋序盤ガイド・振り飛車編」を上梓し、そちらの売れ行きも好調らしい。今回上野五段が参加に至ったわけはよく分からぬが、会員の中に知己がいたのだろう。
その上野五段には昨年秋「大野教室」でお会いし、角落ちで指導対局をいただいた。その将棋は中盤までこちらが優勢だったのに、終盤でうっちゃられた。まるで何かに魅入られたようで、私は棋士の懐の深さを、身をもって感じたのだった。
上野五段がいらっしゃれば、当然指導対局と相成る。最初はマグネット盤を出したが、棋士相手にそれはちょっと…ということで、板盤と掘り駒を出した。居酒屋でも将棋盤を出して平然としているのは、ジョナ研と何ら変わらない。
なおこの掘り駒はOh氏所有の逸品。Oh氏は駒製造の仕事をしているらしい。
といっても指すのはM氏。まずは二枚落ちで挑戦した。私たちは雑談のつづき。
A氏がつげ義春のエッセイ本を出す。マンガ家・つげ義春といえば怪作「ねじ式」で有名だが、エッセイも出していたらしい。
そのエッセイの中のフレーズと、私がエントリした文章の中に、酷似した表現があるという。
これはもちろん偶然だが、A氏はつげ義春の文章を評価しており、ここで改めて、私の文章の確かさを再認識したとのことだった。
もっとも私は、文章はうまくない。A氏はここを錯覚している。
上野五段-M氏の指導対局は、M氏の勝ち。M氏が手強いと見た上野五段は矢倉に変化したのだが、それでも的確に咎められたという。
続いてOg氏が角落ちで挑む。言うまでもないが、みんな将棋が好きである。
私たちは雑談の続き。こういうダラダラした時間がなんとも心地よい。
指導対局はOg氏の勝ち。飛車を見捨てて切り込んでいった手が好判断だったようだ。
さらにKun氏が角落ちで挑む。それが終盤戦に入ったころだったか、そろそろ「締め」の時間が来た。飲み放題メニューなので、「持ち時間」も決まっていたのだ。
しかしここでお開きにはできない雰囲気である。私たちはいったん会計を済ませ、改めて入店、という形を取った。
ところがここからすごいのが将棋ペンクラブで、仕切り直しとなったのに、ほとんどの会員が新規の注文をしない。これでは、追加料金なしで居座ってしまった形である。私はウーロン茶を頼んだが、気が気でなかった。
上野五段-Kun戦もKun氏の勝ち。将棋ペンクラブもなかなかの手練れがそろっている。
私と上野五段は、部屋の隅のところで隣り合わせになっている。「ところで…」と上野五段が私に切り出し、しばし政治の話になった。
腹を割って話し合う。お互い唸るところもあり、実に有意義な時間となった。
ところで上野五段は現在、順位戦C級2組で降級点2つ。今期の成績も3勝6敗で、3月に行われる最終局に敗れると、フリークラス行きとなる。
そんな大事な時期にこのような会に顔を出していいのかと思うが、私は「最終局を指す時は小便チビリませんか?」とアホなことを訊いている。
しかし上野五段は、
「いえ、それほどでも…。いつもどおりです」
と平静だった。
最終局は阿部光瑠四段とらしい。なかなか難敵だが、上野五段のこと、ギリギリで助かってくれるだろう(しかし結果は、周知のとおり)。
上野五段はここで退席。しかし将棋ペンクラブが指導対局料を払った形跡はなかった。さすが将棋ペンクラブ、「貧乏は強い」のであった。
「魚百」の延長は1時間前後だったろうか。この分の会計は1,890円。あまりにも安すぎて、申し訳ない気持ちだった。
2次会も用意されており、それはこの近くの居酒屋で行うようだった。現在は午後8時20分。いまから飛んで帰れば9時からの2時間ドラマに間に合うのだが、まあここはみなに付き合う一手だろう。
M氏はそのまま退席し、6人で飲むことになった。居酒屋に入るが、テーブルが空いていない。人数だけ告げ、表でしばし待つ。
と、H氏も帰宅の意を示した。というわけで、2次会の参加者は、A氏、Kun氏、Oh氏、Og氏、私の5人となった。
6人掛けのテーブルに座る。なぜかお通しが6人分出てきたが、まずは全員飲み物を頼んで、乾杯。
と、早速テーブルに将棋盤を出して、将棋が始まった。やっぱりこの人たち、将棋バカだ…。
ポテトフライが2人分運ばれてきた。しかしA氏が怪訝な顔をしている。A氏はポテトサラダを頼んだらしい。この店、よくいえば鷹揚、悪くいえばいい加減、という感じか。
Oh氏が、「大沢さんは(日本語のほかに)何語をしゃべれるの?」と言う。ずいぶん唐突である。いや私は、日本語のほかには何もしゃべれませんよ。
聞くと、Oh氏はKeio大学の出身で、英語がペラペラ。自分が二カ国語をしゃべれるから、私たち大学出も何語かをしゃべれると独り合点していたのだ。やはり成人男子たるもの、英語ぐらいしゃべらねばダメなのだろうか…。
将棋は▲Kun-△Og戦(先後はうろ覚え)になっている。Og氏がだいぶいいと思ったが、結果はKun氏の勝ち。感想戦では、ずっと先手有利で推移していたようだ。
ただ▲6五銀・6六歩、△6二玉・6三金・7五馬の局面で、Og氏が△6六馬と歩を取ったので、▲6四歩が痛打になった。△6六馬では△6四歩▲5六銀を入れてから△6六馬なら、後手が十分だったのではなかろうか。
その後も将棋盤を中心に、将棋談議に花が咲いた。
ここは1時間半あまりでお開き。個別の精算のときに一点だけ腑に落ちないことがあったが、まあそこはそれ、実に楽しい将棋ペンクラブ将棋会であった。
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