今朝見た夢を軽く記しておく。
私はあるデパートのフロアマネージャーになり、スーツ姿でフロアを巡回していた。
そこでいろいろトラブルがあり私はひっかきまわされたのだが、内容はほとんど忘れてしまった。
◇
今期の女流名人戦五番勝負に清水市代女流六段が出てきたのにはビックリした。私のリーグ展開予想は甲斐智美女流五段、上田初美女流三段、中村真梨花女流三段の三つ巴の争いだったからだ。
しかし終わってみると、上田女流三段の休場もあって、清水女流六段が余裕の優勝。再び女流名人戦の舞台に躍り出たのである。
女流名人は里見香奈。ところが清水女流六段の対里見戦が、絶望的に悪い。タイトル戦は7回戦って0勝7敗。女流名人戦では0勝4敗という惨憺たる結果だ。
勝負事は水物だからフタを開けてみなければ分からない、という常套句は当ブログでは述べない。今期も清水女流六段がストレート負けすると思った。
ところが17日の第1局は、清水女流六段の勝ち! これは清水女流六段がよくやった。
となれば重要なのが第2局だ。ここで清水女流六段が勝てば奪取の望みが出てくるが、負ければ三番勝負に逆戻り。この展開は清水女流六段が辛い。とにかく第2局は、清水女流六段が絶対に勝たねばならぬ勝負だった。
第2局が行われた24日は、私は大野・植山教室にお邪魔したので、対局の経過は知らなかった。ただ、清水将棋に心酔しているFuj氏がたいそうよろこんでいたので、清水女流六段らしい手が出たとは思った。
では清水女流六段らしい手とは何か。それは独特な金の使い方にある。一般的に金はトドメの駒とされるが、清水女流六段はそれを「エッ? そこに使いますか!?」というところに平気で打つ。
実例を挙げる。2008年に行われた第19期女流王位戦五番勝負第5局で清水女流王位は、石橋幸緒女流四段相手に、参考1図で△8二金!と打った。そして▲9一馬に△7二金左(参考2図)。
当日LPSA駒込サロンでは片上大輔六段を招いて解説会を行っていたが、思わぬ3手に片上六段が「将棋のルールが(馬を詰ますルールに)変わったのかと思いました」とつぶやいたものだ。
また2012年の第5期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦・対長谷川優貴女流初段(当時)との一戦で、参考3図で清水女流六段は、△1四金!と打った(参考4図)。
どうであろう。もはや善悪を越えた一手ではないか。思えば清水女流六段の兄弟子の中原誠十六世名人も、時にベタ金を打つことがあったが、清水女流六段のそれはレベルが違う。この局面でイチヨに金を打てるのは、清水女流六段しかいない。
ただ、こうした金はやはり棋理に反するのだろう。上記2局はいずれも激戦の末、清水女流六段が敗れている。よって本局は矛盾するようだが、市代流の金打ちが出たら、「清水女流六段が負ける」と思い、PCの再生ボタンを押した。
将棋は後手番・里見女流名人の向かい飛車。清水女流六段が▲2五歩を早く決めたので、ここに振ったものだろう。
清水女流六段は舟囲いに囲い、▲9七角から揺さぶりを掛ける。清水女流六段は穴熊にもぐることもあるが、基本的には舟囲いという昭和の囲いから細い攻めを繋ぐのが抜群にうまい。このあたりも兄弟子譲りである。
将棋は清水女流六段優勢、というか勝勢に近かったらしい。だがそこから清水女流六段がよろけ、ついに清水流の金打ちが出た。
第1図の▲4三金!
角を取るためとはいえ、金を手放しては戦果が薄い。さらに△6六歩▲4四金△4九飛に、▲5九金打!! これには心底驚いた(第2図)。
金の3連は1984年2月27日に指されたNHK杯将棋トーナメント決勝戦・大山康晴十五世名人対加藤一二三九段の一戦で、大山十五世名人が▲4九金打(参考5図)としたのが思い出されるが、本局の金は受け過ぎではないかと思った。
もっともツイッター解説の牧野光則五段の見解は「手堅い」で、「先手勝勢」とまで言い切った。しかし私は、清水女流六段が負けるんだろうな、と思った。
果たして結果は里見女流名人の勝ち。対戦成績を1勝1敗のタイとした。
清水女流六段は敗れはしたが、さすがにタイトル43期を誇る大棋士である。ここまでの2局を見て、残りの3局もイケそうな気がしてきた。今後も魅せる将棋を期待しています。
私はあるデパートのフロアマネージャーになり、スーツ姿でフロアを巡回していた。
そこでいろいろトラブルがあり私はひっかきまわされたのだが、内容はほとんど忘れてしまった。
◇
今期の女流名人戦五番勝負に清水市代女流六段が出てきたのにはビックリした。私のリーグ展開予想は甲斐智美女流五段、上田初美女流三段、中村真梨花女流三段の三つ巴の争いだったからだ。
しかし終わってみると、上田女流三段の休場もあって、清水女流六段が余裕の優勝。再び女流名人戦の舞台に躍り出たのである。
女流名人は里見香奈。ところが清水女流六段の対里見戦が、絶望的に悪い。タイトル戦は7回戦って0勝7敗。女流名人戦では0勝4敗という惨憺たる結果だ。
勝負事は水物だからフタを開けてみなければ分からない、という常套句は当ブログでは述べない。今期も清水女流六段がストレート負けすると思った。
ところが17日の第1局は、清水女流六段の勝ち! これは清水女流六段がよくやった。
となれば重要なのが第2局だ。ここで清水女流六段が勝てば奪取の望みが出てくるが、負ければ三番勝負に逆戻り。この展開は清水女流六段が辛い。とにかく第2局は、清水女流六段が絶対に勝たねばならぬ勝負だった。
第2局が行われた24日は、私は大野・植山教室にお邪魔したので、対局の経過は知らなかった。ただ、清水将棋に心酔しているFuj氏がたいそうよろこんでいたので、清水女流六段らしい手が出たとは思った。
では清水女流六段らしい手とは何か。それは独特な金の使い方にある。一般的に金はトドメの駒とされるが、清水女流六段はそれを「エッ? そこに使いますか!?」というところに平気で打つ。
実例を挙げる。2008年に行われた第19期女流王位戦五番勝負第5局で清水女流王位は、石橋幸緒女流四段相手に、参考1図で△8二金!と打った。そして▲9一馬に△7二金左(参考2図)。
当日LPSA駒込サロンでは片上大輔六段を招いて解説会を行っていたが、思わぬ3手に片上六段が「将棋のルールが(馬を詰ますルールに)変わったのかと思いました」とつぶやいたものだ。
また2012年の第5期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦・対長谷川優貴女流初段(当時)との一戦で、参考3図で清水女流六段は、△1四金!と打った(参考4図)。
どうであろう。もはや善悪を越えた一手ではないか。思えば清水女流六段の兄弟子の中原誠十六世名人も、時にベタ金を打つことがあったが、清水女流六段のそれはレベルが違う。この局面でイチヨに金を打てるのは、清水女流六段しかいない。
ただ、こうした金はやはり棋理に反するのだろう。上記2局はいずれも激戦の末、清水女流六段が敗れている。よって本局は矛盾するようだが、市代流の金打ちが出たら、「清水女流六段が負ける」と思い、PCの再生ボタンを押した。
将棋は後手番・里見女流名人の向かい飛車。清水女流六段が▲2五歩を早く決めたので、ここに振ったものだろう。
清水女流六段は舟囲いに囲い、▲9七角から揺さぶりを掛ける。清水女流六段は穴熊にもぐることもあるが、基本的には舟囲いという昭和の囲いから細い攻めを繋ぐのが抜群にうまい。このあたりも兄弟子譲りである。
将棋は清水女流六段優勢、というか勝勢に近かったらしい。だがそこから清水女流六段がよろけ、ついに清水流の金打ちが出た。
第1図の▲4三金!
角を取るためとはいえ、金を手放しては戦果が薄い。さらに△6六歩▲4四金△4九飛に、▲5九金打!! これには心底驚いた(第2図)。
金の3連は1984年2月27日に指されたNHK杯将棋トーナメント決勝戦・大山康晴十五世名人対加藤一二三九段の一戦で、大山十五世名人が▲4九金打(参考5図)としたのが思い出されるが、本局の金は受け過ぎではないかと思った。
もっともツイッター解説の牧野光則五段の見解は「手堅い」で、「先手勝勢」とまで言い切った。しかし私は、清水女流六段が負けるんだろうな、と思った。
果たして結果は里見女流名人の勝ち。対戦成績を1勝1敗のタイとした。
清水女流六段は敗れはしたが、さすがにタイトル43期を誇る大棋士である。ここまでの2局を見て、残りの3局もイケそうな気がしてきた。今後も魅せる将棋を期待しています。