第1図の局面で、先手に受けがあるのか、考えてみた。
まず、玉の逃げ道を開ける▲9六歩は△8八と寄▲9七玉△8七と寄で詰むので、何か駒を打つ一手。
しかし高い駒だと取られてしまい、受けにならなそうだ。そこで▲8九香(第2図)と打ってみる。
以下△8九同と▲同玉△8四香は詰めろでなく先手逃れ。
念のため他の駒も検証してみる。▲2八飛は△8八と上。▲3三角は△8八と寄と、いずれも大駒の利きの裏をかいて、詰む。
▲8九金は自殺行為で、△同とが△8八と引の詰めろになり、受けにならない。
▲8九銀も似たようなもので、△同と▲同玉に△8八銀なら詰まないが、△7八銀とひとつ横に打って、▲9八玉△8七とまで詰みとなる。
さらに桂馬の受けは、どこに打っても受けにならない。
では先手の受けは▲8九香だけなのか。もし香がなかったら、先手玉は絶体絶命なのか? ひねって▲7九銀(第3図)と受けたらどうか。
対して△7九同とが△8九銀までの詰めろだが、そこで先手は▲9六歩(第4図)と逃げ道を開ける。
後手は△7八銀ぐらいしかないが、▲8三飛で先手受け切り。つまり、▲7九銀も受けが利く。
ならば初手▲7九角も受けが利きそうである。以下△7九同と▲9六歩△6九角▲8三飛△7八角成▲9七玉で、これも先手逃れている。
では、初手に▲7九金と打ったらどうなるのだろう。△7九同とは絶対として、以下▲2八飛△8八金▲同飛△同と▲同玉△7八飛(第5図)まで、詰み。
よって第1図での正解は、1.▲8九香 2.▲7九銀 3.▲7九角 の3つとなる。
ところで第5図に至る手順で、後手が△8八金と打たず、△7八と引(第6図)としたらどうか。
これに▲9六歩は△8八金▲9七玉△8七とまで。また▲7九Xや▲8九Xも、△8八金▲同X△同と上まで、詰む。
よって先手は、▲7八同飛△同と(第7図)と清算するしかない。ここで先手に受けはあるだろうか。
(つづく)