一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

12月20日の大野・植山教室(3)

2016-01-08 00:15:48 | 大野・植山教室

第3図以下の指し手。△4六角▲8八玉△5五角▲7七桂△4四角▲5四金△2二角▲4四歩△3一角▲4三歩成△2二玉▲3一銀不成△同玉▲5二歩成△2九飛▲4二と左△2二玉▲3一角△1二玉(投了図)
まで、U君の勝ち。

傍らではW氏が、例の女子大生に講義をしていた。
局面。ここで△4六角が見えて、目の前が暗くなった。果たしてU君は△4六角。当然の一手とはいえ、さすがにU君は逃さない。
私はといえば、数秒前まで勝ちと思っていたのに、あまりの急転直下に呆れるばかり。もう投了すべきなのだが踏ん切りがつかず、私は未練がましく指し続ける。
しかし数手後の△1二玉に指す手がなくなって、無念の投了。この敗戦はキツかった。
「オレずいぶん良かったでしょ」
私は不貞腐れて叫ぶ。U君も否定するはずがなく、うなずくのみだ。しかし私がどうあがいたところで、勝敗は入れ替わらない。しょせん負け犬の遠吠えなのである。
Fuj氏らが感想戦に加わり、改めて中盤から振り返る。▲5二銀と打って金銀を替えたところは私が良かったと思う。しかしその後の▲1一角成が当然のようで、甘かったかもしれない。ここで▲4四歩△5三金▲4三金ならどうだったか。次に▲5三金△同角▲4三歩成が実現すれば先手勝ち。さりとて後手に適当な受けもないように思える。
終盤になり、Fuj氏が「▲4一角でなく単に▲4四香なら?」と言う(参考図)。

…なんだ、これで受けなしじゃないか。とすれば、△2四同金は大変な悪手だった。
それを咎められなかったおのが弱さに呆れつつ、私は天を仰いだ。

気を取り直して、対局を続ける。次は大野八一雄七段に教えていただく。もちろん角落ちである。
対局開始。私は飛車先の歩を切り、▲2五まで飛車を引く。大野七段が苦笑いして、
「ここまではお互いの指定局面だから…」
この将棋で2連敗している大野七段の対策が注目されたが、飛車先の歩を突かず、金銀を動かし盛り上がってきた。いつもは△8四歩までは突くのだが、それすら省略している。大野七段の静かな闘志を感じた。

第1図以下の指し手。△7五歩▲同歩△6五桂▲6六角△7六歩▲8八銀△9四歩▲6八金右△7七桂打▲同桂△同桂成▲同銀△同歩成▲同金直△6五歩▲4八角△5五歩▲同歩△6四金▲7六桂△5五金▲5六歩△5四金▲5五桂△4二金▲6三桂成△8三飛▲5三成銀△同金引▲7四歩△6四桂(第2図)

大野七段は金銀を三段目に上げ、頃はよしと攻めてきた。桂馬と歩ではすぐに潰されるとは思わないが、それで潰されたことが何度もある。とはいえ△9四歩は一手パスにも見え、ありがたかった。
私は▲6八金右とし7七に備える。次に▲5八玉と立てば好形だ。大野七段は7七に桂を打ち込み、△5五歩~△6四金。でも手順に▲7六桂と打てて、どう考えても私が指しやすい。
上手には△4五歩▲同歩△4六歩▲同銀△3八銀の狙いがあり、たとえば「△4五歩▲同歩」をどこかで利かされていたら、本譜の▲5六歩には△4六歩が利いたのだが、まあ、その機会はなかったということだろう。
私は銀桂交換で駒損を回復し、▲7四歩。ここでは悪くないと思った。しかし△6四桂(第2図)に、次の手は間違えた。

第2図以下の指し手。▲7五桂△7六桂▲8三桂成△6八桂成▲同玉△7六歩▲同金△6四桂▲6五金△7六銀▲6六金△7七金▲5九玉△6七銀成▲6一飛△6八金▲4九玉△6六成銀▲同金△3七桂▲4八玉△2九桂成▲2一銀△4三玉▲6五桂△5四金▲6三飛成△5三歩(途中図)

▲5五銀△同金▲同歩△2八飛▲3八銀(第3図)

▲7五桂は失敗した。ここ、素直に▲6四同桂は、△同金▲7六桂△7四金がイヤだったのだが、▲7六桂で▲7五桂と打ち、飛車をいじめれば下手がよかったのではないか。
本譜は飛車を捨てて攻め合いに来られる手を軽視した。私は飛車を取ったものの、要の金を取られたのが痛い。
本譜△6七銀成には▲同金△同金▲6八銀もあり、結果的にはそのほうがよかった。実はこのあたり、ちょっと錯覚があった。
私は▲6一飛と下ろしたが、△6六成銀のあとの△3七桂をウッカリし、あっという間に形勢が逆転した。
△5三歩(途中図)で私は指す手がないが、▲5五銀△同金▲同歩で詰めろをかける。しかし銀を1枚渡したので、これで詰まされると思った。

(11日につづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする