宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

GINJI-300FNを持って三峰ヘリポートへ

2015-03-15 14:02:00 | 天体写真
昨晩は三峰ヘリポートを一人占めして来ました(^^♪
まだフラットを撮っていないのでまともな画像処理は出来ませんが、
まずはK-3の天体撮影適性を調べるのが目的なので良しとします。
今回の撮影記事は時間を掛けて加筆・修正・再投稿する予定です。

では、

筒慣らしのM42_HDR , ISO1600 , 4X60s+4X180S , 16min Total
(画像差し替え)


ド定番なので普通じゃ面白くないから超強調処理をしました。
実はコレ、PDCU5でRAW現像してTIFF_16bitに落としてからSI7に持って
行っています。でも、殆どの処理はPhotoshopでやっています。
SI7よりもPhotoshopの方がトーンカーブ処理の結果が良いのですよ。
K-3のRAW現像もSI7だと???な結果だったので、やむなくPDCU5を
使いました。後日再確認します。
       |
       +->確認の結果、やはりSI7よりもPDCU5で現像した
          方が良い結果になることが分かりました。
          特に淡く広がった星雲状のものはその傾向があり、
          系外銀河などは殆ど変りませんでした。
          また、
          フラット画像を撮って適用しましたが、
          どの画像でもやけにザラザラな仕上がりとなって
          撃沈してしまいました。
          なので、
          今回のK-3画像は一切フラットもダークも適用して
          いません。ダークは撮らなかったのですが、
          これは撮っておくべきだったと反省。
          気温-7℃だから大丈夫かと思ったのですが、画面周囲が
          やや赤みを帯びているような気がします。


2015/03/18 SI7でキチンとHDR処理をやった画像追加しました。
M42_HDR , ISO1600 , 4X15s+4X60s+4X180S , 17min Total


SSMonoⅢ(2/3inch)画角の切出し


続いては傾きかけたNGC2264コーン星雲の中心部です。
ISO3200の5分露光で何処まで出せるか確認するために撮りました。

NGC2264 , ISO3200 , 9X300s , 45min Total


これは結構良いのではないでしょうか?
たった45分でHⅡ領域をこれだけ出せれば実用になります。
勝負撮りでは3時間とか平気でやりますからね、冷却CCDの場合は。
K-3でも同じ時間をかければ凄い画像が出て来ると思います。

SSMonoⅢ(2/3inch)画角の切出し


昨晩はシーングが良かったのでK-3の解像度テストには最適でした。
いつものM81で確認です。

M81 , ISO1600 , 8X600s , 80min Total , SI7でRAW現像から処理まで


フラットもダークも撮っていません。
気温がマイナス7℃まで下がったのでノイズはほぼ無し。
フラットは後日撮ることにしています。
    |
    +->何故かフラットを適用するとザラザラな画像になってしまいます。
       冷却CCDのfts画像では上手く当てられるのに、K-3のPEF画像では
       どの画像でもザラザラになってしまう。なんかオカシイぞ!


では、

SSMonoⅢ vs K-3 の等倍比較です。


PDCU5でRAW現像してSI7でコンポジット後にcs5で画像処理をしたのがコレ。
画像を精査し、6枚だけを使っています。

PDCU5 RAW -> SI7 -> cs5 , only 60min Total


うーん、イイ線行っていますが冷却CCDには及びませんねえ~。
とにかくダイナミックレンジが狭すぎる!
少し強い処理をするとすぐに飽和してしまいます。
もう、これは元画像のキャパシティーとしか言いようがありません。

次のM82とトリオ銀河はSI7だけで処理してあります。
こう言うのは上手くいのですよね~何故か・・・

夜半を過ぎたころからシーングが更に安定し、鏡も鏡筒も馴染んだのか
オフアキガイドの歩留まりが100%となりました。
M82とトリオ銀河では1カットも失敗していません。
M82は全面でピントが合っていますが、トリオ銀河はピンが甘かったようです。
構図を90度回転させたのでスケアリングが狂ったと思われます。
M66はピンが来ていますから、詰めが甘かったと言うことがバレバレですね。

M82 , ISO3200 , 5X300s , 25min Total


SSMonoⅢ(2/3inch)画角の切出し


最後はお月さんが出ていましたがトリオを撮りました。

M65_M66_NGC3268 , ISO 3200 , 6X300s , 30min Total


SSMonoⅢ(2/3inch)画角の切出し






SSMonoⅢ(2/3inch)画角の切出しインデックス


K-3に限らず、PENTAX機にはPCリモートソフトがありません。
大口径の☆撮りには致命的であることを今回も痛感しました。
   |
   +->LCDを見られないっつーの!!
      見られても首が痛いし息が詰まります。
      CANON機はその点で優れていると思います。

K-S2はPENTAXデジイチ初のバリアンですが、残念ながら12bit機です。
K-3より更に飽和耐性が低いことは確実。本気撮りには使えません。
  |
  +->K-5Ⅱsは名機だと思います。K-3よりも☆撮りには良いです。

沈みゆくオリオンとともに。




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撮影日時:2015年03月14日~15日
撮影地:三峰ヘリポート(標高960m)
星空指数:80点
気温:-4℃->-7℃
湿度:結露せず
風:微風
シーイング:3/5

カメラ:PENTAX K-3
撮像鏡筒:GINGI-300FN , 30.5cmF4 , 1220mm , 笠井フラットナー
フィルタ:LPS-P2
撮像時間:***
ダーク画像:***
フラット画像:***
フラット用ダーク画像:***

赤道儀:ニューアトラクス改 E-ZEUSⅡ仕様 + ひのきスーパーピラー
ガイド:自作オフアキ + QHY5L-ⅡM + PHD
画像処理:SI7 , PDCU5 , cs5

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<まとめ>

・前回の有間ダムではISO800で撮り、今回はISO1600と3200で撮った。
 やはり、ISO800の方が解像感が高いことが分かる。M82など、微光星は
 シャープに写っているが銀河本体の構造は思ったほど解像できていない。
 K-5Ⅱsでもそうだったが、ISO800と1600の間には解像度ジャンプが感じられる。
 一方、星雲状の天体はISO3200でもかなり使える印象である。
 RAWと言っても天体専用の冷却CCDのRAWとデジイチのRAWでは素材としての
 ”生加減”が異なると感じる。

・GINJI-300FNを冬季に使う場合、鏡と筒が馴染むまでに2時間以上が必要である。
 今回もM42やNGC2264は筒慣らしで撮影したのだが、やはり時事刻々とピント位置
 が変化した。また、ある時突然に大ボケになっていることもあった。
 直前のカットまではピンが合っているのに、次のカットでは大ボケ。
 金属やガラスの熱変形はリニアではなく、突然にびよ~ん!と動く事があります。
 これは仕事でも経験済みなので間違いありません。

・更にこんな比較検証も行ってみました。



ひのきん族10cmF6反射でも、光学分解能はSSMonoⅢの数倍は上を行っていますから、
ICX694や814を使えばM66をもっともっと解像出来ることになります。
対してGINJI-300FN+K-3ではAPS-Cの広い写野を活かし、高分解能でバンバン
系外銀河を撮影出来ることになります。系外銀河のインデックスを作るなら
この程度のクウォリティーで十分です。
K-3でインデックスを作り、GINJI-300FN+SSMonoⅢで系外銀河の気合撮りを行う。
そんな使い分けが出来そうです。



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8 コメント

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Unknown (りぼんず)
2015-03-15 15:22:04
昨晩は久しぶりに晴れたので、修理から戻って来た赤道儀とモーターを動かしました。ビクセンのサポートでは、モーターは異常無しと言うことでしたが、止まってしまい使えませんでした。
異常無しのはずが、なぜ動かない!
明日、サポートに連絡しようと思っています。
少々気合を入れていたんですが…。
返信する
Unknown (WCC.No3)
2015-03-15 16:07:53
  ☆男さん こんにちは。

ちゃくちゃくと0.3m銀河砲の調整が進んでいますね。M42などは僅か16mの露出で非常になめらかな画像になっていますね!
私も高倍率観望用途にGINJI250Nが手元にあるのですが、以前に直焦点撮影を試みた時に、1400mm.10m露出の成功率が20%(2時間で2枚しかものになりませんでした)程度だったのを憶えています。
 重量級の鏡筒は各部が重力との闘いになりますから、本当に難しいと思います。

調整が更に進んだGINJI300FNの画像を楽しみにしております。

返信する
Unknown (demio)
2015-03-15 17:59:17
昨晩は良い星空に恵まれたご様子。
K3での画像も単体で拝見するとバッチリですね。
冷却CCDは流石に天体専用だけにクオリティが高いです。
私も赤城か三峰に行こうかと迷いましたが翌日の用事と
夏タイヤに履き替えてしまったので家で光軸確認をしていました。
こちらは雲が多く21時頃にはドン曇り状態でしたよ。
返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2015-03-16 22:22:46
りぼんずさん

せっかく修理に出されたのに動かないなんて悲し過ぎますね。
サポートが異常無しと言っているのですから落ち着いて再確認が必要でしょう。
治せないものであれば修理不可と言われる訳ですから、諦めずに粘ってみましょう。
愛着がある機械はいつまでも使い続けたいものです。
最近流行りの”サポート終了”という風潮は如何なものかと思います。
是非復活させて撮影を再開してください。
返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2015-03-16 22:30:16
WCC.No3さん

0.3m砲・・・気に入りました!

タウリン1000mg配合。 それって1gだよね!
0.3mよりも300mmと言った方が大きい望遠鏡の様な気がするから不思議です。
でも、メーター望遠鏡の仲間入りをしていると考えれば面白いです。
天文年鑑の世界の望遠鏡リストの一番下の下のその↓辺りにくっつけて
もらえるかしら(^^♪
やわい大口径で歩留まりを上げるのは容易なことではありませんね。
ご経験済みとは恐れ入りました。m(__)m

返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2015-03-16 22:39:38
demioさん

やはり下界は曇っていましたか!
三峰でも車のライトがガスを照らしていたので、完全にクリアでは無かったようです。
月が出て来た時点ではおぼろ月夜状態になっていました。(特に東側)

初めてK-3のRAWをSI7でフラット処理しましたが、なんだかオカシイです。
記事に追記で書き込んであります。FITS画像でやろうがTIFF画像でやろうがダメ。
試しにMaxImDLでもやってみましたが同じような状態です。
ザラザラですがフラットにはなっているので悩ましいのです。
いくらフラットでも処理耐性が無さ過ぎるので不採用となりました。
この問題を解決しなければ本格的には使えません。
なにか間違っているのだろうか???
返信する
Unknown (りぼんず)
2015-03-20 15:39:08
☆男さん、こんにちは。
モーターの件ですが、再検査の結果はDD-3とモーター両方共異常なしでした。
残ったのは、電池BOXじゃないか?と言う事です。
良い機会なので、電源をポータブル電源に変えようと思います。
電池よりコスト的に良いような気がします。
メーカーから帰って来たら試してみます。
ご心配をおかけしました。
返信する
Unknown (☆男(hoshiotoko))
2015-03-20 18:01:20
りぼんずさん

それは良かったですね!
電源トラブルはどのような装置でもあり得るので要注意です。
上手く動くといいですね。愛着のある機械は長く使いたいですものね。
またご報告ください。

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