喜多院法興寺

住職のひとりごと

生活保護急増、戦後の混乱期を上回る

2011-11-10 06:34:24 | Weblog
11月10日付 編集手帳 読売新聞
{川柳には思わず噴き出してしまう愉快なものが少なくないが、なかには胸に 棘 ( とげ ) の刺さる句もある。〈貧しさは時に罪なき子を叱り〉(鉢朗)。川柳作家、麻生路郎さんの『川柳とは何か』(教育情報出版刊)から引いた。
◆いらだつままに、ささくれ立った感情のおもむくままにわが子を叱ってしまい、叱った自分が情けなくて暗い気分に沈んでいる父親の姿が浮かんでこよう。
◆生活保護を受けている人が205万人を超えたという。戦後の混乱期を上回り、過去最多である。働く意欲はあるのに仕事が見つからない、働き盛りの受給者が増えている。悔しいに違いない。心ならずも、一句に詠まれた情景を繰り返した親御さんもいるだろう。
◆つきつめれば、景気を回復させて雇用を増やしていくしかない。震災復興や原発事故対応など懸案は山積しているが、政治家一人ひとりの胸の中にピンで留めておいてほしい数字である。
◆歌人の坪野哲久さんに一首がある。〈少年 貧時 ( ひんじ ) のかなしみは 烙印 ( らくいん ) のごときかなや夢さめてなほもなみだ 溢 ( あふ ) れ 出 ( い ) づ〉。成人したのちも夢に見るほどにつらい記憶を世の子供たちに残したくない。}

 長引く不況や社会の高齢化により、生活保護を受けている人が205万人を超えた。高度成長とともに減少していた生活保護の受給者数は、経済危機が深刻化した1990年代後半から増加に転じた。特に注目されるのは、働き盛りと見られる受給者の増加だ。企業は正社員を取らずに、派遣、臨時を雇用し、不景気になると簡単に首切りを行った。臨時雇用は雇用保険の対象外となり、失業によって一気に生活保護になるケースが多い。その結果、ヤミ金の餌食にされたり、個人で生活保護の申込は難しいために「貧困ビジネス」のターゲットになる。この様な環境下では、希望を失い自殺者が増える一方だ。










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