喜多院法興寺

住職のひとりごと

十二代目市川団十郎さん死去66歳

2013-02-05 06:28:06 | Weblog
2月4日 よみうり寸評 読売新聞

 {〈市川団十郎〉は江戸歌舞伎屈指の大名跡だ。姓は堀越、屋号は成田屋で代々が名優の重い系譜◆お家芸の〈荒事〉は初代が創始した。七代目が初代以来の荒事の当たり役を調べて、〈歌舞伎十八番〉を選定した。九代目が明治期歌舞伎界の第一人者、〈劇聖〉と仰がれた名優だった◆濃柿茶色の大輪の朝顔が団十郎と名付けられたのは、九代目がその色を好んだことからの命名だという。人気のほどがしのばれる。その大名跡を背負ってきた当世歌舞伎界の大黒柱、十二代目市川団十郎さんが3日、急逝した◆4月には新しい東京・歌舞伎座がこけら落としを迎えるというのに、ご本人も楽しみにしていたというのに残念の極み◆白血病と長く闘いながら、伝統の荒事でファンを魅了した。昨年12月の中村勘三郎さんの死に続いて今度は団十郎さん。歌舞伎界への衝撃は大きい◆66歳は早すぎる。世代の近いファンには、尾上菊之助、辰之助とともに〈三之助〉だった市川新之助時代、未完の大器と呼ばれた若き日が懐かしい。}

「勧進帳」の弁慶など豪快で力強い「荒事(あらごと)」の演目をはじめ、幅広い作品で立ち役として活躍した歌舞伎界の大看板である十二代目市川団十郎さんが3日、急逝した。昨年12月、風邪をこじらせた後、肺炎の兆候がみられると診断され、1月の東京・新橋演舞場の公演を休演。4月に開場する新しい東京・歌舞伎座のこけら落とし公演に向けて治療に専念していた。昨年は息子の市川海老蔵の騒動では、息子をマスコミから守り通した。人間的にも歌舞伎界のみなから慕われた逸材が、旅立ってしまった。昨年は中村勘三郎を失い、歌舞伎界の今後は厳しいことに直面することであろう。




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