喜多院法興寺

住職のひとりごと

水に入れて鉄分補給、その名も「ザ・鉄玉子」

2009-07-09 06:24:28 | Weblog
(読売新聞)
 {小ぶりな卵の形をした南部鉄の塊。その名も「ザ・鉄玉子」(800円)。
 鍋ややかんに入れれば、溶けだして鉄分不足を補ってくれるという健康グッズ。

 考案したのは、岩手県奥州市水沢区の「サカモト商会」の坂本英三代表(57)。1988年の販売開始からこれまで、全国で300万個以上を売り上げる大ヒット商品となっている。

 まさかこんなに売れるとは、自分でも思ってもみませんでした。ただの黒い鉄の塊のように見えますが、本当にその通りなんです。鉄分は、全身に酸素を運ぶ役割を担う大切な成分。でも、鉄分が豊富な地下水を飲み、鉄器を使った昔と違い、現代人はとかく鉄分不足になりがちです。

 地元の工業高校を卒業してから職を転々とし、最後は美容機器メーカーに勤めていましたがここも倒産。やむなく職探しをしていた87年、何気なく聞いていたラジオで、「貧血予防に鉄瓶を」という南部鉄器メーカーのコマーシャルを耳にしました。それが鉄玉子を作るきっかけです。

 水沢は、盛岡と並ぶ南部鉄器の産地。戦後は、アルミやステンレス製品に押され、売り上げは落ち込んでいましたが、健康ブームに便乗して、貧血予防などの効果を前面に出して活路を開こうとしたんです。

 でも、鉄鍋に水を入れるのではなく、水の中に鉄を入れて使うという全く逆のことを思いつきました。

 商品化にあたっては、鋳造メーカーで働いていた高校の同級生に頼み込みました。当時の鉄器の製造過程では、純度の低いくず鉄が生じ、そのまま廃棄されていました。私はそこに目を付け、くず鉄を使って鉄玉子を作ったので、原料費もほとんどかかりませんでした。

 知人の多くが、「こんな鉄くずが商品として売れるはずはない」と笑い飛ばし、地元の鉄器販売店もどこも取り合ってくれませんでした。仕方ないので、地域のイベントなどに足を運んで、自分で売りさばきました。「藤原まつり」が開かれていた毛越寺(同県平泉町)の門前に商品を並べて、注意されたこともあります。

 運の良いことに、その話を聞きつけた在京のテレビ局から取材を受け、鉄玉子を紹介してもらったおかげで、東京から注文が殺到しました。すると今度は地元の業者からも「うちで扱わせてくれ」と、声がかかるようになりました。

 その後、鉄器自体の売り上げが伸びていると聞いています。南部鉄の知名度が高まり、その価値を再評価する人が増えれば、私もうれしいですね。(聞き手・宇田川宗)}

 現在、鉄瓶を使う家はほとんど無い。そこで水の中に鉄を入れて使うという全く逆のことを思いついた。材料も南部鉄を製造過程で出るくず鉄を原料にするので、材料費はかからないという。健康ブームとあって東京から注文が殺到し、さらに鉄器自体の売り上げの伸びに貢献している。



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