喜多院法興寺

住職のひとりごと

被災した岩手の港、サンマの水揚げ始まる 

2011-08-23 06:24:58 | Weblog
8月23日付 編集手帳 読売新聞
 {幕末の歌人、 橘曙覧 ( たちばなあけみ ) はうたっている。〈たのしみはまれに 魚 ( うお ) 煮て 児等 ( こら ) みながうましうましといひて食ふ時〉。一家 団欒 ( だんらん ) の食卓に、これが似合う、似合わない、といった料理の区別はないにしても、家族が身と心を寄せ合う感じでは「魚」に一票を投じる人が多かろう。
◆煮魚であれ、焼き魚であれ、路地に漂う匂いに、ついつい家路に向かう足が速くなった経験は誰にもある。これから秋にかけて、家の灯が恋しくなる匂いはサンマの独壇場かも知れない。
◆被災した岩手県宮古市の宮古港に、きのう、本州では今シーズン初となるサンマが水揚げされたという。
◆写真で見れば、網から出て銀色のほとばしる光景はいつもの通りだが、記事には胸を突かれた。水揚げした漁船(福島県いわき市)の通信長(62)は津波で家を流され、妻と息子2人を亡くしている。家族のぬくもりから、団欒の笑顔から最も遠く離れた人たちの手を経て、今年はあの人恋しい匂いが食卓に届く。
◆〈荒海の 秋刀魚 ( さんま ) を焼けば火も荒ぶ〉( 相生垣瓜人 ( あいおいがきかじん ) )。津波に荒れた海のことはサンマたちも知っていよう。荒ぶる火もまた、供養の炎に違いない。}

東日本大震災で被災した三陸の港で22日、サンマの水揚げが始まった。岩手県大船渡市と宮古市では北海道で操業していた福島県いわき市船籍の第31漁福丸が入港して約20トンを水揚げした。秋を感じる食べ物は、誰しもサンマを思い出す。これからスパーにサンマが並ぶのを楽しみにしている。



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