うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

れんが....(B83)

2008年03月07日 21時36分55秒 | 史跡散歩
宇部市の梶返の一角に煉瓦塀の路地がある。
なんと言うこともない赤煉瓦の塀が続いている古い「お屋敷」だが、その煉瓦は割と由緒があるものらしい。
同じものが阿知須の一角にもある。
現代は塀はセメントブロックが多く、風情などひとかけらもないが、
赤煉瓦の塀など今新しく作られることがないので、見ようではなかなかいい。
(安全性となると、芯が入っていないので論外だろう)
宇部に、古い煉瓦を研究している方がいらっしゃる。
古い煉瓦とは、江戸末期から明治初年の、「灯台建築」に使われた煉瓦だ。
すべて英国製。
組成を分析すれば、イギリスのどこでいつ造られたものか分類できるそうだが、
それだけの話を聞いて、イギリスのすごさが解る気がした。
当時、あるいは今も、海はすべて彼らの領土(?)だった。
日本の海岸線が彼らの国境だったのだ。
イギリスは本国から建材を持ってきて、お為ごかしに、日本の岬に灯台を造ったが、
すべて彼らのルールにのっとって、自分の領土を確保するためだったのだ。
すこし春めいて、散歩に出かけるとき、赤煉瓦の風情を愛でつつ、そんなことまで想いを広げるとなかなか楽しいのだ。
画像は阿知須の一角。