うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

愛宕念仏寺....(g81)

2008年02月22日 20時28分04秒 | 仏像への憧憬
寒さが西から押し寄せて、明日から冬に逆戻りとか。
今宵は、そのせいか、厚曇りだ。ひとひらの星もない。
星のない夜は、こんな語らいもいいのではないかと思いがつのり、
私の、今ひとつの強い趣味の分野、仏像探訪のカテゴリーを設けたいと考えた。
題して「仏像への憧憬」としようか。
折に触れ、ふれあった仏様への思いを語りたい。
おつきあいをよろしくとご挨拶申し上げる。

タイトルは、「おたぎねんぶつじ」と読もう。“あたご”ではない。
このお寺は、昭和平成の仏師、故西村公朝師が再興したと言ってもいい。
京都、嵯峨野の化野念仏寺を通りすぎて、一本道を更に奥に歩いてゆこう。
古い嵯峨鳥居本の町並みを経て、行き着いたところに、このお寺はある。
ここには、公朝師が指導して彫られた現代の五百羅漢が祀られている。
この冬、初めて訪れたのだが、多くの羅漢様が愉快そうに笑ってらっしゃるお姿に愕然とした。
ことごとくの羅漢様は、微笑ではなく、呵々大笑なさっている。
こんなに楽しそうなら、そちらの岸も悪くなさそうだとしっかり納得できる気がした。
嵯峨野は秋など殺人的な混みようだが、それも化野念仏寺まで。
そこから先へもう一足歩いてご覧うじろ。
国宝級の仏様ももちろんいいけれど、現代の人々が稚拙なままに、
亡き人への思いを刻んだ野の仏様は、ずしいぃんと心身に直接侵み入るのだ。