うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

星と花....(821)

2008年02月07日 22時39分38秒 | うべプラネタリアン
NHK趣味悠々の「ステップアップ・現代書道」のテキストをみていたら、
ある詩の一節の書に目がとまった。
曰く「み空の花を星といひ わが世の星を花といふ」
お、なかなかの名フレーズだと思い、元の詩を探ったら、
土井晩翠(荒城の月の詩で有名)の詩集「天地有情」の中の「星と花」という詩の一節とわかった。

    星と花

同じ「自然」のおん母の
御手にそだちし姉と妹(いも)
み空の花を星といひ
わが世の星を花といふ。

かれとこれとに隔たれど
にほいは同じ星と花
笑みと光を宵々に
替はすもやさし花と星

されば曙 雲白く
御空の花のしぼむとき
見よ白露のひとしずく
わが世の星になみだあり。

という短いきれいな詩だ。
昨今こんな詩は流行らない。やたら美辞麗句でかざり、ロマンでございと、鼻につく。
でもでも、「天地有情」の刊行は明治32年、晩翠28歳だから、当時の文学界の、明治の青年の、高揚感がひしひしと伝わる。
素直に、ああ、なかなかいいなと、喜ぶのである。

今朝(2/7)の東空は良く晴れて、み空の花々は金星と木星。
1週間前と比べ、ずいぶんと見かけ上の二つの星の間は離れた。
それだけ木星の光が強く感じる。間近に金星と比較されないからだろうか。
画像はNASA提供の金星木星の近接(2/1)。海はカリブ海。