うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

天上の河....(C84)

2008年02月10日 22時23分41秒 | 新・星座物語
今日のプラ一般投影は、多くの人が来てくれた。うれしかった。
が、さらに嬉しかったのは、杉山はるかさんから手紙が会館の私宛に来ていて、
新しい物語が届けられたことだ。
たより本文の方は、新星座物語を本にしましょうよという提案で、こちらはもとよりその方針だ。
いずれ本にするにしても、現段階は作品集積に努めねばならない。
もう少し作品の充実度をアップしたい。
そこで、同封の、杉山はるかさんの作。ほとんど原文のまま。
ただし、タイトルは勝手に私が付けた。お許しあれ。
なお、杉山さんもこのブログ見てくれているようだから、遠慮なく積極的に
コメントを書き込んでくだされ。よろしく。

「天上の河」(オリオン座・ふたご座・おおいぬ座・こいぬ座・エリダヌス座)
 オリオンとそのふたごの子、カストルとポルックス、そして、ペットであり家族の一員、
おおいぬケルベロスとこいぬメランボス。
 5人は貧しいながらも、仲良く、毎日楽しく生活していました。
そして彼らの住む村のはずれには、エリダヌス河という美しい大きな河が流れていました。
 河のほとりにはいつも花が咲き、オリーブの実がたわわに実っていました。
 ある時、となりの国と戦争になりました。
 そのため、オリオンと弟ポルックスが、兵士として戦いに行かなくてはならなくなりました。
 兄のカストルは体が弱かったので、2匹の犬と共に村に残りました。
 日に日に戦いは激しくなり、おおいぬケルベロスとこいぬメランボスは、飢えと病気で死んでしまいました。
 そして、圧倒的に向こうの国が圧してきて、そろそろ戦争も終わる頃、カストルの元に、父オリオンと
弟ポルックスの死の知らせが届きました。
 カストルは、毎日毎日、今生きている気がしませんでした。
 いつも思い出の詰まったエリダヌス河のほとりに座っていました。
 ある時何気なく河をのぞきました。
 水面に、自分と、父オリオン、弟のポルックス、そしてケルベロスにメランボスが映った気がしました。
 「...父さん、ポルックス、ケルベロス、メランボス...」
 カストルの目から、一滴涙がこぼれ、水面に波紋を広げました。
 すると、カストルの体が光り輝いてきたのです。気がつくと、カストルは夜空にいました。
 すぐ近くには、父も弟も2匹の犬も...そして、さまざまな思い出をだきこんで流れるエリダヌス河も...
 みんないっしょに、冬の星座の主役として天空に輝いています。

画像は、月、虹の入江(NASA)。私の最も好きな月の地形の景色。

ながれの天体観望会....(823)

2008年02月10日 11時24分00秒 | うべプラネタリアン
昨夜(2/9)は1 月26日再々リベンジの観望会だった。
宵のうち、空はさっぱりで、撤収しようという頃になって、じわっと晴れはじめた。
徐々に薄くなる雲をとおしてシリウスが見え、オリオンから姿をあらわすと、
土星が見えてきた。
カナンや、サエカも21時を過ぎてやってきて、こちらも久しぶりの星空だから、
普通ならやり過ごすようなシーイング(seeing: 見え具合)だが、折角の星に会えた興奮に、
ついつい時の過ぎるのを忘れたのだった。
そして、できたての「春の船出」のシナリオ読み合わせもして、結果、結構充実した観望会となった。
こんなつどいがあってもいいなぁと思った。いってみれば心底の星虫たちの集いだ。
星の元の一家族といった、互いのいとおしさに満ちた観望会だった。
そんな仲間が増殖していることの充実感を感じたのである。
画像は当夜の土星。カナンが撮った。
カナンは、これは満足度20%(あるいはそれ以下)、公開に値しないとの自己評価。
こんな画像で今年を「できた」と済ます訳にはいかないと、カナン自身に火がついた。