ひぐらし農園のその日暮らし

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仙台の交流会に参加して思うこと

2011-11-22 05:05:00 | ノンジャンル
20日に仙台に行ってきました。今年ひぐらし農園では研修生が一人、農作業のお手伝いをしてくれました。農水省の「東北のムラで働き隊!」という補助事業を利用しており,同様の事業を利用している他の農家・法人さんやその研修生たちとの交流会があったためです。
写真は交流会の様子ですが、ただ飲み食いに行ったわけではなく、その前に受け入れ農家チームと研修生チームの二手に分かれて研修会も行いました。

その研修会で感じたこと。

受入れ農家あるいは農業法人の他に、専門委員として地域づくりの専門家や人材関係、農商工連携プロデューサーなどが参加していました。この補助事業の狙いは地方にいかに都市の人材を引き入れていくか(移住・定住)。それをきっかけにどう地元の事業(農家・地場産業)の強化や拡大につなげるか。そうした各地の取り組みをつないで新たなネットワークやビジネスが作れるかということで、実際に受入れ団体が直面している問題点を話し合おうというのが今回の主なテーマです。

おそらく参加した農家の中で、ひぐらし農園はもっとも規模が小さく、地域づくりの分野に偏重し、もっともビジネスという言葉から遠い世界にいます。だからこそこういう会合は日頃縁がなく面白い体験ではありますが、一方でそれでよいのかと疑問に思うこともたくさんあるのです。
まず印象に残ったことは、これからの東北農業についての話し合いにも関らず、放射能汚染に関しては全くといってよいほど触れられなかったことです。過疎に悩む地域で活躍する受入れ農家、団体はさすがに地に足をつけているだけに、自立という視点が強く、共感できることが多々あるのですが(戦後開拓からほぼ一代で大規模ぶどう農家になったご老人のお話は特に重みがありました)、専門委員と言われる人たちの視点にはやや違和感を覚えることもありました。
当然今回も経営の安定のために販路はどうしたらよいかという話が出てきました。農業が産業である以上は販売は重要なテーマであり、農家のもっとも弱いところです。何しろ今までみな農協頼みだったのですから。それに対する専門委員の答えは、従来の視点・価値観から大きく変わるものではなかったというのが印象です。すなわち市場があり、需要があるということを基に、いかに需要を探り、効率よく求められる農産物を作り売っていくかという従来の路線です。縮小傾向にある日本市場に目を向けるのではなく、これからの農業は輸出だとも。
まさにその通りであり、非効率といわれる農業では、実際に上手に生産効率を上げ、しっかりと営業をすれば成功している事例もたくさんあります。その場にもそういう方がたくさんいらしていました。しかしそのようなビジネスモデルは「生き残る」ためには必要かもしれませんが、誰もができるあるいはどこでも実践できるモデルではありません。

山間地では「生き残る」だけでは生きていけない。放射能汚染で分断され縮小しつつあるフクシマも今となっては同様です。つまりこれからは人は拡がるのではなく、逆に凝縮し繋がるべきだと思うのです。そして日本も、いや世界だってフクシマと同様に凝縮していくべきだと思う。縮小ではなく凝縮です。具体的には地産地消であったり、地域コミュニティーの再生だったりということ。まだまだ山中で暗中模索していますが。この震災⇒放射能汚染でその流れは決定的なものになるとボクは感じています。そして多くの人もそう感じているはずだと勝手に思っていました。少なくとも地元なら。しかし同じ東北に住み、同じような苦境に立たされているはずの東北人の口から出た、大きな市場に打って出るという拡大いや拡散路線。まだ流れは変わらないのだろうか。変わらないのだろうねえ。だって国は今まさにTPP=拡散路線で揺れいるのだもの・・・。
そんなことを感じた一日でした。