朝食を準備している時だった。玄関のチャイムが鳴った。鍵を開けると、隣に住む保育園児の孫だった。
小さな声で「朝 まだ食べてない。卵かけご飯が食べたい」と。
心配して、「おうちの 朝ごはん みんなどうしてるの?」と聞くと、お兄ちゃんは食べてから、また寝たとか、お姉ちゃんはまだ食べていないとか、家族のことを話してくれた。
話すうち、我がハートをえぐるような一言を放ってきた。
『だって、お爺ちゃんの卵かけご飯、美味しいんだもん』
家内におだてられ、その気にさせられることはチョクチョクあるが、孫にまでおだてられるとは・・・
まてよ・・・幼児だから正直に言ってくれたのかもと思ったりして・・・
冷蔵庫をみると、昨日の残ったご飯も卵もあったので、「ヨッシャー」と即答した。
「果物は? 漬物は?」と聞くと、「いらない。卵かけご飯とお茶だけでいい」と。
「作ったら呼んで。それまでYouTube見てるから」と、機嫌よく居間へ向かった。
心を込めて、お嬢様ご指定の「卵白をメレンゲにした卵かけご飯」を作らせて頂いた。
出来た!
食べながら、お嬢様がニヤニヤしながら おっしゃった。
「ママに、『お爺ちゃんとこへ行って 卵かけご飯食べてくる』と言って家を出てきたんよ。フッフッフッ」と。
かわいい孫が加わると、いつもと違って、にぎやかで笑いありの朝食となった。
「また 食べに来て・・・」と見送った。