雨の中、傘さしながら、わざわざ、ご近所の農家が「これ、せとか。良かったら食べて」と持って来てくれた。
食べたことがあったが、味をはっきりとは思い出さないので、「せとかって、確か、あの甘いやつ?」と聞いてみた。
「そう、甘い!」と。
・・・・・「せとか」って・・・・・
昔と違って、最近は由来のわからない名前の柑橘類が多く、聞いてもすぐに忘れてしまう。調べてみた。
「せとか」は、「清美」と「アンコール」をかけ合わせ、更に「マーコット」を交配した品種とのことだった。
この説明では素性が全くわからなかった。1つ1つを調べてみた。
「清見」:「宮内早生温州」と「トロビタオレンジ(みやがわわせ×トロビタオレンジ)」を交配した品種とあった。自分は早生温州しか知らない・・・
「アンコール」:カリフォルニア大学でフロスト博士らがキング(タンゴール)と地中海マンダリンを交配して育成した品種とあった。素性がますますわからなくなった・・・
「マーコット」:アメリカで生まれたみかん類とオレンジ類の交雑種とあった。さっぱり素性がわからない・・・
調べても無駄やとわかった。ただ、ミカン類とオレンジ類の雑種として作られた新しい柑橘類を総称して「タンゴール」と呼ぶのは知っている。
これからは、珍しい名前の柑橘類に出会った時、いろんな品種を交配した「タンゴール」やと思うことにした。
・・・・・我が味覚はどうか・・・・・
味を確かめようと、早速、切ってみた。
表皮は薄かった。袋も薄かった。なじみのある柑橘ではネーブルに近いと思った。
実を切ると、ジューシーさがほとばしるように浮き上がってきた。種はなかった。
味見した。デコポンよりも甘く感じた。しかもジュシーだった。「ものすごく、美味しいやん!」
この「せとか」は、たしか、農家が家庭用に栽培しているぐらいで、出荷していないはず。しかも、植えているのは近隣では1軒だけのはず。
そんな貴重な「せとか」を味わえるなんて・・・ 有難い!