紀州・有田で田舎暮らし

思いつくままに野菜や果実や漬物を作ったり、時には青春する心を求めてさ迷ったり、気ままに田舎暮らしを楽しんでいます。

緊迫した状況の中 不安一杯 夢中で病院へ走った 初めての体験だった

2018年02月09日 | 田舎暮らし&家族

朝、娘が異変を感じ、早速、出産予定の医大病院に「陣痛のような症状」を伝えたところ、「すぐ来て」とのことになった。

先日、病院から伝えられていた「帝王切開日」は、まだ先のことだったので本人も家族もビックリ。1昨日の終日の検査や診察で、安静にしていた体が異変を起こしたのではとの推測をしてみたところで、始まらない。

あわてて凍りついた車のフロントガラスを湯で流し、エンジンをかけ車内を暖かくしてスタンバイした。家内が付き添うのがベストと分かっていても、乗用車の運転が苦手だし、誰かが残って1歳9カ月の孫守もしなきゃならないしで、やむなく自分が運転し娘に付き添うことに。

娘から「少し出血している」「でも、救急車は呼ばなくても大丈夫そう」という状況で出発。走りだした車から娘が病院へ症状を伝えると、「救急車を」とのアドバイスが聞こえてきた。

が、「まもなく高速の入口にさしかかる」「ここで救急車を呼ぶより、このまま走った方が速い」と咄嗟に判断し、「このまま車を走らせます」と返事してもらった。

高速を降りてからの一般道の信号や混雑に、これほどイラついたこともなかった。でも「新たな命も預かってる」「事故すれば事態はより深刻になる」「安全に安全に」と自分に言い聞かせながらも、通常出産でないだけに不安に胸が押しつぶされそうになりながら車を走らせた。

病院からは「救急入口へ、直接、車で」と言われていたので、教えてもらった救急車専用通路を抜けた。救急玄関では看護師さんが「車椅子」を用意し、処置室へ運んでくれた。

我が家を出てから医大病院まで、いろんなことが脳裏をよぎった30分間だった。ホッとしたのも束の間だった。

仕事にでかけている娘婿は、急な事態なので、すぐには病院にかけつけられない。ここからは、付き添い者としての役割が待っていた。

「緊急手術を準備中です」と告げられ、「執刀医による手術内容とリスクの説明・同意書の署名」「麻酔位による説明と承諾の署名」の後、手術が始まった。待つこと約1時間で手術室から運ばれてきたカプセル入りの「赤んちゃん」を一目みせてくれた。さらに待つこと約1時間で手術室から「娘」も無事に運ばれてきた。

一段落した頃、かけつけてくれた娘婿とバトンタッチした。

家内が3人の子どもを出産した時、こんなに緊迫した思いはなかった。帰路、心身が擦り減った気がした。でも、新たな命の誕生と娘の無事だった姿を思い浮かべると、心が和らいできた。

<この話、生まれた孫が大きくなってから伝えたいが、その時、自分はきっと天国にいる・・・>