トゥクラを9時47分出発。
急登をゆっくり登っていく。きつい。そしてなぜか出発して15分ほどで猛烈にお腹が空いてきた。
シャリバテで力が入らないよ~。休みたいが、チェリンじいは休ませてはくれない。
なんとか登りを終えたところがエベレスト遭難死者の慰霊碑がある場所, Memorials of Died on Everest
だった。
ここからはエベレストは見えないし、なぜここに慰霊碑が建てられているのか分からないが、おびただしい数
である。
ここで日本から持ってきていたチロルチョコとドライアップルを食べて適当にお腹をごまかしたら出発する。
メモリアルからまた少し登ったら左手の斜面に道が見えたのでそっちに行くものと思ったら、カーブを曲がると
右手に下っていく道があった。左手の道はロブチェからチョラ・パス越えをする際に通るゾンラへの道らしい。
そこからはロブチェ(6090m)、プ・モリ(7165m)、ヌプツェ(7864m)が見渡せるようになった。絶景なり。
この道で反対側からやってくる日本人男性2名と再会。1人はナムチェに行く途中で出会ったおじさんで、
何度もネパールトレッキングに来ているらしく前回はメラ・ピークに登ったらエベレストの展望がいまいちだっ
たので、今回はエベレストに近いロブチェ・イーストに登りに来たとのことだったのだが、もう登ったのだろうか
と思ったらロブチェBCから上がったハイキャンプでひどい下痢に見舞われて敗退したらしい。
日程が余ったのでせめてチョラ・パス越えしたかったのだが、自分のガイドは行ったことがないので許可して
くれないからパンボチェ経由でゴーキョに行くとのこと。チョラ・パス越えする予定の私をうらやましそうに見て
いた。でもおじさんに付いているガイドはクライミングガイドで、チェリンじいはトレッキングガイドだから力量は
そっちのガイドが上だろうし、トレッキングルートであるチョラ・パスなら行けるんじゃないのと思うんだけど、
行ったことないルートを案内するわけにはいかないんだろうな。
そしてもう一人のおじさんはタンボチェへの登りで会った人だったけど、体調が思わしくなく結局カラパタール
には登らず帰ってきたとのこと。
久しぶりに日本人と会って話せたのはうれしかったなあ。なんせ日本人はもとより、そもそもアジア人の
トレッカーがほとんどいないんだもの。欧米人ばっか。
ゾンラへの道の分岐からはまた少しだけ緩い登りとなるものの、あと30分となっているのでがんばる。
11時40分にロブチェ着。思っていたよりずっと早く着いた。なんだかんだ言って少しは体が高度順応して
楽になっているのだろうか?
ロブチェはEBCへ行くのに必ず往復とも通る町なので、たくさんのトレッカーが宿泊する。そのためロッジも
かなりの混雑で、今夜は満室のためチェリンじい達ガイドはダイニングで寝ることに。マチンドラじいに至って
はロッジにも泊めてもらえないためバッティで寝ることになった。
トゥクラでスープしか飲んでいないので何か食べたらと勧められたのでフルーツを再度注文。
パイナップル缶(スモールサイズ)で600ルピーもした。だけどおいしかったな。ほんと、フルーツ缶なら
疲れてても食べられるよ。温めてもらってるから安全だし、体も冷えないし、糖分も取れるしお勧めです。
ここシェルパロッジにはマチンドラじいの親戚が働いているからここに決めたみたいなんだけど、広いし
お客も多くて活気のあるロッジだ。昨日まで2日連続宿泊客は私1人だけだったから少しうれしい。
ここに日本人トレッカーもいたらもっとうれしかったのになあ。意外といないんだよなあ。
さて、少し休憩したら周辺を散策することに。
チェリンじいも携帯が通じるかもと一緒に近くの丘に登ることにしたのだが、少し登ってみたけど全然通じそう
にないので引き返して反対側の丘に登ることにしたようだ。私は体調が良かったのでもうちょっとこの辺を歩く
ことに。
で、なんだか本当に気分が良かったので一番上まで登ってみたらクーンブ氷河が見えた。
山は午後のためあいにく雲が多くあまり見えない。氷河はほとんどが土砂に覆われているがところどころ
氷の部分も見えて、本当に氷河なんだなあと再認識。
この丘がまたどこまでも続いていて、先に行きたくなるんだよね。だからついつい踏み跡のあるところを
どんどん進んでいってしまった。もしかしたらEBCかカラパタールが見えたりしないかな?
すると左手の奥のほうにこのあたりに似合わないピラミダルな建物が見えた。イタリアンピラミッドだ!
これはイタリアが気象観測のために建てた研究施設で、通常のトレッキングルートからは見えないから
見られてラッキー♪
それにしてもちょっと先まで来すぎちゃたかな。振り返るとロブチェがだいぶ小さくなってしまっている。
チェリンじいが帰ってこないと心配してるかも・・・と思ったら案の定チェリンじいらしき姿が私を探しに来ていた。
この丘で一緒になったアメリカ人の元軍人さんのガイドは、ここからEBCが見えると言っていたのだが、
あとでチェリンじいに聞いたら見えないはずだけど、とのこと。
2時間ほどの散策の後ロッジに戻るとダイニングの壁際のベンチは満席で座るところがなかったので、マチン
ドラじいの泊まるバッティに遊びに行った。そこはあるロッジの玄関に上がる階段下を使った粗末なバッティで
薄いベニヤ板で囲っただけという感じのバッティだった。あいかわらずバッティで飲むミルクティは茶葉から入
れてることが多くおいしいのだが、いかんせん寒いのである!!これは耐えられんと早々に撤退した。マチン
ドラじいは今夜ここで眠るのだと思うととてもかわいそうだし心配だ。彼はダウンも持ってないかならな。
ロッジに戻りストーブ前に椅子を置いて本を読んでいたら17時にストーブに火が入った。でもここは下から火を
付けず上から火を付けたのでなかなか暖かくならない。(そのかわり長い時間付いていたのでそれを狙って上
から火を入れたのかも?)
夕食は6時30分にしてもらい、チョウメンを注文。相変わらず半分しか食べられない。
夕食後アメリカ人の団体客がツアーリーダーらしき人から明日の注意を受けていた。どうやらEBCが目的地
らしく、リーダーの言葉に「イエ―!」とか叫んでいてアメリカ人らしい乗りの良さだ。聞いていると明日6時に
出発してEBCに行きゴラクシェップに泊まるというから完全に同じ行程だ。
この日はみんな寒いので夕食が終わってもなかなかダイニングを去ろうとせず(部屋は暖房がないので寒い
のが分かり切ってるし)、ガイド達はダイニングのベンチに布団を敷いて寝るので客が全員出てくれないと眠
れないから大変だ。
私は水筒にタトパニを入れてもらい湯たんぽ代わりにすることにした。
ロブチェは本当に寒い。今日は特に高山病の兆候はなかったけど、首の付け根が重い感じ。
明日はいよいよエベレストBCだ。