風をあつめて-ぷらり日記-

すっかり山にハマッテマス。でも山ガールではありません。
三線、お遍路、ネパールのこと等も綴ってます。

ネパール エベレスト街道トレッキング その17

2013年08月20日 22時25分08秒 | ネパール2013

トレッキング7日目。

4時前に頭痛で目が覚める。今日は初の5000m越えになるので、とうとうダイアモックスを半錠飲むことに。
さらに冷えで左足も攣りそうだったのでカイロを貼り、こむら返りに即効性のある漢方薬「芍薬甘草湯」も飲んで
再度ベッドに入った。

5時過ぎに起きると頭痛は治まったものの何だかボーっとするような。

朝食を食べにダイニングに行くとチェリンじぃはとっても元気そうである。



シナモンパンケーキに蜂蜜をかけて、ドゥ・チヤ(ミルクティ)で朝食としたものの食欲がなく半分マチンドラじい
に食べてもらった。

それでもテルモスにミルクティを入れたらルンタを持ってチュクン・リへ出発。6時37分。

ロッジから上部に緩やかに登っていく。朝早いので川が凍っていたり橋が霜で滑りやすくなっていて怖い。
マチンドラじいが手を貸してくれる。大した傾斜でもないのにかなり息が切れる。

実は今までスポーツタイツを履いて歩いてたけど、よく考えたら荷物は軽いし毎日すごい距離を歩くわけでも
ないのでスポーツタイツを履く必要はないことにやっとこさ気が付いて、今日から履かないことにした。
それよりも体の締め付けが無くなって息苦しさが少しでも軽くなる方がずっといい。だからブラもしないことに
した。(笑) どうせ寒いからずっとジャケット着てて分からないし。



道は緩やかではあるが確実に登りになった。前後には他に誰もおらず、私たち3人だけだ。
なんでこんなに苦しいんだろう。ものすごくゆっくりとしか歩けてないのに・・・。



1つ目のコブを超えると広いコルに着いた。チュクン・リは右に見える黒い山で、後ろにはローツェ。
こう見るとなんだか平和な散歩道なのに、とてつもなく遠いのだ。まだ登るんだと思うと暗澹たる気持ちに・・・。

ここからあのチュクン・リのコルにあたるところまでの登りは、もう本当にしんどかった。何もしゃべれない。
心臓どころか胃が飛び出るんじゃないかと思うほど息が出来ず、1秒に半歩しか進めない。牛より遅いよ。

まったく写真も撮る気にもなれず、上を向くと先が見えて辛いので、ただ数歩先を見て歩くのみ。

マチンドラじいは周辺にあるたくさんのケルンに石を積みながら後ろからついて来る。私もケルンに石を
積みたいけど無理!!

そしてダイアモックスの副作用なのか。指先がジンジン痺れる。これはなんかいやだ。

もう本当にこれ以上登りたくない~!と思った頃にチュクン・リのコルに着いた。9時9分。
出発してから2時間半ほどだったが、この旅で「もっともしんどいで賞」を授与します。(笑)

チェリンじい達はいそいそと持ってきたルンタを張りだしたが、私はしばらく動けず・・・。
ミルクティを飲んでカラカラになった喉(というか口)を潤し、しばらく休憩してからノロノロとルンタを張るのを
手伝ったのだった。



                   ローツェとチュクン・リをバックに。



振り返ると別世界のような格好いい山々が広がっていた。そしてその手前には銀色に輝くイムジャ・ツォが
見える。温暖化の影響で決壊の危険があると言われている氷河湖だ。
ここから見えるんだったら昨日無理して歩かなくてもよかった・・・。

手前にはたくさんのケルンが。このあたりの石はどれも平べったいので積みやすいのだ。

チェリンじいとマチンドラじいは携帯電話がつながるか頑張っていたが、結局つながらず。
ロッジではチュクン・リまで登ればつながると聞いていただけに2人ともがっくり。チュクンでもつながらない
し、ディンボチェでもつながらないため長いこと電話できていないのだった。

本当に2人とも携帯大好き。いやネパール人すべてなのか?音楽を聴くのも携帯だし、マチンドラじいは
電話がつながればそれはもう楽しそうにおしゃべりしている。

しばらく景色を堪能したら、チェリンじいが「さあ、どっちに行きますか?」と聞いてきた。
ここから右に行くとチュクン・リの最高峰で、左はすぐそこの丘だ。
「右」と答えたら、「右に行ったらあと1時間半はかかりますよ。」とのこと。見た感じではそこまでかからなそう
だったんだけど、さらに「ここ全体がチュクン・リだから、右でも左でも同じです!」と力を込めて言われてしまう
と左に行くしかない。そう、彼らにしてみれば雪のない山など「山頂」ではないので、少しくらい高かろうが50歩
100歩というわけ。

なので地図上のチュクン・リの最高峰には行かず、その手前の丸山(5404m)をGoalとする。



そこから北のほうを見ると灰色のグレーシャー(氷河)の向こうに白いとんがりが。雲がてっぺんにかかって
いるのがプ・モリだ。これからずっと見ることになる。

で、帰りは楽ちん。息も切れない。
ケルンに石を積みつつ、目の前の景色を堪能しながらゆっくり下っていく。



  大迫力のヒマラヤ、氷河の広大さ、自分がこんなところにいることが信じられない。



下りはあっという間で1時間で降りてきた。10時45分着。
それにしても本当に疲れてしまった。食欲もなかったが何か頼まなければならなかったのでトーストとフルーツ
カクテル、ホットレモンを注文。



初めて頼んだフルーツカクテルは寒いので温めて出してくれた。これなら食欲なくても食べられる。これから
食欲のない時はフルーツにしようと決める。トーストはほとんど食べられず。

疲れた体に鞭打って11時55分にロッジを出発。
ずっと下りなので休憩なしでどんどん下る。途中でマチンドラじいの携帯が通じて楽しそうなおしゃべりが始
まった。チェリンじいの携帯はつながらず。というのもネパールの携帯はSIMカードが2社分差し込めるよう
になっていて、マチンドラじいは2社のエリアをカバーしているのだが、チェリンじいはなぜか同じ会社のSIM
を2枚入れているのでエリアが狭いらしい。なぜ同じ会社のを2枚入れるのか、謎。

それにしてもうらやましい。SIMカードはたった5ドル程度で手に入り、電話代も格安なのだ。

で、ディンボチェには13時10分着。今度は2日前とは違うロッジに泊まる。今度はすぐにストーブ入れてくれ
ますように。



お部屋は清潔で広かった。
ダイニングで3時のお茶をいただいていると、チェリンじい達が携帯のバッテリーチャージが100RPSで
出来るバッティに行くというので付いて行った。

途中、ショップで手袋を購入。入れたつもりが持ってきてなかったのだ。いくつか見て回ったが、あるショップ
ではマウンテンハードウェアのが700RPSで売られていてマハンゴ!次のショップには普通の手袋が180
RPSで売られていたので迷わず購入。

その後向かったお店はポーター達が利用するようなバッティなので、キッチンが直接見られたりして私には
面白い。



他のポーター達から「なんでこんなところにいるんだろ?」的な視線を浴びる。ハハハ。

バッティは簡易宿泊所でもあるので、どんなところで寝ているのか興味があったので見に行くと、



こんな感じ。ブルーシートの下には薄いマットぐらいは敷かれていたと思うが、かなり寒そうである。
しかしここでご飯を食べれば宿泊代はかからないらしいので、大きな節約になるんだろう。実際ロッジの
レストランよりミルクティも若干安かったし。

ちなみにバッティのお兄ちゃんはマウンテンハードウェアのダウンにマムートのパンツを履き、手にはスマホ。
まったく、貧乏なのか金持ちなのか分かりません・・・。