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くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

ある朝の風景

2008-12-28 14:46:26 | 日記

1228

 7時5分前に目覚ましが鳴る。
 起きるのがつらい。起きたくない。
 一年の疲れが澱(おり)のように身体に蓄積している。しかもこの時期、布団の中は暖かくて天国のようだ。
 布団から出たくない。
 しかし、起きぬわけにもいかぬ。
 5分ほどぐずぐずし、意を決して布団をはぐ。
 ベッドを出て、カーテンを開ける。
 寝間着を脱ぎ去り、洗濯機へ放り込む。上半身裸の姿で、今日の服装を考える。
 シャツやセーターをどれにしようか。それによって、下に着るTシャツも変わる。何となれば、何を着ていくかを決めないうちは、上半身は裸のままだ。
 寒さに震えながら考える。しかし起き抜けの頭に、これはなかなか難しい事柄。
 毎朝、パンツ一枚で震えている。
 この問題を、いつか解決しないといけない。



 服を身につけ、キッチンへ。
 コーヒーを沸かし、トーストを焼き、ヨーグルトをよそう。
 これらの作業は自動的に身体が動くので、何も迷うことはない。
 あらためて外を眺めると、富士山と奥多摩の山塊のあいだに、ひときわ白い山並みが見える。
 南アルプス連峰の一部だ。
 信じられないことだが、東京港に面したこの高層住宅から、見ることができるのだ。
 大気中の水分が極めて少ないこの時期の、ひとつの贅沢。



 8時20分、出掛ける時間となる。
 身体が重い。朝日がまぶしい。
 来年は仕事のやり方を、もっと効率的にしようと決意する。
 無意味な労働はきっぱりと断ろうと思う。
 そんなことを思いつつ、今年も暮れていくのであった。