カテドラーレのゴシック式アーチ
パレルモの街中は、とても騒々しい。
どんな狭い道路でも、車が入り込んでくる。
日本ではもう見ることのない三輪自動車が、現役で走り回っております。 荷台にはカジキマグロが山積みだったりするのであります。
何だかちょっと、懐かしい風景。
ノルマン王宮内、パラティーナ礼拝堂
大々的に修復中
天井も壁も金モザイクで埋まっている、はず
ノルマン王宮の入場料は4ユーロ。2人分で1300円くらいだ。
チケットを売っている警備員が、同僚とダベりながら応対をしてくれた。
楽しい話題らしく、ずっと顔を見ながら話しをしている。
客であるこっちを、全然見てくださらないのである。自動的に金を受け取って、伝票に記入している。
ようやくチケットを受け取って去ろうとすると
「金は払ったか?」
というようなことを言ってくるのである。
「最初に払ったでしょ!」細君が強く言うと、「ああそうだっけ、へへ」といった具合。
職務に対して、まったくやる気がないご様子なのですね。しかしこんなことは普通に見られるとのこと。いちいち腹を立ててはイケナイ。
左側の白い壁は、実は工事用ネットなのだ
パレルモ観光でもう一つ行きたかったのは、郊外にあるモンレアーレという修道院。
中庭の柱にモザイクが埋め込んであって、それが見どころということだ。
見どころは見逃さないようにしなきゃ、と思う。
しかし、ここに辿り着くのが大変だった。目的地に向かうバスがなかなか来ないのであります。
折しも午後の一番暑い時間。熱波はサンサンと降り注ぎ、Tシャツ1枚でもくらくらしてくる。
やっとバスが来たかと思えば、バス停に止まらなかったりする。
その後を走って追いかけ、結局追いつけなかったりする(当たり前だ)。
そもそもバス停には、行き先表示がちゃんと書いてない。みんな、何となく集まっている無法状態なのだ。
モンレアーレ修道院の中庭
「だいぶ挫けてきた」
「どうしようか」
「確実に行けるバス停を、誰かに訊けばいいのでは?」
しかし細君は、誰かに尋ねるのをしぶっている。その理由はだんだん分かってきたのだけど、現地の人に教えてもらったとしても、どうせアテにはならないのであります。
あまり知らないくせに「113番から出てるわよ」なんて言うのだ。
結局、中央駅まで行ってから仕切り直し。今度はうまくいき、バスはぐんぐん丘を登って行ったのであります。
中庭に面した柱のアップ
柱すべてに色々な模様が埋め込んである
1.5ユーロの別料金を払って、屋根の上に登る。これがとても良かった。
煉瓦色の瓦を葺いた屋根が複雑に重なって、遙か彼方には海が見える。
灌木しか生えていない、荒涼とした山並み。
どこかでイヌが吠えている。
焚き火の煙がたなびいて、夕方の匂いがする。
少しずつ、眼下の街に灯りがともってくる。
自分は旅行で来ているわけだが、こちらの人々は普通に生活しているのですね。
すっかり暮れた中を、バスに乗ってホテルに帰る。いよいよ明日からはシチリアを車で廻る旅であります。