くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

遙かなるラグーサへの道4 さらばパレルモ

2006-12-15 12:03:58 | 連載もの 遙かなるラグーサへの道

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カテドラーレのゴシック式アーチ

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 パレルモの街中は、とても騒々しい。
 どんな狭い道路でも、車が入り込んでくる。
 日本ではもう見ることのない三輪自動車が、現役で走り回っております。 荷台にはカジキマグロが山積みだったりするのであります。
 何だかちょっと、懐かしい風景。



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 ノルマン王宮内、パラティーナ礼拝堂
 大々的に修復中

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天井も壁も金モザイクで埋まっている、はず

 ノルマン王宮の入場料は4ユーロ。2人分で1300円くらいだ。
 チケットを売っている警備員が、同僚とダベりながら応対をしてくれた。
 楽しい話題らしく、ずっと顔を見ながら話しをしている。
 客であるこっちを、全然見てくださらないのである。自動的に金を受け取って、伝票に記入している。
 ようやくチケットを受け取って去ろうとすると
「金は払ったか?」
というようなことを言ってくるのである。
「最初に払ったでしょ!」細君が強く言うと、「ああそうだっけ、へへ」といった具合。
 職務に対して、まったくやる気がないご様子なのですね。しかしこんなことは普通に見られるとのこと。いちいち腹を立ててはイケナイ。 

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左側の白い壁は、実は工事用ネットなのだ

 パレルモ観光でもう一つ行きたかったのは、郊外にあるモンレアーレという修道院。
 中庭の柱にモザイクが埋め込んであって、それが見どころということだ。
 見どころは見逃さないようにしなきゃ、と思う。
 しかし、ここに辿り着くのが大変だった。目的地に向かうバスがなかなか来ないのであります。
 折しも午後の一番暑い時間。熱波はサンサンと降り注ぎ、Tシャツ1枚でもくらくらしてくる。
 やっとバスが来たかと思えば、バス停に止まらなかったりする。
 その後を走って追いかけ、結局追いつけなかったりする(当たり前だ)。
 そもそもバス停には、行き先表示がちゃんと書いてない。みんな、何となく集まっている無法状態なのだ。

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モンレアーレ修道院の中庭

「だいぶ挫けてきた」
「どうしようか」
「確実に行けるバス停を、誰かに訊けばいいのでは?」
 しかし細君は、誰かに尋ねるのをしぶっている。その理由はだんだん分かってきたのだけど、現地の人に教えてもらったとしても、どうせアテにはならないのであります。
 あまり知らないくせに「113番から出てるわよ」なんて言うのだ。
 結局、中央駅まで行ってから仕切り直し。今度はうまくいき、バスはぐんぐん丘を登って行ったのであります。

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中庭に面した柱のアップ
柱すべてに色々な模様が埋め込んである

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 1.5ユーロの別料金を払って、屋根の上に登る。これがとても良かった。
 煉瓦色の瓦を葺いた屋根が複雑に重なって、遙か彼方には海が見える。
 灌木しか生えていない、荒涼とした山並み。
 どこかでイヌが吠えている。
 焚き火の煙がたなびいて、夕方の匂いがする。
 少しずつ、眼下の街に灯りがともってくる。
 自分は旅行で来ているわけだが、こちらの人々は普通に生活しているのですね。

 すっかり暮れた中を、バスに乗ってホテルに帰る。いよいよ明日からはシチリアを車で廻る旅であります。

 つづく
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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あ、Flickrで見た写真だね。 (cipciap)
2006-12-15 22:19:23
どうしてこんなに空が青いのでしょうね。
三輪自動車や小型自動車など
生活のための車がちょこちょこ走っていて、
イタリアってかわいいでしょ。

ノルマン王宮の警備員はうまくいきゃ2度取りしてやろうと思ったかもね。(¬_¬)
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cipciapどの (ハヤト)
2006-12-16 00:42:20
そうなのだ。2度取りするのかなあとも思った。
でも、個人事業主じゃないしね。なんだろ。
ただ話しに夢中になってたヤツかな。

イタリアに行ってから、小型車もいいなと思うようになったよう。
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おお、どこを見ても異国ですね。 (ぽんすけ)
2006-12-16 08:23:57
 
そして、青、青、青の青~い空。
胸の中まで青に染まりそう・・・。
日本海側ではめったに見られない
濃いブルーの空は
私の永遠の憧れです。
こんな青い空を見るだけでも
イタリアまで行った甲斐があるってもんです。
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ぽんすけどの (ハヤト)
2006-12-16 09:41:37
>胸の中まで青に染まりそう・・・。
いいなあ、ぽんすけどのの表現は。
日本海側は青が薄いのですか?
そうすると、山にでも登るしかないか。

我が国だと、北海道も空が青いらしいっす。
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時がたおやかに流れるのは、とっても良いです (yumeguri)
2006-12-16 13:24:24
>「金は払ったか?」
>「最初に払ったでしょ!」
>「ああそうだっけ、へへ」

心底羨ましい掛け合いですヨ(^^ゞ シミジミ・・・。
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ハヤトさんにとって凄くいい刺激になった旅みたい... (ヒカル(v^-^))
2006-12-16 14:03:21
写真を見ていると子供に帰って何にでも興味を示しているように思える。
きっとハヤトさんの仕事のいい糧になったんでしょうね。
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異国情緒あふれる写真を見てるだけでため息がでま... (秘書)
2006-12-16 19:34:39
特に柱とかたまらんです。
返信する
日本海側は空の青が薄いのではなく (ぽんすけ)
2006-12-16 21:19:44
ぱっきり晴れる日が少ないのです。
最近では朝7時になっても薄暗いような日がありますよ。
<北海道は空が青い・・・
北海道は憧れの地です。
死ぬまでに絶対行ってやるぅ!(笑)
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yumeguriどの (ハヤト)
2006-12-17 12:06:04
イタリアに魅せられた人は、こういうところが大きな魅力だと言います。
い~い加減なところ。


ヒカル(v^-^)どの
おっしゃる通り、何でも新鮮で面白かった。
同時に、「人の営みはどこでも一緒だなあ」とも、思いました。
外国を知ることは、自分の国を知ることなんですな。


秘書どの
まるで異文化。
シチリアは、これまで色んな国と勢力に支配されてきたらしく、一口には言い尽くせない複雑さがあるらしいっす。


ぽんすけどの
晴天が少ないとは、まるでパリかロンドンと一緒ですなあ。
行ったことないけど。
北海道は、我が国では別天地ですね。あとは沖縄も、かな。
どっちも、のんびりとした旅に行ってみたいですねぇ。
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違うところへ行くと客観的に自分の生活も見えてき... (ヒカル(v^-^))
2006-12-17 18:46:30
旅っていいなぁ・・・

ところで、プロフィールの写真変わりましたね^^
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