「真の改革の人」田中康夫長野県知事 6月26日

7月20日の告示まであと僅かとなり、とうとう田中康夫長野県知事が3選に向けて出馬表明した。選挙の度に圧倒的な存在感を示す田中康夫氏は、その切れ味鋭い改革政策が、当然のことだが県議会議員を中心とする既得権益保持者らの強烈な反感をかい、次第に厳しい舵取りを強いられるようになった。3選目を目指す今回は、「反田中」候補を擁立しようするグループがなんと10以上も誕生し、長野県には異様なムードが漂っている。

最新の「県世論調査協会」による調査の結果、田中氏の支持率は前回(4月)より5ポイントアップ、「支持する」と答えた人は48%、「支持しない」の46.9%を上回った。2004年10月以降ずっと、「支持しない」が「支持する」を上回っていたが、おそらく、県政に対する具体的な政策論争ではなく、田中氏の独特の発言や行動に対する反田中的な地元マスメディアの報道の影響が、世論調査の数字に反映されたのだろう。

最新の調査によると、田中県政になって「良い方向に向かっている」と答えた人は50.9%。政策・公約の内容を「評価する」と答えた人は47.6%に達している。しかし、掲げた政策の実現度合いについては、「実現されている」と「実現されていない」との評価が拮抗し、田中氏の県政改革の足を引っ張る既得権益保持者の反発の強さがうかがえる。しかし数字は、田中氏の政策が実現することを県民が願っていることを物語っている。

政策・公約には一定の評価のある田中氏にも、実は弱点もある。田中氏の人となりについて「評価する」と答えた人は38.8%、「評価しない」と答えた人が、なんと51.5%にものぼるのだ。県政運営の手腕についても、「評価する」が29.1%、「評価しない」が57.8%。田中氏の、何者をも恐れない、明晰で断定的な性格が、結果的に多くの敵をつくってしまったことが災いしている。

田中氏の掲げる政策は、県民の望むものではあるが、改革と既得権益奪取とは表裏一体だ。田中氏再選阻止に猛進する利権グループは、県民利益よりも自分たちの利益を優先する、事実上、県政の風上にもおけない人々だ。世論調査が示すように、田中氏の政策は県民に支持されている。既得権益保持者にとって許せない改革だからこそ、民主党は改革政党の責任として田中氏の改革の後押しをしなければ、政党としての一貫性がないことになる。

鳩山幹事長も、羽田雄一郎民主党参議院議員に国政に専念するよう進言している。既得権益保持者を敵にまわすことを恐れず、今、本当の意味で改革の断行の先頭を切っている政治家は、日本中に田中康夫氏を置いて他に存在しない。正しい道を不断の覚悟で邁進する田中康夫氏を、多くの心ある長野県民と一緒に応援することが、民主党の本来あるべき姿だ。政策をまったく無視し「反田中」に走る人々に惑わされることのないよう、民主党には責任政党としての鮮やかな政治的判断と手腕とが求められるのだ。
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