新石垣空港建設問題 2007年5月21日

今日は、新石垣空港設置許可取消訴訟第4回口頭弁論の傍聴に行ってきました。「八重山・白保の海を守る会」の事務局の方のお誘いで東京地裁に行きましたが、あふれんばかりの傍聴者の数には恐れ入りました。みなさん真剣です。閉廷後の勉強会でも話が出ましたが、地元石垣の住民の方々は、強引な沖縄県や土建屋さんなどのプレッシャーがあり、反対の声をあげにくい。むしろ全国から声をあげて欲しい、ということなのです。

折りしも、石垣島は、リゾート開発ラッシュでミニバブルのような状態ですが、そんな目先の利益に惑わされていたら、必ず将来後悔します。八重山・白保海域は、市民運動の努力もあって7月に西表国立公園に編入することが決まりました。国と沖縄県が結託して、白保海域の環境を破壊することは、国立公園の編入に明らかに矛盾します。今回の裁判では、沖縄県が行った環境影響評価の手順と内容が、法律に則ったものではないのではないかということなど、環境アセスメントの不備と違法性を強く追及しています。

新石垣空港建設の問題は、もはや一空港だけの問題ではありあせん。普天間から辺野古に移設が決まった米軍基地の滑走路がV字型であることは知られていますが、これは軍用機の離着陸が風向に左右されないための手段です。一方現在、嘉手納基地には、あの「F22ラプター」が12機も展開されています。今日の勉強会では、新石垣空港の横を裏の海側に向かって、分厚いアスファルトで固められた道路がひそかに建設されたことが紹介されました。これは勿論、戦車用の道路としか考えられませんよね。米軍のトランスフォーメーションの中に強力に組み込まれていく沖縄は、そう遠くない将来、日本であって日本ではなくなってしまうのではないかと、私は心配でなりません。

政治は国民のためになければなりません。現空港の拡張などの代替案があるにもかかわらず、強引に計画が進められようとする新石垣空港建設は、日本国民の利益を損なうものです。そうである以上、共有地主の一人でもある私は、この問題に断固たたかいを挑みます。
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小池環境大臣 4月17日

「永田町では、女性は男性の10倍働かないと認められないところもあり、頑張りすぎた」との小池百合子環境大臣の発言に、私はとても違和感を覚える。ひねくれものと言われそうだが、小池大臣は、何か勘違いをしているのではないだろうか。小池大臣の勘違いではないとしたら、永田町というところは、いまだにとんでもなく封建的で女性蔑視の社会ということになる。

小池大臣の理解に苦しむ発言は、退院のときにも見られた。病気になったことについて、「私はロハスを心がけているのに、こんなことになってしまって・・・」と、「ロハス」という言葉を誇らしげに口にしていた。この人は「ロハス」の意味がわかっているのだろうかと、心底疑問に思った。

小池大臣のいう「10倍働く」とは、どういう意味なのだろう。環境大臣として本当に頑張っているのなら、何故、環境破壊につながる新石垣空港建設に待ったをかけなかったのか。発表された「環境大臣意見」は、沖縄県への再調査を要求するものの、それさえクリアすれば着工にGOサインを出すものだった。国交省と肩を並べて、地元の土建業界の完全に言いなりになってしまっていた。そんな環境大臣なら、いないほうがましだ。

中古電気用品を事実上ゴミにしてしまう電気用品安全法についても、次の政局を見据えてか二階経産大臣の前に、見事に陥落。環境的配慮に立った見識は示されることなく、こんな人が環境大臣なのかと、マータイ女史に対して恥ずかしさが募った。開いた口がふさがらないとはこのことだ。健康で持続可能なライフスタイル「ロハス」とは、まるで正反対の小池大臣の言動ではないか。そもそもロハスな生活を送っていれば、健康を害して入院することなんてあり得ない。

小池大臣が人の10倍も働いてどんな仕事をしていたのかというと、国交省や経産省の利権を保護するための片棒をかついでいたにすぎないのだ。環境大臣としての本来の役割よりも、自身の永田町でのポジションをいかに上昇させていくか、ひたすらそれだけを考えた結果が、新石垣空港建設問題や電気用品安全法での小池大臣の挙動なのだ。

出産あり育児あり介護あり、男女を問わず家族が協力しあって生きていくことに理解を示す企業が増えつつある現代に、小池大臣の「10倍発言」は全く馴染まない。健康を早く取り戻していただきたいと思う気持ちに嘘はないが、環境大臣としての小池氏には、そろそろ引退を願いたい。
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ライブドアと新石垣空港 2月13日

エイチ・エス証券副社長の野口氏の最後の死に場所が、何故、沖縄なのか。当初は誰もが不思議に思っていたが、一部の週刊誌の粘り強い取材によって、徐々にその謎がとけてきた。金融関連企業や情報通信企業の法人税や地方税が優遇される「金融特区」である沖縄は、拝金主義のライブドアにとって魅力たっぷりの玉手箱だったに違いない。

そして、ライブドアの沖縄戦略は、「金融特区」に留まりはしなかった。昨年12月19日とうとう国交省の設置許可がおりた「新石垣空港」の建設を見越し、フロント企業であるダイナシティを使った大規模リゾートマンションの建設など、石垣島で壮大なリゾート開発を計画していたのだ。新空港周辺は、ありがちな、暴力団による地上げが行われ高値で土地を売りたがっていた。堀江氏は設置許可がおりる直前に、「リゾート」には向かない暴力団の土地はキャンセルして、西表が見渡せる風光明媚な高台を、建設用地に選んでいたようだ。

八重山の雄大な自然が、ライブドアのような拝金主義のフロント軍団によって、食い物にされようとしていた。新石垣空港の建設は、長い眼で見れば八重山の人々にとって負の遺産にしかならない。目先のわずかな利益に惑わされる地元の人々に、自然環境を保護することの重要性を説き、八重山を国立公園に編入させ、でき得れば世界自然遺産への登録を実現させるよう働きかけていく責任が、国にはある。ライブドアに、八重山の自然を愛しみ保護していく気持ちなど、到底あったとは思えない。新空港が開港したら、ホリエモンジェットは台湾や香港を往復し、間違いなく石垣島は香港マフィアとのアジトになっていたはずだ。

金儲けのためならなんでもありのライブドアが石垣島に乗り込んでいたら、リゾート開発の名のもとに、北半球一の珊瑚礁が、木っ端微塵に破壊されたのも時間の問題だ。八重山にとって、環境破壊は本末転倒!!ライブドアにつけ入る隙を与えた国の責任は、重大だ。昨年12月にダイナシティを買収した時点で、ライブドアは名実共にフロント企業と化した。新空港にGOサインを出した政府のスポークスマンにも、闇社会の陰がつきまとう。堀江氏が逮捕されても、新空港建設がこのまま進行すれば、美しい珊瑚礁が連なる八重山諸島は、他の拝金主義者らによって、自然環境破壊の危機にさらされ続ける。

滑走路予定地のど真ん中に、建設に有効性を認めない有志が集い、共同地主として土地を所有している。私も地主の一人として、どんな圧力にも屈することなく、最後まで珊瑚礁を守り抜く姿勢を貫きたい。

それにしても、経団連会長ともあろう人物が、武部自民党幹事長に頼まれて、広島カープ買収を企む堀江氏のために、読売のナベツネ氏に口利きの電話をするなんて!武部氏を筆頭に、トヨタの会長までが堀江氏のためにかり出される!彼らに堀江氏は、いったいどれほどの恩恵を与えたのだろうか。疑惑は、深まるばかりだ・・・。
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新石垣空港建設もアメリカのため 12月23日

来年度予算内示前日の12月19日、国交省はとうとう、新石垣空港の設置を許可した。耐震強度偽装問題で揺れる国交省は、そのどさくさに紛れて、懸案だった新石垣空港建設にGOサインを出してしまったのだ。小池環境大臣は、コウモリなどの稀少生物やサンゴ礁の保護あるいは赤土流出問題に対する具体的な対処方法を、あらためて評価書に記載するよう評価書の再修正を求める意見書を発表するなど、誰の目から見ても、新石垣空港の建設は、環境破壊以外の何ものでもないのだ。

新石垣空港の建設は、ジャンボが飛ぶことによる経済的なメリットよりも、環境破壊によるデメリットのほうがはるかに大きい。建設推進派が主張するように、現行の石垣空港の改修では不十分であったとしても、新石垣空港建設によるデメリットと比較すれば、はるかに許容できるものだ。

そもそも、現石垣空港は、決して飽和状態ではない。高額な運賃は、客足を遠ざける。便数が追いつかないと表現されるのは、ダイビングのシーズンなどごく限られた時期のみだ。地元経済界は、貨物輸送の強化を大義名分として掲げているが、いくらジャンボで大量輸送しても、販路が確保されない以上、特産物の売れ行きは、現状を打破することはできないのだ。ソフトが伴わないうちに、ハードを先行させても無意味なのだ。

観光産業が主流の沖縄の振興を考える上で最も重要なことは、沖縄の付加価値を上げることだ。それには、北半球一のサンゴ礁を誇る八重山の美しい海を、世界自然遺産に登録し、国をあげて八重山諸島の自然を守り育むことが不可欠なのだ。仮に新石垣空港ができジャンボが往復するようになれば、常識的に考えて航空運賃は上がることはあっても下がりはしない。大量輸送が可能になっても、オフシーズンの観光客には限界がある。

地元経済界が言うように貨物の輸送量を増やしたいのなら、国内の航空会社がパイロット養成に使用している、宮古島の下地空港を利用すれば済むことだ。風の便りで聞こえてくるように、仮に石垣島と宮古島に相容れない島人同士の隔たりがあるとするならば、わかり合えるよう説得するのが県や国の務めというものだし、真に沖縄の発展を願うなら、目先の公共事業に期待する建設業者などの地元住民を、正しい方向に導いていくのが国の責任というものだ。

一縷の望みは、滑走路予定地のド真ん中に、建設反対派630名が保有する1,500㎡に及ぶ未収用の土地が存在するという事実だ。この土地が収容されない限り、滑走路の建設は不可能だ。630名の共同地主の1人である私のところへも、沖縄県の担当部署より、再三にわたり土地の所有権を放棄するよう要請が来ている。勿論、私は最後まで譲らない構えだ。新石垣空港建設は、長い目で見て、絶対に沖縄に利益をもたらすものではないからだ。

結局のところ、国交省は、米軍の再編問題に絡んで、沖縄県が要望する「新石垣空港2,500m滑走路」を速やかに実現して、キャンプシュワブ沿岸案を了承して欲しいだけなのだ。沖縄の未来に責任を持っているわけでは、決してないのだ。観光客や貨物の輸送量がパワーアップするという名目は、まさしく建前でしかなく、ここでも米国優先の政策が実行されようとしているにすぎないのだ。

ジュゴンの生息に影響を及ぼしかねない米軍基地の辺野古沖移設問題では、このまま地元との折り合いがつかなければ、権限を知事から国に移行させるため、与党は「特措法」の制定もじさない構えだ。アメポチ・ネオコン路線は、決定的に日本を崩壊へと導いていく。アメリカのために、日本はどこまで身を削るつもりなのかと、小泉総理に問いただしたい。小泉総理になって、世界の中で日本人を取り巻く環境は、劣化の一途をたどっている。アメポチ・ネオコン・ハリボテ小泉改革は、必ず日本を滅ぼす。次の国政選挙では、大きな軌道修正が必要だ。民主党は、そのための受け皿になり得る政党に、一刻も早く脱皮しなければならないのだ。
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チーム・マイナス6%より、MOTTAINAI運動! 4月29日みどりの日

政府に「地球温暖化対策推進本部」を設置することが閣議決定された。この夏は、ノーネクタイー・ノー上着でいくと、数日前から言っていた小泉総理だが、京都議定書の約束を無視しないために、いよいよ「アクション」開始ということだ。

「チーム・マイナス6%」と銘打ち、温室効果ガス6%削減の目標に向かって、個人個人がバラバラに取り組むのではなく、チーム一丸となりいわば国民運動の形で地球温暖化に立ち向かおうというコンセプトだ。「チーム・マイナス6%」は、「愛・地球博」や地球温暖化対策をメインテーマとしたG8サミット・各府省と連携し、インターネットやブログなど各種メディアを活用して地球温暖化の危機的状況を伝え、温暖化防止につながる身近な6つの具体策を、幅広い国民運動にしていくことに主眼を置いている。

温室効果ガス6%削減に向けての「6つの具体策」とは
・ 冷房は28度に設定する
・ 蛇口はこまめにしめる
・ エコ製品を選ぶ
・ アイドリングをなくす
・ 過剰包装を断る
・ コンセントをこまめに抜く
どれも簡単にできそうなことばかりだ。「マイお箸の持参」も加えて欲しかったが、総理や大臣、お役人たちは、庶民の暮らしに欠かせないお弁当には、馴染みがないのだろう。残念。電気代や水道料金、ガソリン代を6%減らすことは、そうはいってもなかなか大変。しかし、踏み出す一歩が大切だ。

「チーム・マイナス6%」は、個人・法人すべての国民を対象に、これらの行動を実践するチームメイトを募集している。「チーム・マイナス6%」のHPから登録可能だ。元手のかからない単に意識改革の問題なのだから、キックオフされた以上賛同者が増えることを期待する。私も登録した。
チーム・マイナス6%→ http://www.team-6.jp/

ただ、忘れてはならないのは、京都議定書の約束では、温室効果ガスを今後3~7年間かけて1990年度比で6%削減するということであって、今現在の排出量で換算すると14%ものCO2・CH4(メタン)・N2O(一酸化二窒素~自動車の排気ガスなど)・代替フロン等(スプレー・冷媒・半導体の洗浄など)の温室効果ガスを削減しなければならないという事実だ。

小泉総理を本部長とする「チーム・マイナス6%」のこの取り組みは、決して悪いことではない。頭でっかちではなく、行動に移すことが肝心だからだ。そこで、政府に地球温暖化対策は至上命題であるという認識が本当に在るのなら、必然として、地球環境破壊につながる例えばムダな空港建設には、識者の見識と責任で、引き返す勇気を持ってもらいたい。新石垣空港や静岡空港建設問題だ。

石垣空港は、本当に輸送力の強化が必要というのなら(実はその点も怪しい)、現空港の拡張案を模索すべきであるし、羽田空港と中部セントレア空港に最大2時間圏内の静岡県には、空港なんて必要ない。たとえ空港が出来たとしても、大手航空会社が就航したくないと言っているはなっから赤字覚悟の空港を建設する意図が、私にはさっぱり理解できない。

新石垣空港も静岡空港も、完全に税金のムダ使いだ。私たちの血税が、MOTTAINAI。限られた地球環境を破壊するなんて、MOTTAINAI。温室効果ガスの放出は、資源のムダ使いに等しい。政府があらためて「チーム・マイナス6%」キャンペーンをはるのも悪くはないが、マータイ女史が世界に広めようとする「MOTTAINAI運動」への参加の正式表明のほうが、地球規模での連帯感の強化という意味においても評価が高かったのではないかと、私は思っている。

いずれにしても、私たち個人個人は政府から言われなくても、身近な暮らしの中で出来ることをコツコツと積み重ねていくしかない。しかし、当の政府が、資源や税金のムダ使いである新石垣空港や静岡空港建設をこのまま容認するようでは、実際、京都議定書遵守どころの騒ぎではない。まさに本末転倒とはこのことだ。政府が、本当に京都議定書の趣旨を理解しているのなら、MOTTAINAI運動の理念に則って、地球環境破壊につながる新石垣空港・静岡空港を筆頭に、ムダな大型公共事業すべての全面的な見直しに、動き出す必要がある。

失われた自然環境は、絶対に元には戻らない。宇宙船地球号は、打ち出の小槌ではない。乗組員一人一人が、資源を大切に使う意識を持たなければ、必ずいつかは滅亡する。マータイ女史をうならせた、「MOTTAINAI」精神でいこう!
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こだわりの新石垣空港問題とBSE問題 4月20日

新石垣空港建設に関する沖縄県の環境影響評価書に対する小池環境大臣の意見を受けて、読売新聞はいち早く条件つきながらも建設を容認する内容だと「評価」した。少し遅れて毎日新聞が、再評価を求める環境大臣意見によって、工事の着工が大幅に延期されるかもしれないと批評した。いずれも意見書公表の15日夜のことだ。

そして今日は20日、朝日新聞は社説に「沖縄県のアセスは落第」と記した。沖縄県は、今度こそ手を抜かないで環境を守る姿勢を見せて欲しいと、結んでいる朝日の社説だが、毎日も勿論読売も、いずれの新聞も新空港建設が行なわれることを前提にしていることが、行間ににじみ出ている。しかし、少なくとも、沖縄県の環境影響評価の不十分な点を指摘した新聞があったことは事実だ。

世論の力で、このプロジェクトを正しい方向に転換させる努力が必要だ。少なくとも環境大臣は、新空港建設が環境を破壊しないとは判断できないと、明言している。このまま、世界自然遺産の登録も出来ぬまま、八重山が、中途半端な観光地に甘んじてしまうことは、非常に残念なことだ。

ところで、米国の大手パッカーのBSE検査が、いかに杜撰でいい加減であるかを知らしめる記事が、日経の商品面に掲載されている。効率の良さが価格競争力のカギを握るとあり、少ない人員で短時間に穴だらけの流れ作業をしている実態が報告されている。

・月齢判定は正確に行なえない
・除去されるべき特定危険部位が紛れ込んでいても発見できない
・サンプル採取が必ずしも無作為ではない
・ヘタリ牛すべてを検査しているわけではない
これだけ聴いても十分すぎるくらい、米国産牛肉がいかに安心できない代物なのか認識できる。

BSEによる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の脅威を知った以上、完璧な検査がなされない米国産牛肉の輸入再開なんて、絶対にあり得ない。日本の消費者の安全をとるのか、米国のポチに成り下がるのか、答えは言うまでもないが、今の政府の場合、しっかりと監視しなければ、非常に危うい。今でも、島村農水大臣の「BSE検査は世界の非常識」発言が耳にやきついている。

そして、最も恐るべきことは、特定危険部位が米国産飼料に、混入してしまっている可能性があることだ。それが日本に輸入され、日本のウシの飼料となることは、輸入牛肉の脅威にもまさる爆弾だ。しかし、驚くべきことに、島村農水大臣は、米国産牛肉のリスク評価の中で、米国の飼料規制については諮問しないと明言しているのだ。米国の「検査体制が不十分」という認識を、そのまままに受けた不作為と言える。このような島村農水大臣および政府の傲慢で無責任な対応を、看過してはならない。

あろうことか、米国産牛肉の早期輸入再開を求める120万の署名を提出した日本フードサービス協会から、島村農水大臣は二百数十万の献金を受けていることが判明している。国民の食の安全より、自己の利権を優先する政治家が、ここにも居る。木を見て森を見ない日本の体制派によって、この国は奈落の一途をたどっている。

とにかく、新石垣空港問題もBSE問題も、諦めずに私なりに出来る限り取り組んでいきたい。
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新石垣空港整備事業に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見 4月16日

昨日公表された、国土交通大臣にあてた新石垣空港建設に関する小池環境大臣の意見書が手に入った。来週には、環境省HPにアップされると思われるが、ここに全文を掲載する。
残念ながら着工が前提にあるが、特にコウモリとサンゴ礁への影響について、かなり詳細に注文をつけて、それぞれに、その過程を補正評価書に記載することを要請している。これらの要請に対して、沖縄県が真面目に取り組めば、工事の着工はかなりの延期を余儀なくされるだろう。沖縄県がどこまで本気に取り組んでいくのか、しっかりと監視していきたい。同時に、白保の海の西表国立公園への編入と世界自然遺産への登録に取り組むことによって、なんとしても、建設阻止につなげていきたい。

「新石垣空港整備事業に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見」(2005.4.15)

新石垣空港整備事業実施区域及びその周辺地域では、ヤエヤマコキクガシラコウモリ、カグラコウモリ、リュウキュウユビナガコウモリ(以下、これら3種を「小型コウモリ類」と言う)、カンムリワシ、コガタハナサキガエル、オカヤドガリ類等の希少類、固有種が生息・生育しており、また、前面の海域には北半球で最大級の規模であると言われているアオサンゴ群集を含むサンゴ礁生態系が広がっている。
本事業の実施に当たっては、小型コウモリ類やサンゴ礁の保全をはじめとして、これら希少な生物や生態系の保全を図るため、本事業の環境影響評価書について、下記のとおり意見を述べる。

1、小型コウモリ類への影響
当該地域の洞窟群を利用している小型コウモリ類個体群(集団)は、石垣島全体の個体群の相当な割合を占めることから、その個体群の繁殖に重大な支障が生じた場合、石垣島の全個体群の存続に著しい影響を及ぼすおそれがある。このため、事業実施に当たっては、当該洞窟群を利用している小型コウモリ類に与える影響を可能な限り回避又は低減する必要がある。
以上の観点から、以下の措置を講じること。

(1)小型コウモリ類が出産・ほ育の場として利用しているA洞窟及びD洞窟については、その保全に万全を期すること。

(2)本事業の実施に伴い消失するとしているB洞窟、C洞窟及びE洞窟については、できる限り小型コウモリ類が継続してこれらの洞窟を利用できるよう、実態、機能等について専門家の指導・助言を得た上で、可能な限り保全すること。また、検討の過程及び講じる措置を評価書に記載すること。

(3)事業実施区域及びその周辺で、A~E洞窟以外に確認されている洞窟については、小型コウモリ類の利用について、追加調査を行うこと。調査の結果、小型コウモリ類の利用が確認された場合は、できる限り小型コウモリ類が継続してこれらの洞窟を利用できるよう、専門家の指導・助言を得た上で、可能な限り保全すること。また、検討の過程及び講じる措置を評価書に記載すること。

(4)ヤエヤマコキクガシラコウモリが出産・ほ育を行うA洞窟奥部の上部にドレーン層が設置される場合は、A洞窟奥部の地下水に影響を及ぼすことがないよう、ドレーン層の位置、浸透方法についてさらに検討を行い、それらの見直しを含めた適切な措置を講じること。また、検討の過程及び講じる措置を評価書に記載すること。

(5)小型コウモリ類が生息する洞窟の周辺において樹林、草地等の改変を行う場合には、移動経路及び餌場を確保すること。また、移動経路及び餌場が出来る限り早く確保されるよう樹林、草地等の改変の工程を工夫すること。これらの検討の過程及び講じる措置を評価書に記載すること。

(6)本事業の実施に当たっては、専門家の指導・助言を得た上で、工事の施工方法、時期等を検討し、これら小型コウモリ類の生息環境に急激な変化を与えないように配慮すること。特に、工事中の騒音・振動に対する環境保全措置については、小型コウモリ類の出産・ほ育の時期における工事を避けることも含め、適切な措置を講じること。
また、これらの検討の過程及び講じる措置を評価書に記載すること。

(7)事後調査については、事業実施区域及びその周辺区域の小型コウモリ類が利用する洞窟を対象とし、調査項目に工事中及び航空機の離発着による騒音・振動を加えること。事後調査の結果により影響が著しいと判断される場合は、専門家の指導・助言を得た上で、適切な措置を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。

(8)今後、新たに、事業実施区域及びその周辺で洞窟が確認された場合は、すでに確認されている洞窟と同様に小型コウモリ類の利用について調査を行い、利用が確認された場合は、できる限り小型コウモリ類が継続してこれらの洞窟を利用できるよう、専門家の指導・助言を得た上で、可能な限り保全すること。また、その旨を評価書に記載すること。

(9)人工洞窟については、専門家の指導・助言を得た上で、補正評価書の公告後のできる限り早い段階で設置すること。また、小型コウモリ類の習性を踏まえ、他の洞窟の形状及び気温・湿度等の生息条件、周辺の地形・地質や植生などの立地条件等を考慮しつつ、適切なものを整備すること。

(10)小型コウモリ類の保全については、事業実施区域や事業者が取得する地域の周辺の洞窟の保全や採餌場としての林地の保全等周辺の土地利用が極めて重要であり、小型コウモリ類の生息に影響を与えないような土地利用が図られるよう、小型コウモリ類の保全、保全に関する情報の提供、石垣市や沖縄県等の関係機関への要請などを行うこと。また、その旨を評価書に記載すること。

2、サンゴ礁生態系への影響
濁り、栄養塩などの水質の変化、赤土等の堆積がサンゴ礁生態系に影響を与えることが懸念されるため、以下の措置を講じること。

(1)事業実施区域及びその周辺区域への降雨及び流入水が、轟川に流入し、又は海域に流出する経路及びその量について把握し、その結果を評価書に記載すること。

(2)濁水をそのまま地下浸透することにより赤土等を除去する手法については、浸透ゾーンとして予定している場所における浸透の状況、浸透させようとする濁水の濁度、浸透能やその低減の程度等を把握した上で、浸透ゾーンの浸透能、ろ過機能等の評価を行い、集水計画、浸透ゾーンの容量及び調整池の必要性、濁水の前処理の必要性などを検討すること。さらに、計画どおりの浸透能を維持していくための浸透ゾーンの管理、降雨前の集水施設の点検、降雨中の監視など、施設の管理方法についても検討を行うこと。また、これらの結果を評価書に記載すること。

(3)河川を通じて海域にもたらされる赤土等による濁り、堆積の影響については、現在の土地利用において当該事業区域及び事業区域上流から轟川に流出している赤土等の濃度及び総量を調査し、これらバックグラウンドとの比較や事業区域からの現在の赤土等の流出との比較により、本事業による影響の評価を行うとともに、機械処理設備からの排水濃度について検討を行うこと。また、降雨前の集水施設の点検、降雨中の監視を含めた機械処理設備の管理方法についても検討を行うこと。これらの結果を評価書に記載すること。

(4)地下水については、濁りの変化について事後調査を実施すること。また、調査の結果、著しい変化が認められる場合には、地下浸透を一時中断する、調整池等に濁水を貯留するなど、適切な赤土等流出防止対策を講じること。その旨を評価書に記載すること。

(5)サンゴ礁類、海草藻類等の海域生物及び海域生態系の環境監視については、調査監視項目に赤土等の堆積量(SPSS)を加えるとともに、トウールグチから轟川河口南側の海域も含め、調査地点を設け、年間を通じた調査及び大規模な降雨後の調査を行うこと。また、その旨を評価書に記載すること。

(6)本事業の実施にあたっては、自らの流出防止対策を実施するとともに、調査結果の提供など関係者への働きかけを行うなど関係者と一体となって、赤土等流出防止対策を行うこと。また、その旨を評価書に記載すること。

(7)旅客ターミナルから発生する汚水の処理について、全窒素(TN)、全燐(TP)の処理能力を持つ浄化槽を設置すること。また、その旨を評価書に記載すること。

3、その他の重要な生物への影響

(1)環境監視については、カンムリワシに加えてリュウキュウツミ及びズグロミゾゴイを対象種とし、これら3種の監視項目については、カンムリワシと同様の項目に航空機騒音の影響を加え、専門家の指導、助言を得た上で、繁殖期を含めた適切な時期に実施すること。また、その旨を評価書に記載すること。

(2)各工区において工事に着手する際には、事前に、工事区域及びその周辺区域においてこれらカンムリワシ、リュウキュウツミ、ズグロミゾゴイの営巣の有無について確認調査を行い、営巣が確認された場合には、専門家の指導、助言を得た上で、適切な措置を講ずること。また、この旨を評価書に記載すること。

(3)繁殖のため陸域から移動するヤシガニ、オカヤドカリ類については、専門家の指導、助言を得た上で、移動経路の位置及び構造等についてさらに検討し、必要に応じて新たな移動経路を確保するなど、適切な措置を講じること。また、検討の過程及び講じる措置を評価書に記載すること。
また、事後調査を実施すること。その旨を評価書に記載すること。

(4)生息地の消失に伴いビオトープや生息適地への移動を図るとしているハナサキガエル類、コガタノゲンゴロウ、サキシマヌマエビ、オカイシマキガイ、ムラクモカノコガイ、コハクカノコガイについては、段階的に移動を行うことも含め、移動先、移動時期、方法等について事前に検証を行いつつ、実施すること。また、ボックスカルバートに工事の濁水が流れ込み、ビオトープに甚大な影響を与えることがないように、濁水の管理を行うこと。これらについてはその旨を評価書に記載すること。

(5)今後、重要な生物が新たに確認された場合は、専門家の指導、助言を得た上で、必要な調査を実施するとともに、適切な措置を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。

4、その他

(1)空港管理用車両及び作業用の車両について、二酸化炭素の排出の少ない車両の導入に努めること。また、空港利用事業者等に対して、航空貨物取扱自動車等関連車両に二酸化炭素の排出の少ない車両の導入に努めること、地上動力支援施設(GPU)の設置に努めること等を要請すること。

(2)今後、環境影響評価の前提となった飛行経路等に変更があり航空機騒音による影響が拡大することが懸念される場合には、必要に応じて、環境への影響を改めて予測、評価し、所要の措置を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。 (以上)
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新石垣空港建設にGOサイン!? 4月15日

新石垣空港建設に関する環境影響評価について、小池百合子環境大臣の意見書が公表された。まだ原文を読んだわけではないが、非常に残念なことに、私の期待通りにはいかなかったようだ。結局は、利権のしがらみを断ち切れないのが自民党政治ということか。

今回の小池百合子氏の意見書については、小池氏が兼務する沖縄担当大臣としての狭間に立ち、純粋に環境大臣としての意見を出すことができるかどうか懸念されていた。案の定、コウモリなど希少生物の保護については、「可能な限り保全すること」と、極めて抽象的な表現にとどまっている。珊瑚礁への影響については、「調査が不十分で事実上判断ができない」とし、ある意味責任回避をしようとしているズルさがうかがえる。沖縄担当相として、目先の公共事業に目がくらむ沖縄県の圧力に屈し、環境大臣として下すべき判断が鈍ってしまったのだ。

新空港建設という一時的な公共事業による景気を期待する浅薄な沖縄県の判断に、地球環境保全の観点からの一石を投じてしかるべき環境大臣が、明確な警鐘を鳴らすことができないでいる。八重山の海の世界自然遺産への登録どころか、むしろ環境破壊を推奨しかねない意見書をまとめた小池氏は、環境大臣として本当にふさわしい人物か。沖縄県や国土交通省の利権政治のしがらみを断ち切る勇気も気概もない小池大臣には、今後期待できることは何もない。京都議定書も、批准してみるだけだ。官邸でのエコロジストぶりも、見せかけに過ぎないのか。

ノーベル平和賞を受賞したマータイ女史が聞いたら、きっと悲しむだろう。緑を愛し自然保護運動を平和の礎とするマータイ女史は、美しい珊瑚礁に囲まれた石垣島に、環境を破壊してまでジャンボジェットを飛ばすための新空港を建設することは、ナンセンスにしか思えないだろう。21世紀の女神「マータイ女史」が世界に広めようとする「MOTTAINAI」の言葉に、私たち日本人は誇りと自信を持たなければならないのに、小池環境大臣の意識は希薄だ。本当に空港整備が必要なのなら、既存の石垣空港の拡張こそが、マータイ女史の言う「MOTTAINAI」の理念に沿うべき選択なのだ。

「MOTTAINAI・Tシャツ」を手にした私に、職場の同僚が「あっ、MOTTAINAIトラックだっ!」と、思わず走り去る「MOTTAINAI」のロゴを掲げるトラックを指差して教えてくれた。マータイ女史の影響を受け、環境への配慮の意識が加速する国民は着実に増えている。明らかに、環境大臣の今日の意見書は、それに水をさすものだ。小池大臣の意見書は、白保の西表国立公園への編入と世界自然遺産への登録を、断念することに等しい決定だ。利権政治にまみれた国土交通省に同調することしかできない環境省なら、初めからそんな役所は必要ない。小池大臣には、女性ならではの感性で、母なる海の環境保全に全力で取り組んでもらいたかった。ガッカリ。

本当にこのまま、小さな島である石垣島に、環境を破壊してまで新たに空港を建設することが正しい選択なのだろうか。新空港の滑走路予定地のド真ん中に位置する土地の共同地主の一人である私は、これからも断固新空港建設には反対していく。何故なら、石垣島の財産は、何より美しい自然環境だからだ。珊瑚礁に囲まれた石垣島の自然は、決して人工では造ることのできないものだ。白保の海の西表国立公園への編入と世界自然遺産への登録こそが、真の沖縄振興につながるものだと私は確信する。破壊された自然環境は、二度と元には戻せない。地球環境との共存こそが、今世紀、人類に与えられた最大のテーマであるはずだ。この国は、後には戻れない環境破壊に、本当にGOサインを出すのだろうか?
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環境大臣への意見書 4月3日

3月23日の日記に書いたように、今月15日には、新石垣空港建設に関する環境影響評価に対する環境大臣の意見書が国土交通大臣に送られる。環境大臣の意見によっては、許認可や補助金の交付を中止させることも可能だ。環境大臣の意見を無視して新空港建設にGOサインを出した場合、甚大な環境破壊を招いた場合の責任は、国土交通大臣が問われることになる。従って、環境大臣の意見書の内容が、極めて重要な意味を持つことになるため、環境大臣宛ての国民からの意見書の提出は、非常に意義深いものとなる。

そこで私も、環境大臣に宛てて、新空港建設反対の意見書を提出した。新空港の滑走路予定地の共有地主にもなったが、とにかく自分に出来ることは全てやりたい。


(石垣空港「ガラ岳陸上案」反対の意見書)

白保の海域を西表国立公園に編入させ、人類に残された数少ない大自然を死守していくことは、国家としての使命です。このまま、目先の利益しか見ようとしない沖縄県の言いなりになって、堂々と自然を破壊し新空港を建設することは、結果として沖縄県を潤すことにはつながりません。

白保海域を含め八重山諸島全域の世界自然遺産への登録が叶えば、沖縄県に大きな利益をもたらします。現状の沖縄県は、米軍のトランスフォーメーションの一環としてしか、世界にその名を知られることはありません。世界自然遺産への登録は、れっきとした観光地として、沖縄の名を世界に知らしめるきっかけになるのです。そのような判断を下せるのは、日本国内では、唯一、環境大臣でしかないのです。世界自然遺産への登録が叶えば、世界各国からの観光客も期待できます。十分に沖縄の振興に寄与することと思います。

空港建設により破壊される珊瑚礁や希少生物などの大自然が、元に戻ることはありません。環境大臣として、環境破壊にGOサインを出すことは、絶対にしてはならないことです。折りしも、京都議定書が発行されました。ホスト国として、より具体的な取り組みの姿勢を現す象徴として、新石垣空港建設の中止のノロシをあげていただきたいと思います。本年は、愛知万博も開催され、環境元年とも言える歴史的な年です。環境大臣のアクションが地球を救うと、信じています。

21世紀、日本の人口は減少の一途をたどります。「本土との経済・産業面での太いパイプが必要」と強調する沖縄経済界の発想は、マクロ経済の観点からしても間違っています。21世紀は、「自然との共生」がキーワードです。八重山を世界自然遺産とし、世界中の人々が行き来する観光地としていくことで、初めて沖縄県の活性化につながるのです。沖縄県が誤った選択をしようとする時、それをくい止め軌道修正していくことが、国家の役割というものです。環境大臣の勇気ある英断を、心から期待します。

最後に、環境大臣は、八重山の海に潜られたことがおありでしょうか?是非、一度、潜ってみてください。ダイビングのライセンスをお持ちでないならば、インストラクターと手をつなげば、潜ることができます。その美しさを一度目にしたら、それを破壊する新空港建設が、いかに愚かな行動であるかということが、よくご理解いただけると思います。

尚、代替案については、次の2点を提案します。
① 現空港の拡張
② 宮古島・下地空港の利用                        (以上)
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新石垣空港建設中止を望む! 3月23日

八重山の珊瑚礁や希少生物の生態系を大きく乱す新石垣空港の建設に、私は断固反対している。ダイバーだった(ここ数年は、時間とお金がないため潜っていない)頃、海外の南の島や国内各地の海を幾度となく潜ったものだが、中でも最も美しいと感じたのが八重山の海だった。

マンタが生息する水深30m~40m付近にあっても、太陽の光が届く。いかに海が透明であるかがわかる。水深10m付近では、蛍光色のカラフルで可愛い熱帯魚たちが群れている。珊瑚礁は、光合成により数千年、数万年と時を刻み、大きく成長している。水の中では、ついつい珊瑚の枝にしがみつきたくなるが、ほんの少しでも力を入れると、「ポキッ」と折れてしまう。数百年をかけて延びた珊瑚の枝が、一瞬にして折れるのだ。それだけ珊瑚礁は脆い。珊瑚を絶対に傷つけてはならないと、地元のガイドさんからも厳しく指導され、未熟なダイバーの私も、珊瑚をいたわるように心して潜ったものだ。

実は既に、無秩序な農業基盤事業のため、流出する赤土の影響を受け、八重山の珊瑚礁はかなりの被害に遭っている。火山灰や軽石が風化してできた石灰分を多く含む赤土は、例えばじゃがいもの栽培には適していても、それが海に流出し珊瑚礁を覆うと、珊瑚は光合成ができなくなり死んでしまう。この上、新空港が建設されれば、白保の珊瑚礁は壊滅的な打撃を受けることになる。世界自然遺産への登録も夢ではない八重山の美しい珊瑚礁を、国は、みすみす傷つけ破壊する道を選択するのだろうか。

先月2月28日付けで、沖縄県は、新石垣空港建設に関する環境影響評価書を、国土交通省に提出している。評価書は、国土交通省から環境省に送付され、45日以内に環境大臣の意見が付される。この期に及んで、私たち一般国民にできる残された方法は、環境大臣への働きかけだ。

環境大臣は、2月28日に提出された環境影響評価書に対して、4月15日までに国土交通大臣に意見書を送る。その後、45日以内に国土交通大臣が沖縄県に対して評価書の補正を行い、最悪の場合、沖縄県から出された空港設置許可の申請に基づき、半年先以降、国土交通大臣によって空港設置許可が下され工事が始まることになるのだ。

それはつまり、4月15日までに出される小池百合子環境大臣の意見書の内容次第では、新石垣空港建設を阻止することも十分に可能であることを意味するものだ。仮に、小池環境相が、環境への影響に極めてシビアな意見を出しているにもかかわらず、それを無視して国土交通大臣が着工を許可したということになれば、実際に環境が破壊された際の責任を誰がとるのかということになる。小池環境相の意見が厳しければ厳しいほど、国土交通大臣が着工にGOサインを出すことは難しくなるのだ。

現空港の滑走路延長案や宮古島の下地空港の有効活用を代替案として、私も小池環境大臣に意見書を提出する。未来に禍根を残さないことは、今に生きる私たち大人の責任でもある。更に私は、新空港の滑走路のど真ん中に位置する予定の原野の、共同地主に名乗りをあげていた。無事3月2日付けで所有権を獲得し、登記を完了した。「白保の海と大地を未来にのこす全国ネットワーク」の運動の趣旨に賛同したものだ。

豊かな自然環境なくして、地球上に人間が生息していくことはできない。青い海と緑の森林田畑の保全こそ、人類にとっての第一義だ。京都議定書の批准が名ばかりに終わらぬよう、有言実行でいこう。惰性に流されない勇気ある一歩が、地球を救う。人間は支配者ではない。生態系の一構成員にすぎないことを、決して忘れてはならないのだ。
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