Justice! 社会正義の実現!所得充実政策!ワクチンより検査を積極的に推奨! / 薬剤師・元参議院議員・消防団
ひらがな5文字の「はたともこ」ブログ
IR/カジノ公聴会・意見表明(映像・全文)~カジノは刑法186条2項「賭博場開帳図利罪」の重大犯罪
2017.8.28、「IR/カジノ公聴会」(名古屋会場)で、カジノ反対の意見表明と質問をしました。
意見表明の概要は、内閣官房IR推進本部のHPに掲載されていますが、文字数制限があったので、当日の意見表明では、その1.5倍の分量を述べました。
3分間の時間制限があり、マシンガントークで行いました。ぜひ、ご覧ください。
●IR/カジノ公聴会(名古屋会場)意見表明(映像)
●IR/カジノ公聴会(名古屋会場)意見表明(全文)
元参議院議員のはたともこ です。
私が、「カジノ」に、強く反対する理由について、以下5項目、申し述べます。
第一に、カジノは、客に大損をさせ胴元だけが儲かる、公序良俗・社会正義に反する悪辣ビジネスである、という点です。
提供する商品・サービスを消費者に喜んで購入してもらい、事業者と消費者がwinwinの信頼関係を構築するのがビジネスの基本です。
近江商人の「三方よし」=「売り手よし・買い手よし・世間よし」こそ、企業のモラルです。
しかし、カジノは、客に損をさせ、客から金銭を「巻き上げる」悪辣ビジネスです。
参加者が必ず財産的被害を受ける「マイナス・サムゲーム」「不正なゲーム」です。
カジノの売り上げは数千億円とも言われていますが、それは「買い手」である客の、損の総額なのです。
客に、良質の商品・サービスを提供する、「商人道」に反するもので、社会に害悪をもたらし、まともな経済人が相手にすべきものではありません。
第二に、カジノは、現に刑法で、刑罰をもって禁止されている重大犯罪である、という点です。
現行の刑法185条は賭博を禁止し、刑法186条1項は常習賭博を禁止し、2項で、賭博場開帳図利罪と博徒結合図利罪を規定しています。
特に重大であるのは、刑法186条2項の「賭博場開帳図利罪」です。
1950年の最高裁大法廷判決でも、賭博場開帳図利罪は、
「自ら財物を喪失する危険を負担することなく、専ら他人の行う賭博を開催して利を図るものであり、その本質を、反倫理性、反社会性を有するものである」と判示しています。
また、今回のIR推進会議でも、刑法の井田良(まこと)教授が、
「その事業により、運営主体が、ひとり私腹を肥やす」不正義を、指摘しています。
そして、あろうことか、賭博場開帳で金儲けをすることが良いことだという暴力団と同じ発想で、総理大臣自らが、カジノ・賭博場開帳を、アベノミクス・成長戦略の目玉にしているではありませんか。
品性下劣で、最低最悪の成長戦略と言わざるを得ません。
第三に、外国人観光客から、お金を巻き上げることが「おもてなし」なのか、という点です。
外国人観光客に「損」をさせて、金銭を巻き上げることが、「おもてなし」であるはずがありません。
日本の品位を、落とすだけだと思います。
第四に、ギャンブル依存症の問題です。
カジノを認めないことが最大の依存症対策です。
公営ギャンブルについては、IR推進会議のとりまとめも踏まえ、マイナンバーカードで入場制限を行い、パチンコ店については、「特殊景品」と「三店方式」による現金への換金を禁止して、賭博性を排除し、警察利権の「遊技場」から、本来の遊技場・ゲームセンターにすべきです。
第五に、カジノは、一部の勢力の利権のためのものであり、多くの国民・市民にとっては、全く必要ない、という点です。カジノは国民・市民にとって、百害あって一利なし、です。
米国のカジノ専門業者の標的は、「日本人富裕層」です。
彼らの利権のために、これまで刑罰で禁止してきた常習賭博と、賭博場開帳を、合法化しようとする政権の下劣さには、呆れるほかありません。
カジノは、客から金銭を巻き上げ、胴元だけが儲かる、公序良俗・社会正義に反する悪辣ビジネスである、と重ねて申し上げて、私の意見表明と致します。
(以上)
●意見表明の後の質問事項
(質問1)
IR推進会議のとりまとめ資料の試算では、カジノのGGR、粗収入、これはカジノの総売り上げから、客への払戻金を引いた、カジノの胴元の収入、取り分のことのようですが、カジノのGGRは年間1488億円と試算されています。
先日、IR推進本部に電話で、このカジノの控除率、ハウスエッジというようですが、カジノの総売り上げから客への払戻金を引いた、胴元の取り分、GGRは、カジノ総売り上げの何%にあたるのか、を問い合わせたところ、公表されていないのでわからない、という答えでした。なぜ、自ら調査しないのか、説明してください。
一般的には、5%から10%らしいのですが、世界最高水準のカジノ規制と言うなら、ぼったくりカジノは最低最悪ということになるので、カジノ管理委員会は、カジノ業者の「控除率」を厳正に管理するつもりがあるのか、説明してください。
(質問2)
7月18日の第8回IR推進会議で、刑法の専門家である井田まこと教授が意見表明されています。井田教授は、賭博罪の違法性阻却のためには、賭博行為が束として持ち得る弊害の除去ないし極小化が必要だとして、
①不正な行為ないし不正なゲームが行われることにより、競技者・参加者が財産的被害を受けるおそれがあること、
②その事業により運営主体がひとり私腹を肥やす不正義が生じること、
③ギャンブルの持つ依存作用ないし中毒効果により参加者・競技者がその生活の基盤を破壊されるおそれがあること、
この3点の弊害が除去ないし極小化されることが担保、保障されるところで初めて、それは合法化されると考えるべきだと、発言されています。IR推進本部は、この井田教授の意見と同じ見解だということでよろしいでしょうか。
井田教授は、その上で、法務省が示した8つの考慮要素とIR推進本部の方向性で、合法化を挫折させ得るような問題点を発見することはできなかったと言っておられますが、私は、この井田教授の発言はおかしいと思います。
年間1488億円も参加者・競技者に財産的被害を与えるカジノは、不正なゲームそのものであり、民間事業者であるカジノ事業者が、ひとり私腹を肥やすという不正義に変わりはない、と私は思いますが、IR推進本部のお考えをお聞かせください。
●IR/カジノ推進会議とりまとめに対するパブコメ全文(はたともこ/2017.8.31提出)
#カジノ #IR #公聴会 #賭博場開帳図利罪