子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は必要ありません~定期的な併用検診と適切な治療で予防できます(2020.1.9データ更新版)

HPVワクチンは、2013年の予防接種法の改正によって、自治体に実施義務があり自治体が積極的な接種勧奨をする法定接種に位置づけられましたが、法施行から2か月半たらずの2013年6月14日、接種勧奨が中止されました。重篤な副反応被害が続出したからです。

以下(1)~(3)を通して、子宮頸がん予防に、重篤な副反応疑いの発生頻度が非常に高いHPVワクチンは必要なく、定期併用検診で予防できることを示します。

【INDEX】
(1)HPVワクチン(2価サーバリックス・4価ガーダシル)の子宮頸がん予防の有効可能性は非常に低い。
(2)重篤な副反応疑いは、インフルエンザワクチンのサーバリックスは85倍、ガーダシルは72倍。
(3)子宮頸がん検診は、「がん発見」検診ではなく、「がん予防」検診。子宮頸がんは定期併用検診で予防できる。

【(1) について】
① ファクト1
HPVワクチン製造販売元GSK社のHPには、
「HPV感染の約0.15%が子宮頸がんを発症すると推定」と明記。→こちら
ワクチン対象のHPV16型・18型が子宮頸がんの50~70%とすれば、
HPV16型・18型感染の約0.075%(0.15×0.5)~0.0105%(0.15×0.7)、
すなわち、約0.1%が子宮頸がんを発症すると推定される。

ということは、HPV16型・18型に感染しても、約99.9%は、HPVワクチンを接種しなくても、子宮頸がんにはならない。

つまり、GSK社HPのデータでは、HPVワクチンの子宮頸がん予防の有効可能性は約0.1%となり、非常に低い。




② ファクト2
国立がん研究センターの最新統計では
子宮頸がんの年間罹患数は10,759人/合計値、10万人に16.4人です(2015年)。
子宮頸がんに占める16・18型を50~70%とすれば、10万人に8.2~11.48人で、
ワクチン有効可能性は0.0082~0.01148%。小数点以下第3位を四捨五入すると、有効可能性は0.01%となる。

99.99%はワクチンを接種しなくても、子宮頸がんにならないので、
→年間罹患率で計算すると、子宮頸がん予防のためのワクチン有効可能性は0.01%となり、非常に低い。

さらに、2018年11月の国立がん研究センターレポートには、
●CIN3から浸潤がんへの進展は、5年間で13.0%、10年間で20.0%、30年間で31.3%と報告されている、
と記載されていることも付言します。

③ファクト3
2013年3月28日の参議院厚生労働委員会での、私の質問に対する厚生労働省健康局長答弁
●HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染しても、2年以内に90%は自然排出
●持続感染して、前がん病変の軽度異形成になっても3年以内に90%は自然治癒
(医学雑誌The Lancet)

また、
HPVワクチン推進派の今野良 自治医大附属さいたま医療センター教授の、
●20歳-25歳 日本人女性のHPV16型または18型の感染率は約10%(サーバリックス国内臨床試験データ)
●軽度異形成からがんに進行する可能性は約1%(2012年9月 現代性教育研究ジャーナル)
により、

小学校6年生から高校1年生相当の「性交渉開始前」の少女の、ワクチン対象のHPV16型・18型の子宮頸がん予防のためのワクチン有効可能性は、
感染率10%×自然排出しない10%×軽度異形成からがんに進行1%=0.01%
となり、非常に低いのです。

この0.01%という数字は、ファクト2で示した、国立がん研究選t-最新統計データ(年間罹患率)と、ほぼ一致しています。


これに対して、ワクチン有効可能性を年間罹患率ではなく生涯罹患率で示す議論があります。2018年1月版の厚生労働省リーフレットにも、生涯累積リスクによる推計で、HPVワクチンの接種により、10万人あたり859~595人が子宮頸がんになることを回避できる、との記載があります。

しかし私は、セクシャルデビュー前の小学校6年生から高校1年生相当を推奨対象年齢としているHPVワクチンの有効可能性を議論する時、生涯罹患率(約1%)を持ち出すことは不適切だと思います。

第一に、
厚生労働省のHPVワクチンリーフレットには
●子宮頸がんそのものを予防する効果は証明されていない

2価ワクチン(サーバリックス)・4価ワクチン(ガーダシル)両剤の添付文書には
●本剤の予防効果の持続期間は確立していない
と明記してあります。

がん予防効果は証明されていない、予防効果の持続期間は確立していないのに、生涯罹患率をもとに、子宮頸がんそのものを生涯で回避できると主張するのは、不適切です。

第二に、
HPVワクチンは、小学校6年生から高校1年生までのセクシャルデビュー前の少女を対象としており、ワクチン有効可能性については、性交渉を開始した若い女性がHPV16型・18型に感染した場合の子宮頸がん罹患率から有効可能性について議論すべきであり、人によって大きくリスク因子・生活習慣が異なることを含んだ生涯罹患率を用いてワクチン有効可能性を議論することは、不適切です。
④国立がん研究センターのHPによれば、HPV感染症は性感染症であり、
リスク因子は、
●低年齢での性体験
●性的パートナーが多い
●多産
●HPV以外の性感染症に感染していること
●喫煙
などで、
生活習慣の改善で、子宮頸がんになるリスクを減らすことは可能です。

公衆衛生上、HPV感染症のまん延防止には、性教育の充実による正しい啓発、不特定多数との性交渉を避け、定期併用検診(細胞診+HPV-DNA検査)による感染の有無の確認が重要です。
定期併用検診により感染が確認されたら、パートナー等に感染させないよう注意し、経過観察と生活習慣を改善することが求められます。

セクシャルデビュー以降、定期併用検診により感染が確認された場合には、経過観察・生活習慣改善の上、適切な段階で(CIN3=高度異形成あるいは上皮内がんの段階)、適切な治療(子宮頸部円錐切除術など)を行うことで、子宮頸がんは予防できます。



【(2) について】
一方で、厚生労働省の最新データで、HPVワクチンの重篤な副反応疑いは、サーバリックス1492人、ガーダシル361人、両剤合せて1853人(2019年8月31日までに、ワクチン製造業者と医療機関から厚生労働省に報告されたデータ)で、総接種者343万人の0.054です。重篤とは、「死亡、障害、死亡・障害につながる恐れ、入院相当以上のもの」です。
勧奨中止となった2013年3月31日までの報告では、重篤な副反応はサーバリックス795人、ガーダシル83人、両剤合せて878人で、総接種者328万人の0.0268%です。

2013年3月31日から2019年8月31日までの接種者は15万人しか増えなかったのに(4.6%増)、重篤な副反応疑いは2倍以上(111%増)に増えているのです。

さらに、HPVワクチンの重篤な副反応疑いは、最新データでは、接種回数あたりインフルエンザワクチンの、サーバリックスが85倍、ガーダシルが72倍です。重篤副反応疑いは、インフルエンザワクチンは100万接種あたり2.5人、サーバリックスは100万接種あたり213人、ガーダシルは100万接種あたり181人です。2013年3月31日までの報告では、サーバリックスは、インフルエンザワクチンの52倍、ガーダシルは22倍だったので、大きく増加しました。特にガーダシルが3倍以上に増加しているのが目立ちます。さらに、1人あたり、サーバリックスは平均2.7回、ガーダシルは平均2.4回接種しているので、接種人数あたりで換算すると、もっと高くなります。



【(3) について】
子宮頸がん検診における定期併用検診「細胞診+HPV・DNA検査」の有効性は、HPVワクチンの臨床試験が証明しています。添付文書に記載のある通り、国内・海外合計42,142例の臨床試験のうち、子宮頸がんになった人はいません。ワクチン接種群であっても、ワクチン非接種群であっても、定期検査で発見された前がん病変は、経過観察と適切な治療で治癒するので、子宮頸がんにはなりません。HPVワクチンの臨床試験は、定期併用検診で子宮頸がんは完全に予防できることを証明する試験になっているのです。

HPVワクチン推進派の上昌広 元東大医科学研究所特任教授は、「HPVワクチンの臨床試験では、被験者が定期的にがん検診を受けることを前提にしている/つまり、検診でもし前癌状態(CIN2+以上)と診断されれば、当然ながら癌に進行するまでに治療される。治療をしないまま臨床試験を続けることは『人体実験』であり、倫理的に許されない。従って、ワクチンによって子宮頸がんの発症が減少したかどうかのデータが得られる前に治療するので、因果関係の証明が難しい」と述べています(2016年4月7日 新潮社Foresight)。


【まとめ】
以上、(1)(2)(3)のファクトにより、子宮頸がん予防のために、重篤な副反応疑いの発生頻度が非常に高いHPVワクチンは必要なく、セクシャルデビュー以降の定期併用検診で子宮頸がんは予防できる、という結論になるのです。もとより、小学校からの適切な性教育により、HPV感染症が性感染症であること、性感染症・子宮頸がんにならない生活習慣、定期併用検診の重要性、感染した場合のまん延防止などを啓発していくことが重要です。

※厚生労働省は、HPV感染症を含む、性感染症防止の啓発のために、検査・受診をすすめる若者向けのポスター・リーフレット「検査しないとおしおきよ!!」を作成しています。

私は、子宮頸がんを、HPVワクチンで予防するか、定期併用検診と適切な治療で予防するかは、本人と保護者の自己決定権の問題だと思います。自己決定のためには、ワクチンの有効性・必要性、副反応のリスク、定期併用検診と適切な治療についての、十分な情報提供が必要不可欠です。

しかし、厚生労働省がこれまでに作成したリーフレット等では、特に副反応疑いのリスク、検診の重要性等の情報が極めて不十分です。厚生労働省は、自己決定のための十分な情報・ファクトを提供するよう、リーフレット等、情報発信ツールの中味を見直すべきです。

HPVワクチンが法定接種となったわずか2ヶ月半後に発出された厚生労働省健康局長通知以降、「HPVワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が当該ワクチン接種後に特異的に見られたことを受け、これらの症状の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、当該ワクチンの定期接種の積極的な勧奨を中止する」(2016年6月7日 質問主意書に対する閣議決定政府答弁書)との政府見解は、現在に至るまで維持されています。

特に、最新データ(2019年8月31日までの報告)では、HPVワクチンの重篤副反応疑いの発生頻度が、2013年6月の勧奨中止決定の時の発生頻度の2倍以上になっているのですから、積極的な勧奨再開など、できるはずはありません。

私は、まずは、HPVワクチンは、A類からB類に移行し、個人の自己決定権に委ねる任意接種のワクチンとすべきだと思います。20歳からの定期併用検診を推進し、子宮頸がん罹患ゼロを目標に、子宮頸がんを激減させ、同時に、性感染症のまん延防止に努めるべきである、と思います。

 

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