保険料は二重取りでも、年金は未払い 2007年5月28日AM

5000万件の「消えた年金」の未払いの総額は、一体いくらなのでしょうか?4兆円とも5兆円とも言われています。しかも、どうしても納得がいかないのは、今なお、誰に支払っていないのかがわからないという点です。安倍総理は、「ことを荒立てて、年金に対する国民の不安をあおってはいけない」と言いました。そんなことしか言えない総理大臣に、国家を任せられるはずがないとつくづく思います。

私もこんな事がありました。昨年12月に支払った国民年金保険料について、今年の4月に入ってから、未納の督促状が送られてきました。何度確認しても、私の手元にある領収書は、未納として督促してきた保険料そのものの分です。こんな単純なミスも、コンピュータで堂々と行われているのです。様々な状況を考慮すると、もはや社保庁の存続は有り得ません。

そうでなくても、まことに心もとない現在の年金制度。保険料の管理も杜撰、支払うべき年金も支払われないようでは、むしろそんな制度ならなくても良いくらいです。しかし、国家が国民の最低限の生活を保障するためにある年金制度を、民間に委譲するわけにもいきません。5000万件の調査、支払い・集金などの作業については、歳入庁とあわせて日本郵政公社が責任を持って行うべきだと思います。保険料を支払った人と支払わない人、あるいは所得格差による不公平感をなくすためには、基礎年金は全額税負担にするしかありません。更に、国民年金基金のような積み立て方式を基礎年金の二階に上乗せし、保険料の払い損感のないよう、国民の選択肢の幅を増やす必要もあるでしょう。

保険料は二重取り、支払うべき年金は未払いのまま、サラ金も真っ青の悪徳商法。年金問題に対する安倍総理の居直りにはあきれるばかりですが、そもそも、庶民感覚のわからない人物に総理の職責はまっとうできないということなのではないでしょうか。
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中川自民党幹事長、民主党年金政策を批判 10月1日

中川秀直自民党幹事長が、「小沢民主党の年金政策には、財源の裏付がない。」とNHKの「日曜討論」で主張した。「1人月額6万円の基礎年金となると、1万円につき3兆円かかるので合計18兆円必要であり、その財源をどうするつもりなのか?現在、消費税の半分は、地方などで使い道が決まっているので、全額消費税でまかなうことになると、消費税率が15%~20%にも及んでしまう。」と中川自民党幹事長は述べたのだ。しかし、中川氏のこの解説は、まったくのでたらめだ。

小沢ビジョンでは、消費税を現行の5%のままで、月額6万円の基礎年金を実現すると掲げている。現在の基礎年金は、月額約6万7千円。これを2年後には、現在の税負担1/3を1/2に引き上げることが法律で既に決まっている。引き上げられる1/6分は、2兆5,000億円だと言われている。小沢ビジョンで掲げられた月額6万円は、現在の基礎年金額額の約90%に相当するので、単純計算すると、基礎年金6万円に必要な税総額は、2兆5,000億円×0.9×6=13兆5,000億円ということになる。消費税1%は、約2兆5,000億円と言われているので、現行の5%での消費税による税収入の合計は、12兆5,000億円。従って、差し引きあと1兆円。十分に歳出削減により生み出すことが可能な数字だ。

更に小沢ビジョンでは、地方交付税を一括交付金制度に改める際に、重複分などの無駄を省くことで、現在の補助金20兆円を一括交付金18兆円に縮減することを掲げている。従って、消費税のうち地方にまわる1.5%約4兆円については、補助金廃止により、少なくとも約2兆円の財源は確保することができるのだ。いずれにしても、中川自民党幹事長が述べたような、民主党案では消費税を15%~20%にする必要があるなどは、真っ赤な嘘なのだ。こんなでたらめを平気で言う人物が、自民党の幹事長なのだから、いかに安倍新政権が軽薄・上滑りのハリボテ内閣であるかがわかる。

まずは、基礎年金の本来の趣旨に則って、国民全員に公平に配分できるよう、現行の5%の税率のままで消費税をその財源としてあてた上で、月額6万円の基礎年金を確保・実行することが重要なのだ。公共事業費や国家公務員・地方公務員の人件費を見直すことで、歳出は十分に削減できるはずだ。特に、団塊の世代の大量退職によって、人件費を約2割以上縮減することが可能だ。何より、一歩踏み出してみることが必要だ。意志あるところに道は開ける。勇気を持って踏み出した先にこそ、まさに、「筋肉質の財政」が実現するのだ。 

年金の2階建て部分ついては、国民年金基金を踏襲した形で、支払い額に応じて受給できるように積み立て方式にすれば、公平性は保たれ、一定程度の年金は保障される。その上で更に、基礎年金額を上げたり高齢者医療・介護の費用を捻出するために、5年後10年後に、消費税を10%にするという議論にもなるのだ。本人が全く希望していなかった柳沢伯夫氏を厚生労働大臣にすえ、大臣自らに「今から勉強します」と言わせるような安倍内閣に、民主党の年金改革案を批判する権利も能力もない。そもそも総裁選で安倍氏は、一度も年金制度改革に言及していないのだ。

安倍内閣は、教育基本法や集団的自衛権や大企業中心の経済政策はアピールするが、国民の生活を良くするための政策は何にもないのが実態だ。それどころか、安倍内閣がまず提出してくる国民生活関連法案は、「貸金業規制法改正案」という名の、サラ金業界のための国民生活改悪法案(金利引き上げ法案)なのだ。既に最高裁判決で無効となったグレーゾーン金利を5年間温存する上に、金利区分を変更することで2~3%金利を引き上げるという、とんでもない法案だ。安倍内閣が、国民のためでなく、サラ金で金儲けをするサラ金業者・銀行・暴力団・アメリカ資本などのための政権であることが、はっきりと証明されている法案なのだ。 

「政治は生活である」という小沢民主党が、現行金利区分のまま利息制限法の水準に金利を引き下げる真の「貸金業規制法案」と、5%の消費税のままで月6万円の基礎年金を国民全員に保障し、年金控除額も引き上げる法案を提出すれば、10月の衆議院補欠選挙以降の全ての選挙に、間違いなく勝利することができると、私は確信する。
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「小沢ビジョン」発表 9月11日

今日午後5時、「小沢ビジョン」が発表された。小泉政治約6年間の「光と影」の影の部分に「光」をあてた、未来に期待の持てる内容となり安心した。当初、「所得税と住民税を半減する代わりに各種控除を全廃する」との案が取り入れられるというような話しが聞こえてきたため、それでは格差が益々助長されるではないかと危惧していたが、発表された「小沢ビジョン」は、年金受給者に対する控除額の引き上げや、基礎年金月額「6万円」に消費税を福祉目的税としてあてるなど、小泉政権下、疲弊した暮らしを余儀なくされた人々へのセーフティネットの構築に視点を向けた弱者に温かい政策になっている。

「日米同盟の強化」が連発されている点と「集団的自衛権」の言葉が気になるところではあるが、自衛権は憲法9条に則って、わが国が急迫不正の侵害を受けた場合に限って行使し、それ以外では武力行使しないと断言している点が明快で、十分に評価できる。

食料自給率の向上を目指し農林漁業の振興をはかるために、基幹農産物について「個別所得補償制度」を創設することはこれまでの直接支払制度の延長ではあるが、日本の農業に国際競争力をつけていくためのベースとしては十分だ。有機農業にコストの差額分を補償するなど、更に、食の安心・安全を追及する農家への支援が強化されれば、必ず日本の農業は生き残ることができると私は確信する。

補助金を廃止し一括交付金とすることは、従来からの民主党の政策の柱の一つだ。地域が地域の特性を活かして独自の発展を遂げ自立することが、今の日本の最大の課題だ。ただ一点、離島振興への財源の確保は国の責任で行うべきだと、私は主張したい。離島は、日本の「領土・領海・EEZ」そのものだからだ。離島であるが故に不便な暮らしを強いられることは、決して当然の現象ではない。不便な離島だからこそ、本土と格差のないような暮らしを、国の責任として補償しなければならないのだ。

更に言えば、基礎年金に上乗せする二階建て部分は、保険料方式ではなく、国民年金基金の積み立て方式がより公正で確実だと私は思うが、いずれにしても待望の「小沢ビジョン」は、小泉改革を軌道修正し、格差是正のための国民への約束としては信頼に足り得るものだ。民主党が政権を担ったら、必ず実現できる内容ばかりだ。今後は、小沢ビジョンをベースに、各国会議員がそれぞれの地域活動で知り得たより臨場感のある政策を肉付けして、有権者が迷うことなく民主党に政権を任せられるような、キラリと光る味のある政策へと進歩発展させていくことが肝心だ。
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混乱した老齢者控除全廃 7月21日

今年度徴収分から、住民税の税率や所得税の控除が変更になり、6月に入り届いた住民税の納税通知書の額に愕然とした人々は多いはずだ。特に、65歳以上の年金暮しの高齢者には、大きな打撃を与えている。中には、住民税が一気に10倍に跳ね上がった高齢者もいる。

今回の増税は、不良債権が減少し、経済成長率や民間の設備投資が順調に伸びつつあるとして、定率減税の廃止を政府が掲げた平成16年の税制改正で決められていたことだが、案の定、政府の広報は例外なく不十分で、納税者に大きな混乱を招いた。6月に届いた住民税の納税通知書を見て初めて、増税に気付いた人々が圧倒的多数なのだ。税金は、納税者が納得の上で納めるべき性質のものだ。十分な周知徹底をせず、納税通知書だけを送付する政府のやり方は、極めて姑息で奢りに満ちている。

最も象徴的なのは、65歳以上で1,000万円以下の所得の高齢者に適用されていた老齢者控除が廃止され、住民税控除48万円と所得税控除50万円とが全廃されたことだ。夫婦の年間所得が250万円の世帯では、あらたに所得税3万3千円が、同250万円~300万円の世帯では、現行8千円の所得税が一気に7万円に引き上げられるという、大激変に見舞われることになったのだ。

当初は所得税の増税だけが議論の対象であったのに、次第に地方住民税や国民健康保険料にまで政府の食指は伸びていった。「三位一体改革の一環として、3兆円の地方への税源委譲に関して、所得税と住民税の税率構造を改める」という財務省の言い訳は、まるで矛盾に満ちている。そうであるならば、そもそも所得税の増税など、あってはならない話なのだ。結局は、歳出削減がままならない状況の中での単なる増税にすぎず、たとえ谷垣財務大臣の言う「税負担を公平に分かち合う観点」からの高齢者への増税であったとしても、まったく説得力はなく、納税者の理解など得られる話ではないのだ。

同時に、65歳以上の住民税非課税措置も段階的に廃止されることになり、加えて、公的年金控除の上乗せ措置も縮小された。例えば年間260万円以下の年金受給者の場合、現行の140万円から120万円に控除額は縮小されたのだ。これらの結果、住民税が10倍になった人も多く、それに連動する国民健康保険料もアップすることになったのだ。これだけの増税を行うのに、まったく広報をしなかった政府は、完全に高齢者を無視しているとしか言いようがなく、信頼の失墜も甚だしい。

今回の増税に納得いかない高齢者は多いはずだ。しかし、内容を十分に承知していたら昨年の総選挙で政府与党に投票などしなかったと、今更後悔してもはじまらない。周知徹底を、あえて怠った政府には重大な責任があるが、これを教訓の1つにして、納税者の1人として政策決定過程を十分に注視することを怠ってはならないと、肝に銘じなければならないのだ。

肝心なことは、「税負担を公平に分かち合う観点」と併せて、低所得者へのセイフティネットを忘れないことだ。「閉店間際のスーパーの値引き商品を買って生きながらえてきたのに・・・」と絶句する高齢者の首を、今回の増税は益々絞めることになる。政治は弱者を救うためにある。「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という憲法25条を、政府自らが破ってはならない。今回の老齢者控除の全廃に、ついていけない高齢者は、間違いなく存在する。

これ以上、孤独死が増えないように、年金制度を抜本改革して、基礎年金の全額を税負担(消費税)とし、所得の少ない人々に必要以上の負担をかけないような社会保障制度に転換していくことが、賢い選択なのではないかと私は思う。
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2年で崩壊「100年安心年金プラン」 7月4日

「100年安心」をうたい2004年6月5日可決成立した改正年金法が、瞬く間に暗礁に乗り上げつつある。1.25と過去最低を記録した2005年の合計特殊出生率が、このままの状態で推移すると、15年後の厚生年金は、約束されたはずの現役世代の平均手取り年収の50%を、ついに割り込む計算になる。たった2年でもろくも崩れ去る年金制度を、政府与党はよくも「100年安心」などと言えたものだ。

予算が確保されないままの政府の少子化対策が軌道に乗らないことは明らかで、現状の年金制度が崩壊することは火を見るよりも明らかだ。厚生年金の保険料は18.3%を上限とすると決めたことも、結局は虚偽発言だった。2004年当時から、政府の年金法案には無理がありすぎた。財源の抜本的な改革に手をつけず、目先の数字合わせに終始しても、矛盾は必ず暴露される。自民党は2004年時点、出生率が低下したことは、長期的な出生率の見直しにはつながらないと表明しているが、まったくナンセンスだった。

出生率が2007年に1.31で下げ止まり、2050年には1.39まで回復するとの政府の見通しは、現状から大きくかけ離れすぎている。「100年安心」などという耳障りの良い言葉をキャッチフレーズに使った政府与党以上の詐欺師が、この世に存在するだろうか。それに輪をかけて、5年以内に給付が50%を割ることが確実にならない限り「見直しはしない」と法律で決めつけているのだから、すごい。

川崎厚労大臣は、「年金の給付水準を守るために、少子化対策を進める必要がある。」と強調するが、それでは産まれてくる子どもが本当に可哀想だ。 真に「100年安心」な年金制度にしていくためには、1階部分の基礎年金を消費税でまかない、2階部分を積み立て方式の国民年金基金とし、将来受給したい年金額に応じて積立金を自由に設定できるようにして、更に3階部分をこれまでの厚生年金や共済年金の職域部分を調整するというやり方が、最も合理的でふさわしい。

年間240万人にものぼる団塊の世代の基礎年金に消費税をあてるとすると、単純計算で、消費税は10%程度である必要がある。しかし、消費税の目的を年金・高齢者医療・介護に限定することは、税金の使途が国民にとってもこれほどわかりやすい形はない。勿論、消費税を引き上げると同時に、低所得者へのセイフティネットも忘れてはならない。

そして団塊の世代の自然減少とともに、余剰分を将来は子育て財源に移行すれば良いのだ。少子高齢化対策は、消費税の福祉目的税化でなんとか乗り切ることができるはずだ。思い切った歳出削減を確実に実行し、消費税を少子高齢化対策に特化することができるのは、政権交代を成し遂げたあとの民主党でしかない。詐欺まがいの姑息な政策が、益々財政を悪化させる。2年で足元が崩れた政府の「100年安心」年金プランが、政府与党の政策の嘘とまやかしのすべてを物語っている。1日も早い政権交代を果たすために、民主党は速やかに力をつけていかなければならない。
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