薬事法改正直前に発売許可された「エンブレル」の疑惑 2月3日

現在我が国では、ウシ由来の原料を使用した医薬品は2500品目存在する。その大半が、BSEが世界的に大問題となり、(おそらくここ1~3年の間のうちに)豪州産やニュージーランド産のウシに切り替えられたとされているが、いまだに米国産ウシを原料に使用している医薬品が19品目存在することが、参議院予算委員会での家西議員の質問で明らかになった。英国にたった1日でも滞在経験のある人の献血を禁止する厚労省が、何故、人体に直接投与される医薬品について放置するのか、不思議でならない。

川内議員の質問主意書では、昨年1月に承認された抗リウマチ薬「エンブレル」について、特に追及している。何故ならエンブレルは、その承認過程で、非常に奇妙な経過をたどったからだ。

エンブレルは、昨年1月19日、世界各国に次ぎ日本で承認された。米国でBSE感染牛が発見されたのち承認された2つの医薬品のうちの1つだ。エンブレルは当初、3月25日に発売される予定だったが、承認直後の1月27日、海外でエンブレル使用者患者がクロイツフェルト・ヤコブ病を発症し死亡するというアクシデントに見舞われ、予定が狂ってしまった。極めて不自然なのは、製造販売元であるワイス社のその後の対応だ。ワイス社は、それから1ヶ月以上経過した3月9日の時点で、初めて死亡報告を承知したと装い、更に、それから遅れること1週間、3月17日になってようやく、(独)医薬品医療機器総合機構に、エンブレル使用患者がクロイツフェルト・ヤコブ病を発症し致死した旨を報告した。

それを受けて、厚労省は3月24日、「薬事・食品衛生審議会安全対策部会伝達性海綿状脳症対策調査会」を開き、本件について安全性ならびに対応を協議している。ここで特筆すべきは、「薬事・食品衛生審議会安全対策部会伝達性海綿状脳症対策調査会」には、「食品安全委員会プリオン専門調査会」の吉川座長以下5名のメンバーが含まれているという事実だ。ワイス社が提出した資料のみをもとに、24日に開催された会議一回きりで、「エンブレルと変異型クロイツフェルト・ヤコブ病との因果関係は非常に低い」と、調査会は結論付けた。そして間髪入れず3月30日(水)、エンブレルの発売が開始されたのだ。

この異例のスピードには、重要な意図が隠されている。翌々日の4月1より改正薬事法が施行され、薬事法第68条11に、生物由来の医薬品について、原料の抽出・加工・製造過程を調査することができるとの規定が設けられた。ワイス社がエンブレルの発売を急いだ大きな理由が、ここにある。ワイス社は不測の事態に備えて、旧薬事法をたてに「現地調査は不可能だった」との免罪符を残したかったわけだ。このことは、牛肉の輸入再開に際しての、政府調査団による現地パッカーの「査察」を想起させるが、これには薬事法のような法的根拠はなく、単に見学させてもらっているにすぎない。

一番の問題は、調査会が、ワイス社が提出した資料のみを材料に断を下している点だ。結局は、薬害エイズの教訓が、まったく生かされていないのだ。製薬会社は、厚労省にとって「大事な天下り先」なのだ。件の19品目について、「速やかに原産国を切り替えるよう指導している」と参議院予算委員会の質疑の中でも川崎厚労大臣は述べているが、それはつまり、厚労省の不作為を公言したのも同然だ。天下り先を確保するために、BSE感染リスクをも黙認する厚労省の対応を、このまま看過しても良いのか。

ワイス社によると、エンブレルの原料となるウシ血清は、「隔離し厳重なエサの管理下で飼育した仔ウシ」のものとされている。しかし、川内議員の質問主意書でもわかるように、米国の飼料規制は、想像を絶する杜撰さだ。ウシのSRM(特定危険部位)をたっぷりと含んだ肉骨粉を飼料とする鶏糞や、鶏の食べ残しの肉骨粉が、ウシの飼料となっている。肉骨粉や代用乳は、レンダリングサイクルの中で生産されたものだ。エンブレルについてもメーカーの主張を鵜呑みにすることなく、どこでどんな飼料を使用して飼育した仔牛なのか、厚労省には精査する責任がある。

参議院予算委員会での川崎厚労大臣の答弁が正確であれば、公表された19品目以外のすべての医薬品には、米国産ウシ由来の原料は使用していないことになる。つまり、HIV治療薬「フォートベースカプセル」を除き全てのカプセル剤が、原料のウシゼラチンの原産国を、米国産から豪州あるいはニュージーランド産に切り替えたということになるのだ。しかし問題は、抗ウイルス薬「タミフル」の例もあるように、いつどの時点でカプセルの原料を豪州産に切り替えたのかということだ。タミフル販売元の中外製薬が、切り替えの時期を曖昧にしたまま依然として公表しないのは、公表できない理由が存在するからに違いないのだ。

そして、何故、件の19品目は、いまだに原産国が切り替えられないのか?メーカーの姿勢が問われるところだ。

参議院予算委員会での川崎厚労大臣の答弁は、国民(患者)の安心・安全を確保すべき立場にある人物の発言とは思えぬ、国民(患者)に心を寄せない荒唐無稽なものだった。役所や政府は、自分たちが責任を回避するための法整備は行っても、あえて性善説に立ち、メーカーのコンプライアンスに対する監視を甘くする。BSEに限ったことではない。政府の対応は、一事が万事だ。メディアを巻き込んだ世論操作を武器にポピュリズム政治を装ってきた小泉政権の本質は、アメリカ追従で業界寄りの弱肉強食社会の形成なのだ。

もう既に、政府による米国産ウシの「安全キャンペーン」が始まっている。信じられないほどの「アメポチ政権」だ!レンダリング米国産ウシの、いったいどこが安全なのか!!川内博史議員をはじめとする、民主党の心ある議員の活躍を期待するしかない。
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エンブレルに関する質問主意書回答 11月18日

川内博史議員が提出した「BSE問題に関する質問主意書」に対する政府答弁書が、今日、正式に回答された。取り急ぎ、抗リウマチ薬「エンブレル」に関する部分のみ紹介する。

三の(7)についての答弁

薬事法に基づく生物由来原料基準(平成15年厚生労働省告示第210号)においては、米国産の反すう動物に由来する原材料を医薬品等に用いることは原則として認められていないが、治療上の効果が当該原材料を用いることによるリスクを上回る場合等には、その使用が認められているところである。御指摘の抗リウマチ薬エンブレル(以下「エタネルセプト製剤」という。)については、その製造工程において米国産の子牛の血清が原料として用いられていることから、そのリスク及び治療上の効果について十分な検討を行い、使用者が伝達性海綿状脳症に感染するリスクは極めて低い一方、エタネルセプト製剤は既存の治療では効果が不十分な関節リウマチ患者に用いられるものであることから、その治療上の効果はリスクを上回るものと判断し、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いた上で、平成17年1月19日に薬事法に基づく輸入承認が行われた。このような事例は他にも存在するが、これらについては、輸入承認を受けた事業者に対して、BSEが発生していない国を原産国とする原料への速やかな切替え、切替えがなされるまでの間における使用者に対する情報提供等を指導しているところである。

また、エタネルセプト製剤に係る輸入承認が行われた後、当該輸入承認を受けた事業者から、海外においてエタネルセプト製剤を投与中にCJDを発症した二症例についての報告があり、薬事・食品衛生審議会伝達性海綿状脳症対策調査会において検討を行ったところ、当該二症例がvCJD患者である可能性は非常に低く、国内での販売を見合わせる必要はないとの結論を得た。また、二症例のうち既に死亡している一症例については、脳の組織検査が行われたと承知している。

以上が、エンブレルに関する答弁の全文だ。特筆すべき真新しい記述はなく、これまで通りの厚労省の言い分だ。3月31日のブログに書いたように、本答弁の中でも承認の根拠とされている「薬事・食品衛生審議会」の意見というのが、実は決定的に怪しいのだ。この審議会のメンバーのうち5名は、先日、米国産牛肉の輸入再開にGOサインを出した「食品安全委員会プリン専門調査会」のメンバーなのだ。

「エンブレル」が日本で承認された後、ワイス社は、海外でエンブレルを使用した患者がクロイツフェルト・ヤコブ病を発症し死亡したと、重い口を開いた。この報告を受けて、「薬事・食品衛生審議会安全対策部会伝達性海綿状脳症対策調査会」が開かれるが、ご承知のように「米国産牛肉を食べるか食べないかは、消費者の選択だ」と暴言をはき、「科学的な根拠はないがリスクの差は非常に小さい」という結論を出したプリオン専門調査会のメンバーと一部重なる本調査会が、果たして公平公正な立場で、的確な結論を出したかどうかは甚だ疑問だ。

本調査会は、当のワイス社から提出された資料のみを根拠とし、エンブレルと変異型クロイツフェルト・ヤコブ病との因果関係は極めて低いと、あっさりと結論を出し、間髪いれず3月29日、「エンブレル」はついに日本で発売されることになったのである。答弁書の「リスク及び治療上の効果について十分な検討を行い」とは、いつ誰が行ったものなのか、もう一度ただしたい。発売当初ワイス社は、エンブレルを使用しクロイツフェルト・ヤコブ病を発症した2症例について、1症例は既に死亡しているため調査不可能であり、もう1症例は生存中なので脳の検査が出来ないと答えていた。その後の調査で、生存中の症例については、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病ではないことが証明されたということか。また、とっくに死亡した患者については、脳の解剖が可能な状態にあったというのだろうか。答弁書の「脳の組織検査が行われたと承知している」との一文は、極めて玉虫色の表現だ

また、今回の答弁書からも明らかなように、依然として原料となるウシ血清は、米国産のものが使用されている。BSEが発症していない国に速やかに切り替えるよう厚労省から指導されているにもかかわらず、ワイス社にその姿勢は見えない。ワイス社は、エンブレルの安全性の確立よりも、利益の追求を優先しているのだ。いかに表現を曖昧にして売り上げを伸ばすか、それだけに終始しているように見えるのは私だけだろうか

牛肉の輸入再開で明らかになったように、「選ぶか選ばないかは消費者の判断」なのだ。少なくとも、米国産牛肉については、牛の肉骨粉が鶏の飼料となり、それが鶏糞や鶏舎のゴミを通して再び牛に戻ってくる現実をふまえると、到底安全とは言い難い。それでも、食べたら必ずvCJDを発症するなんて大抵の人は想像もしないから、ついつい安価な米国産牛肉に手が出てしまうのだ。

一方のエンブレルは、医療用注射薬だ。スーパーで牛肉を買うのとはわけが違う。医師は、エンブレルとBSEとの関係を正確に患者に伝え、患者の十分な同意のもと投与されることが望ましい。薬害エイズの二の舞にならぬよう、インフォームドコンセントの充実が必要不可欠だ。

エンブレルに関して初めて出された政府の公式見解は、予想通り、患者寄りというよりもワイス社(武田薬品)を正当化するものだった。この答弁の限りにおいて、エンブレルの安全性が確立されたとは到底見なすことはできない。ワイス社がエンブレルについてネガティブな資料を積極的に公表するわけがない。患者にとって、厚労省が最後の砦なのだ。ワイス社(武田薬品)の利益のために、患者に一か八かの賭けをさせることのないよう、慎重な対応が厚労省には望まれる。

今回、エンブレルの他にも、治療上の効果がリスクを上回るという理由で米国産ウシ血清を原料に使用している医薬品が存在することが明らかになった。それについても積極的な情報開示を求めていく。今回の答弁書を出発点として、更なる追及が必要だ。勿論、川内博史議員も、やる気マンマン。街角の薬剤師として、リウマチ患者のQOL向上を目指し、安心安全な治療薬の提供のために、決意を新たにする!

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タミフル国家備蓄戦略の真実 11月17日

タミフルが何故こんなにもてはやされるのか、ずっと不思議だった。世界には、リレンザやシンメトレル(A型インフルエンザのみ有効)という、それなりに効果的な抗ウイルス薬が、タミフルの他にも存在する。しかし、昨今の報道は、タミフルオンリー。今やインフルエンザの切り札として、神様以上に重用されるタミフルだ。

まだ流行もしていない今季のインフルエンザウイルスに対して、本当にタミフルが功を奏するかどうかなんて、正直まだわからない。ドンピシャリ当たる可能性もあるが、まったく効果がない場合だって十分に想定される。にもかかわらず、一にも二にもタミフル、タミフル。世界的なタミフルの大合唱に、浜六郎医師のみならず、首をかしげる識者は多いはずだ。

タミフルは、スイスの製薬会社ロッシュが製造販売元とされているが、正確に言うと、ロッシュが開発した医薬品ではない。タミフルを開発したのは、米国のギリアド・サイエンシズという感染症薬を主に開発するバイオテクノロジー企業だ。1996年、ギリアド社はタミフルを開発し、同年、タミフルのライセンスをロッシュに供与した。その後のタミフルの製造・販売の責任はロッシュにあるが、タミフルの特許そのものは、今でもギリアド社にある。今年6月、ギリアド社は、タミフルに関するロッシュとの開発・ライセンス契約を打ち切りたいとし、ロッシュの米国処方薬部門ホフマン・ラ・ロッシュ社に対して、契約解除を予告する通知を送っている。

ここ数年、家禽類に鳥インフルエンザが流行し、100名を超すヒトが、同ウイルスに感染し、すでに70名近いヒトが命を落としている。現在も鳥インフルエンザによる犠牲者の報道は絶えることなく、世界中が鳥インフルエンザの恐怖におののく一方で、唯一の特効薬ともてはやされるタミフルの売れ行きは、とどまるところを知らない。ロッシュのみならず、特許を持つギリアド社の株価もうなぎのぼりだ。ギリアド社が、タミフルの開発・ライセンス契約を、ロッシュから取り戻したいと思うのも当然だ。

実は、ここに、重大な事実が隠されていたのだ。米国防長官ラムズフェルド氏が、なんとギリアド社の株2,000株を所有していたのだ。今年に入りギリアド社の株価が急騰したまさにその瞬間、ラムズフェルド国防長官は、所有株の50%を売却し、なんと百数十万ドルの利益を得ているのだ。これぞまさしく、わかりやすいくらいに単純明快な、「インサイダー」そのものではないか。絶対にあってはならないことだ。

元国務長官シュルツ氏も、ギリアド社の役員。今年に入って既に700万ドル以上の株を売却している。前カリフォルニア州知事の妻も、ギリアド社の役員に就任・・・。2005年米政府は、兵士への配給分も含め、世界最大のタミフル購入者となった。エンブレルも顔負け!?タミフルほど政治色の強い医薬品もないだろう。しかし現在も、人口比率でみる世界最大のタミフル消費国は、何を隠そう日本なのだ。

確かに、シンメトレルは、A型にしか奏効しない上に古くから使用されているため、耐性ウイルスが少なくない。しかし、吸入薬であるリレンザは、剤形上、小児や高齢者に使いにくいという弱点を持つが、それ故に過去の使用頻度が少ないことから、むしろリレンザのほうがタミフルよりも効きが良い可能性が高いのだ。にもかかわらずタミフルだけが、国家備蓄という最大級の恩恵に預かる裏には、米国の限りない欲望が隠されていたのだ。

小泉政権はタミフルを国家備蓄すると決め、マスコミがタミフル需要をあおる。郵政民営化のときと、まったく同じパターンだ。明確な根拠のないまま、タミフルの売り上げだけが伸びる。腹をかかえて笑っているのは、ここでもやはり米国なのだ。

日本政府は、何よりもまずは家禽類の衛生状態の改善に取り組み、鳥インフルエンザが家禽類に蔓延しないよう手を打つべきだ。そして、クールビズのキャンペーン以上に、うがい・手洗いの励行を国民に訴え、通常のインフルエンザウイルスもさることながら鳥インフルエンザウイルスに感染しない努力を怠らないことが必要なのだ。

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抗リウマチ薬「エンブレル」について、質問主意書提出 11月15日

かねてからの懸案である抗リウマチ薬「エンブレル」に関する日本での発売の経緯について、先日10月28日、やっと「質問主意書」という形で公式に国会から政府に質問が提出された。海外でのエンブレル使用者にクロイツフェルト・ヤコブ病が2名発症し、うち1名は致死したことが報告され、エンブレルとの因果関係が明白にされぬまま日本でも発売が開始された今春3月以降、BSE問題に積極的に取り組む川内博史議員事務所に対して私は、エンブレル問題を放置しないよう強く要請を続けていた。

人命にかかわる注射薬の発売がこのようにいとも簡単になされる経緯と、BSE問題を受けて、米国産ウシ血清由来の医薬品あるいは医薬品原料の輸入が全てストップする中、何故、「エンブレル」の輸入だけが認められるのか、質問主意書に対する回答(11月21日予定)が待ち遠しい限りだ。

四肢が硬直し激痛が走り、生活に大きな支障をきたすリウマチを患う患者にとっては、「エンブレル」は待望の新薬の一つだったに違いない。だからこそ、投薬による「ベネフィット」と「リスク」との関係を、患者利益を第一に考慮して公平に説明する責任が、政府と医療サイドにはあるはずなのだ。

ところが、「エンブレル」については、クロイツフェルト・ヤコブ病との因果関係を曖昧に放置したまま、製造元であるワイス社と併売する武田薬品との強力な要請を受け入れる形で、厚労省は早々に発売を許可してしまったのだ。脳組織の病理検査の結果如何では、海外の2症例は、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病である可能性も否定しきれないと、ワイス社は認めているにもかかわらずだ。このような状況の中で、治療現場の医師が、「エンブレル」とクロイツフェルト・ヤコブ病との関係を、患者にどこまで説明しているかは推して知るべしだ。

現在、注目されている抗ウイルス薬「タミフル」による異常行動についても、因果関係が証明されていないことを理由にこの問題を重要視しないことは、投与される患者からすれば極めて遺憾であって、医療現場と製薬会社の倫理観が問われても仕方のない問題だ。「タミフル」服用によるベネフィットは多大であっても、起こりうるリスクを患者に開示しないことは、医療現場の怠慢といえる。主作用(ベネフィット)と表裏一体である副作用(リスク)に対する注意喚起を、良好なコンプライアンスを実現しつつ、患者に明確に示していく技量が医師・薬剤師には求められるのだ。

患者のコンプライアンスを考慮すると、必要以上にリスクを強調しないほうが良いという考えは、医療従事者の傲慢であり怠慢であると私は考えている。医療は、医師から患者に一方的に与えられるものではなく、複数ある治療の選択肢の中から、受益者である患者自身が納得の上選択していくべきものだからだ。

米国産ウシ血清を原料とする「エンブレル」を使用した患者が、本当に「エンブレル」の影響でクロイツフェルト・ヤコブ病を発症したのか否か、調査することは困難な課題かもしれない。死亡した患者については検体さえ存在しないのだから。だからこそ、医薬品を製造販売する製薬メーカーは、全ての情報を包み隠さずディスクロージャーする責任がある。最悪の可能性を認知した上で、「エンブレル」を選択するか否かの権利は、患者側にあることを忘れてはならない。21世紀は、患者が医師の言いなりになる時代ではない。治療方法は、受益者である患者が選択する時代に入っているのだ。

その意味において、今春の「エンブレル」発売過程は、極めて不明瞭な経緯をたどったといえる。米国産ウシ血清を使用する医薬品またはその原料2,600品目の輸入を、厚労省は現在もストップさせている。にもかかわらず、何故「エンブレル」だけが許されるのか。私ならずとも、患者であれば誰もが知りたいところだ。

厚労省はワイス社に対して、仔牛血清を使用しない方法での製造を求めているが、未だに放置されているのは何故なのか。このことが全てを物語っているように思うのは、私だけだろうか。

(質問主意書のエンブレルに関する項目)

今年一月に承認された、抗リウマチ薬エンブレルについて、牛由来血清を使用して製造されるため、クロイツフェルト・ヤコブ病患者との因果関係が問題とされたにもかかわらず、早期に販売が許可された経緯と理由について、答弁を求める。上記患者は脳の解剖検査を行ったのか。また、厚生労働省告示の生物由来原料基準によれば、米国産の反芻動物由来の血清を医薬品の原料に用いることはできないことになっているのに、米国産仔牛の血清を用いるエンブレルが承認されたのは何故か、答弁を求める。このような事例が他にもあるかどうかについて、また、いつまでに是正させるのか、あわせて答弁を求める。

質問主意書全体(BSEに関する50項目)→BSE問題に関する質問主意書

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エンブレルの真実!? 10月18日

本年3月20日、米国産ウシ血清を原料とし、BSEとの関連を断ち切れないままの状態で発売された抗リウマチ薬エンブレル。海外に2例、エンブレル投与の患者がクロイツフェルト・ヤコブ病を発症していた経緯から、「何故、急いで発売に踏み切るのか?」、そのとき私は厚生労働省の決定に疑問を持った。

しかし結局のところ、「変異型であるとの確証は得られていない」「いずれ(なんと期日は設けていない!)、原料であるアメリカ由来の仔牛血清を代替品に切り替えるようメーカーに指導した」との二つの理由で押し切り、投与される患者のリスクマネジメントは極めて曖昧な状態で、エンブレルは厚生労働省の承認を得て日本での流通をスタートさせたのである。

一方で厚労省は、英仏に渡航暦のあるものの献血を厳格に規制し、エンブレルとは対照的にやたらとBSE対策に積極的な一面も見せた。この間、食の安全の観点からBSEに敏感な日本の消費者に配慮して、米国産牛肉の輸入再開になかなか踏み切らなかった厚労省・農水省だが、ここへきてしびれを切らし始めたアメリカ農務省にいよいよ対抗できなくなった様子。日本政府は、年内にも米国産牛肉の輸入再開に踏み切りたい構えだが、レンダリング飼料あるいは尿からのBSE感染の可能性が否定しきれない現状では、消費者の一人として私は、安易な輸入再開に賛成するわけにはいかない。

日本の消費者の安全を守るために、国会での活発な議論を期待するところだが、薬剤師としての私は、抗リウマチ薬エンブレルのリスク管理が気になって仕方がない。我が国では、2,600品目にも及ぶ医薬品の原料に、米国産ウシ血清が使用されていた。厚労省は、BSEの危険があることを理由に、実は、それら全ての医薬品・原料の輸入を現在ストップさせている、エンブレルを除いてはっ!!つまり、現在エンブレルだけが、アメリカ産ウシ血清を原料に使用しているにもかかわらず、日本で使用が許されている唯一の医薬品なのだ。

何故だ!!!!1980年から96年までの間たった1日でも英国滞在暦のあるものの献血を禁止すると主張したほどBSEに対して厳格だった厚労省が、3月24日の「薬事・食品衛生審議会安全対策部会伝達性海綿状脳症対策調査会」では、製造元のワイス社の「因果関係は(今のところ)認められない」との一方的な報告を鵜呑みにし、とにかく急げ急げでエンブレル承認の断を下してしまったのである。

エンブレルだけが販売を許されていることに対する厚労省担当者の言い分は、「ベネフィットとリスクとの問題」だという。ここで言うベネフィットとは、企業側の利益を指すものではないかっ!?ワイス社と一体となって販売している武田薬品には、さぞかし多くの厚労省のOBが天下りしていることだろう・・・。厚労省は、リウマチ患者が変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に感染するかもしれないリスクよりも、天下り先企業の利益に何よりもプライオリティを置いているのではないか。だとすれば、許しがたい暴挙だ!!

2,600品目に及ぶ医薬品の多くは、カプセルの原料にウシ血清が使用されていた。エンブレルは、日本での売り上げを1,000億円と見込まれた、企業にとっては「打ち出の小槌」、鳴り物入りの新薬だった。ワイス社も武田薬品も、どうしても予定通りに発売したくて・したくて仕方がなかったのだ。この要請に、厚労省は応えるしかなかった・・・これがエンブレル発売の裏に隠された真実!?患者(国民)を守ってくれるはずの厚労省が、企業のベネフィットを優先するのであれば、私たちは、いった誰を信じれば良いのだろうか。
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抗リウマチ薬「エンブレル注」自己注射承認 4月7日

厚生労働省の中央社会保険医療協議会が、抗リウマチ薬「エンブレル注」の自己注射を承認したことを発表した。エンブレルは、使用患者から2例、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)発症の報告があがっており、仔ウシの血清を製造原料としていることからBSEとの関連が疑われるているいわくつきの医薬品だ。

患者の年齢・症状の範囲と進行具合・MRIと脳波検査の結果に基づく中枢神経の状態やその他の兆候は、2症例とも「変異型CJD」ではなく「弧発性CJD」を示しているとは、製造元ワイス社の見解だ。しかし、ワイス社は、「最終的には、脳組織の病理検査が必要である」とし、脳組織の病理検査の結果如何では、変異型CJDの可能性であることに含みを持たせているのだ。

更にワイス社は、エンブレルの製造過程で使用される仔ウシの血清は、健康な仔ウシから採取しており、その仔ウシは、成熟したウシから隔離し厳重なエサの管理下で飼育していると、主張している。これらのワイス社から提出された資料によって、一旦は延期されたエンブレル注の発売にGOサインを出すべく、厚生労働省で「薬事・食品衛生審議会安全対策部会伝達性海綿状脳症対策調査会」が開催され、エンブレルと変異型CJDとの因果関係はないとの結論を出しているのである。隔離し厳重なエサの管理下で飼育した仔ウシなら、どこで、どんな飼料を使用して飼育したのか、明確に示してもらいたいものだ。

一番の問題点は、脳組織の病理検査の最終結果を待たず上梓に踏み切っている点だ。日本人の体に直接注射する医薬品の販売が、このように確固たる安全性の証明がなされない状態のまま許可されて良いのだろうか。しかも、脳組織の病理検査をしている組織は、「US National Prion Disease Pathology Surveillance Center」なのだ。米国立の検査機関が、BSEとの関連性を示すデータを、素直に示すだろうか???甚だ疑問だ。だからこそ、本当に関連性がないのなら、その証拠をきちんと提示する必要がある。それを待たず発売にGOサインを出し、その上、自己注射をもさっさと認める厚生労働省の対応は、米国産牛肉の輸入再開問題と比較しても、甘すぎはしないか?ワイス社と共同販売する武田薬品に、厚生労働省の役人が多く、天下っている現実が頭をよぎる・・・。

ワイス社が提出した資料には、「確信している」との文字が目立ち、極めつけは「これらの資料は、医療関係者より自発報告として提供されたものであり、医学的知見や新たな情報により、本資料作成時以降に変更される可能性がある」との記述があることだ。エンブレル注は、海外で既に28万例の症例報告があり、日本でのリウマチ治療にも光明を与える医薬品であるかもしれない。しかし、BSEとの関連性が100%否定されないまま、患者にエンブレルが処方されることを、リスク管理を業とする厚生労働省が許可してはいけない。免疫抑制剤の副作用なら、早期に対処すれば事なきを得るが、万が一「変異型CJD」に感染してしまったら取り返しがつかないのだから。

そして、今回の日本におけるエンブレル注の発売および自己注射の承認における一連のプロセスでの最大の問題点は、エンブレル使用患者がCJDを発症したこと、および、それを踏まえた上で、厚生労働省が何故発売を許可し更には自己注射を承認したのか、その根拠についての情報公開が不十分な点だ。患者は、少なくとも、これらの一連の流れを承知し、BSEとの関連があるかもしれない旨を認識した上で、納得づくでエンブレルを処方されなければならないのだ。薬害エイズのように、患者はまったく何も認識していなかったという轍を、絶対に踏んではいけない。

勿論、エンブレルとBSEとは、100%無関係であるかもしれない。大事なことは、厚生労働省がそれを証明することなのだ。証明もしないまま見切り発車することは、科学の世界では許されないことだ。いちかばちかで、患者の命をさらしものにしないでもらいたい。患者は無力だ。医師の言われるがまま、与えられるがままの医薬品を、数多く使用するのだ。弱い立場にある患者の安全をガッチリと守ることが、厚生労働省に課せられた責任であるはずだ。今からでも、万全の情報公開を、厚生労働省には期待する。
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抗リウマチ薬「エンブレル注」のその後 3月31日

3月27日の日記に書いたように、リウマチの患者さんにとっては福音との触れ込みの抗リウマチ薬「エンブレル注」、原料に米国産の仔ウシ血清を使用しているためBSEとの関連で発売が延期になったと思ったら、間髪入れずの発売。あまりの「挙動不審」に、いてもたってもいられず、川内博史代議士を通じて早速リサーチを開始した。

エンブレル注は、1月19日に日本でも承認され、予定では3月25日に発売の予定だった。ところが承認後間もない1月27日、海外でエンブレルを使用している患者がクロイツフェルト・ヤコブ病を発症し死亡したとの報告があがる。死亡報告から1ヶ月以上経過した3月9日の時点では、製造販売元のワイス株式会社はその旨を承知していた。その後、3月17日になって初めて、ワイス株式会社は、エンブレル注使用者にクロイツフェルト・ヤコブ病が発症し致死した旨を、(独)医薬品医療機器総合機構を通して厚生労働省に報告している。そして、18日の時点で、ワイス株式会社はエンブレル注の発売延期を決定した。

厚生労働省は、ワイス株式会社の報告を受けて、3月24日「薬事・食品衛生審議会安全対策部会伝達性海綿状脳症対策調査会」を開くこととなる。その調査会に、食品安全委員会プリオン専門調査会の座長以下5名が含まれていることには驚いたが、調査会が、ワイス株式会社から提出された資料のみをもとに、「エンブレル注と変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)との因果関係は非常に低い」と瞬時に結論を出していたことには、もっと驚いた。その結果、昨日の3月30日、ついにエンブレル注は、日本国内で発売されてしまったのだ。あまりにもスピーディで、独断に満ちた決定だとはいえないだろうか。

更に、不信感を増幅させるのは、当初の発売予定日の翌日である3月26日に、厚生労働省で開かれた会議の席で、インスリンのようにエンブレル注も、患者本人による自己注射を認める決定を下している点だ。

3月29日、ワイス株式会社と、共同販売する武田薬品とは、連名で、エンブレル注新発売の旨を、文書で報道発表している。この文面に、ヤコブ病やBSEについての一連の経緯がまったく触れられていないことにも、不信感が募る。この間の経緯の情報公開とvCJDへの注意喚起が、なされてしかるべきではないか。

時系列でいくと、3月24日の調査会が最も怪しい。発売元のワイス株式会社が提出した資料のみで、適確な判断ができるのだろうか。それで本当に良かったのか。最悪なのは、エンブレル注とvCJDとの因果関係が「非常に低い」というくだりだ。ゼロではないのだ。可能性を否定できない中、早々に発売を再決定した厚生労働省の真意を測りかねる。たった1日でも英国滞在歴のある人の献血は止めても、こんなにあやふやな、少なくとも、英国1日滞在者の献血よりはリスクが高いと思われる事態を看過することは、国民の安全の観点から言っても絶対におかしい。

厚生労働省の言い分は、「多くのリウマチ患者がエンブレルを待ち望んでいるから」だそうだ。もともと、リウマチ専門医であっても、暫く様子を見てから採用するという話もあったくらいで、1分1秒を争うような状態であるとはとても思えない。仮に100歩譲って、厚生労働省が言うように、多くの患者さんにとって待望の薬であるならば、だからこそ、厳重な調査と情報公開が必要なのだ。調査をしたのかしないのかわからないような不十分な状態のまま上梓に踏み切ることは、安全性にもとり絶対にあってはならないことだ。このような状態で、本当に大丈夫なのだろうか。

そして、我が国で使用されている2,600品目にも及ぶ医薬品の原料に、米国産ウシが使用されていることも、忘れてはいけない。厚生労働省は、米国からBSEを発症していない国へと、原料の原産国を切り替えるよう製薬メーカーに通知による指導をしているが、そんな生ぬるいことで良いのだろうか。このまま患者が何も知らされぬまま医薬品を使用することは、果たして許される話なのだろうか。

とにかく今は、エンブレル注について、川内代議士に更に突っ込んだ真相究明をしていただきたいと心から望む。こんな状態では、真に国民を守ってくれるのは、いったい誰なのかと、つくづく考えさせられる。
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BSE検証 3月27日

牛丼が食べられなくても、牛タンが食べられなくても、国産牛肉に高くて手が出なくても、私(たち)は生きていける。脳神経細胞に異常プリオンが蓄積し致死する変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)を回避するには、たとえ僅かな確率でも、感染の危険を排除できない米国産牛肉を、口にするわけにはいかないのだ。

厚生労働省は、1980年以降1996年以前であればたった1日でも、また1997年以降2004年の間で半年以上、英仏に滞在歴のある人の献血を禁止した。アイルランド・ベルギー・イタリア・オランダ・スペイン・ドイツ・ポルトガル・スイスについても、6ヶ月以上の滞在歴のある人の献血は禁止だ。昨年亡くなったvCJDの日本人男性に、23日間の英国滞在歴があったことなどから、厚生労働省の警戒は厳しい。お陰で、献血が不足する事態を引き起こしているが、厚労省の徹底振りは稀に見る厳重さだ。

しかし、米国産牛肉と英仏渡航歴のある人の献血の禁止だけでは、vCJDへの危険が全て排除されたことにはならない。様々な医薬品に使用されているウシ由来の原料の多くが、米国産なのだ。遺伝子組替え医薬品・ワクチンなどの培養に用いるウシ血清の45%、多くのカプセル剤が該当するゼラチンカプセルの30%、医薬品として使用される胆汁酸の50%を、米国産のウシに依存している。

献血と同様に、予防的に米国産ウシ原料を含む製品の製造を直ちに禁止すると、HIV治療薬や抗リウマチ薬あるいは抗インフルエンザ薬等各種カプセル剤など、約2,600品目もの医薬品の供給に支障を生ずることになる。厚生労働省は、「BSE発生以前から、薬事法第42条に基づく生物由来原料基準において、脳・脊髄・眼・腸等のリスクの高い部位の使用は禁止されている」ことを理由に、直ちに保健衛生上のリスクがあるとは考えられないとし、製品の切り替えは、平成18年3月末日までに段階的に進めていくこととしている。

米国産の血液凝固因子の投与による薬害エイズ問題は、今も記憶に新しいが、リスクを完全に排除するために、2,600品目にもわたる医薬品の供給をストップしてしまったら、たちまち日本の医療そのものが成り立たなってしまう。段階的に切り替えていくしか術はないが、可能な限り代替品を使用してリスクの確率を引き下げる努力が必要だ。罹患してしまってからでは遅いのだ。薬害エイズの教訓を生かさなければならない。

しかし、多くの患者は、米国産ウシを原料とした医薬品を投与されていることを知らされていない。告知することによる混乱を考えれば、原料中の異常プリオンが製品にすべて移行した場合のvCJD罹患のリスク値が1/10万~1/1,000億と極小であるとされることから、ことを荒立てる必要性が認められていないのだ。しかし、本当にそれで良いのだろうか。私の職場でも、この冬、抗インフルエンザ薬のカプセル剤が飛ぶように処方されたが、本剤については、今月末までに、カプセル原料の原産国を米国から他の国に切り替えるよう指導されている。

仕方がないといえばそれまでだが、極小ながらリスクを承知の上で、医薬品を使用しているのが現実なのだ。万万が一、これらの医薬品によって将来vCJDを発症した場合、いったい誰が責任をとるのだろうか。たった1日英仏に滞在した人の献血は禁止しても、医薬品の供給をストップさせることはできないジレンマが厚生労働省にはある。私たちは、やたらめったら、たいして悪くもないのに病院に行くことを自粛しなければならない。「待ち時間が長いので、本当に具合の悪い時は、病院に来ることはできない」患者さんたちが異口同音に口にする言葉だ。だったら、余計な医療費を使うことのないよう、本当に必要な時だけ病院に行こう。

自己免疫疾患であるリウマチは、身体障害をもたらし日常生活に多大な不都合を生じる可能性を持った重大な疾病である。その治療には十分に研鑚を積んだ認定専門医があたることが望ましく、昨年、京大病院では、専門外の医師による投薬ミスが発生し、患者さんが死亡する事故が起こっている。痛みに苦しむ多くのリウマチ患者にとって、特効薬の開発は、首を長くして待たれるところだ。

そんな中、既に海外では70カ国・28万例の症例報告のある抗リウマチ薬「エンブレル(注射薬)」が、去る1月19日付けで我が国においても承認された。待ちに待った承認だったのだが、先日、ウシ血清を原材料に使用した本剤を投与された患者が、vCJDに罹患したとの海外報告があがり、このほど国内での発売が一時延期される措置が講じられた。医療関係者にとっては、出鼻をくじかれた感があったのだが、間髪いれず厚生労働省は、エンブレルとvCJDとの因果関係は認められないとして、近く発売を許可する見通しとなった。本当に心配ないのだろうか。完全に因果関係が否定されない限り、軽率な判断は避けるべきだ。厚生労働省の発表内容に、しっかりと目を通したい。

今現在、米国産牛肉を自ら進んで食べる日本人はいないだろう。しかし、重い病気を患う患者にとって、医薬品はなくてはならない命綱だ。エイズの例をあげるまでもなく、医薬品による薬害は、患者にとっては避けようにも避けられない不可抗力だ。米国産ウシを原材料とする医薬品の切り替え措置について、献血同様に、できる限り厳重に対応するよう、厚生労働省に強く求めていきたい。
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