Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

組織検査シロ

2009-05-22 | 想い・雑感

胃癌の診断は、最終的には組織診断で行います。内視鏡で病変を見つけたら、生検(組織に一部をつまみとって、顕微鏡で調べる)を行い、確定診断を行います。内視鏡で見ただけでは、癌と見間違うような潰瘍もまれに存在するので、組織検査でクロとでるまではなかなか手術に踏み切れません。

つい最近も、内視鏡上は胃癌を疑うとのことでYさんが紹介されてきました。ところが、紹介もとの検査でも、私の病院での検査でも組織検査の結果はシロ。潰瘍の薬を使用しているうちに、抉れた病変は見る見る縮小していく傾向を見せたのでした。最終診断は胃潰瘍で手術不要となりました。

昔は内視鏡などなかったので、胃透視のみが検査手段。当然生検などは行うこともなく、手術適応が決められていました。だから、胃癌の診断で手術をしたけれど、最終的診断は潰瘍だったということも珍しくなかったようです。

ただ、潰瘍だって昔は今のように良い薬がなく、夏目漱石のように潰瘍ゆえに落命する方が多かったわけですから、潰瘍であっても手術適応でした。現在は、潰瘍のほとんどがお薬で治りますし、ピロリ菌の存在もわかり、手術が必要となる潰瘍は昔に比べ激減しました。喜ばしいかぎりです。