Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

選択

2009-05-13 | 想い・雑感
病気に対する治療方法を選択する際に
年齢という因子が意思決定に関わることは少なくない

80歳の男性に早期胃癌が見つかった
担当の内科医と家族及び本人は
高齢だからなるべく無理のかからない治療をしたいということで
レーザーによる治療を選択した

2回にわたり
胃壁のなるべく深部まで焼き尽くしたとのこと

ところがそれから1年
経過観察のための内視鏡を行ったところ
腫瘍は小児の拳くらいの大きさとなった姿を見せた

腫瘍からの出血による貧血も進行していたため
手術の依頼が舞い込んだ
そして結局胃全摘
術後の経過は順調で
無事退院となった



もし最初見つかった時点で
何もしないという方針を選択したら
そのまま2から3年は何の症状もなく経過したと思われるので
レーザー治療がかえって癌を怒らせたという感じ

高齢者の場合
余命がどれくらいか誰にもわからないから
治療の選択にも頭を悩ませる

しかし中途半端な治療なら
しないほうが良いこともある
という教訓