Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

塀の中から

2008-10-22 | 想い・雑感
大学2年生の半年間
刑務所の塀横の家に間借りしていた

その刑務所は初犯で比較的軽い罪の人が入っていたようで
時に看視官に前後を挟まれ
囚人が塀横の溝掃除をしていた

塀の中の健康管理がどのように行われているかはよく知らないが
刑務所には医務室があるようで
現在の勤務先にも
時折患者さんが紹介されてくる
そんなときには
鎖に繋がれた囚人を4人くらいで警護して連れてくる

先日他県の刑務所からの紹介状を携えて患者さんがやって来た
その方は交通刑務所というから
交通事故か何かのひどいのをやってしまったのだろう
警察官と一緒に来ると思っていたら
奥さんと二人でやって来た

「半年くらいの刑期途中で体調不良を訴えた
しかし一月くらいはそのまま服務させられていた」と本人談
いよいよきついとのことで
検査を行ったところ
進行胃癌が見つかった
それも肝臓やリンパ節に転移がある進行癌
交通刑務所に移送しても
手術待ちが半年とのことで
刑期半ばに出所が認められることになったそうだ

「どうせ短い命だから好きにしろと放り出されたんだろう」
と本人は言う
まあそんなものかも知れないが詳細はわからない

直ちに抗がん剤の内服を開始し
徐々に検査をしていくことにした

おそらく収監される2年くらい前でも
内視鏡検査をすれば病変があったであろうと思われる
塀の中に居たから診断が早くついたのか遅くなったのか
どちらともいえない

捨てばちになる必要はまだないことを強調し
一緒に治療していくことを約束して
入院予約をしていただいた

さてどうなりますか