Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

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2008-09-24 | 想い・雑感
抗がん剤治療をしていると
ある時点から
急速に癌が猛威を振るい始める
その時点を過ぎてくると
患者さんの状態もみるみる悪くなってくる

2週間前と比べ
明らかに状態が悪くなっているK氏
血液データはあまり問題がなかったが
もう抗がん剤を使用できる時期は過ぎた

ご本人には検査結果を説明してきており
厳しい状況であることは認識されている
ご家族には本人から伝えているとの事だった

しかし念のため
ご本人が点滴をしている間に
ご自宅に電話をかけた
次週は一緒に来ていただくようお願いした
電話口では詳しくお話しなかったが
患者さんの状態が悪いことはわかっていても
実際にどの程度癌が進行しているか
本人の口からはあまり説明されていないようだった

癌を患い闘病されている方のご家族の方がおられたら
お願いいたします
特に普段通院するときに一緒には行かない方ですが
様子がおかしいなと思ったら
病院からの連絡を待たず
ぜひ患者さんと一緒に病院へ行き
担当医から状況をお聞きください

本人からの情報は
希望の持てるような内容に
偏りがちだと思いますから

これは本人が信じたい内容(希望)を伝えようとするという面と
家族に心配をかけたくないという気持ちの両方からでしょうけどね

手がないけれど

2008-09-24 | 医療・病気・いのち
胃癌に対する抗がん剤治療
この7~8年で長足の進歩

もちろん抗がん剤だけでの完治はまず考えられないが
一旦はきれいに消失したかに見えるほど
よく効く人がいる

一方で
どの薬を使っても効果がなく
ただ癌が広がり進行していく人がいる
医療の限界を思い知らされ
無力感を抱いてしまう

効果が期待できる抗がん剤を使いきり
いよいよ手段がなくなったGさん
訪ねた病室から出る間際に
「助けてくださいねぇ・・・」
と弱々しく声を掛けられた
振り返り 微笑み 軽く頷いたが
声に出して
「はい」とは答えられなかった

かと言って
手段がないことを
はっきり伝え
希望を完全に剥ぎ取ることもできない

どう言葉にすればよいのだろうか