「書く力」(朝日新書)の「はじめに」は池上 彰氏が書いている。
のっけから「祝婚歌」(吉野弘)の
”立派すぎることは 長持ちしないことだと
気付いているほうがいい 完璧をめざさないほうがいい” ときた。
最後は
”正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい” で締めくくられている。
わたくしはベッド脇の棚に吉野弘の2冊を置いている。
「贈るうた」と「吉野弘詩集」。
脚本家の山田太一氏が「吉野弘詩集は貴にして重い」と書いているように
分かりやすい言葉で、妙に気張ることなく、自然の移り変わりや人々の
暮らしを柔らかく、ユーモアを交えながら歌う詩人、吉野弘。
「祝婚歌」「I was born」 「夕焼け」などはもちろんだが
漢字遊びの何篇かの詩も面白くて楽しい。