夫の涙

2008-05-23 22:16:23 | 日々思うこと
2,3日前だったか、「朝日」の「ひととき」に「夫の涙」という投書が載っていた。
京都の方でそのご主人が岐阜県の病院に入院しているので、病院近くにアパートを借りて看病していると言うことだった。
あるとき、孫のことを話したら突然夫が涙をこぼしたそうだ。
この記事を読んで、3年前の自分自身の姿だと思った。

あなたが旅先で倒れて、そのままわたしもその町の住人のようになっていたから。
アパートを紹介してくれる方もいたけれど、わたしは民宿を定宿にして過ごした。
そして毎日あなたのベッドの傍らに座って、あなたの顔を見つめ、手を握り、頬をなでていた。

時折、あなたも涙をこぼすことがあって、哀しいのか、苦しいのか、痛いのかと戸惑ったものだ。
だって、あなたの涙はそれまで一度も見たことがなかったから。
わたしは泣き虫で、映画を見ても、TVでも、本を読んでいても涙をこぼしてあなたからよくからかわれていたけれど、あなたはまったく泣かなかったものね。
その人の涙をみる辛さ。あなたの涙をぬぐいながらわたしも涙をこぼした。

あなた、どうしてほしかったの?
悔しかったのね。何もいえない自分が、突然こんなになった自分自身が。

わたしも悔しい。どうして、ねえ、本当にどうして・・・・。
コメント
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