デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

小学校の説明会

2008-02-02 07:31:41 | ハーフの子どもの教育
 昨日、ショウミーの小学校の説明会がありました。ショウミーは一番近所の公立の小学校に行くのですが、1時間あまりのその説明会で私はちょっとがっかりすることが多かったです・・・。とは言っても私自身、普通の公立の小・中・高と行っており、なまじデンマークや他の国の学校の話などを知らなければ、こんなもの、と落胆するようなこともなかったのかもしれませんが。

 まずこの説明会は非常に不可解なことに始まりの時間が2時でした。幼稚園は普通2時に降園で、説明会参加のためには幼稚園を早退しなければなりません。どうして2時半開始などの時間的配慮がなされてないのでしょうね。(ちなみにデンマークや米国では保護者会を夜行うことも多いかと思いますが、それは夫婦が夜の7時ごろには帰宅しており、どちらかが子どもの面倒を家で見ていられるからというベースがあるから可能なのでしょう。一般的に父親不在の日本では、なかなかできないことです。)

 そしてなぜか事前に配られたプリントには、「小さなお子さんは各ご家庭でご配慮ください」という注意書きがありました。私はこれをすっかり見落としていて、前日にたまたまスーパーマーケットで会ったお母さんに教えてもらったのですが、どうも進行のさまたげになるので、下の子は連れてこないでくださいということのようでした。私は構わず連れて行ってしまいましたが、見事にほぼ全員(60名くらい)上の子(新1年生)も下の子も連れてきておらず、びっくりしてしまいました。皆さん、お子さんはどうしたのでしょう???

 説明会は配布された「入学のしおり」に沿って進行したのですが、このしおりの中に面白い(または理解できない)いくつかのことが書かれています。まず「入学前にこれだけは」というページがあり、「名前を呼ばれたら「ハイ!」とはっきり返事をする」などはよいのですが、「自分の名前をひらがなで書いたり、読んだりできる」というのは、ひらがなくらい読めたり書いたりできて当たり前と先生は思っているよ、という話は聞いていましたが、改めて「ふーん、そうなのか」と思いました。もちろんたいていの子どもはこのくらいすでにできていることなので、そんなに気に留める必要もないのかもしれませんが。他にも「自分の持ち物と友達の持ち物の区別ができる」「和式・洋式トイレ両方を使うことができる」「忘れ物は取りに戻らない(あわてて危険だから)」などというくだりもあり、ちょっと笑ってしまいました。

 そして特筆すべきは「持ち物」でしょうか。2ページにわたり、入学式までに準備するものの詳細があるのですが、ちょっと紹介してみたいと思います。
・消しゴム(以前、かわいさを子ども同士で競って争いになるようなことがあったので、なるべく無地のものにしてください。)
・筆箱(金属製や布製ではなく、シンプルなもの)・・・どうして布製がいけないのかは不明。
・下敷き(無地)・・・絵があると授業に集中できないそうです。そんなことないと思うのですが。それともたった1枚の動かない絵に負けちゃうような、つまらない授業なのでしょうかね。
・はさみ(お子さんの手に合ったもの)・・・なぜそんな当たり前のことを?
・上履き(足の健康のために吸圧シューズをおすすめしています)・・・これは1足2000円ほどで高い。え?普通の白い上履きではだめなの?だったら普通のスニーカーなどを買って上履き用としたいところ。おすすめという言葉の意味もよくわからない。
 ここまで細かく、ひとつずつの持ち物に規制がされるのはどうなんだろうかと思いました。すべて「支給」ということであれば、一律皆で同じものを使ってもいいかもしれませんが、自分が学習するときに、どのようなものが使いたいかをそれぞれが選べないようになっているのは、ちょっと窮屈だなあと感じてしまいます。

 また「小学校の一日」というページではこれも2ページにわたって、一日の行動をこうしましょう、ああしましょう、と細かく書いてあります。それはなんと30項目近くとなっており、ちょっと「うるさいなぁ」と私まで思ってしまいました。「教室に入ったら、勉強しやすいように学習の準備をしよう」から「正しい姿勢で学習しよう」「雨の日は教室やオープンスペースで静かにすごそう」「丈夫な身体をつくるため、好き嫌いなく食べよう」「「心をこめて、いただきます、ごちそうさまのあいさつをしよう」「自分の仕事を最後までがんばろう」「進んで仕事を見つけて実行しよう」→これは会社員にも共通すること?(笑)、「気持ちよいあいさつをして一日をしめくくろう」などなどまで。そして最後には「地域を明るくしよう」という見出しの中に「地域での行事に進んで参加しよう」「地域の一人として誇りを持って行動しよう」・・・。
 いかがでしょうか?もちろん、ひとつずつの項目はもっともなことが書いてあるのですが、6歳の子どもにこんなにあれもこれも「○○しましょう」と言いすぎではありませんか?また「好き嫌いなく」「進んで仕事を見つけて」などという学習とは関係のないことに言及していることも多く、改めて学校は学業だけではなく、生活習慣や団体行動なども学ぶ場なのかと知りました。

 とにかく、「こうして日本人が作られていくのね」と昨日の説明会ではいろいろと実感させてもらいました。多分これを夫に話したら、そもそも日本の学校に懐疑的な夫のこと、また文句を言うだろうな~と思いますので、夫には少し軽めに話さなくては・・・。

 ここまで比較的批判的な書き方をしてしまいましたが、それでも日本の学校もいいところはいっぱいありますし、私は基本的には日本の学校が好きでもあります。またいずれ、そういったいい面についても書いてみたいと思います。

 またクリスマスプレゼントで、デンマークの入学準備のための、ちょっとかわいらしい本をファーモアからもらっていますので、次回、それについて書いてみようと思っています。日本との面白い比較になるかな?


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4 コメント

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Unknown (els)
2008-02-02 10:21:02
デンマークでは、日本とは内容が違うけれど、入学前に全員が保育園との面談で使う政府から配布されている資料には、それこそ100以上にもおよぶ「~できるか?」という発達チェック項目があるのです。
名前が書けるかどうか、とか、補助輪なしの自転車に乗れるか、というのも入っていたけれど、そういう勉強面や運動面よりも、「自分の順番になれるまで待てるか。」「自分の感情をことばで表現できるか。」「ほかの人と感情を共感しあうことができるか。」など、メンタル面や社交性についてより重視されていたような印象をもちました。
そのチェックで、本当に就学を遅らせる子供も結構いるので、デンマークはある意味、就学に求められる条件がもっと厳しいのかもしれません。

でも、もちものの条件はこっちではさすがにゆるいね。というか、日本でもわたしたちが小学生だったときは、あんまり言われなかったよね?
まぁ、確かに、娘はしょっちゅう、「だれだれは、これをもっていた。」とかいうので、うるさいけど、、
それをガマンさせるのも学びだと思うのですが。。。
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Unknown (sa)
2008-02-03 07:39:21
日本の小学校って保育園や幼稚園に配慮しませんよね。それは私も日本で色々調べていた時によく聞いてました。ほんとうに驚くほど交流がないのですよね。お互い同じ子どもを預かる立場なのに、不思議でしょうがなかったです。

項目を読んでいて、「あー、こうやって日本人の考え方が作られていくんだ、子どもの行動は一律な枠の中に修正されていくんだ」と思えて興味深かったです。
やっぱり私は日本で教師にならなくて良かったと、個人的に思ったりもしました、笑。
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Unknown (halfkids)
2008-02-03 07:44:41
elsさん、

そうね、何々ができるか?という質問はその子の現実を知る上では大切かもしれませんね。特にデンマークの場合、日本と違って就学の時期を選択していくのですから、その子自身がスムーズに勉強に入っていけるようにきちんと予め「できるかどうか」を見てあげる、というのはよいシステムのような気がします。

そして、そうなんだよね。持ち物については私も他の子のをいいなあと思ったりした記憶もあるけれど、そういった小さなことが自分と人を比べないということを学ぶはじめの一歩になるはずなんだけれどね。
学校側がそういう争いがないように、と排除してしまうのは、私もちょっとなと思うし、こうして個性を変に閉じ込めてしまってゆがませるなどということにならないのかな?と思ってしまいます。
好きなものを持って、楽しい気持ちで勉強に取り組んでもいいのにね。
私が小学生のときにもそこまで言われなかったので、びっくりしています。
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Unknown (halfkids)
2008-02-03 07:54:24
saさん、

本当に始まる時間は私も不思議です。2時に始めることと2時半に始めることに、学校側にはどういう違いがあるんでしょうねぇ?
いつか機会があったら、学校の先生に聞いてみたいと思っていますが・・・。

私は必ずしもデンマーク流の非常に自由な学校の雰囲気をよしと思っているわけでもないのですが、説明会では逆に日本の学校の窮屈さを垣間見た気がしました。
最終的には幸せに自分の人生を送れる人に育ってほしいのですが、果たして日本の教育はどうなんでしょうか?これから現場で見ていくのが楽しみでもあり、また怒っちゃうんだろうな~とも思っています。
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