デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

デンマークのカウントダウンパーティー

2010-01-20 15:43:28 | デンマークの行事
 まだ去年の夏の分のブログも全然終わっていないのですが、とりあえず、記憶の新しいところから今回の冬休みのデンマーク滞在記を書きたいと思います。

 今まで何度か新年をデンマークで迎えたことがありますが、新年のカウントダウンのパーティーには参加したことがありませんでした。今回、友人から招待を受けたので、子ども達を義母に預け、初めて参加することに・・・。デンマーク人がどのように祝うのか、実際に一度体験してみたかったので、最もオーソドックスに祝うという友人の触れ込みのそのパーティーを、とても楽しみにしていました。まずは、慌てて日本でドレスを購入するところから始まり、始まり!です。(ドレスを買いに行くなんていう非日常なここからして、すでに楽しい!)

 友人がその友人達と4人で企画したこのパーティー。集合は6時からのマグレーテ女王のスピーチに合わせて、6時10分前でした。フレデリクスベアの大きな、そして素敵な内装のアパートに着くと、友人が入り口で招き入れてくれ、まずはハグをして挨拶。コートを脱ぐとすかさずアペリティフを持ってきてくれたので、それを飲みながら、スクリーンに映し出した女王のスピーチをみんなで静かに見ます。最後のほうはちょっと茶々を入れていましたが、思っていたよりみんなきちんと静かに見入っていました。

          

 それが終わるとディナータイムですが、大きなテーブルが2つ用意されており、各自、好きなように座ります。見渡すとだいたい30歳以上、50歳以下という年齢層で、しかも後で聞いたらほぼみんな独身ということでした。タパスか寿司か迷ったそうですが、お寿司のテイクアウトが今夜のディナーで(友人いわく、コペンハーゲン1おいしい寿司レストランのStick n Sushi)、なぜか彼らが持っていた日本酒と焼酎を飲みながら、しばしご歓談です。最初は小さかったお喋りも、だんだんお酒とともに活気を帯びてきて、ついには隣の人の声も聞き取れないような感じです。

 私は隣の教育者の教育をしているというメッテとお喋り。その後はハイディという友達のGFのマリアの親友とデンマーク人についてなど話したあとは(ハイディとは昔会った日本人の「シドニー」の発音が面白かったという話になり、乾杯のときには「シドニー!」と言って大笑い)、友人のGFのマリアともっぱら「法的にちゃんと結婚することは必要か?法的な結婚には意味がないのでないのか?」という話で盛り上がりました。(結婚はひとつの形式ではあるけれども、きちんとして家族という単位になったほうがいいと漠然と考えていた私でしたが、マリアと話しているうちに、そっか、結婚なんて本当は何も意味はないかも?と、なんだか洗脳されたみたいです。)

 そして食事が終わるとざっとテーブルを片付け、ハイディ手作りのティラミスとコーヒーが出ます。それをいただいた後は、なぜかみんなキッチンに固まってお喋りしたり(いつもキッチンは落ち着く場所なのね)、めいめいに得意なカクテルを勝手に作ってはまわりに飲ませてくれたりします。手作りのイチゴのカクテルがとてもおいしかったです。

 10時を過ぎたころからはいよいよダンスタイムです。想像はしていたけど、年齢層が高いせいか、70年代とか80年代のポップスがかかり、それで踊ります。私も友人に誘われて、つい踊っちゃったけど、基本的には必ず男女ペアになって踊るというこの文化は、うーん、ちょっと苦手でした。でも、こうして男女の友人同士、楽しくペアで踊っちゃったりするのは、逆に言うと日本にはない、デンマークの楽しさでもあるのですけど。

 そして0時10分前になると、皆がまたスクリーンの前に集められ、お決まりのコペンハーゲン市庁舎の時計の映像を見守りながらざわざわして待ちます。1-2分前にはシャンペンが配られて、0時ちょうどとともにゴッニュートゥ!あけましておめでとう!となります。乾杯をして、ハグをして(高めの年齢のせいか、熱烈なキスとかはなし・笑)、マジパンのお菓子を食べつつ、シャンパンを飲みました。10分くらいたつと、テレビで国歌が歌われる映像が流れ、参加者たちはふざけて大声で歌っていました。

          

 その後はアパートとは思えないほどの大音量で、引き続きダンスが始まるのとともに、デンマーク恒例の大花火大会です。ちょうどアパートが4階だったので、映画『フェーム』の『リメンバー』をバックに、マリアと言葉もなく、ひたすら打ち上げ花火を眺めていました。すばらしい景色を見たときは、語り合わなくても、気持ちが通じる感じがしました。

 ディナーは18名限定ということでしたが、この時間になると、なぜかどんどん新しい人が連れ立って入ってきます。どうも友達の友達とかで、きっとパーティーやってるよ、来れば?という気軽な感じでどんどん来ているようです。よく見ると、かなり念入りにメークした、そしてかなりセクシー系のドレスを着た若めの女の子が何人かで来ていて、なるほどね、と思いました。確か若い女の子は刺激を求めて、ニューイヤーの夜をパーティー・ホッピングしたりするんだった、昔私もそういうニューイヤーを過ごしたことがあったあった、と思い出したのでした。

 しかし、若くもなく、時差ぼけもあった私は2時にはリタイア。夫とともに、一緒に来た友人を置いて、誰よりも早く一番最初に帰らせてもらったのでした。(その友人は離婚が決まったばかりで落ち込んでいて、しかも妻にそっくりの女性を捕まえて、楽しそうに踊っているところを夫と目撃し、なんだか複雑な気持ちになった私たちでした。)帰りがけ、なんと警察官が3人来て、ちょっと騒ぎに・・・。なんでもミラーボールの赤い色が火事だと間違えられて通報があったとのこと。何人かの女の子たちが警察官と一緒に記念撮影を撮っていました。

          

 外に出るとものすごーく寒くて、どっと疲れが・・・。でも、初めての、そして多分こういうパーティーは最後の、とても楽しい一夜でした。デンマーク人は冷たいと思っていたけれど、きっかけがあれば、話せばいい人もいっぱいいるんだわと思った一夜でした。住んでいないとなかなかデンマーク人の友達ができず、冷たく感じるけれど、こういう機会があると、人はみんなどこでも一緒なのだなぁと温かい気持ちになりました。