夏の滞在中、夫のお母さんが4日ほど入院するというハプニングがありました。Herlevヘアレウという町にあり、珍しく30階近くある(ちょっと階数はうろ覚えですが)、のっぽのビルの病院です。お見舞いに行って、日本との違いにびっくりしましたので、それについて書いてみたいと思います。
外側から見ると暗い、少し古い感じのするビルなのですが、中に入ると別世界。なんとまあ、カラフルな世界が広がっています。
まずは上の写真がロビーです。多分日本だったら、ホテルのロビーを想像していただくとちょうどいいかと思います。日本にもある、病院にはお決まりの売店、花屋、そしてカフェ・レストランが1階にあるのですが、その広さに驚き、そしてライトなどのインテリアは知らなければ病院だとは気づかないかわいらしさです。ここのカフェ・レストランはなんとアルコールが飲めます。よく考えてみたら別に病院でアルコールを出していけないという理由も思いつかないのですが、日本では飲めない患者さんに気遣ってか、病院でのアルコールは考えられないですよね?(もしかしたら、他のヨーロッパの病院も飲めるかもしれませんね。)
次にエレベーターホールです。カラフルでしょう?
こちらはトイレです。エレベータもですが、トイレも美術館のようです。これが病院だなんてびっくり仰天だけれど、ちょっと張り切りすぎている気もしないでもないけれど、沈みがちな気持ちになることも多い病院です。このくらい、元気と明るさに溢れているくらいのほうがいいのかもしれません。
各階ごとに専門が決まっており、義母の入院しているフロアは泌尿科です。エレベータの中はデジタルの文字で案内が出て、わかりやすくなっています。エレベータを降りると、また上の写真のように色・色・色です。
そして廊下には共同の食べ物のコーナーがあります。ここにあるものは、飲み物はコーヒー、紅茶、そしてジュース、水などがあり、食べ物は果物やちょっとしたケーキなどです。これは入院している人がいつでも好きなように取って食べることができます。食事の時間は決められていますが、こうしてちょっとしたものを食べられること、特におやつの時間にはケーキなどが山盛りで出てくるところなど、非常に自由です。コーヒーは日本の病室ではあまりお目見えしないような気がしますが、デンマーク人にはたとえ入院中でも欠かせないもののようです。ここにはお皿や紙コップ、スプーンなどがそろっており、患者たちは自分のコップなどをわざわざ持ってこなくてもいいようになっています。
お見舞いで来た人も食べていいのかな?まあ、コーヒーくらいはいいでしょうけどね。
ここの隣には入院しているときに着る丈の短いドレス型のパジャマなども置いてあり、自由に着替えられるようになっています。このパジャマを着ても、自分で持ってきたパジャマを着てもどちらでもいいそうです。患者たちが清潔なものを着られること、それを自分で準備したり洗濯したりしなくてもいいことは、便利ですね。
そして、病室の中に入ると、まずはその明るさにびっくりしました。のっぽのビルだけあって、見晴らしが特別にいいだけでなく、窓が天井から床まであり、本当に病室であることを忘れるほど気持ちのいい部屋になっています。とはいうものの、病室に必要なあれこれはあり、ホテルのようにはいかないのですが、気持ちが和む明るさであることは確かです。そして、病室もたくさんの色で溢れています。色は人に元気を与えてくれるものなので、日本の病院のような殺風景なのはちょっとさみしいと私は思ってしまいます。
もうひとつ、ちょっとさみしいことはデンマークの病室にはテレビがないことです。入院中、本や雑誌もいいけれど、テレビも見たいなどと思うのは日本人だけなのでしょうか?読んだり書いたりしない人は、テレビが救いになるのではと思うのですが。デンマークではテレビは廊下のコーナーにソファとテレビのあるスペースがあり、そこで共同で見ることができます。
私たちがお見舞いに行っていたときに、ちょうど看護師さんが何かの検査に来たのですが、彼女がどっかりと義母のベッドに腰掛けて、話しかけたり注射をしたりしているのを見て、面白いなと思いました。彼女たちはとてもフレンドリーでリラックスしている感じで、かろうじて服装で看護師さんだとわかるけれど、立ち居振る舞いは私たち一般人と変わらない雰囲気です。(日本の看護師さんはもっときりっ!としていて、たとえ白衣がなくても雰囲気からして違う気がする・・・。)
とにかく和やかで、明るい、よい印象のデンマークの病院訪問でしたが、ひとつだけ気になったのがナースコールでした。私たちのお見舞い中、しばしば耳障りなナースコールの音が鳴り続いていました。義母によると、それはトイレに入っている人からのナースコールだそうですが、とにかく鳴り止まないのです。ナースステーションには看護師さんが座っているけれど、立ち上がる様子がなくて、コーヒーを飲んでる・・・。鳴り止まないナースコールに私はだんだん落ち着かなくなってきましたが、鳴り止む様子はなく・・・。
後日、友人に聞いたら、デンマークでは自分の担当患者がきっちり決まっていて、自分の患者でなければ、ナースコールがあっても駆けつけなくていいそうです。たとえ自分の患者であったとしても、休憩時間であれば、それもまた駆けつけなくていいそうです。えー、えー、そうなの?と思ってしまいましたが、確かにデンマーク人の論理には合っている気がして、合点がいかないわけではないのですが、それにしたって・・・。もしこれが義母が苦しんでいて鳴らしているナースコールだったら、と考えると悲しくなってしまいました。痛かったり苦しんでいる人、その人にできるだけ早く手を差し伸べるのが、看護師だからではなくて、人として自然な行為だと思うのですが・・・。もし本当にそうだとしたら、いくら個人主義の国とはいえ、どういうふうに解釈したらいいのかしら?とこちらもかなりびっくりなデンマークの病院体験でした。
外側から見ると暗い、少し古い感じのするビルなのですが、中に入ると別世界。なんとまあ、カラフルな世界が広がっています。
まずは上の写真がロビーです。多分日本だったら、ホテルのロビーを想像していただくとちょうどいいかと思います。日本にもある、病院にはお決まりの売店、花屋、そしてカフェ・レストランが1階にあるのですが、その広さに驚き、そしてライトなどのインテリアは知らなければ病院だとは気づかないかわいらしさです。ここのカフェ・レストランはなんとアルコールが飲めます。よく考えてみたら別に病院でアルコールを出していけないという理由も思いつかないのですが、日本では飲めない患者さんに気遣ってか、病院でのアルコールは考えられないですよね?(もしかしたら、他のヨーロッパの病院も飲めるかもしれませんね。)
次にエレベーターホールです。カラフルでしょう?
こちらはトイレです。エレベータもですが、トイレも美術館のようです。これが病院だなんてびっくり仰天だけれど、ちょっと張り切りすぎている気もしないでもないけれど、沈みがちな気持ちになることも多い病院です。このくらい、元気と明るさに溢れているくらいのほうがいいのかもしれません。
各階ごとに専門が決まっており、義母の入院しているフロアは泌尿科です。エレベータの中はデジタルの文字で案内が出て、わかりやすくなっています。エレベータを降りると、また上の写真のように色・色・色です。
そして廊下には共同の食べ物のコーナーがあります。ここにあるものは、飲み物はコーヒー、紅茶、そしてジュース、水などがあり、食べ物は果物やちょっとしたケーキなどです。これは入院している人がいつでも好きなように取って食べることができます。食事の時間は決められていますが、こうしてちょっとしたものを食べられること、特におやつの時間にはケーキなどが山盛りで出てくるところなど、非常に自由です。コーヒーは日本の病室ではあまりお目見えしないような気がしますが、デンマーク人にはたとえ入院中でも欠かせないもののようです。ここにはお皿や紙コップ、スプーンなどがそろっており、患者たちは自分のコップなどをわざわざ持ってこなくてもいいようになっています。
お見舞いで来た人も食べていいのかな?まあ、コーヒーくらいはいいでしょうけどね。
ここの隣には入院しているときに着る丈の短いドレス型のパジャマなども置いてあり、自由に着替えられるようになっています。このパジャマを着ても、自分で持ってきたパジャマを着てもどちらでもいいそうです。患者たちが清潔なものを着られること、それを自分で準備したり洗濯したりしなくてもいいことは、便利ですね。
そして、病室の中に入ると、まずはその明るさにびっくりしました。のっぽのビルだけあって、見晴らしが特別にいいだけでなく、窓が天井から床まであり、本当に病室であることを忘れるほど気持ちのいい部屋になっています。とはいうものの、病室に必要なあれこれはあり、ホテルのようにはいかないのですが、気持ちが和む明るさであることは確かです。そして、病室もたくさんの色で溢れています。色は人に元気を与えてくれるものなので、日本の病院のような殺風景なのはちょっとさみしいと私は思ってしまいます。
もうひとつ、ちょっとさみしいことはデンマークの病室にはテレビがないことです。入院中、本や雑誌もいいけれど、テレビも見たいなどと思うのは日本人だけなのでしょうか?読んだり書いたりしない人は、テレビが救いになるのではと思うのですが。デンマークではテレビは廊下のコーナーにソファとテレビのあるスペースがあり、そこで共同で見ることができます。
私たちがお見舞いに行っていたときに、ちょうど看護師さんが何かの検査に来たのですが、彼女がどっかりと義母のベッドに腰掛けて、話しかけたり注射をしたりしているのを見て、面白いなと思いました。彼女たちはとてもフレンドリーでリラックスしている感じで、かろうじて服装で看護師さんだとわかるけれど、立ち居振る舞いは私たち一般人と変わらない雰囲気です。(日本の看護師さんはもっときりっ!としていて、たとえ白衣がなくても雰囲気からして違う気がする・・・。)
とにかく和やかで、明るい、よい印象のデンマークの病院訪問でしたが、ひとつだけ気になったのがナースコールでした。私たちのお見舞い中、しばしば耳障りなナースコールの音が鳴り続いていました。義母によると、それはトイレに入っている人からのナースコールだそうですが、とにかく鳴り止まないのです。ナースステーションには看護師さんが座っているけれど、立ち上がる様子がなくて、コーヒーを飲んでる・・・。鳴り止まないナースコールに私はだんだん落ち着かなくなってきましたが、鳴り止む様子はなく・・・。
後日、友人に聞いたら、デンマークでは自分の担当患者がきっちり決まっていて、自分の患者でなければ、ナースコールがあっても駆けつけなくていいそうです。たとえ自分の患者であったとしても、休憩時間であれば、それもまた駆けつけなくていいそうです。えー、えー、そうなの?と思ってしまいましたが、確かにデンマーク人の論理には合っている気がして、合点がいかないわけではないのですが、それにしたって・・・。もしこれが義母が苦しんでいて鳴らしているナースコールだったら、と考えると悲しくなってしまいました。痛かったり苦しんでいる人、その人にできるだけ早く手を差し伸べるのが、看護師だからではなくて、人として自然な行為だと思うのですが・・・。もし本当にそうだとしたら、いくら個人主義の国とはいえ、どういうふうに解釈したらいいのかしら?とこちらもかなりびっくりなデンマークの病院体験でした。