デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

ちょっと一息のゴールデンウィーク

2010-04-28 06:21:15 | 通信制大学・大学院
 4月から始まった大学院ですが、ゴールデンウィークは29日から5日までずっと学校が休みということで、デンマークの秋休みならぬ、ちょっと一息です。4月は2日のオリエンテーション、6日から授業開始ということで、シラバスやら時間割やらと格闘しつつもすぐに授業が始まり(正式な登録の前に始まります)、なし崩し的な1ヶ月となりました。

 私は前期で4コマ、後期で5コマ取っています。前期、登録できると思っていた授業が手続き後登録できない授業だったことが判明、4コマとなってしまいました。その手続きの複雑さを恨みつつ、でも「表現の自由」についての興味深い授業だったので、単位にはならないけれど、もぐることにしています。月曜1コマ、火曜1コマ(プラスもぐり1コマ)、そして金曜日2コマとなっています。

 4コマのうち2コマがデンマーク語の授業で、準中級の授業はなんとかなるものの、上級のほうのデンマーク語、これがもっとも辛い授業・・・。単語は日本語でも日常は使わないレベルで難しく、1行につき何度も辞書を引くことになるのですけど、何が辛いかというとその単語を覚えていく時間が取れないところです。なので同じ単語を何度も引き、しかも永遠に引き続けなくてはならず、なんともデスパレートな気持ちになります。本来ならば、ただ読むだけではなく、その背景なども予習して質問を準備して授業に臨みたいのですが、気持ちばかり焦り、まったく余裕なしの4月でした。

 さて、授業は特講と演習の2種類あるのですが、特講は比較的聞く授業なので楽しめます。もちろんこちらも準備はすればするほどよいわけで、その点はいつも気持ちが追われていますが、とにかく先生主導なので気楽です。

 一方の演習。こちらは開始前は何をやるのかなと思っていましたが、始まってみると、早速発表、発表と追い立てられることになりました。2つの演習の授業でそれぞれ発表しなくてはならないのですが、そんないきなり言われても、正直「発表・・・?それ何?」というところです。要は今考えていること、研究の手順、読書・参考予定の本などを話せばいいそうですが、現時点でそういうものは入学試験のときの研究計画書と違わず、それ以上、何を発表すればいいのでしょう、という感じです。そしてなんと6月の何週目かの土曜日にも修士1年生の発表の日が設定されており、全員が発表し、それを教授、先輩たちが意見していくというものだそうです。

 確かに、こうした発表がなければ、日々の勉強に追われて自分の研究が一向に進まないでしょうし、本来2年で修了することを思うと、さっさと具体的に取り掛かっておかないとというわけです。そして、この発表に際して、指導教官はこまごまと指導してくれるのかと思いきや、どうやら私の指導教官はばっちり個人主義のようです。私としては泳げないのに、いきなり海に放り込まれた気分ですが、そこは年の功、どんどん質問・主張して先生方に助けてもらおうと思っています。

 そして、この4月は勉強とともに、本当に雨との戦いでした。慣れないことだらけの学校生活だけでも疲れるのに、なぜか授業の日は雨ばかり。自転車で幼稚園、自宅、大学とぐるぐる走るのは本当に疲れてしまいました。

 さてさて、いよいよゴールデンウィーク。勉強のプレッシャーややらなくてはいけないことは山積みですが、とりあえずここでリセットできる期間があって本当に助かります!このゴールデンウィークは会社員にとっても嬉しいものですが、新入生にとってもこんなに助かる嬉しいものだった、ということを今年は実感しています。ちゃんと遊んで、ちゃんと体勢を立て直して、勉強面でキャッチアップしておきたいと思っています。

My Danish way of life

2010-04-23 05:34:00 | デンマークの行事
少し前に友人がツィッターで、彼女のMy Danish way of lifeとしていくつか項目を挙げていました。興味深かったので、私も真似して、私のMy Danish way of lifeについて考えてみました。

・早寝早起き
 一番実践しているのは、これかな?デンマークは朝が早く(冬など真っ暗なのによく起きれるなと感心してしまいます)、7時台に会社に行く人もいます。通常はだいたい8時に始まると聞いています。その分、帰宅時間は早く、保育園へのお迎えは両親のどちらかが4時までにお迎えに行く、夕食は6時前後です。フレックスタイムで10時出社、11時出社というのも人によってはいいのかもしれませんが、なんとなく、私は早寝早起きの生活のほうが好きです。午前中にいろいろ片付けちゃって、夕方以降はできれば気分的にのんびり過ごしたいもの。

・一人何役も
 デンマーク人は自分をひとつの役割に押し込めません。多分、個人主義だからだと思いますが(たとえば私イコール妻ではなく、私イコール私と考える)、自分の中にあるいろいろな役割を楽しんでいて(楽しんでない場合ももちろんあるでしょうが)、「子育て中の母親だからできない」というような思考はあまりせず、どんどん、やりたいことをやっているように見えます。私はこの考え方がとてもいいと思います。私も子育てはとても手がかかるけど、同時にいろいろな私も楽しみたいと思っています。(人生は短い!)

 大きなところではこんな感じですが、あとは小さな具体的なところでは、

・なるべく自転車生活

・食事作りはウルトラ簡単でもオッケー(いつも気負わなくてもいい。疲れているときはとにかく何かあればいいのだから。)

・誕生日は朝からできるだけ盛大に祝う

・物は必要な物を揃え、不必要な物は持たない。部屋はできるだけすっきりと。

などと、こんな感じでしょうか。取り入れられないものもあるけれど、できるだけデンマーク人の生活と日本人の生活のいいとこ取りをして、できるだけ毎日快適に過ごしたいなと思います。と、ここで日本人の生活スタイルのいいところって何だっけ?とちょっと考え込んでしまいました。あれ、あれ、あれ・・・。うーん、人間関係のありかたとかは日本人のいいろところが思いつくんだけど・・・。





主夫&主婦

2010-04-06 01:13:06 | 思ったこと・気づいたこと
 またまた「うーん」と思ってしまいました・・・。今日無事にシャトル打ち上げが成功し、宇宙飛行士の山崎直子さんが11年にも及ぶ準備の末、飛び立ちました。彼女これまで本当にがんばったのでしょう、飛び立つときの笑顔はとても素敵でした。

 このニュースはとても素晴らしいのですが、気になるのが彼女のご主人の報道のされ方です。彼女のご主人の大地さんは、ご自分の国際宇宙センターの管制官という夢をあきらめて、家族を支えるためにアメリカに渡り専業主夫をしているのだそうですが、今日のニュースで、必ずそのことが強調されています。「専業主夫として支えた」と何度も聞きながら、日本は相変わらずの感覚なのだと思わずにいられませんでした。

 これがもし男性宇宙飛行士でしたら、一緒に渡米した妻のことを「専業主婦として支えた」なんて枕詞がつくでしょうか?あるいは、男性がどの職業に就いても、そのことを報道するときに「内助の功」という表現は使われるかもしれませんが、妻が「専業主婦として支えた」なんて言われることはないと思います。

 少し前に見た山崎直子さんのドキュメンタリー番組でも、主夫として支えた大地さんにかなりスポットが当たっており、大地さんはどんなに専業主夫になって辛かったか、自分を見失い、一時は死すらも考えたなどということを言っていました。

 大地さんの苦しみ、それはすでに多くの女性たちが味わってきた苦しみだと思います。多分ずっと昔から、そして現在に続くまで、何かしたいと思ったときに主婦たちが主婦であることに閉じ込められ、家族に閉じ込められて味わってきた苦しみです。女性たちは引き受けるべき苦しみとして、なんとか受け止めてきたのでしょう。そしてどこかで自分との折り合いをつけ、やってきたのだと思います。あるいは専業主婦にならなかった女性たちは、仕事と家庭の両立で、いつもいつもぎりぎりのところで日々やりくりし、そういう意味でも必死で自分との折り合いをつけてきていたと思います。

 私もショウミーが急に我が家に来ることになり、心の準備ができてなかったこともあり、3年間は辛い気持ちでした。自分は何をしているんだろう?仕事をしてないなんて、私のアイデンティティはどこにあるというんだろう?(一応、私は一生働くつもりだった。)夫は思い切り仕事もできて独身時代と変わらないのに、どうして私だけ180度変わらないといけないの?夫だけ出張とかまで行っちゃってずるいなんて思っていたものでした。下の子を妊娠して、こういう気持ちがふっきれましたが、それまでは胸の中がいつもぐるぐるしていました。

 家庭のことを引き受けて、家族を支えている大地さんは尊敬できると思います。でも、彼のしていることはすでに多くの女性がしていることで、マスコミでことさらに「主夫」を強調されると、日本の男女の役割意識はこれっぽっちも変わっていないのかしら、とがっかりしてしまいます。まあ、それだけ大地さんの苦悩は、女性よりも深いというわけなのでしょうかね・・・。うーん・・・。

そして、入学。始まりました~!

2010-04-04 06:23:55 | 通信制大学・大学院
 今年はちょうど入学式に満開の桜。桜咲く入学式はまさにこれぞ入学式、という気分にさせてくれるものですよね。とはいえ、私は子供たちの幼稚園や学校がまだ始まらないため、入学式は欠席、慌しく夕方からのオリエンテーションだけ参加し、寒さのせいもあり、いまひとつ入学気分を楽しむ余裕はなくという始まりとなりました。

 先生方、先輩方、そして新しく修士に進んだ私たち10人が集まり、まずは学生たち、その後は先生たちの自己紹介です。先生方の自己紹介とともに、早速授業の内容についての説明が行われましたが、「あれ、単位は何単位でしたっけね?」「うちの科からは何単位ですかね?」などと先生方はゆるーい感じです。入試の面接のときにも思ったけど、本当にこの大学なのか私の所属している西洋史学科なのかはわかりませんが、あくまでゆるい雰囲気です。

 その後は先輩方がケーキを用意してくれて、そのまま懇親会となりました。もちろん、誰も知らない私、最初は緊張しましたが、チェコスロバキアのプラハの春あたりを研究するという妖精みたいなかわいい女の子と、少し背が高くて菊川怜ちゃんみたいな女の子と話し、二人とも学部から来ているのでいろいろと教えてもらいました。男子はあまり話さなかったけど、博士過程5年目という方のドイツから見たロシア革命前後のロシア、などという話を聞いたりしました。まあ、同じ科の人たちは当然ながらみんな若くて、もうそれだけでかわいく見えちゃうという私です。入学式に出ていた保護者の方を見たら、あんまり私と変わらない感じで、まさに私は保護者の年齢ですもんね。

 そして、家に帰って分厚いシラバスを眺め、昨日は指導教官のところへ行き、何の科目をとるべきか相談に行ってきました。とっても困ったことに、大学院の授業は基本的に午後になっています。幼稚園の時間の都合上、2限目にできるだけ授業を取りたいと思ったのに・・・。5時まで幼稚園の延長保育はできるので、お金はすごくかかってしまいますが、それで3限、4限で授業を取るしかなさそうです。5限目も取りたい授業があるのですが、5時にお迎えに行かなくてはならないので、どうしても無理そうです。しかも、授業は6日から開始なのですが、まだジジのお弁当が始まらず、最初の授業の日は保護者会とも重なるので、のっけから先生に始まりを1週ずらしていただくという、こちらも先生方に負けないゆるーい生徒なのでした。

 ということでスケジュールはいろいろ心配ですが、科目登録が5日から始まるので、今日明日くらいでとにかく決めなくては・・・。でも、シラバスを眺めながら、どんな先生方の話を聞けるんだろうと、やっぱりとってもわくわくします。

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 懇親会でのこと。私はこれまで主婦であり母親である自分が一番大変では、と思っていましたが、その菊川怜ちゃんの話を聞いて、彼女たちのほうがもっと大変なのだとびっくりしました。彼女は教職を取っており、単位もプラス14単位取らなくてはならず、けっこう1週間授業がぎっしりだそうです。その上、民間への就職も考えているということで、今秋から就職活動も行う予定で、なおかつ、来年には教員採用試験も受けるかもしれない、そんな中で論文を書くとのこと。2年で書くのは無理じゃないかと思ってしまいます。でも、もし就職が決まっていたら、絶対に書かないと卒業できなくなってしまいます。

 そういう話を聞いたことはありましたが、本当に今の学生さんたちを取り巻く状況は厳しすぎます。大学も3年生で就職活動でしょう?院生も1年目から就職のことを考えなくちゃいけない。これじゃあ、いったいいつ勉強だけに集中できるだろうと思ってしまいます。勉強を思う存分にしたい学生さん、それから高い学費を出しても勉強してもらいたいという親の気持ち、そういうものが全く報われない、学校なのにじっくり学ぶ機会がないこと、やはりおかしいシステムになってしまっていると思います。

 菊川怜ちゃんも、無事修士を終えられるか非常に不安だと言っていました。「途中で消えちゃうかも」と言っていましたが、実際にそういう学生さんもけっこういると聞き、今の若い人たちの大変さを実感し、ちょっと胸が痛くなりました・・・。まあ、皆、いろいろな事情の上で勉強しているということで、大変なのは私だけじゃないと思い、皆さん、一緒にがんばりましょうねー!という気持ちになった入学でした。