デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

デンマーク人の子どもはなぜ静か?

2009-08-25 00:37:20 | デンマーク人
 デンマークで会った友人が、デンマークの男の子のイメージは静かなやさしい感じというようなことを言っていました。よくよく観察してみると、確かにそうです。デンマーク人の男の子たちは、一般にあまり乱暴な振舞い方もしないし、話し方も普通に穏やかに話しているようです。(もちろん、不良っぽい話し方をするのがかっこいいというわけで、そんなふうな言動を取る子もたくさんいるでしょうが。)

 さて、このことをきっかけに、滞在中、デンマーク人の子どもはどうして静かなのかしら、と考えていました。対して、日本の幼稚園生、小・中学生は大変うるさく話し、また乱暴な言葉遣いや偉そうな言動が当たり前になっているように思います。うちの子ども達も同様です。

 デンマークや北欧では(ほかのヨーロッパについてはわかりませんが)、母乳を与えている母親に対する食事制限が厳しいと聞きます。これは子どものメンタル面に悪いから、興奮させてしまうから食べちゃだめ、という食品がたくさんあるそうです。デンマークでは赤ちゃんのときから、おとなしい、騒がないという印象がありますが、果たしてその母乳のせいなのかもしれません。

 もう少し大きくなっても、レストランで子ども達がはしゃいで走り回る、という光景にはほとんど出くわしません。でも日本ではそういう光景、よく見ますよね?そしてもっと大きくなると、デンマークの子ども達は、いつも普通の音量で、ごく普通に話をしているように見えます。日本の子どもはいつも大声を出すことが普通のふるまいだと思っていて、それは中学生になっても、高校生になっても、とにかく大声で相手をけなしたり、皆を面白がらせるようなことを言うということが習慣になっているように見えます。まあ、私は日本人なので、そういう会話の可笑しさや面白さは確かにあるとは思っていますが、でもそのうるささは、遭遇する場所と状況によっては耐えられないときがあります。

 ほかの友人にこの話をしたら、それは人種的なものだと言っていました。遺伝子の中にそういう過剰反応するものが入っているのだそうです。本当かな?うーん、遺伝子なのか、文化なのか、それともそういう教育をされているのか・・・。それはちょっとわかりませんでしたが、もしかしたらそうなのかもしれません。

 ところがある日、この謎がちょっと解明しました。というか、少なくとも私の中では、なるほどと納得できたことがありました。ファクセの近くの海岸で、がけ崩れによって一部が海に落ちてしまった教会を見に行ったときのこと。そこは観光地なので、多くの団体の観光客も訪れていました。彼らはおそらく七十代以上のおじいさん、おばあさんで、きっと元同僚か何かだと思うのですが、集団の彼らのそれはそれは静かなこと。デンマーク人は普段はこうして、小さなグループでも、大集団でも、同じ音量で話し、ちっとも人数の多さを感じさせないのだと思いました。日本人だったらどうでしょう?言うまでもなく、よく言われているように、グループが大きくなればなるほど、大声で怒鳴りあって話し、ちょっとお下品なくらいの振る舞いをふることが多いのではないでしょうか?

 そう、静かなのは彼らの文化なのだと思いました。そういえば親が子どもを叱るときに、ぶったり金切り声を上げたりせずに、穏やかに、ひたすらひたすらひたすら忍耐強く、子どもに言い聞かせるのも、「静か」の一部なのだと思いました。うちの子ども達がうるさく騒ぐのは、私が子どもを叱るときに大声で思いっきり叱り飛ばしているからなのだと気づくにいたったのでした。

 遺伝子もあるかもしれません。その上で文化として、こうして老若男女を問わず、静かに会話することを基本としているデンマーク人。子ども達はこうして大声を上げることを聞かずに育つので、彼らもまたそういう静かに話す子ども達になるのでしょう。

 ときには大声で可笑しいことをいい合い、ふざけるのも確かに楽しいものです。でも、いつもいつも大声で話す社会は、やはり人を無意味に疲れさせるものだとも思います。デンマークに行くとほっとするのですが、それは、本当に音に関して疲れない国だからかもしれません。パーティーや一部の人を除いて、皆、本当に普通の音量で話していて、男の子の乱暴な話し方や女の子のキーキー声が聞こえず、いつもリラックスできる気がします。

ショウミー、明日から新学期

2009-08-24 23:49:08 | ハーフの子どもの教育
 ブログを更新できないままに、あっという間に日がたってしまいました。私の楽しみであるブログにさく時間がなく、デンマークのことでたくさん書きたいことがあるのに、ストレスが溜まります(笑)。この間何をしていたかというと、約10日間、積まれた本のプレッシャーに焦りつつ、本当は私の勉強をしたいのに、ショウミーの宿題に追われ、そして子ども達と楽しい夏のひとときを過ごしていました。

 それにしてもどうして日本は夏休みに宿題があるのでしょうね?夏は遊んではいけないのかしら?この年になると、一回一回の夏が本当に貴重だと思うものだし、子どもだって8歳の夏は人生に一度しかなく、親と過ごす夏だって限られているのに・・・。夏休み、漢字だとか計算だとか、それから無理やり書く読書感想文などよりも、もっともっと大事なことがあるはずなのにと思ってしまいます。ましてや我が家の場合、デンマークから帰ってから10冊ほど読書感想文を書いたりするのは、本当にきついです。

 私が子どものころはここまで宿題がなかったように記憶しています。祖母の家で、いとこ達やはとこ達と遊び、お墓や神社で遊び、野菜を収穫したり、遊びすぎて日射病になったり、と普段できないような遊びをするのが本当に楽しかったことを覚えています。

 デンマークから戻って最初の1週間は、暑さに慣れないことと時差ぼけとで、たいていぼーっと過ごしてしまいます。特に最初の数日は、午前3時ごろから子ども達が大騒ぎをしつつ遊んでいるのは、ほとんどホラーの世界です。(わかるかな?暗い中、子ども達が遊んでいるのは、なんだかすごーく怖い感じなのです。)

 今年は戻って2週目の先週からは、ほぼ毎日、本当に日本の夏を堪能しました。ショウミーの幼稚園時代の友達と再会して野球、秩父へのママたちと子ども達3組での旅行、恒例の葉山へのいつものメンバーでの旅行。今年は名古屋から友人が来て、子ども達に映画を見させて、その間2人でお茶をする、なんていうのにも初挑戦。ジジも含め、子ども達5人で楽しく映画を見たようです。

 秩父では川遊び、そして葉山では思いっきり海で遊び、私は受験生とは思えないほど、真っ黒になりました。でも前日まで研究計画書に取り掛かり、2日連続で3時間睡眠という辛さでしたが、意外と遊ぶときは寝不足にもかかわらず遊べるものだなぁなんて思ってしまいました(笑)。

 そして、今年の夏ほど、母親であることを自覚した夏はないかも、という夏休みだったように思います。本当に私のすべき勉強は山積み、でもなかなかそちらに行けず、ひたすら子ども達の楽しい夏休み作り(だって8歳と5歳の夏は人生で一度きりですもんね)、そしてショウミーの宿題の嵐(もちろん自由研究なんてやる余裕、まったくなし)に追われていました。

 おまけに夫は土曜日から9日間のブラジル出張が入っていて、不在。戻ってきてからはすぐに御殿場転勤&単身赴任(といっても週に2度は帰ってきますが)という予定になっており、受験前は全面的に夫に子どもを任せようと思っていたのに、逆に全面的に私に任されてしまいました。ますます、追い詰められた状況に・・・。

 でも、いいんです。もちろん、もちろん、合格したいけれど、でもやっぱり私は母親で、将来は状況が変わってくるでしょうが、今はどうしても子どもを優先、この短い子育て期間を子どもとともに思いっきり楽しむことのほうが、受験より大切なのですものね。(・・・でも、でも、本当はやっぱり合格もしたいけど。)

 そんなこんなで、明日からショウミーの新学期です。今の子ども達は夏休みが短くて、これまたとても残念ですね~。

期間限定古本屋さん

2009-08-14 01:32:36 | デンマークの家具・物・たべもの
 デンマークでは本は大変高価。だいたいどんな本でもバーゲンになっていなければ小さめの本で70クローナ、少し大きくなると100クローナくらいはしてしまいます。これはだいたい日本円で1400円、2000円くらいのことなので、日本と比べるとやはり高価だと思います。(何でも物価は日本の倍くらいなので、そう思うとそんなものかもしれませんが。)

 滞在中、ポリチケンの本屋さんに行こうとしていたら、なんとすぐ近くに期間限定の古本屋さんを発見しました。広い店内に、簡単に置かれた台、そしてその上にぎっしりと並べられた本、本、本です!Vangsgaards Store Antikvariske Bogudsalgという名前のお店ですが、皆さん、ご存知でしょうか?

 この古本屋さん、コペンハーゲンの中央駅近くに広い店を、7月3日から8月26日という期間限定で借りて開店しているようですが、何がユニークかというとその値段のつけかたです。

 レジのところに縦長の紙が置かれてあり、そこに日付が7月3日からずらりと書かれ、横に各日ごとに値段が書いてあります。7月3日は1冊100クローナ、4日は90クローナ、5日は80クローナ。ここからは値下げ度がゆるやかになり、だいたい1-2日で5クローナのペースで下がります。私が行った日は8月7日で、1冊あたり15クローナになっていました。15冊くらい買っても200クローナに行かない安さ!そうして、今日8月14日のところを見ると10クローナになっており、8月24日から26日の最後の3日間は1冊5クローナ(100円!)まで下がっています。ちなみに24日は25冊まとめて買うと100クローナ、25日は35冊で100クローナ、最終日は50冊で100クローナです。

 コペンハーゲンの町にはときどき古本屋さんを見かけるし、フリーマーケットでも本がよく出ているけど、こういうタイプの本屋さんがあるのは初めて見て、とっても面白いと思いました。本を入れてくれたバッグを見たら、コペンハーゲンとオーフスと書いてあったで、オーフスでもやるのかもしれませんね(大学の町ですし)。

 私はここでグリュクスボー公爵家の家族の話の本など(読めないくせに)、いろいろと楽しく買い込んできました。もしご興味のある方がいたら、まだやっていますので、どうぞ覗いてみてくださいね。あ、ブックオフではないので、本当に古めの本ですが・・・(笑)。でもありとあらゆるジャンルの本が揃っていました。

 Vangsgaards Store Antikvariske Bogudsalg
Raadhuspladsen 45, Kobenhavn K
33 12 13 44
Man-lor 10:00-18:00
Son 12:00-18:00

日本に戻りました

2009-08-13 00:05:04 | 日記
 昨日、暑い暑い日本に無事戻りました。今回は3週間半の滞在だったのですが、恒例の1週間のサマーハウスの前後で、2泊でボルドーに行ったこと、おば達がコペンハーゲンに来て4日間ずっと一緒だったことなどで、「とっても時間が足りない~!」と思う滞在となりました。

 さてさて、フランスはやっぱり素敵でした・・・。食べ物、ファッション、人々の雰囲気、デンマークから見るとまさに異文化!と思ってしまいます。買い物の時間がほとんどなくて残念だったのですが、それでも無理やり白い麻の服を購入。ちなみにロンドンの空港でもこれまた無理やり靴屋に飛び込み、一足サンダルを購入しました。デンマークとは違い、身に着けるものの買い物が楽しい国々・・・。今回はサマーハウスで南ユラン、ドイツとの国境に行ったので、ドイツにもちょこっと行ってきました。(ドイツはレストランが安くてびっくり。日本と同じくらいの値段で、日本の倍くらいの量が食べられました。)物価がデンマークに比べると安く、ここでもサンダルを購入してみました。今回は改めて、ほかのヨーロッパでの買い物の楽しさを実感した次第です。

 でもコペンハーゲンは行くたびにファッショナブルになっているのも確か。ちょうど最後の週あたりがコペンハーゲン・ファッションウィークだったのですが、年々、おしゃれな人が増えているように思います。日本ではあまり見ない、夏のさらっとした薄手の短いワンピースを着て、若い女の子が自転車で走り抜ける様は、なかなか素敵な光景です。

 去年驚いた、コペンハーゲンでのアジア系レストランの急激な進出ですが、今回もまたまたおいしいアジア系のレストランなどにも行き、けっこう食文化の面でも不満が減ってきました。スシレストランはあちこちに増えており、人気があるようですが、もっとすごかったのはパリ。昼食を取ろうとモンパルナス駅周辺を1-2ブロックぐるりと歩いただけで、あっという間に10軒はスシレストランに遭遇できます。コテコテのフレンチをイメージしてうきうきしていた夫に、パリではフレンチといえば和食なんじゃない?と意地悪なことを言いつつ、レストラン探しをしていました。

 そういうわけで、今回は3カ国を経験し(ロンドンの乗り換えも入れれば4カ国)、いろいろと比較文化の楽しい旅行となりましたし、いつもと同じように、デンマークと日本の違いについていろいろと考えたりもしました。またサマーハウスを借りたスナボー(南ユラン)の周辺を見て回り、少々歴史に触れたりもしてきました。何回もデンマークに通ううちに、少しずつ自分の中で見方が変わってきたこともあり、そういうことも面白く感じてきました。

 これから少しずつ、見たこと、思ったことを書いていきたいなと思います。