デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

デンマークについての授業@小学校

2011-02-15 17:17:41 | 国際結婚
 少し前にショウミーの担任の先生からお話をいただき、先週、なんとデンマークについての授業を3年生にしてきました。子ども達が「外国に興味をもつ」ため、総合の授業で外国人にいろいろなお話を聞こうというもので、3年1組ではドイツ人の子のお父さん、2組では外国人ではないけれど、デンマークについて少々話ができるということで、私にお鉢が回ってきたのでした。担任の先生に「何を話せばいいでしょう?」と聞いたのですが、なんでもいいんです、ということでかなり放任・・・。あれこれ指示があるのかと思っていたので、えー、45分間好きなように話しちゃっていいってわけ?とまずは驚いてしまいました。

 直前まで大学院のほうのリポートに追われていたので、なんとなくのことは考えて担任の先生に連絡帳でお伝えし、実際の準備は週末に集中して行いました。それでもリポートよりは多分出来がよく、授業の流れをA42枚にまとめ、要所要所写真で説明できるように印刷、そして先生とサプライズで用意しましょうということで、クリスマスに食べるデザート、リスアラマンを2クラス合同の授業だったので60人分用意しました。

 3時間目だったので20分休みに学校に入ったのですが、いつもの保護者としてだけとは違い、なんだか妙に緊張し、家を出るときにトイレに行ったのに教室に入る前にまたトイレ。相手が子どもとはいえ、2クラス分60人プラス授業のプロの先生の前で話すのは本当に緊張してしまいました。

 授業はまず地図を見せて、デンマークの位置やお決まりの「ほぼ九州くらいの」という大きさを説明し、私のウォーミングアップを兼ねてデンマークで一番高い山は?というクイズを出しました。しーんとしちゃったらどうしようという心配をよそに、子ども達は口々に「3000m!」「5000m!」「8000m!!」と答えてくれ、私が147mと言うと、「えー!えー!えー!」と盛り上がってくれました。ざわざわが収まるまでしばらく待たなくてはなりませんでしたが、でもこれで私もかなりリラックスした気分になれました。

 それから、子ども達が興味あるだろう、食べ物の話、クリスマスや誕生日といった行事の話(ここでリスアラマンの説明もしておきました。もちろん食べられることは内緒で!)、デンマークの子ども達がどんな遊びやスポーツをしているか、デンマークの学校生活についてなど、子ども達の反応を見つつ、かなり活発な質問を受けつつお話しました。質問はデンマークに塾はないのか、クリスマスに何個くらいプレゼントをもらうのか、デンマーク語で1、2、3はなんて言うのか(これについては私の発音だと間違ったことを教えちゃうので、ここだけショウミーにやってもらう)などというものから、デンマークで家はいくらで買えますか?などという一言で答えられないようなものまで、本当にかなりたくさん出てきて、やりやすかったです。多分普段から話す人の目を見るようにと教えられているのでしょう、目を大きく見開いて、一生懸命聞いてくれて、驚きの声をいっぱい上げてくれて、子ども達はとってもかわいかったー!

 一通り話し終え、最後に、さっきのリスアラマンを「実は今日は持って来ました」と風呂敷を解くと、「食べたいー!!!」と大歓声をもらい、班ごとにプラカップに入れ、予め先生が用意してくれた人数分のスプーンと一緒に配りました。丸ごとのアーモンドが当たったら小さなプレゼントがもらえるんだよと説明していたので、みんなが美味しいと言いつつ、もごもごしながら大盛り上がりで、あちこちで「あったー!」の声が上がっていました。みんなが食べ終えると先生が「さて、誰が本当に当たったかな?」と訊ね、「はーい」とおずおず手を挙げたのは、なんとわが息子ショウミーでありました。まさにドッヒャー!という展開に、子ども達だけでなく、先生も私も盛り上がってしまいました。しかし、用意したプレゼントはさすがにショウミーにあげるのもつまらないので、担任の先生にお渡ししてきました。そうして私の授業が終わってみると、なーんと約束の3時間目の45分はとっくに過ぎ、4時間目もほぼ終わりという時間になっており、小学生相手に90分授業をやってしまいました・・・。先生、うまく切り上げてよー!私ったらなんだか時計を見る余裕がなかったのです・・・。

 子ども達も楽しんでくれたのですが、私にとってもデンマークについて話すという貴重な体験をさせていただき、また9歳の子ども達との本当にとっても楽しいひと時で、このような機会を与えていただいたことに感謝の気持ちで小学校を後にしました。それだけでなく、翌々日にはファイルで綴じられた先生と子ども達一人ひとりからの感謝のカードをいただき、思いがけず大感激してしまいました。一枚ずつ丁寧に読ませてもらいましたが、みんなが「デンマークを好きになった」「デンマークにぜひ行ってみたくなった」などと書いてくれて、また普段授業を行っている先生からも嬉しい言葉をいただいて、私にとっては宝物のファイルとなりました。

 今回多少の準備はかかったものの、そんなにすごい労力をかけなくても60人の子をデンマークのファンになってもらえたので、もしかしたら大使館などでもこういう事業を行うとデンマークの知名度が上がるのかなと思いました。(まあ、知名度が上がってどうするのかというあたりは、ともかくとして。)あるいは、日本人学生が留学しないと言われている昨今、逆に文科省が各国大使館の人に声をかけて、いろいろな国を紹介してもらって、外国語や留学に小さいときから興味をもってもらうなどというのもいいのでは?などと思いました。

 

トーマスのマリッジカウンセリングの勧め

2009-10-01 05:28:07 | 国際結婚
 コペンハーゲン市立博物館を出ると雨が降っており、小走りに一番近くのカフェに入りました。7月だというのに、雨が降ると寒いデンマークで、カフェの外の椅子にはご自由にどうぞとブランケットがかけられています。

 トーマスは今年は最悪の年で、結婚も別居中、仕事もくびになることが決まっており、すでに会社に出社しなくていい状況のようで、今回はトーマスに一番多く会っていたと思います。(最後はお互い、会い過ぎ、と笑っていました。)結婚前から私も仲良くしてもらっているので、今回は「暇でしょう(笑)?」と彼だけ特別に、Sudoku数独を日本からおみやげに持って行ってあげました。

 さて、そんなトーマスとあれこれ近況を話しているうちに、トーマスが私たち夫婦もマリッジカウンセリングを受けてみたら?と身を乗り出しました。トーマス達は3-4年前に一度マリッジカウンセリングを受けて、お互いをよく認め合うこと、感謝すること、相手を思いやることなどのアドバイスを受けて、とてもよかったそうです。今回も別居にあたって、カウンセリングを受けたようです。そして、デンマークで出版されている結婚についての本も(タイトルを忘れてしまった)、併せて勧めてくれました。本屋さんに行くと、手前のほうによくそういう結婚についての本や男女の違いについての本が、ずらっと並べてあります。

 でも私は、マリッジカウンセリングにはなんとなく行きたくない、と思いました。「多分、いろんなアドバイスはもらえると思うけど、そういうのは自分で考えてみれば、本当はどうしたらいいのかわかるんじゃないの?」「それに、そもそもカウンセリングが本当に必要なほどの関係になっていたとしたら、もうその関係は終わっちゃっていて、修復不可能じゃない?」というのが私の意見です。もし、夫と本当に危機的な状況になっていて離婚したければ、もはや私はカウンセリングなんて受けて、他人にアドバイスなんてもらいたくもないと思うことでしょう。

 「逆に2人でじゃなくて1人で受けて、私の夫への不満とかを思いっきり聞いてもらって、私に、あなたは正しい、あなたは偉い、彼は間違ってる、あなたはがんばってる!って言われるようなカウンセリングだったらぜひ受けたいかも。」などと言う私に、「いや、2人で受けに行って、お互いの思っていることを言い合って、第三者にアドバイスをもらうことに意味があるんだよ」とあくまで真剣に勧めるトーマスです。

 そして、しばし夫と私の会話を聞いていたトーマスが、「ね、ほら、君たちは相手の話を聞いてないんだよ。」と突然カウンセリングをしてくれました。「聞いてる、って言いたいんでしょう?でも、ほら、ちゃんと聞いてない。相手が何か言っても、but,but,butって言っているじゃない?心の中で相手を否定しながら聞いているんだよ。」「まず、ちゃんと相手の話を本当に聞くこと。それから自分の意見を述べるのはいいけど。」

 確かに・・・。私も夫も、いつも相手の話を聞きながら、でもさぁ、でもね、いや、そうじゃなくて、と心の中であるいは言葉でさえぎっていたのは確かです。そうしてカチンときて、ちょっとした諍いが始まるということはよくあったのは確かです。ふんふん、ありがとう、トーマス!いいアドバイスをしてくれました。「じゃ、私はカウンセリングにはやっぱり行かないわ。トーマスがカウンセラーになってね!」ということになったのでした。

 それからずっと考えてみたけれど、やっぱり私は他のカウンセリングには行くことがあるかもしれないけれど、マリッジカウンセリングには行かないタイプの人だと思いました。マリッジカウンセリングは、多分結婚を修復したいと考える人が行くのであって、結婚をもうやめようと思う人は行きたくないのではないかしら?私が結婚を続けたいと思う限りは、よく考えればきっと夫と2人で解決していけると思うこと、もしそう思わなければ、たとえ行ったとしてもそれは一時の小康状態を保つだけで、遅かれ早かれ、悪い状態にまた戻っていくのだと思います。

 とはいえ、今回のトーマスのアドバイス、名付けて「but, but, but」は我が家の家訓として、ときどき思い出しています。そして気心の知れたトーマスなら、ぜひ私たちのマリッジカウンセラーとしてお願いしたいところ。トーマス、頼りにしているよ!そういう意味では悪い状況になる前なら、体の定期健診みたいに、結婚の定期健診としてのマリッジカウンセリングはありかもしれませんね。

発熱して食べたいものは?

2008-06-04 23:09:18 | 国際結婚
 昨日、体調が崩れかけていたところに寒さが加わり、しかも友人達と昼食の予定が入っていたのを無理して敢行したところ、帰るなり、久しぶりに発熱してしまいました。幸い、子ども達も放っておける年齢になっていたので、午後はずっとソファに横になり、子ども達にあれこれお願いをして、何とか凌いでいました。途中、夫にSOSの電話を入れ、帰りにご飯を買ってきてもらうことに。

 そして夕方、夫から電話が入りましたが、ちょうど熱が上がっているところで私はもう息が苦しい感じ。電話に出たジジに「ママは何が食べたいの?」と聞いており、私が「ゼリー」とジジに言い、それをジジが電話口で伝えてくれました。が、夫は何のことかわからない様子。ジジはひたすらゼリーと繰り返すのですが、とうとう夫はショウミーに代わるように言い、今度は電話口に出たショウミーがゼリーを連呼。そしてショウミーは「ゼリーだよ、ゼリー。あのチュルチュルって食べるのでフルーツとかの」と説明するのですが、それでも夫はわからないようで、最後には「ママに代わって」。しかし、私はとても立って電話口にまで行く気になれず、ゼリーもわからないなんて、もういいよ、となんだか無性に腹が立ってきたのでした。

 帰ってきた夫、買ってきたものは揚げ物、煮物、そしてどこで見つけたのか、野菜のゼリー寄せ・・・。それを見た私が「なんでゼリーがわかんないのよ」と半分泣き、半分怒りという気分になり、こういうときだけは国際結婚を強く意識するのでした。

 いや、本当に発熱している人が何を食べたいか夫は察しがつかないのだろうか、と昨日はしみじみお布団の中で考えてしまいました。冷たくて甘いもの、あまり噛まずに食べられるもの、ということで私はゼリーやプリン、ヨーグルト、そしてお粥と思うのだけど、夫にはそれはどうも伝わっていません。実はゼリーは前にも同様のことがあり、jellyがゼリーだとはすでに説明したはず、ということも徐々に思い出し、余計腹が立ち・・・。ついでにショウミーの出産直後も、私の食べたい和食が作れず、お弁当しか思い浮かばない夫にすごく怒りを感じたことも思い出し・・・。(そういうわけで第2子は、退院したその日から食べたいものを食べるためにキッチンに立ったのでした。)

 普段は本当に国際結婚などという自覚は全くないのだけど、たまに「ああ、そうだった」と思うことがあり、今回のような場合は「国際結婚の壁」とでもいうようなものをひたすら感じることになります。過ぎてしまえばたいしたことがないのですけれど、その時は体調が悪いので死活問題とまで思ってしまいます。

 そして今回は固く心に誓いました。よし、もう夫はあきらめよう、2人の子ども達にしっかり仕込もう、と。
 ジジは料理が得意そうだし、ショウミーは今回すでにけっこういろいろ活躍してくれた、2人ともゼリーと言えばあの冷たくてフルーツの甘い味の「ゼリー」だとちゃーんとわかっている!あの2人をしっかり仕込んで、私が病気になったときには痒いところにもちゃんと手が届く看病をしてもらおう・・・!ああ、役に立つはデンマーク出身の夫よりも半分は日本人の血を引く私の息子たちだわ、と。

 まあ、デンマーク人が風邪や発熱のときに何が食べたいかということは、実は私もわかっていないので、お互い様といえばそうなのですけれどね。前にそういう話をしたことがありましたが、少なくとも夫の実家では熱が出たらこれという食べ物はないようでしたが。

お祝い好き家族

2008-02-01 07:51:32 | 国際結婚
 先日、仲のよい幼稚園のママたちとの飲み会で「誕生日のプレゼント交換はなし」という話に私はびっくりしました。皆、現在のところ専業主婦で「家計が同じだからプレゼントはもったいない、欲しいものは自分で買うし、いらないものをもらってもね」というのが主な理由です。中には結婚まもないころ夫から電話がかかってきて「プレゼントを買おうと思うんだけど、ネックレスがいい?イヤリングがいい?」と聞かれて、「いや、自分で好きなのを買いたいからお金で頂戴」と現金なことを言ってしまい、相手を深く傷つけ、以来くれなくなったという可笑しいエピソードもありましたが。

 さて、我が家では誕生日にプレゼントがないなんて、ちょっと考えられないことです。私ももともとお祝いすることが好きなのですが、デンマーク人の夫にはもっと盛大に誕生日を祝う習慣があり、結婚してからは皆の誕生日は本当に大切なイベントです。プレゼントはいろいろですが、欲しいものをあげることもあるし、サプライズもあります。それもひとつではなく、クリスマスのようにいくつかないとさみしい、と思う私たちです。

 夫が子供達と買いに行ったプレゼントを、ジジに事前にばらされたりしてしまうのも楽しいものです。「お耳に針でつける、キンキラなもの」だなんて、ジジも的確に描写しているなあと笑ってしまったことがあります。

 誕生日だけでなく、我が家ではありとあらゆる行事をできる限り祝いたいと思っており、一年はお正月や春の七草がゆから始まり、クリスマスで終わるまで、大小さまざまな行事を行います。秋のお祭りには血が騒ぐし、子供達がいるからこそ参加する地域のイベント(夜店、おもちつき、盆踊りなどなど)も本当に楽しんでいます。今週末は幼稚園でのおもちつき、そして翌日はお寺で行われる豆まき(年長さんは壇上から豆まきをさせてもらえるということでショウミーの活躍が楽しみ。)

 週末はジジがショウミーのまねをして勉強しているデンマーク語のノートがちょうど1冊終わり、タルトを買って家族でお祝いしました。ちょっといいことがあると、すぐケーキやらシャンペンやらワインやらで「お祝い、お祝い!」となる私達・・・。私がよい成績をとっても「お祝い」、夫が会社で希望するプロジェクトにつけても「お祝い」、となります。何かを成し遂げたときにこうして家族の中で、互いに心から小さなお祝いすることで、子供達の中にも自尊心や幸福な気持ちなどが根付いていったらいいなと思っています。
 
 幼稚園のママ達と話していて思ったのは、日本人って現実的なのかな?ということでした。まあ、確かにお祝いすることは少々お金もかかるし、けっこう手間もかかりますが、私たちはきっとお祝いはとても嬉しくてやめられない、というお調子者の家族なんでしょうね。

 

 

外国人の指紋読み取りスタート

2007-11-21 01:27:36 | 国際結婚
 今日から改正出入国管理・難民認定法が施行されました。つまり、外国人が日本に来た場合、必ず顔写真と指紋の読み取りを義務付けられました。これはどんな外国人にも適応ということで、外交官、特別永住者(戦前から日本にクラス在日韓国人ら)などを除く外国人全員ということです。

 夫は外国人ですが、すでに日本に17年ほど住んでいる永住権保持者です。驚くことにこういった一般永住者も該当するということで、これによって、次回から夫は必ず成田で顔写真を撮られ、指紋を読み取られることとなりました。あと他にどこに国で、外国人の指紋読み取りの義務化が行われているのかというと、米国だけです。日本はは米国からの受け売りでこの制度を始めたのでしょうか?それにしても、「全員」とは・・・。

 夫は多分まだこのことを知らないと思います(あんまり日本のニュースを読んでいない)。日本に税金を収めている夫は、知ったらきっと、ものすごく怒るだろうなと思います。テロリストを入国させないために、どこかで線を引かなくてはいけないのはわかりますが、本当にここに永住して、税金を納め、日本人となるであろう子どもを扶養している外国人に選挙権を全く与えないばかりか、今度は指紋だなんて、やはり屈辱的な感があります。またいまや日本人でもアルカイダの友人の友人であったり、そういった人から情報をもらったりする人がいるようですので、外国人ばかりを疑うのはどうかと思ったりもします。

 仕方のないことだと受け流すしかないかと思いますが、外国人の夫を持つ私は、今回の改正をなんとも言えない気分で見ています。これから毎回、どこに行っても顔写真と指紋を義務付けられる夫は、そのたびに嫌な気持ちになることでしょう。夫だけではなく、すべての日本に貢献している外国人が同じような思いとなることでしょう。

 そしてこれは将来、日本人が外国に行ったときに「日本人だから」指紋などを強制される可能性が出てきました。現にブラジルはアメリカ人の指紋読み取りを義務化しています。こうして対抗策を取り合って、世界全体が外国人入国の自由化に、逆行していく可能性も出てきたというのかもしれません・・・。

中年国際結婚カップルの悩み(?)

2007-10-24 07:48:43 | 国際結婚
 先日、国際結婚カップルが3組集まってのこと。夫たちはお庭で飲みながら談笑し、妻達は食卓で手巻き寿司を食べながらおしゃべり、そして子供達は家中を走り回りながら子供達だけで遊んでいました。

 この私達3人の妻達には共通点がたくさんありました。まず年齢が四捨五入すると皆40歳であること、外国人と結婚しているが夫の出身地が英語圏でないこと(ドイツ、ケベック、そしてデンマーク)、夫の国の言語ができないこと(一組は英語で会話している)、子供がいること、夫達がエキスパートではなく、ローカル(日本採用)であること、日本で出会って結婚したこと、などです。

 そうして私達はお決まりのトピック、これからどこに住むか?という話になりました。「夫は子供の教育のために自分の国に戻りたいと言ってるけどね」と中トロをパクパク、「でもいろいろ考えると難しいよね」とサーモンをパクパク、「そうそう、老後のこととかも考えなくちゃいけないでしょう?」「いっそのこと、第3国(夫の国でも自分の国でもない、3つめの国)に住むのが一番家族としてはよいと思うけどね、でもそれもまた難しいものね」パクパク、パクパク・・・。

 だいたい私達の意見をまとめてみると、
・エキスパートとして2-3年だけ住むのであれば、喜んで行く。
・相手国で私達が仕事を見つけるのは難しいだろう。
・これから移住となると年金をどうするのか。夫の国で受給できるのだろうか。
・英語圏ならともかく、それ以外の言語を40歳位から習得するのはかなり難しい。
・子供が日本語ができなくなるのも困る。
・すでに私達は落ち着きたい年齢になってきており、今から国境を越えて移住するようなアドベンチャーは果たして堪えられるだろうか、と守りに入っている。
・老後、夫に先立たれたらどうしたらいいのか。あるいは離婚したら?そのときに帰る場所を日本に確保できるだろうか。子供達はやはり日本に帰らないのではないか。
などというものでした。

 一世代上の国際結婚はまだ少なく、結婚する際に彼女達はそれ相当の覚悟を決めて、相手国に骨をうずめるつもりで移り住んだことと思います。が、私達の世代はそんな覚悟を決めずとも国際結婚をする時代となり、そしてバブル時代を経験してきた私達は今、中年となり、すでにかなりの冒険心をなくして弱気になっているのだと思います。これが20代で結婚するために移住するというのであれば、また少し違ったことでしょう。そこに情熱があるというものです。そして夫達はときに自国に帰りたいことをほのめかし(うちはあまりありませんが)、生ぬるくそれなりに快適な日本から出ることを妻達は恐れているわけです。

 我が家は日本在住と決めています。それでも私の心の隅で、デンマークに住んでみたいという思いがあるのは確かです。でも住むのならやはり骨をうずめる覚悟がないと、家族で自分達の意思で移住するのは大変なことです。それでももしそういうことになれば、それはそれで楽しんで生きていくのかもしれませんが。(友人のブラジル移住1世のご両親のように、日本語で暮らして、日本人のみと交流して・・・となるのかな?)

 住まないことで失っているものの大きさを思いつつ、やっぱりなかなか日本にしがみついてしまう自分を、なんだか私もずいぶん落ち着いてしまったなぁとさみしくも感じますが、子供を持つ今は守るべきものがあるのだから仕方ないとも思います。

 逆に相手国に住む夫達が、今後、年を取るのとともにどういうストレスを抱えていくのか、そして私達が先に死んでしまった後どうするのかなど、これから年と共に向き合っていかないといけない問題も多々ありそうです。また、夫ができるだけ日本で幸せになるように、あるいは、夫の心の中にいつか自分の国に帰りたいという思いが頭をもたげてきたときに私は何をしてあげられるだろうか、そういったことに私も向き合っていくことになりそうです。
 
 

食べず嫌いの外国人夫への対策料理

2007-10-11 01:49:25 | 国際結婚
 以前もブログに書いたように思いますが、デンマーク人の夫は食べ物の好き嫌いが多く、特に日本らしい野菜が苦手です。子ども達と私は煮物が好きなので、これからの季節は毎日食べたいところですが、そうなると夫のためにもう一品、作ることになってしまい、手間がかかってしまいます。

 そこでしばしば考案するのが、煮物を作って、その後、夫向けに加工するというメニューです。時間がだいぶ節約できるし、夫も私達も食べたいものが食べられて、満足できるという利点があります。(加工すれば食べられるなら、そのまま食べてよ、とも思いますが、まあ、そのくらいはやってあげましょう。)

 先日新しいメニュー「お好み焼き風かぼちゃ」を考案しましたので、ご紹介したいと思います。まず、子ども達と私のために、かぼちゃの煮物を作ります。甘辛く味をつけ、ほっくりと煮たらできあがりです。つぎにそのかぼちゃの煮物をボウルに入れてよくつぶします。そこに小麦粉、鶏ひき肉、たまねぎなどを入れて、塩少々を加え、よく混ぜ合わせます。お好み焼きほどのほどよい固さになるよう牛乳を加え、フライパンで両面を焼きます。そこにブルドックソースをかければできあがり!(甘めがよいときはおたふくソースがよいでしょう。)

 このお料理のポイントはなんといってもかぼちゃ味がマイルドになっていることと、ソースで洋風の味になることでしょうか。とにかくお好み焼き系は外国人に比較的受ける味ですので、これで夫もおいしく食べてくれます。

 ちなみに、肉じゃがは冬になるとお鍋にいっぱい作りますが、一日目は肉じゃがとして食べ、仕方がないのでその日は夫に別のお料理を作ります。でも2日目は肉じゃがをつぶしてコロッケにしたり、肉じゃがの上にホワイトソースとチーズをかけてグラタンにします。夫は前者はかなり喜んで、後者は「まあ、食べられる」と言いながら食べています。やれやれです。

 この秋冬は、大根の煮物とごぼうの煮物の夫向けの料理考案が目標ですが、この二品はけっこう難しい・・・。ごぼうはかなり細かく刻んでハンバーグなどに入れてしまえば大丈夫なのですが、そうすると今度はごぼうの煮物の味があまりしなくなってしまうのが問題です。

 逆に、洋風の料理を和風にアレンジしたり、味噌や豆腐といった和食の素材を洋風に料理したりするのも好きです。そうして、我が家は毎晩、名前の付けられない国籍不明のお料理が一品は出てくるのでした。



電話、そして反省

2007-09-01 17:12:05 | 国際結婚
 先日、そろそろ夫が帰るころだなという時間に、電話のベルが鳴りました。メールが行き渡ってからというものの、我が家の電話は家族以外からはほとんどなく、そしてその、時間通りの電話はもちろん夫からと思って、いつものように「もしもしっ」と嫌そうな声で出てしまいました。

 ちょうどその時間帯は、子ども達がけんかを始める一方で(夕方は子ども達も疲れて不機嫌)、こちらは夕食の仕上げにかからなければならず、電話に出るのも容易ではなかったりします。それで帰るコールを毎日してくる夫に、感謝もしつつ、つい「こっちは忙しいのよ!何なのよ?」的な声で出てしまうというわけです。

 ところがこの電話は夫ではありませんでした。子どものサッカー関係のお母さんからの電話で、しかも初めて話す人、でした。慌てて声のトーンを上げて、いきなり感じよく話し始めたのですが、なんともお恥ずかしい気持ちになってしまったのでした。

反省その1)初めてかけるときには緊張するのに、しかも新入社員のときから、電話は相手に顔が見えない分、感じよくしなくてはならないと教え込まれていたのに、これでは相手がきっと話しづらかったことでしょう。すみません。

反省その2)昔、夫からの電話かな?と浮き浮きしながら電話を取ったころは、「もしもし?」をもっと朗らかな声で言っていたのではなかったかしら?夫は家族とはいえ、せっかく妻に電話をしてくれているのに、私があんな声だったらどんな気持ちになるかしら?逆だったら、家に帰る気持ちもしぼんでしまうに違いありません。ということで、深く反省・・・。

反省その3)仕事をしていたころ、向こうの席のおじさんが相手によって言葉遣いを変えているのを、なんて人として品がないのだろうと思っていました。下請けさんにはものすごく高圧的に話す人に限って、取引先には慇懃無礼なくらいの持ち上げ方をするものなのですね。私の場合はそこまでひどくはないけれど、夫に対して、人として失礼ではなかったか、そんなことをする私は品がないのではないか?とこちらも深く反省したのでした。

 結婚して、夫も私に対して邪険に扱うようになったと思うけど(この話はまたいつか)、私もだいぶひどい態度を取っていたことに、この電話1本で気づくことになりました。この6年半の間に、だんだんと夫へのリスペクトを失っていたのかもしれません。

 翌日から早速、夫からとわかっている電話にも、ちゃんとできるだけかわいらしい声で(?)、「もしもし?」と出るようにしました。とはいっても、もちろん、余りにも結婚前のような話し方をするのも恥ずかしいので、できるだけ感じのよい出方をするという程度ですが。

 と、不思議なことに、電話だけでなく、夫に話すときになぜか自然に、以前よりも優しい話し方ができるようになったようなのです。電話はほんのひとつの事例であり、きっと私の態度や言葉全体が、自分勝手なものだったと気づいたからかもしれません。このまま優しい妻を心がけられたら、結婚10周年にスィート・テン・ダイアモンドとかもらえるかもしれない・・・!? いや、きっと無理でしょう。何かほんのちょっとのきっかけがあれば、夫に真正面から歯向かうだろうことが目に見えているし、夫に10粒のダイアモンドを買うような資金があるようにも思えないものね・・・。でもとにかく今回は反省、です。

ハーフの自覚

2007-08-29 17:43:35 | 国際結婚
 先日近所を子どもたちと歩いていたときに、ショウミーが突然「あ、外人!」と言ったのでありました。見ると小学校高学年くらいの女の子で、おそらく白人と日本人のハーフの子がそこに立っていました。

 私たちも新しい環境に行くとしばしば「この子、何人?」「この子、外人なの?」と子どもたちに聞かれます。そのたびに親としてどう答えたものか、ハーフのうちの子どもたちをどう説明したものかと、その質問してきた子どもの年齢を鑑みながら、私は言葉を返しています。

 夫は外国人、子どももハーフ、結婚以来、私もそれなりに「外人」という言葉に敏感になったり、家族の中に外国人がいるこの状況が日本の中で普通に捉えられるように、と考えていたつもりでした。

 それなのに、ショウミーの口から「外人!」という言葉が出るとは!

 あきれるというか、子どものあっけらかんとした「自分が普通」という思い込みに感心するというかなんというか・・・。しかも自分とそっくり同じタイプの顔を見て、外人だなんて・・・。そしてショウミーが他の見知らぬハーフの子に対しては、一種の興味、あるいは自分との差異を感じているらしいことにびっくりしました。私のハーフ教育(そんな名前はないけれど)もどこ吹く風というわけです。

 これからショウミー自身が「外人」と呼ばれたり、「何人?」と聞かれたりしながら、だんだんハーフの自覚ができるのかもしれません。こういう国籍の違い、外見の違いをどう子どもが捉えていくのか、自覚していくのか、などなどこれから私もショウミーの成長とともに見ていきたいと思います。なかなか面白いです。

老後の住処

2006-12-15 15:31:00 | 国際結婚
 国際結婚のカップルの間でしばしば「どこに住むか」という問題があるのではないでしょうか。先日もデンマーク人と結婚している2女性の話題は「老後、どこに住むのか、最近考えるようになった」でした。そのうちの一人はデンマークに住んでもいいかな、と言い、もう一人は両方に関係のない第3の国に住むのがいいのよ、ハワイなんかいいのじゃないかと思って、と言っていました。他にもいずれは相手の国に住む(なぜなら日本の教育を受けさせたくないから)、現在相手の国に住んでいるけれど、将来は日本に戻りたいかもなどという意見を聞いたことがあります。

 日本人同士のカップルならば親の介護や転勤などで移動したり、離れて暮らすようなことになったりということがあると思いますが、どちらにしても国を離れることはありませんし(海外への転勤もありますが)、日本に住むということは話し合うまでのこともないでしょう。けれども国際結婚の場合は、選択ができる分、悩むことになります。

 国を超えるとビザの問題、子どもの教育の問題(特に言語)、自分の言語力や適応能力の問題、健康保険、職、などいろいろな問題が出てきます。それでも数年住むのはいいのですが、さて、それでは最後はどこに住もうかとなるといろいろな覚悟が必要のようです。年金もどこの国にせよ、ある期間は居住したり税金を納めたりしなくてはもらえません。そういったことも含めて、逆算してどこかの国と選ぶのは、実質的にも気持ち的にも簡単ではありません。

 先日会った人のご主人が「俺に日本の老人ホームに入れというのか」と言い、彼女は「じゃあ、私にデンマークの老人ホームに入れというの?」と言ったそうです。若いときはいいけれど、年を取ったときにやはり相手の国の老人ホームに入るのは抵抗がある気持ちは私にもわかります。

 この問題で難しいのは、将来の自分の気持ちや適応能力が完全にわからないことです。そして人は変わるということ。年齢とともに人の気持ちは変わっていきます。間口が大きくなる部分もありますし、逆に間口が狭くなる部分もあります。そういうことをすべて推し量ることは難しいし、一度決断するとかなりのリスクを伴いますので、そう簡単にスイッチできないということもあります。

 さて、私たち夫婦の場合ですが、以前からずっと2人とも言っているのが「夏は3ヶ月デンマーク、あとは日本」という老後の暮らし方が今のところ理想です。もし経済的にできれば、60代のうちは世界中のあちこちに住んでみたいとも思っています。NY、パリ、フランスの片田舎、プーケット、イタリア、などなど少しの期間住んで生活を楽しみたい場所はいっぱいあります。

 デンマーク人会のクリスマス会の帰りの車の中で、改めてこの話を夫としていたのですが、夫に「デンマークに住みたいというのはある?」とたずねましたところ、「僕は日本を選んで、日本に住みたいと思って来た。でも君はデンマーク人を選んだのではなくて、たまたまデンマーク人だったわけでしょう。だからデンマークに老後住まわせるのはかわいそうだと思う。すでに場所を選択したのは自分だという気持ちがベースにある。」というようなことを言いました。

 なんとなく夫の決意というか、私と結婚したことによって後ろに戻れなくなってしまった夫の覚悟のようなものを聞いた気がしました。日本に住むことを嫌がっているわけではありませんが、やはり日本語のできる彼だって、自分の国ではないところで生きていくことはいいことばかりではないはずです。これを聞いて、私はもう少し、異国で生きている夫に思いやる気持ちを持たなければ・・・とちょっと思ったのでした。そして、2人に老後があるのだとすれば、それだけでも感謝すべきことなのかなとも思いました。