デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

子ども達との毎日

2011-05-26 23:03:40 | 母親業・主婦業
 ジジの小学生生活もだいぶ板についてきた今日このごろ。子ども達と私の生活もだいぶまた様変わりしてきました。小学生2人のお母さんは毎日新しいことが次々起きて、相変わらずスリリングです。そして、子ども達との毎日は、一日一日、本当に貴重だなあと思います。子どもってちゃーんと一日ずつ成長しているのですよね。毎日、何かを確実に学んでいて、昨日の子どもと今日の子どもは違っています。だからとても「今日の」今目の前にいる子どもが大切に思えてきます。

 ジジは最大限に小学校生活を楽しんでいるようで悪友とともにやりたい放題(入学式翌日には女子トイレを覗いたらしい)、放課後は5時半まで学校で遊んで帰ってきません。ついでに夕食のときには、しばしば学校内での兄の失態も暴露してくれます。

 そんなジジはほぼ毎日、私に絵や小さな作品をくれますが、そういうのってとっても幸せ。手紙も字がかけるようになってからはよくくれます。最新のものはこの前私にものすごーく怒られたときの手紙で、「ままへ、いつもごめんなさい。ぼくわまちがいが4ある。1めはどんどんしない、2めはどあをゆっくりしめる、3めことばをていねいにつかう、4めゆったらすぐにやる。ぼくわそれをやればよかった?」という反省の手紙で、すごい形相で怒っている私と正座して泣いている自分の絵が描いてありました。あまりに可笑しくてかわいくて、ダイニングテーブルの横に貼ってあります。2番目の子はこういうこちらの思いもつかないようなことをしてくれるところが、手に負えないけれど、かわいいものですね。
 
 そして、ショウミーはいよいよ7月で10歳です。うちの小学校ではやりませんが、お友達の小学校では4年生の行事として「2分の1成人式」というのをやるそうです。ふーん、そうなのと思っていたけれど、いざショウミーがその年齢になるとその意味がすごくよくわかるようになりました。10歳ってすごく大きい。個人差もあるかもしれませんが、もうショウミーはなんでもわかるし、私とは別の個人としての自分をしっかりと持っているし、ある部分、私よりも大人の部分も出てきました。どうやら人間は10年でほぼ完成するようです。ここからは本人次第、ということがぐっと多くなるように思います。

 そんなショウミーは最近、急に自分のこれからのことを考え始めたようで、中学をどうしようかな~と言い出しました。サッカー選手になれないことは4年になってよーく自覚したようで、じゃあ、自分は何が得意なのかなと考えてみたらしいのですが、それで勉強をがんばる、と思いついたようです。中学受験なんて全く必要ないと思っていたし、経済的に塾や私立の中学校に行かせるような余裕もないので、私としてはそんなショウミーにひたすら、えー、えー、えー!?何言ってるの!?という感じです。親の私が思っていないようなことを、どこでこの子は考え付いたんでしょ??? まあ、こうして想定外のことが起きるから、子育てってスリリングで楽しくもあるのですけど・・・。でも勉強をがんばりたいというこの子の気持ちを親として汲んであげたいとも思いもし、この件についてはまあ、これからじっくり親子それぞれ、考えてみようと思います。ま、近所の中学校はとてもよさそうなので、そこでも十分ということで気楽な気持ちではありますが、でもやっぱりいろーんなことを考えてしまい、悩むなぁ・・・。

           

           この前見に行ったブルーマンと。
           こういう子ども達とのお出かけも、きっと今が一番できるときですよね?
           楽しもう!

デンマークの図書館

2011-05-07 17:14:05 | デンマークについて
 私がデンマークでこれぞ一番!と思う場所、それは図書館かもしれません。

 デンマークでは王立図書館(日本でいう国会図書館)があり、ここは建物の外観に使われている黒大理石とその形状からブラックダイアモンドと呼ばれています。もちろんここも素敵そうなのですが、敷居が高く、中の様子も把握しておらず、こちらについてはまた次回行って来ようと思っています。(それでも図書館員の対応は親切で、その場で壁の裏側まで史料を探させてくれました。)

 私が親しんでいる図書館は、夫の実家のあるバレラップ図書館です。こちらは去年の夏、調べ物をしに、あるいは本のコピーを取りにちょこちょこ通っていました。駅の上にある2階建てのこの図書館は、そんなに大きくもなく、かといって小さ過ぎもせず、ほどよい大きさです。またお洒落過ぎもせず、でも白を貴重としたヒュグリな雰囲気で、2階は光がたくさん入って明るくとても心落ち着く空間なのです。

 まず、入口や各コーナーにはその時々の季節や時事に合わせた本が展示されており、またデパートのショーウィンドウのようにきれいなディスプレイがされて、来館者を楽しませてくれます。児童書のコーナーは見やすく、とてもかわいらしく展示してあり、これなら子ども達が図書館に来てハッピーな気持ちになるだろうなと思いました。

 本棚には、だいたい2棚ごとに1台コンピュータが配置されており、すぐその場で調べ物ができるようになっています。あ、あの本!と思ったり関連本を探すときに、このコンピュータの配置はとても便利です。(日本ではコンピュータが一箇所にまとめられていて、わざわざ戻らなくてはならなかったりしませんか?)そして、窓際にはところどころ小さなテーブルと椅子が置かれています。デンマーク語はほとんど読めませんが、この椅子にこしかけて、本をぱらぱらめくったり、メモを取ったりするのはなんとも柔らかな充実した時間をもたらしてくれます。

 そしてここでは何より大切な存在が図書館の司書の皆さんで、いつもは冷たく見える人の多いデンマーク人ですが(失礼ながら)、この司書はどこまでも温かく親切に調べ物を助けてくれるのです。まあ、それが司書の仕事ではあるのですが、こちらのあいまいなキーワードに対して一生懸命その意図していることを見つけようとしてくれて、なおかつ、バレラップ(と周辺の2図書館)になければ、より大きな範囲で、あるいは中古の本屋さんのサイトまで当たってくれます。とにかくこちら側に寄り添って探してくれる気持ちが伝ってきました。普段、何も言わないと助けてくれないデンマーク人ですが、こういう場合は本当に助けてくれます。他の図書館でも、ある省の発行している報告書を手に入れたかったのですが、個人にはコピーをもらえないという規則があったため、ある司書の方が代わりに手に入れてくれ、それを後日、日本に帰った私にメールしてくれたなどということもありました。こうした対応の幅はデンマークの司書ならではのことなのでしょうか?

 何よりデンマークでの図書館のよさは司書であり、そして、そのインテリアに尽きると私は思っています。本と明るく心地よいインテリア、いつまでもいつまでもそこにいたくなるような、心からくつろげる雰囲気です。同時にたくさんの本=たくさんの叡智や人々のさまざまな営み、夢のような世界や彼方の世界、新しい世界などに囲まれているという実感にわくわくし、ものすごーく幸せな気持ちを与えてくれます。(デンマーク語読めないけど・笑。)このようなインテリアのよさはいつもデンマークで羨ましく思うところですが、特に図書館は羨ましく感じました。日本もインテリアが素敵だったら、もっと幸せなのになぁ・・・といつもながらのため息です。

 さて、このデンマークの図書館に感動して日本に戻ってきてから、『デンマークのにぎやかな公共図書館』(吉田右子、新評社、2010年)とい本を見つけました。著者はデンマーク内の公共図書館を訪ね歩き、さまざまな角度から紹介してくれています。この本によるとデンマークの図書館はもっとも北欧で成熟したシステムを持っているそうで、著者は私の感じたこのヒュグリな雰囲気をより詳しく分析、説明してくれています。またさまざまな司書の努力も具体的に書いてあり、なるほどと思いました。この中にはいくつかの図書館が紹介されており、行きやすそうなコペンハーゲン中央図書館やルンビュー図書館が魅力的に紹介されてありました。次回、デンマークに行ったら、ぜひ訪ねてみたいなと思っています。