デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

デンマークについての授業@小学校

2011-02-15 17:17:41 | 国際結婚
 少し前にショウミーの担任の先生からお話をいただき、先週、なんとデンマークについての授業を3年生にしてきました。子ども達が「外国に興味をもつ」ため、総合の授業で外国人にいろいろなお話を聞こうというもので、3年1組ではドイツ人の子のお父さん、2組では外国人ではないけれど、デンマークについて少々話ができるということで、私にお鉢が回ってきたのでした。担任の先生に「何を話せばいいでしょう?」と聞いたのですが、なんでもいいんです、ということでかなり放任・・・。あれこれ指示があるのかと思っていたので、えー、45分間好きなように話しちゃっていいってわけ?とまずは驚いてしまいました。

 直前まで大学院のほうのリポートに追われていたので、なんとなくのことは考えて担任の先生に連絡帳でお伝えし、実際の準備は週末に集中して行いました。それでもリポートよりは多分出来がよく、授業の流れをA42枚にまとめ、要所要所写真で説明できるように印刷、そして先生とサプライズで用意しましょうということで、クリスマスに食べるデザート、リスアラマンを2クラス合同の授業だったので60人分用意しました。

 3時間目だったので20分休みに学校に入ったのですが、いつもの保護者としてだけとは違い、なんだか妙に緊張し、家を出るときにトイレに行ったのに教室に入る前にまたトイレ。相手が子どもとはいえ、2クラス分60人プラス授業のプロの先生の前で話すのは本当に緊張してしまいました。

 授業はまず地図を見せて、デンマークの位置やお決まりの「ほぼ九州くらいの」という大きさを説明し、私のウォーミングアップを兼ねてデンマークで一番高い山は?というクイズを出しました。しーんとしちゃったらどうしようという心配をよそに、子ども達は口々に「3000m!」「5000m!」「8000m!!」と答えてくれ、私が147mと言うと、「えー!えー!えー!」と盛り上がってくれました。ざわざわが収まるまでしばらく待たなくてはなりませんでしたが、でもこれで私もかなりリラックスした気分になれました。

 それから、子ども達が興味あるだろう、食べ物の話、クリスマスや誕生日といった行事の話(ここでリスアラマンの説明もしておきました。もちろん食べられることは内緒で!)、デンマークの子ども達がどんな遊びやスポーツをしているか、デンマークの学校生活についてなど、子ども達の反応を見つつ、かなり活発な質問を受けつつお話しました。質問はデンマークに塾はないのか、クリスマスに何個くらいプレゼントをもらうのか、デンマーク語で1、2、3はなんて言うのか(これについては私の発音だと間違ったことを教えちゃうので、ここだけショウミーにやってもらう)などというものから、デンマークで家はいくらで買えますか?などという一言で答えられないようなものまで、本当にかなりたくさん出てきて、やりやすかったです。多分普段から話す人の目を見るようにと教えられているのでしょう、目を大きく見開いて、一生懸命聞いてくれて、驚きの声をいっぱい上げてくれて、子ども達はとってもかわいかったー!

 一通り話し終え、最後に、さっきのリスアラマンを「実は今日は持って来ました」と風呂敷を解くと、「食べたいー!!!」と大歓声をもらい、班ごとにプラカップに入れ、予め先生が用意してくれた人数分のスプーンと一緒に配りました。丸ごとのアーモンドが当たったら小さなプレゼントがもらえるんだよと説明していたので、みんなが美味しいと言いつつ、もごもごしながら大盛り上がりで、あちこちで「あったー!」の声が上がっていました。みんなが食べ終えると先生が「さて、誰が本当に当たったかな?」と訊ね、「はーい」とおずおず手を挙げたのは、なんとわが息子ショウミーでありました。まさにドッヒャー!という展開に、子ども達だけでなく、先生も私も盛り上がってしまいました。しかし、用意したプレゼントはさすがにショウミーにあげるのもつまらないので、担任の先生にお渡ししてきました。そうして私の授業が終わってみると、なーんと約束の3時間目の45分はとっくに過ぎ、4時間目もほぼ終わりという時間になっており、小学生相手に90分授業をやってしまいました・・・。先生、うまく切り上げてよー!私ったらなんだか時計を見る余裕がなかったのです・・・。

 子ども達も楽しんでくれたのですが、私にとってもデンマークについて話すという貴重な体験をさせていただき、また9歳の子ども達との本当にとっても楽しいひと時で、このような機会を与えていただいたことに感謝の気持ちで小学校を後にしました。それだけでなく、翌々日にはファイルで綴じられた先生と子ども達一人ひとりからの感謝のカードをいただき、思いがけず大感激してしまいました。一枚ずつ丁寧に読ませてもらいましたが、みんなが「デンマークを好きになった」「デンマークにぜひ行ってみたくなった」などと書いてくれて、また普段授業を行っている先生からも嬉しい言葉をいただいて、私にとっては宝物のファイルとなりました。

 今回多少の準備はかかったものの、そんなにすごい労力をかけなくても60人の子をデンマークのファンになってもらえたので、もしかしたら大使館などでもこういう事業を行うとデンマークの知名度が上がるのかなと思いました。(まあ、知名度が上がってどうするのかというあたりは、ともかくとして。)あるいは、日本人学生が留学しないと言われている昨今、逆に文科省が各国大使館の人に声をかけて、いろいろな国を紹介してもらって、外国語や留学に小さいときから興味をもってもらうなどというのもいいのでは?などと思いました。