デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

オトナの自覚

2008-12-22 05:19:29 | 母親業・主婦業
 今年はショウミーが小学生、ジジが幼稚園生となり、赤ちゃんの育児的な、こちらからひたすらお世話をしてあげるという育児の時代が終わったなぁという実感、そして、新しい段階に入った実感があります。幼稚園では初めての役員をやったこと、小学生の地域のサッカーチームに入ったこと、それから、幼稚園は生活圏ではないところに通っているのですが、小学校に入り、生活圏でのいろいろなことに関わるようになってきたことなどが、新しい体験となりました。

 それまでお母さん業は子どもの衣食住を満たし、子どもの心身両面での成長をサポートすることかと思っていたのですが、ここに来て、実は保護者として、自分の子どもだけじゃなくて、地域の、学校の、サッカーチームのお母さんとしての仕事がこんなにたくさんあるのかとびっくりしています。

 幼稚園でのさまざまな園児のための楽しい行事や何やらも、子ども達が元気に楽しくサッカーに夢中になれることも、小学生が健康的な学校生活を送れることも、すべて親のサポートが必要です。主にお母さん達が影になり、日向になり、細かくサポートしてあげることで成り立っているのです。

 園児達が喜んでくれるのが本当に嬉しくて、子ども達が元気でいられたり楽しんでいられたりするのが本当に嬉しくて、多少の労力がかかったり、少々疲れたりしてもできるんですね。これがまさしく、ボランティアというものなのだと思います。

 面倒だと思っていたけれど、サッカー当番(ときどき回ってくるマネージャーみたいな仕事)もやってみると、子ども達のがんばって走っている様子が見れて楽しかったりします。幼稚園の役員は裏方として、実はすごくたくさんやることがあるけれど、これも子ども達の笑顔が見れれば全然苦じゃなかったりします。そして学校では、地域の見回り(他のお母さんと組んで見回る)、校庭解放の見守りなど安全についての活動や、親子リクリエーションなどへの参加などがありますが、子ども達の普段の様子を垣間見れて、楽しくもあります。

 こういうことを通じて思うのは、「地域のつながり」です。学校や会社という社会しか知りませんでしたが、子どもを通じて、初めて地域社会ということを理解しつつあるように思います。これは地域の中での助け合いという意味もあるし、いろいろな活動から他の保護者たちとのつながりができて、徐々に仲間になっていくという楽しさという意味もあります。

 役員やサッカーを通じて地域に仲間ができると、ここが自分の居場所なのだと思えるようになりました。スーパーで誰かに会って話をするというようなことが、毎日の生活の中で意外に嬉しいものです。人との関わりがすぐここにあるというのは、なんだかちょっとした幸せです。最近は同じマンションに住む人たちとも話をしたり、ママ達3人のグループができて出かけるようになったのですが、マンションの入り口で待ち合わせて、帰りも一緒に家まで帰ってくるのはちょっと可笑しいものです。そして将来、もし皆がここにいれば、年を取っても楽しいだろうなーと思います。地域に友達が何人もいること、それが年を取ったときにすごく大事な気がします。そういう友達を、子どもを通じて作れたらいいなと思います。

 先ほども書いた通り、こういったことは面倒だと私も思っていました。が、大人として、住んでいる地域や人に貢献することは当たり前で、そうして社会が成り立っているのだと思うようになりましたし、積極的に参加すると、意外と楽しいものだと思うようになりました。逆に関わることによって、まあ、嫌な人とか変な人とかもいるけれど、その中から仲間ができて、生活が楽しくなることなどがわかるようになりました。やってもらう側から、やる側へ・・・今年はちょっと大人になった気分です(笑)。

11月の旅行 御殿場方面

2008-12-20 02:40:46 | 日記

 
 このところショウミーの土日のサッカーなどで、なかなか旅行に行くことができなかったのですが、やっと御殿場方面への旅行が実現しました。(といっても、11月の話でもう古いのですが。)

 上の写真は宿泊した時之栖のイルミネーションです。ここは友人情報によると、関東一といわれているほど、イルミネーションが有名だそうです。確かに光のトンネルはすごーく長くて、おとぎの国でも歩いているような感じでした。

 さて、今回の旅行は、ハイキング&ハイキング、そしてスケートというものになりました。子ども達が大きくなってきたので、今までできなかったようなアクティビティができるようになりました。

          
          こどもの国の溶岩の遊び場

         
          芦ノ湖に向かうハイキング中

          
          疲れたけれど、こんな景色が!

          
          さらにモグラの穴でいっぱいの芝生のところでスナックタイム

 3連休だったのですが、こどもの国も芦ノ湖へのハイキングもほとんど人がいなくて、快適でした。こどもの国は広大な土地に作られていて、その中をけっこう歩かされます。が、体験型の遊び場、動物のえさやりやモルモットの抱っこ、手づくりコーナー(竹とんぼを本当に木から作ってみました。見かねた指導のおじさんが半分くらい手伝ってくれたけど・・・。でも自分で作るなんて楽しかった!)など充実していて、とてもよかったです。

          

 今回は今までなかなか行けていなかった、仙石原の秋のすすき野原をぜひ見たかったのですが、それもちょうど見られました。夕日にすすきの穂が照らされている様子はなかなか幻想的で素敵。でもここはけっこう人が多かったです。

 そして、時之栖でスケートリンクがオープンしており、ジジが初めてスケートにチャレンジしました。このスケートリンクは実は氷ではなく、樹脂の板でできています。滑り心地は氷とはちょっと違っていますが、転んだときに氷のように冷たくないのが初心者には嬉しい・・・。

 4歳のジジはリンクに立って少しすると、事の重大さに気づいたらしく、休むと言い出しました。やはり小さすぎてだめかなと思いつつ、ジュースなど飲んでいましたが、すぐにまた「やっぱりやる」と言い出すと、あとはずっと滑って(正しくは歩いて)いました。スケート靴の重さにもめげず、ひたすら楽しく楽しくリンクを回っていました。

 問題は私で、昔は前に行くくらいは滑れたのに、なんと全く滑れず・・・。それでもなんとか滑れるようになりたいと思って、ぐるぐる回っていたのですが、頭の中でこつを思い出しても、身体がついていかないのです。あげくに大きなしりもちをついてしまい、そのとき、軽い脳しんとう状態・・・。とても痛かったのですが、そのとき、向こうのほうから「大丈夫ー?」とのジジの声。それで終わりかと思ったら、遠いのに、わざわざこちらに助けに来てくれました。

 すでに世代交代???お尻と同時に頭も痛くて、これ以上続けるのは危険!!と判断し、リンクを離れ、そしてもう若くはないんだから、こういうスポーツを無理にがんばったりするとかえって危険なんだなと思い至りました。もともとスポーツをやっているような人はともかく、運動オンチの私はストレッチなどで無理なく身体を動かし、スポーツなどはそろそろ子ども達にお任せして、おとなしく見学してるほうがよさそうです。ちょっとショックだけど・・・。

          
          これまた誰もいないスケートリンク。
          でもオープンのときは荒川静香さんが来たそうです。

ハンマースホイ展

2008-12-20 00:52:41 | デンマーク 映画・芸術関係
 12月の始めに国立西洋美術館の「ハンマースホイ展」に行ってきました。一人で絵を見に行くのも新鮮、そして上野の公園の紅葉に一人で浸るのも新鮮、なんだか気持ちのいい解放感があり、私にとって新しい楽しみ発見、という日にもなりました。これからはたまに一人で芸術鑑賞に出かけよう!と思います。

 さて、このデンマークの画家、ヴィルヘルム・ハンマースホイ(ハマースホイ)Vilhelm Hanmmershoiですが、実際に見るまではそのよさをわかりませんでした。デンマークの有名な画家ということで一応見ておこうと思ったのですが、実際に見てみると、こんな画家がいたんだ、ととても嬉しくなりました。

 ハンマースホイをうまく言葉で伝えるのは難しいのですが、彼の絵を見ていると自分がその場面に入り込んでいくという不思議さがあります。まるで3Dの世界のように、自分がそこに立っているような錯覚に陥ります。普通は描く人が何かを伝えようと、絵に何かしらの表情がつくものですが、ハンマースホイの絵にはそれが全くないのです。不思議な無の世界で、ずっと見ていると、なんだかそこに登場している彼の妻イーダのカップを置く音が聞こえたような、窓の外のガラス越しの人の話し声が聞こえたような、家事をするイーダの衣擦れの音が聞こえたような、そんな感覚を持ってしまいます。

 その絵の誰もいない室内、窓から差す光、キャンドルの光、シンプルな家具などが、とてもデンマーク的だとも思いました。最近作られた家にはないけれど、古くからの家、古い義母のアパートにはある静けさ、しんとした、落ち着いた静けさが、ハンマースホイの絵から伝わってきます。私が特に気に入った絵のうちの1枚、「2本の蝋燭」などはまさにその空気、雰囲気が伝わり、冬のデンマークそのものの感じがしました。

 そういったものが妙に心を落ち着かせてくれます。孤独感といえば孤独感なのですが、一人ヒュッゲの感覚で、やたらと癒されるのです。

 今まで家に掛けるなら抽象画がいいと思ってきたのですが、初めて、このハンマースホイの絵なら家に欲しい、と思いました。色が抑えてあるせいか、妙な描きこみがなにせいか、一緒に生活のできて飽きのこない絵です。もちろん、買えるわけもないですが・・・(笑)。

 このように、ハンマースホイの絵が一度に集められて見られたことは、幸運だったと思います。今まで私は知りませんでしたが、の絵はものすごく評価が高いらしく、近年、世界中で展覧会が開かれています。こんなデンマークのすばらしい画家がいる、と思い、なんだか嬉しい気持ちになりました。

国立西洋美術館 ハンマースホイ展

 

私のクリスマス開始です

2008-12-15 06:57:03 | デンマークの行事
 
 昨日は今年最後のテストがありました。先週は水曜日にもテストがあり、金曜日にもまた学校があり、そして昨日のテストで今年度のお勉強は終了!というわけでしたが、なんと、あろうことか体調を崩してテストを受けられませんでした・・・。

 土曜日、もともと体調がいまひとつだったところに、幼稚園の行事のお餅つきで寒い中動き回り(楽しかったのですが)、午後は病院に行き、検査のためジョギングをさせられ、そして夕方からは子ども達のプレゼントのお買い物と体力的にハードなスケジュールでした。そして翌朝起きてみるとものすごーい頭痛。ベッドから出られず、テストはあえなく断念となったのでした。

 このテストですっきり!と思っていたので、かなりの不完全燃焼な気持ちになってしまいました。強制終了という気分ですが、まあ、しかたありません。私なりにこの一年、がんばったことでもあるし、気持ちを切り替えて、クリスマス気分にどっぷり浸ろうと思います。(って本当は論文関係にはまったくといっていいほど手をつけておらず、いい加減、一回目の報告をするために、できるだけこの冬休み期間に進めておかなくてはいけないのでした。でも、ま、とりあえず、クリスマスも楽しまなくてはね!)

 写真は今年のアドベンツクランツとカレンダーキャンドルです。毎年、秋に子ども達が拾い集めてきたものを使って、適当に作っています。最近のマイブームはろうそく立てを使わず、ろうそくを花のようにガラスの空き瓶に入れること。素朴でかわいくて、なんだかとても気に入ってよくやっています。

 お部屋の飾りつけも材料は買ってきてあるので、今週の時間のあるときにちょこちょこ作り足していきたいと思います。クライナはたくさんドウを作ってあるので、ときどき揚げて毎日食べちゃおうと思います。デンマーク人の夫も日本人の私の周りの人たちも、このクリスマスの素朴なお菓子は大好きで、毎年これを作るのが我が家の恒例となっています。

 今週からはなぜか毎日誰かしらとのランチが入っていたり、週末はいとこたちの集まり、友人の集まりなどがあり、本当に楽しみです。一年の締めくくり、しっかり遊びましょう!
 

今年もまた、クリスマスシーズン到来!

2008-12-10 07:15:17 | デンマークの行事


 去年に続き、12月にテストが2科目あり、今週末にそれが終わるまでは、いまひとつクリスマス気分全開というわけにはならないのですが・・・。でも今年もまた、いよいよクリスマスシーズンが始まりました。

 通常は毎日灯すカレンダーキャンドル(一日ずつ目盛りがある)が始まる、12月1日が本格的な「クリスマスの始まりの日」です。が、今年はクリスマス前の日曜日ごとに灯すキャンドル、アドベンツクランツが11月30日の日曜日から始まりました。そこで前日の土曜日、ツリーの飾りつけ、カレンダープレゼント(毎日もらうプレゼント。デンマークの義母と義兄が48個も送ってくれます)、カレンダーキャンドルとアドベンツクランツづくりなど、急いで準備を済ませました。

 そしていよいよ12月1日から、子ども達、おまちかねのカレンダープレゼントが始まり、毎日ひとつずつ開けています。よくもまあ、こんなに見つけられるなあと感心するほど、子ども達が喜ぶいろいろな物が入っています。半年くらいかけて、よいものを見つけては買い込んでいるらしいです。親である私達はとてもこんなプレゼントを準備する時間的・経済的余裕がないので、毎年こうして送ってくれるのは、本当に大感謝・・・。

          
          お湯に入れると恐竜がでてくる卵。私も面白かった。

 いろいろと準備が大変だったり、何よりテストと重なるのがきつかったりしますが、それでもこのクリスマスシーズンは私は年々好きになっています。家族や友人をいつもよりも大切に思いますし、温かい時間がたくさんあります。先週末には簡単な手づくりカードを作ったのですが(作っただけでまだ書く時間がなく、送れてないんだけど・・・)、家族でテーブルに集まって、私が切り絵を作り、夫がそれをカードにはりつけ、ショウミーとジジも折り紙を切ったりしながらお喋りをしました。こういう時間は本当に心が温かくなります。普段、忙しくてばたばたしてしまいがちなので、こういう時間をあえて取るこの時期は、本当に貴重です。

 プレゼントを用意したり、家族で買い物に行くのも、普段ほとんど買い物に出かけない私たち家族には、クリスマスの楽しい時間です。ただし、これは途中で子ども達の文句を聞きつつ、なだめつつ、という展開にもなりがちですが・・・。クリスマス会の食事のメニューを考えたり、お菓子を作ったり、ツリーの飾りを追加したりして、少しずつ準備をしながら24日を待ちます。このいろいろ準備しつつ待つことが、楽しい気持ちを盛り上げてくれる気がします。

 昨日、第2弾で、24日の分の子ども達のプレゼントが、デンマークから届きました。こうしてプレゼントが増えれば増えるほど、やっぱり嬉しいものですよね。7回目か8回目のデンマーク流のクリスマス、私はすっかり馴染んでしまいました。

          

りんご狩り&秋の大収穫

2008-12-04 06:52:25 | 日記


 都内にりんご農園があるとたまたま見つけた私。もう、絶対行かねば!とスケジュール帳のマストリストに「りんご狩り」と書き入れ、サッカーその他のスケジュールを縫って、どこで行けるかしら?とずっと企んでいました。なんとか狩りが大好きな私、自分で育てたわけではないので、ただ狩る・収穫するだけなのですが、なぜこんなにも心楽しい気分になるのか、自分でもわからず・・・。

 とにかく、ある日曜日の朝、やっと時間を見つけ、いざ出発。1時間も車に乗らないうちにりんご農園に到着しました。

 行ってみると、なんとりんごだけでなく、いろいろな野菜も収穫でき、ダンボールのボードにそれぞれの値段が書いてあります。もちろん、ほぼすべて「収穫する~!」と子ども達と私は意気込んだのですが、とにかくまずはりんごを狩ることにしました。

 りんごは淡い赤い色のフジで、見事にたわわになっており、夏にデンマークでたくさん見たりんごの木に思いをはせつつ、はしごに登ります。はさみは使わず、くるりとりんごを回し上げると簡単に取れます。子ども達も一人2個ずつ取るということで、念入りに自分のりんごを探しては、はしごに登って取っていました。気のせいか、取れたてのリンゴはやさしい、本当にいい香りがしました。

          

          

 そして次は野菜の収穫です。農園のおじさんの指導の下、ブロッコリ、大根、にんじん、ピーマン、長ネギを収穫。長ネギは私も初めてだったので、自分で抜いてみたのですが、すーっと土から抜ける感覚が気持ちよかったです。

          

          

          

 かご一杯に野菜が取れて、なんだかすごく嬉しい気分になりました。取れたてのネギは包丁を入れるとぱりっと割れて、気持ちがいい。チーズをはさんでシンプルに焼いて、オリーブオイルと塩コショウで食べるだけで本当においしい。ピーマンもいい匂いだし、大根も切るとじわっとお水が出てきて、とても甘い!

 子ども達ももともと野菜を好きですが、自分で収穫した、旬の野菜をおいしそうに食べていました。理想をいえば、夕食の支度のときに「ちょっと裏の畑に行って、にんじん、取って来て」「はーい」なんていう生活ですが、それはやっぱりなかなかかなわず・・・。とりあえず、今回見つけた農園に毎年行って、我が家の恒例の収穫祭ということにしようと思います。そうそう、いつか行ってみたいのが、ワイン用のぶどう狩りのお祭り。これはせっかくなので、飲んじゃいたく、いつか泊りがけで行きたいなと思っています。


秋の行事

2008-12-04 06:00:32 | 日記
          

 10月はジジの運動会デビューがありました。

          

 リンゴを食べるときには、ウサギのお面で、ウサギの気分・・・。

          
 
 ショウミーのほうは学芸会デビューです。「11ぴきのねこ」のねこ⑥の役です。本人手づくりのお面と、私の作ってあげたしっぽで演じます。このしっぽはあまりに嬉しかったそうで、友達と見せ合い、触り合い、その後、かなりふざけあったらしく、学芸会前に一度破れ、私はぶりぶり怒りながら、急遽、縫い直さなければなりませんでした。

 ショウミーは実はもう一役、先生からもらっていました。一人二役!先生が「優秀な生徒に、やってもらいます」と言って、ショウミーとあと2人の子どもを指名したそうです。

 それがこの役。大きな魚の役です。
 
          

当方デンマーク人男性、歯のモデルいたします!?

2008-12-03 16:48:58 | デンマーク人
 治療のため、今朝は予約をしていた歯医者さんに行きました。一家でお世話になっている歯医者さんなのですが、おはようございますと挨拶すると、心なしか担当の歯医者さんがぴかぴかの笑顔で迎えてくれました。

 すぐに診察室に来たその歯医者さん、開口一番、「今日はご主人の歯のレントゲンを見せてあげますよ~」と言います。傍らの衛生士さんがこれまた笑顔で、「最近は先生はいつも他の患者さんにも、これが治療の写真ですっていつもご主人のを見せているんですよ」と笑顔。そしていそいそと小さなレントゲン写真を持ってきて、早速、見せてくれました。

 確かに素人目に見ても、根っこの治療がきれいに行われた歯のレントゲンで、しかも夫の名前が書かれています。歯医者さんは一冊の分厚い本(図鑑のような)を持ってきて、私にあれこれ説明をしてくれました。この先生は説明がとっても好きで、しかもいつも専門用語で、まるで私が歯の研究者でもあるような感じで、丁寧に説明してくれたり、歯と全身の健康について話してくれます。(ちなみに、デンマークにキリスト教を導入したハラール青歯王は、確かに虫歯で歯が青みがかった可能性もあるだとうとのことです。)

 その本を書いている一人、なんとかというスウェーデンの歯の研究者がこの前、私たちのそのかかりつけの歯医者さんのところに来て、夫の治療後のレントゲンを見たところ、絶賛していたそうです。それだけきれいに治療ができているのですが、なぜそんなに私たちの歯医者さんが嬉しそうかというと、ちょっと興味深い説明をしてくれました。

 それは、欧米人(詳しくは人種によって、違うのかも)と日本人の歯の違いについてです。欧米人は歯が細長く、そして根の部分も細く長いそうです。対して、日本人の歯は、比較的四角っぽい形をしており、根も短いそう。まるで体型と同じだそうです。そのため、欧米で抜歯をする器具はありとあらゆるものがあるそうですが、日本の場合、抜歯の道具はひとつでほぼ足りてしまうそう(多分、ペンチ?)。

 これまでその歯医者さんは多くの患者さんの根の治療をしてきたわけですが、どうもそういった本とは何かが違うと思っていたそうです。そこに飛び込んできたデンマーク人の夫の歯を治療してレントゲンを見てみると、まさにテキスト通りの美しい治療!というわけで、歯医者さんは達成感を初めて感じたわけでした。そして、夫の歯のレントゲンが、モデルとして扱われるに至ったのでした。

 色や体型だけでなく、歯まで人種によって違うとは面白いと思います。歯の根っこが何本に分かれているかも、人種によって違うそうです。そういう人種の違いを研究したら、その人種のルーツなどもわかって面白いでしょうね。

 しっかりレクチャーを受けたあと、いよいよ私の治療が始まったのですが、始まる前、自分の歯のレントゲンを見て、まるで私の体型を見ているようで、かなりがっかりしてしまいました。確かに夫の歯のレントゲンはモデルができるかも・・・。