春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

今日のいろいろ
ことばのYa!ちまた
ことばの知恵の輪
春庭ブックスタンド
春庭@アート散歩

春を待ちつつ食べ歩き2011年2月

2010-09-25 12:12:00 | 日記
ぽかぽか春庭「ミス・サイゴンとクメール天女アプサラ」
2011/02/13
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(3)ミス・サイゴンとクメール天女アプサラ

 日本語講師は、世界中の留学生と出会うので、世界のいろいろな食べ物にも興味津々です。毎年、前期の終わりと後期の終わりに非常勤講師仲間と打ち上げエスニック巡り食事会をしています。今回、春庭が「連絡係」になりました。店の下見や予約をして出席予定者に連絡をしなければなりません。
 下見報告をします。

 講師仲間の後期打ち上げ会のエスニック料理食べ歩き候補にあがったのが、ブラジル料理、ロシア料理。でも、「シュラスコを中心にしたブラジル料理店とボルシチやピロシキが定番のロシア料理店は「行ったことがある。どうせ行くなら、まだ食べたことのない国の料理がいい」という希望が出されました。
 今まで受け持った留学生の国を思い出しながら検索してみました。

 日本語講師たちのなかで、中南米で長く教えてきた先生は南米料理に詳しくなっているし、タイ料理なら任せてという先生もいる。皆お得意の地域があります。春庭は「ケニアで暮らした経験がある」ということになっています。でも30年も前のことだし、ケニア料理店ってのは、東京にもありません。世界中のエスニック料理が食べられる東京ですが、中央線沿線または渋谷新宿池袋の駅から徒歩3分以内のロケーションで飲み物つきひとり3000円程度の予算。ゆったり座れて静かにおしゃべりを楽しみながら食事ができるところ、というのが条件です。

 アフリカ料理の店はヨーロッパ各国料理やアジアンエスニックに比べるとそれほど多くない。今回はアジアンエスニックとアフリカ料理を下見しました。
 中華料理は別格として、アジアンエスニックの中で、一番多いのはタイ料理店。その次はたぶんベトナム料理でしょう。次がカンボジア料理。ラオス料理となると数少なくなる。
 
 2月10日、渋谷でミシェル君お勧めのチョコを買ってから井の頭線で吉祥寺へ行きました。A先生お勧めのベトナム料理店「ミスサイゴン」は、吉祥寺マルイの横。店内は「内装にはお金をかけずに、低予算で仕上げました」という雰囲気ですが、感じはいい。
 揚げ春巻き、生春巻き、キャベツとナッツのサラダ、海老レモンフォー、レタス炒飯、ベトナムコーヒーゼリー、蓮茶のセットで1500円。
 駅から近いというのが、いいところ。
http://r.gnavi.co.jp/g930501/

 2月12日は、友人のK子さんといっしょに、飯田橋のカンボジア料理店アプサラへ。クメール料理(カンボジア料理)は、タイ料理ほどスパイスが強くなく、家庭料理という趣。飯田橋から神楽坂を上っていく途中、宮城道雄記念館の方向へむかった袋町に隠れ家のようにありました。アプサラというのは、海の泡から生まれた美しい天女の名。クメールのヴィーナスのことです。

 シェフはプノンペン出身、サービスはタイの東北地方イサーンの出身と言うことでした。K子さんはカンボジアの米粉麺クイティウ・ランチ、私はナスと挽肉炒めランチを頼みました。どちらも780円。タイ料理ほど辛くなく、辛さに弱い私には食べやすい。半分ずつシェアしました。デザートは甘く煮た南瓜が入っているパンプキンプリン。
 店内はそれほど広くないですが、15人くらいなら入れる、という席数。
http://www.green-travel.co.jp/apsara/

 ベトナム料理、クメール料理、どちらにするか、迷うところです。
 次回はカメルーン料理報告。

<つづく>
00:26 コメント(4) ページのトップへ
2011年02月15日


ぽかぽか春庭「ラオス料理」
2011/02/15
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(4)ラオス料理

 打ち上げ会の下見行脚を続けております。アフリカカメルーンレストラン報告の前に、アジアンエスニックをもうひとつご紹介。ラオタイ食堂「ランサーン」 
 2月14日、吉祥寺にあるランサーンに行って来ました。JR吉祥寺駅の北口を出て、西荻窪方面へ線路沿いに3分ほど歩いて行った先のローソンとセブンイレブンの間のビルの2階にあります。地図はこちら
http://e-food.jp/cgi-bin/restfind/view1.cgi?no=706&mo=1

 メニューは、タイ系の辛い料理と、ラオスの伝統的な料理の両方。
 ラオス料理の主食は、草を編んだ円筒のお弁当箱のような容器に入った餅米。カオ・ニャオです。私は黒米入りのカオ・ニャオを注文しました。片手でおにぎりを作る要領で手の中で団子のようにして、おかずといっしょに食べます。

 おかずは、中国語の香菜(シャンツァイ)、(英語ではコリアンダー)などのハーブををつかった魚や肉の炒め物や揚げ物。「ラープ」は、ひき肉の香草炒め。「ラープ・バー」は、魚の炒め物。
 ベトナムのニョクマム、タイのナンプラーにあたる魚醤を、ラオスでは「パー・デーク」と呼びます。ラオス特製ソースとして、料理の味付けにも使い、食べるときに料理の上からかけて食べます。

 私はふくろたけとエビの炒め物を食べました。中華料理とどう違うのかと言われたら私にはうまく説明はできないのですが、魚醤がそれぞれの東南アジアの料理の特徴になっているといえるでしょう。
 タイ料理やベトナム料理も好きですが、ラオスの辛くない料理が混ざっていた方が私には食べやすい。

 ご主人に、伝統料理の日本的なアレンジについて聞いてみました。ご主人は「ラオス料理を現地で食べた旅行帰りの人が、ラオスで食べたのとは違う、と言ってくることがありますが、現地と同じになんて、できはしない。ラオスでは麺を作るにも麺の半分以上はたっぷり野菜や香草を使う。日本で香草を買おうとすれば、一束で200円300円もするから、ラオスと同じ量の野菜を入れようとすれば、一皿で何千円も取らなければ売れない。でも、一皿何千円もする料理は注文してもらえないから、現地と同じ料理なんて出せないながら味に工夫をしている」ということでした。

 「人件費もラオスと日本ではえらく違うし、吉祥寺は店の借り賃が都内でも高い方。都心の家賃は下がってきているのに、吉祥寺は下がらない」と、ぼやいていました。
 6時すぎに厨房に入った若い女性は、タイ人だということでした。人件費もたいへんなのでしょうが、なんとか、経営頑張って下さいと、言いたくなってきました。ご主人の「店を維持していくための苦労話」を聞いているうち、なんだか身につまされて、ベトナム料理もカンボジア料理もあとでまた食べに行くことにして、土曜日の打ち上げ会は、ラオス料理にしてもいいかと決めました。

 なにせ外は雪。2月14日、バレンタインデーの吉祥寺。横殴りに降ってくる霙に濡れそぼちながら、コチコチに冷えて固まった頭で計算。料理はなんとか予算内で収まりそうだけれど、飲み物はそれぞれ別料金ってことになりそう。ラオスの伝統的なお酒には、ラオラオと呼ばれる米焼酎や、ビアラオというビールなどがあります。

 ベトナム料理とクメール(カンボジア)料理のどちらがいいか、参加予定者にお尋ねしたところ、ベトナム料理は食べたことがあり近隣にレストランも多いので、食べたことのないクメール料理のほうがいいという意見と、食べたことのないカンボジア料理は味の想像がつかないけれど、タイ料理は味がわかるので、そちらに近い味のほうがよい、という意見の両方がありました。
 そこで、なかをとって、タイ料理と、タイ料理に近いラオス料理との両方を出すレストランをチェックしたのです。ラオス料理はまだ食べたことのない人が多いし、タイ料理に近いものも多いので味の予想がつくし。
 店のサイトはまだ工事中とかで、トップページしか出来上がっていませんでした。
http://www.lansang.co.jp
  ラオス料理の説明は明日もつづきます。

<つづく>
00:01 コメント(3) ページのトップへ
2011年02月16日


ぽかぽか春庭「ランサーン」
2011/02/16
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(5)ランサーン

 東南アジアの国ラオスは、インドシナ半島の真ん中にある南北に細長い国です。東側はベトナムと接しており、南側はカンボジアと、北側にはミャンマーと中国との国境があります。西側はメコン川を国境にしてタイと接しており、タイ東北部(イサーン)地方とは、多くの共通した文化を持っています。ラオ語はタイ語族のひとつで、タイ語東北方言(イサーン・タイ語)とほぼ通訳なしに会話が通じるというし、米食を中心とした食文化もタイ東北部と共通しています。

 都内にあるラオス料理の店、「サワッディ」渋谷店・阿佐谷店や表参道「カイ」も、タイ料理とラオス料理両方を提供しています。

 「ランサーン」というのは、現在の社会主義国「ラオス人民民主共和国」になる前のラオスの歴史に出てくる王国の名前です。1353年に、ラーオ族によるラオス統一王朝ラーンサーン王国が建国されたのですが、東南アジアでは長くカンボジアやタイの勢力争いが続きました。19世紀にはラオスはフランスのインドシナ支配に翻弄されました。1953年にフランスから完全に独立したのですが、1975年には王制を廃止し、ラオス人民民主共和国が樹立されました。社会主義体制は現在も続いており、事実上、ラオス人民革命党による一党制が敷かれています。そのため、難民となって国外へ逃れる人もいました。

 「ランサーン」という王国の名をレストラン名にしているところから考えると、現在の社会主義体制には合わなかった人が経営者なのかなあ、と考えながら、夕食タイムオープンの5時に入店しました。
 ご主人は食材の段ボールなどを処理している作業中。注文は片付けが終わってからと言うことにして、作業中のご主人にインタビュー。

 ご主人は、40年もまえ、ラオスで電気工事の仕事をしていたそうです。工事に使う電気関係の道具や材料のほとんどにMade in Japanと書かれていたので、日本の技術の高さを知り、日本にあこがれ行ってみたいと願っていました。ようやく1975年に日本行きがかないました。「お仕事で来ることが決まったのですか。それとも留学?」と尋ねてみたら、あまりその辺には触れて欲しくないようで、「最初は観光ビザ」とだけ話してくれました。もう在日年数は35年にもなり、ラオスにいた家族も全員日本に呼び寄せているそうです。日本で電気工事の仕事を続けるツテもなく、レストランでアルバイトを続け、食に関わる仕事がもっとも生きていきやすいと考えるようになりました。

 20年ほど前にタイ料理とラオス料理のレストランを開業。現在、高い家賃と人件費に頭を痛めながら、なんとか経営しているけれど、ラオス料理はタイ料理ほどメジャーではないから、「ラオ・タイ食堂」として続けている、という話でした。
 ご主人のお名前をうかがったら、姓は日本の首相の名前と似ている、草冠のないカン。名は、ベトナムの国家主席であった人と同じ名の「志明チミン」。「親がつけてくれた名だ」ということでしたが、胡志明にちなんで名付けたのかどうかは不明。

ランサーン紹介のブログの中に、官志明さんの写真も出ていました。
http://www.thai-square.com/restaurant/shoukai/shokai_075.htm

 食事を終えて外にでると、入店時に降り始めていた氷雨が雪に変わっていました。バレンタインデーの雪。恋人たちはふたりでいれば寒くないでしょうけれど、チョコあげる人もいないオバハンは、ひとり寂しく駅の階段を上りました。
 今週は、打ち上げ下見、職場の打ち上げ会、来週はジャズダンスサークルの懇親会と、食べ歩きが続きます。5月のジャズダンス発表会、ちょっとはスマートになって舞台に立ちたいと思っているのですが、例年のごとく「ビヤ樽ポルカ」を踊ることになりそうです。

<つづく>
17:40 コメント(1) ページのトップへ
2011年02月18日


ぽかぽか春庭「アフリカ料理」
2011/02/18
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(6)アフリカ料理

 北アフリカは、イスラム料理や地中海料理の影響を受けているので、エジプト、チュニジア、モロッコなどがひとつの料理圏を作っています。東京にあるアフリカ料理店はほとんどがこの北アフリカの料理です。
 西アフリカ料理は、フランス料理の影響を受けたものもあります。東アジアは、イギリス統治下で連れてこられたインド人が残留したこともあり、サモサなどインド料理がミックスしている。

 今まで私が教えたことのある留学生のうち、アフリカ出身の学生がいた国は。エジプト、リビア、チュニジア、モロッコ、セネガル、マリ、ガーナ、ナイジェリア、カメルーン、ウガンダ、ケニア。赤道以南では南アフリカ共和国のみ。赤道以南の留学生にはほとんど会っていません。南アフリカからの留学生もボーア系の白人だったのです。4月から教える留学生に、初めて黒人の南ア出身者がいるとわかって、どんな学生か、どんな出会いかと期待しています。エチオピアからの留学生も4月から担当します。
 教え子出身国の料理店を順に検索してみました。

 中央線沿線、または池袋、新宿、渋谷の駅から歩いて5分以内という条件で絞り込んで、セネガル料理、カメルーン料理などがヒットしました。
 カメルーン、2010年ワールドカップで日本と同じE組になったことなどで、その国名が日本人にも浸透しました。有力選手の名のうち。エトオというのも、江藤のようで、親しみがわきます。2月7日に、池袋のカメルーン料理店へ行って来ました。

 1995年からイギリス連邦に加入しているカメルーン共和国。独立前はヨーロッパの植民地として複雑な歴史をたどってきた国です。
 1470年にカメルーンを最初に訪れたポルトガル人が、エビの多いことからカマラウン(camarão,ポルトガル語で「小エビ」)と名付けました。しかし、ポルトガルがカメルーンを植民地にすることはなく、1870年代に、ドイツ帝国からの入植者が入り、保護領としました。第一次大戦後、敗戦国からの割譲を受け、1922年には西部がイギリスの「西カメルーン」、東部がフランスの「東カメルーン」として委任統治領となりました。ヨーロッパ帝国主義によるアフリカの毟り合いです。

 カメルーンは、政治的にはフランスの植民地だった地域とイギリスの植民地だった地域に分けられましたが、もともとは、遊牧民、農耕民の暮らす北部と、熱帯雨林の農耕民が暮らす南部とに大きく分かれていました。

 食文化は北部では、羊肉や牛肉のほか、とうもろこしなどの穀類が主食。南部の海岸地方では、キャッサバやプランテーン(調理用バナナ)、魚などをパームオイルを使って調理して食べてきました。
 カメルーンの国民食にあたるもっともポピュラーな料理は、ドーレ(ンドレ)と呼ばれるほうれん草などの野菜やスパイスをミンチしたおかずをご飯とまぜて食べるもの。ピーナッツシチューなどのシチューと一緒に食べるフーフー(ヤム芋の粉をこねたアフリカのおもちのような食べ物)、鶏やマトンなどの肉類、魚などの煮込みやグリル。

<つづく>
00:11 コメント(1) ページのトップへ
2011年02月19日


ぽかぽか春庭「オーヴィレッジ」
2011/02/19
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(7)オーヴィレッジ

 ともあれ、カメルーン料理の味を知るために、「都内では唯一のカメルーン料理店」という池袋の「オーヴィレッジ」という店にいきました。ネットで地図を検索し、池袋東急ハンズのひとつ手前の角を曲がる、と頭に入れて歩いたのですが、生来の方向音痴、見事に間違えて、ぐるぐるとあたりを経巡っても見つからない。ブログのレストラン評でも、「わかりにくい場所にあるので、コンビニを目印に行くとよい」とか、いろいろアドバイスが書いてあったのですが。エスニック料理店は浮沈が激しく、ちょっと見ないでいると閉店してしまっていた、なんてことも多い。

 しかたないので、洋品を売っているらしい店の前に数人たむろしていた黒人ニイちゃんのひとりに尋ねました。たぶん、池袋のアフリカ関係のことを知っているだろうと思ったので。
 すると「その交差点を左にまがって、ゲームセンターのそば」と教えてくれました。そのニイちゃんはガーナから来たと言ってました。ガーナはカメルーンのお隣すじだから、たぶんその情報は正しいだろうと信じて、またぐるぐるあたりをまわります。にいちゃんの情報通り、ゲームセンターの先に店がありました。雑居ビルの3階。道路に看板がでているのですが、見落とします。ほんとうにわかりにくい。
 
 店内はとても狭くて、10人以上が集まると思われる講師打ち上げ会の会場としてはどうかな、と思いましたが、カメルーンから来日して5年になるというママさんは「10人、OK。OK」と請け合っていました。「ここに10人座るよ」とママさんが言うコーナーは、どう見ても4人掛けくらいのスペース。ここに10人詰め込まれたら、隣の人と袖がぶつかりそう。しかも貸し切りにはせず、「ここ、10人。ほかのお客さん、ここ」と、他の客も入れるつもりらしいので、ちょっと考えてしまいました。

 私は、どれでも一品500円、というランチメニューから、「鮭のキッシュ」と「ワニのなべ」を選びました。キッシュは、あまり味付けがしてなくて、別添えの辛いタレをかけて食べます。「なべ」というのは、煮込み料理のことのようで、別段鍋仕立てにしてあるのではなく、お皿半分にクスクスを盛り、半分に野菜の煮込んだものが入れてある。「ワニ肉」は、ひときれ小さめのがポンと上にのせられていて、あまり味はわからなかった。ウサギ肉、ヤギ肉など、日本ではあまり食べない肉をグリルにしたり、煮込んだ料理がメインのようです。

 シェフもサービスもひとりで受け持っているママさんの話によると、食材はカメルーンとの間を行き来して、自分自身で運んでくる。自分が行けないときは、カメルーンにいるお母さんに運んでもらう。「この店の野菜、全部カメルーンのヤセイね」と解説してくれました。野生の野菜?まあ、30年前にケニアの田舎にホームステイしたとき、畑というより野っ原に出て、そこらの葉っぱを摘み取って煮て食べた家庭料理がありましたから、わからないでもない。

 池袋に店を出してから5年たち、ようやく学校の入学費用もできたので、現在渋谷の長沼スクールに日本語を習いに行っている、と話していました。私は1990年に短期間でしたが、長沼スクールで日本語を教えたことがあったので、そんなことから話がすすみました。
 5年の在日期間にだいぶ日本語の会話は上達したようですが、系統的に学習した人の日本語に比べて、耳から覚えた日本語は通じるけれど、やや表現が乱暴になります。
 通じることは通じるけれど、接客用語としてそれはドーヨという表現も「通じれば文句ないでしょ」式。フランクな日本語と言えるけれど、長沼スクールで「客に対して失礼のない日本語表現」が学べるといいのだけれど。

<つづく>
00:20 コメント(1) ページのトップへ
2011年02月20日


ぽかぽか春庭「カメルーン料理」
2011/02/20
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(8)カメルーン料理

 いまオーヴィレッジのママさんがいっしょうけんめい制作中という自作メニューを見せてもらいました。
 「パン」が「バン」と書いてあったり、促音の小さい「っ」や長音の「ー」がなかったり。初級日本語学習者が間違えることの多い仮名遣いの見本のようなメニューになっていました。メニューの字体も自由で、かえって手作りらしい味を出しています。アフリカ流の「こまかいことは気にしない」マインドとでも言いましょうか。

 さすがにメニューに誤字はまずいだろうと思って、ママさんに許可をもらって、少々誤字をなおしました。「ウサギニクシチコ」。カタカナ「コ」は「ユ」の書き間違いでしょう。「うさぎ肉シチュー」の意味だろうとわかったのですが、「ヤサイタフリニクシチュ」というメニューの意味がわからず、「たふり肉って、何の肉ですか」と質問したところ、「野菜たっぷり肉シチュー」でした。
 デジカメで撮った写真が貼ってあるので、日本語の説明が少々わかりにくくても、どんな食べ物かはわかるからいいのですが。

 「フフ、やむのこなおもち」は、ヤム芋を粉にしたものを蒸しパン状にしたもので、ケニアのウガリ(とうもろこし粉の蒸しパン)のようなものだということがわかりました。カメルーンでは、ヤムの粉やキャッサバの粉を練ってオモチ状にして主食とし、野菜煮込みやピーナツスープにつけて食べるそうです。

 ママさんは、カメルーン料理教室も実施しており、近々カメルーン料理レシピ本を出版するのだと、息巻いていました。大使館の仕事のために来日してから、カメルーン料理店を切り盛りするようになるまで、とてもたくましく生き抜いてきたという感じがするジュディさんです。
 「本を売るパーティ、みんな来るよ、あなたもくるね」と、誘われましたけれど、、、、
 「オー・ビレッジ」みんなでワイワイ日頃食べたことのないカメルーン料理をつっつけば、狭さは気にならないかも、とも思いましたが、やはり一番のネックは10人ではゆったり座れそうにない、という点です。

 今期受け持った初級ゼロスタートクラスにカメルーン出身の留学生がいます。私がカメルーンからの留学生を受け持つのは、彼が二人目です。アフリカからの留学生は他の地域に比べて人数が少ない。アフリカの学生はアメリカか旧宗主国のヨーロッパに留学したがるので、日本に留学する学生は稀少です。
 今期のカメルーン留学生、ゼロスタートであいうえおの書き方から日本語学習を始めましたが、とても熱心で努力家。よく漢字の練習もしています。文法の飲み込みも早く、ほんとうに頭のいい学生です。

 「知る」という動詞を教えていたときのこと。
 「知る」は他の動詞とちょっと文法的に異なる部分があります。質問の時には「~を知っていますか」と「テイル形」で聞かなければなりません。「あなたは、○○を知りますか」と質問したら、日本語が下手な外国人と思われてしまいます。しかし返事をするときは「はい」なら「ええ、知っています」と、「テイル形」でいいのに、「いいえ」のときは「いいえ、知っていません」と答えたらダメ。「いいえ、知りません」と答えなければならない。
 留学生はよく間違えます。文法学でいうとアスペクトの問題なのですが、留学生にはアスペクトなんていう文法用語を使わずに説明し、とにかく習うより慣れろ。

 ペア練習をさせたところ、カメルーンからの留学生ヘンリー君は「エトオを知っていますか」と、隣の席の留学生に質問していました。隣のリェンフォンさんは、サッカーに興味のない中国人女性だったので答えは「いいえ、知りません」でした。私がリェンフォンさんに「劉暁波リューシャオボーを知っていますか」と尋ねたときも、「いいえ、知りません」でした。関心のない分野の人の名はわからないものです。たぶん、劉暁波の名、中国国内ではほとんど報道されなかったのだろうと思います。リェンフォンさん、2010年10月に来日するまで知らされてこなかったこの名を「知っています」と言えるようになってほしいけれど。

<つづく>
11:03 コメント(1) ページのトップへ
2011年02月22日


ぽかぽか春庭「楽しクラス」
2011/02/22
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(9)楽しクラス

 カメルーン料理、店の広さに難点があったので、打ち上げの会場には不向きでしたが、2月18日、初級クラスのカメルーン出身ヘンリー君とA先生を誘ってもう一度ランチを食べに行きました。

 中国や韓国など、留学生仲間も多く、すぐに友人が作れる国の留学生と異なり、カメルーン出身の留学生は同国人の友達を見つけるのもなかなかたいへん。留学が成功するかどうかは、いろいろな国の人と友達になる柔軟さを持っていることと同時に、気軽に母語でおしゃべりできる友人を持てるかどうかにかかっています。
 カメルーンの海辺の出身か北部遊牧地帯の出身かで、だいぶ「ママの味」にも差があるようですが、出身地の名をつけたレストランを一軒くらい知っておくのもいいのではないかと考え、ヘンリー君がカメルーン料理店を知ることで友達が増えればいいなと思ったのです。

 ヘンリー君の在籍するクラスの最後の授業で、私はいつものお得意の「日本文化紹介授業」を実施しました。「手順の説明」というタスクで「最初に・まず、次に、それから・そして」など、順序立てて作り方などを説明する読解文を読みました。読解文では「図書館カードの作り方」というあまり面白くない内容だったので、さっと読み、次に「手順の説明が聞き取れるかどうかの応用問題」と称して、折り紙のカブトの作り方を説明しました。

 説明しながら皆でいっしょに折っていきます。どうしても角と角をぴしっと合わせられない学生や、なぜか上下を逆さまにしてしまう学生もいて、教師が折り直しをして、A3裏紙利用の練習用カブトを折りあげました。次に、大型広告チラシ(マンションの販売広告)を正方形に切ったものを利用して、大きなカブトを作りました。出来上がったのをかぶって大喜び。ケータイで写真を取り合って、「サムライハットだ!」とはしゃいでいました。

 授業が終わったあと、事務官にシャッターを頼んで全員で記念撮影。学生がケータイで撮った写真も「私のメールに送ってね」とメールアドレスを伝えたところ、オリバ君が日本語のメール文とともに皆の笑顔の写真を送ってくれました。

「私たちはすべての先生からすごいいじゅぎょうをもらいました。どうもありがとうございました。楽しですね!」

 「すごいい授業」とは「すごく良い授業」の意味でしょう。「楽しですね!」の気持ちは、写真の笑顔からも伝わってきましたよ。

 100クラスは、16日水曜日の試験終了後、クラス全員で集まり「おわかれクラスランチ」の会を行いました。「しゃぶしゃぶ食べ放題パーティ」へ、私にも参加を募るメールが届いたのですが、残念ながら他大学での試験実施があり、参加できませんでした。
 参加なさった先生から「楽しい会でした」とうかがい、学生からのメールでランチパーティの写真も届きました。

 試験の結果、よい成績で進級する学生もおり、わずかに点数が足りずにもう一度初級後半からやり直しという学生も居ます。クラス皆が、それぞれの春に向かって新しい第一歩を踏み出せるよう、応援していきたいと思いました。

<つづく>
08:28 コメント(1) ページのトップへ
2011年02月23日


ぽかぽか春庭「お別れランチ」
2011/02/23
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(10)お別れランチ

 そんな「楽しクラス」での授業を終え、ヘンリー君は別の大学の大学院へ行きます。これでクラスメートともお別れになってしまうので、カメルーン料理店で新しい出会いがあるといいなと思いつつ、料理を頼みました。
 ビーナツシシュー、オクラシチュー、キャッサバのフフ、ヤムのフフなどがテーブルに並べられました。

 ヘンリー君がこれから日本で作物学を研究すれば、故郷のキャッサバやヤムの収穫量が向上する研究成果が出るかも知れません。大学院の指導教官は「トウモロコシの収量成立過程の解明」や「水稲冷害早期警戒システムの構築」を研究してきた「生涯、アグロノミストを目指したい」と書いていらっしゃる方です。アグロノミストというのは、土壌分析や植物の樹液分析によって肥料設計などの、「よりよい作物収穫」を目指す科学者のこと。宮沢賢治が目指していた研究者です。きっとヘンリー君の研究にとって、よい指導者となってくれることと期待しています。

 18日のオーヴィレッジで、ヘンリー君はママさんと英語で話していたところを見ると、カメルーンに村ごとに250もの言語があるという中で、同じ言語で話が通じる相手ではなかったみたい。
 でも出会いの収穫もありました。店内で食事をしていた大学院生、これからカメルーンの大学へ行き、現地調査をしてくるというのです。その人はカメルーンでカカオの流通を中心に農業経済の研究をしているそうです。ヘンリー君もカメルーンでは収穫経済学cropeconomicsを研究してきて、日本では作物学の研究室に所属して研究を続けるので、話が合いそうでした。

 名刺をもらったので、これからヘンリー君と知り合いになれればいいなあと思います。カメルーンをフィールドに選んでいる研究者と知り合いになれば、そこから人の輪が広がるかも知れません。日本での最大の収穫は、無論研究がまとまって博士号を取得することですが、その過程でいろいろな人と出会うことも日本留学の成果になると思います。

 ヘンリー君からお礼メールが届きました。
  こんばんはせんせい、
  私はとても元気で、うれしいです。先週木曜日に、昼ごはんはおいしかったです。私 はいろいろな料理を食べ過ぎましたですから、晩御飯を食べられませんでした。先生も う一度、ありがとうございます。

 私も、ヘンリー君とカメルーン料理を食べたこと、とてもうれしく楽しいひとときでした。私からもありがとう。

<つづく>
00:21 コメント(1) ページのトップへ
2011年02月25日


ぽかぽか春庭「銀座で中華、銀座で煎餅」
2011/02/25
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(11)銀座で中華、銀座で煎餅

 学期末の打ち上げ食事会、月曜日と木曜日に出講している大学では、私が幹事となって吉祥寺のラオス料理店で行いました。タイ料理+ラオス料理というコースでした。料理が次々と来て、最後のタイ風炒飯やラオス風焼きビーフンになるまでにお腹いっぱいになってしまった人もいました。味はタイ料理は辛すぎ、ラオス料理は塩味強すぎと、ちょっと不評な面もありましたが、幹事の順番が次に回ってくるまでには定年になりそうですから、これでお役目は果たしたということにしてもらいましょう。

 金曜日に出講している大学では、以前は火曜日に出講していたので、「火曜の会」という非常勤講師仲間の食事会に参加させてもらっています。
 こちらもさまざまな外国料理を見つけてきて食べ歩きをしています。以前は韓国通の先生がいて、新大久保の韓国料理屋に東京で働く韓国人のための本格的な韓国料理の店によく行ったのですが、新大久保には最近行かなくなりました。韓国ドラマブーム以後、新大久保巡りをする中高年女性がどっと押し寄せたあと、軒並み味を落とした店が増えたということなので。

 2月24日、今回は、「銀座で中華」、という打ち上げ会です。
 ランチの約束ですが、銀座に行ったら、ぜひ行って見たいところがありました。お煎餅屋さんがやっている無料カフェ。しかし、出かける前に検索してみると、最新情報では、「現在は無料ではなく、コーヒーとお煎餅試食で200円」と出ていました。でも、銀座で200円コーヒーなら、銀ブラついでにちょっと一休みするにも、知っておいて損はない場所と思って行ってみました。歌舞伎座のある地下鉄東銀座駅のすぐそば。交番の隣の黒いビルの中にありました。

 カフェコーナーは2階の奥。お煎餅200円、割れ煎餅100円と出ているので、「割れセン」のほうを注文したら「本日は割れセンはありません」とのこと。ま、いいか。コーヒーは紙コップをひとつもらってドリンクコーナーセルフサービス。お皿にいろいろな種類の小さなお煎餅が盛り合わせてあるのをもらって、席につきました。平日の12時前なので、まだ空いています。12時のランチを済ませた人がちょっと一休みするにはとてもいい場所です。

 ランチの約束時間は12時ちょうどだったので、15分くらいしか座っていられませんでした。おみやげにするお煎餅を買って出ました。方向音痴なので東銀座からタクシーに乗ろうと思ったのだけれど、お煎餅屋の隣が交番なのでおまわりさんに聞いてみたら、「歩いても5分くらいだよ」というので、説明してもらって歩きました。銀座和光の向かい側、三愛の次の通りをまっすぐ行ったところ。すずらん通りに店がありました。
 
 ランチは、銀座松坂屋の近くにある「麒麟」という中華料理店。私ひとり遅れて到着。
 ランチの茉莉花コース。
 ・前菜五種類盛り合わせ。クラゲの和え物、金華ハムなどが少量ずつきれいに盛り合わせてありました。
 ・フカヒレと黒トリュフの香りスープ(松露魚翅湯)とてもおいしかった。
 ・大正エビとウドの山椒風味の辛子炒め。(麻辣明蝦片)おいしいけれど私には辛かった。
 ・骨抜き鶏手羽先と春筍の醤油煮込み(葱焼貴妃鶏)鶏肉がとても柔らかく煮込んであり、筍もおいしかった。
 ・醤油漬け干し肉と中国青菜のお粥(醤肉青菜粥)みなそれぞれ海老炒飯、麻婆豆腐かけご飯などを選びましたが、一口ずつ味見をさせて貰いました。どれもおいしかった。
 ・デザート(胡麻アイス、カスタードパイ、杏仁豆腐の盛り合わせ)

 5人集まった火曜の会のメンバーですが、韓国通の先生が、現在ご両親の介護のために故郷に戻っていることが話題に出ました。韓国で6年ほど教えたあと日本に戻り、私の出講している大学の非常勤講師公募に応募して、60人の応募があったなか、たった一人採用されたという博士号を持つ優秀な女性です。しかし、両親が相次いで病身となり、今は介護に専念なさっているとのことでした。皆「いい先生なのに、もったいないわねぇ」と、残念がっていました。
 弟さんもいるということですが、どうしても家族介護は独身女性に負担がかかること、残念に思います。女性が働き続けるには、家族が元気で暮らす必要があること、改めて身に染みました。銀座でランチを楽しむにも、家族の元気な姿があってこそ。

 オーストラリアで留学生活をおくった先生は、ニュージーランドの留学生が遭遇した災難を憂えていました。希望を持って留学し、英語コースや看護師資格取得コースで勉強していた若者が多数悲運にあったこと、残念です。阪神淡路震災のときも多数の留学生が被災したことを思い出しました。

 久しぶりの銀座でしたが、雨が降り出したので、銀ブラもせず解散。

<つづく>


2011/02/26
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(12)お寿司deダンス

 ジャズダンスサークルの懇親会。新年最初は、「今年の活動内容の話し合い」です。9月の発表会へ向けて、踊りたい曲や発表順序などを話し合います。夏の「納涼食事会」では、発表会での仕事分担などを話し合います。照明係とか発表会司会者などを決めます。9月の発表会のあとは「発表打ち上げ会」、12月には総会を開いて役員や会の規約確認などを行い、忘年会となります。

 2月25日金曜日、お寿司屋さんに集まって、食事を楽しみながら今年の活動方針話し合いました。生ビールで乾杯、もずくの酢の物、バイ貝、刺身、ナスの味噌だれ、寿司、味噌汁。練習が終わった9時からの食事なので、みんな空腹。ペロリと食べ終わりました。
 9月の発表曲候補は、コパカバーナ、ペーパームーン、アンスクエアダンスなど。
 私とミサイルママの希望曲は、ロドリゴベイ(ワーキングウイーク歌唱)です。
http://www.youtube.com/watch?v=ipsNF-ki6Bg

 映画「ペーパームーン」は、ピーター・ボグダノヴィッチが制作・監督し、テイタムとライアン・オニール親子で共演。テイタムが10歳でアカデミー賞最年少助演女優賞を得た作品。主題歌の「It’s Only A Paper Moon」は、1935年に発表された曲で、ナット・キング・コール歌唱が一番有名ですが、私たちのサークルは美空ひばりの歌で踊ります。訳詞はやはりさまざまなバージョンが出ていますが、以下は春庭の訳です。美空ひばりの歌を聞きながらの翻訳ですから、女性の視点での訳になっています。
 美空ひばりミュージックフェア出演時の歌
http://www.youtube.com/watch?v=R35mt-kDDtU


 果たして9月の発表会までにサンバのリズムを身につけて踊れるかどうか。でも、歌詞の意味を知ったので、表現しやすいところもあります。
 歌の中の主人公ローラは、心もうつろにディスコのバーコーナーに居座っている老女です。30年も前は踊り子だったけれど、今は見る影もないうらぶれた姿。酒に溺れ死んだ恋人を忍ぶばかり。色あせたドレス、皺だらけの顔で、時折ステップを踏んでみるけれど、だれもそんな踊りを見向きもしない。そんなローラを演じてみたい。そう、皺だらけの顔とよろけるステップならお手の物よ。

<つづく>
09:58 コメント(0) ページのトップへ
2011年02月27日


ぽかぽか春庭「横浜中華街のフカヒレコース」
2011/02/27
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>春を待ちつつ食べ歩き(13)横浜中華街のフカヒレコース

 姑の誕生日、2月7日です。86歳を祝うために、1週間遅れで横浜中華街へ行きました。姑は和食より中華が好きなので、今回はフカヒレコースを奮発することにしたのです。ついでに息子の大学卒業大学院進学を祝って、わが家としては大盤振る舞いの中華です。ワーキングプア家庭のわが家が、次にこんなコース料理を注文するのはいつになるかわからない。フカヒレ姿煮もよくよく味わって食べなければなりません。

 中華街のフカヒレ専門店も何店もあるのですが、娘と息子がコンピュータゲームの三国志ファンというただそれだけで、「三国志」という名前の店を選びました。
 ふたりは「三国志」のゲームをしたおかげで、中国古代史に詳しくなり、映画『レッドクリフ』も、「中村獅童の役は三国志演義やゲームには出てこなかったけれど、創作人物なのかなあ」などと評定しながら楽しめました。日本語北京語広東語台湾語英語が堪堪能な金城武とちがって、獅童はほとんど中国語の台詞を話していませんでしたが、なかなかのもうけ役で目立っていました。

 フカヒレコースの料理のメニュー。
・気仙沼産!フカヒレ姿の冷製(ワサビ醤油)
・フカヒレのカルパッチョ入り彩りオードブル
・タラバ蟹入りフカヒレスープ
・気仙沼産!フカヒレ姿煮(一人一枚)
・北京ダック チャンピオン特製フカヒレソース付き
・アワビの濃厚クリーム煮込み(北海道乳使用)
・伊勢海老のチリソース
・フカヒレと季節の彩り野菜炒め
・フカヒレ姿入り蒸し餃子
・フカヒレ小龍包
・フカヒレ入り海鮮あんかけチャーハン
・燕の巣入りフカヒレ杏仁豆腐

 みなとみらい線の横浜中華街駅から歩いて、善隣門わきの「三国志」本店。入店時には店内はまだお昼前なので静かでした。半個室という席が予約できたので、落ち着いて食べることができると思っていたのですが。しかし、「半個室」という席は、厨房出入り口の前でトイレの隣だったので、トイレに出入りする客や、厨房と客席を往復するウエイターの出入りが頻繁。席の脇を足繁く行き来し、ちょっと落ち着かない場所でした。しかも狭かった。4人で腰掛けると、バッグやコートを置く場所もなく、クロークもないというので、席のわきにコートを置き、窮屈でした。

 料理は、店のブログに出されていた「フカヒレコース」の写真から見ると、貧弱。とくにフカヒレは、写真にでていたのとはえらく違う小さな姿でした。食事を終え、店を出てから「フカヒレ小さかった」と文句を言うと、娘に、「フカヒレ姿煮を単品で注文すると、一皿で4200円って、出てたのに、コース全部で5000円という値段で、一品料理と同じ大きさの姿煮が出てくるわけないでしょ」と、たしなめられました。でも、私は、一品料理のフカヒレ姿煮と比べて小さいと言ったのではなく、フカヒレコースとして店のサイトに出ている写真と比べて「看板に偽りあり」だと言ったのです。まあ、羊頭を掲げて狗肉を出すよりはマシですが。

http://sangokusi.jp/menu/course/index.html
 この写真の「フカヒレ姿煮」とはえらく違いました。最初はコースで9品もでてくるんじゃ、食べきれないかも知れないと思ったのですが、どれも写真から見ると貧弱だったので、全部ぺろりと食べ切れました。「伊勢エビのチリソース」は、殻付きぶった切りのエビで、えらく食べにくかった。エビは殻を剥いて皿にのせて欲しい。

 コースメニューの写真だと北京ダックは一羽分まるごと映っているのですが、実際はダックの皮は小さなのがひとり一枚ずつでした。「一羽まるごと出てくるわけないでしょう」というのは理解できますが、だったら、写真も5センチ四方の皮が人数分の枚数、という実際の写真を出してほしい。他店のメニュー写真を見たら「これはイメージです」という正直なことを書いてある店もありました。まったく、「イメージ」と実際の皿がえらく違う。

 「昔、みんなで北京に行ったとき、全聚徳で食べたの覚えてる?11人のテーブルに丸ごと一羽ドンと来た。あのコース、11人で食べて全額が500元だった」と昔話をすれば、「イマドキ北京だって500元じゃ一人前しかこない」と、またまたたしなめられた。確かに、1994年、2007年、2009年の3度の中国生活を思い返してみれば、近年の急激な物価上昇。暴動でも起きて当然の食品値上げが続いています。中国が豊かになったのはほんとうだけれど、一部の金持ちだけが豊かになり、大多数は物価上昇の貧苦だけを味わっています。

 もし、近所の中華屋が、このようにサイトの紹介写真と実際に出てきた料理にえらく差があるようだったら、もう二度と行かない。でも、中華街だから次から次へと「新しい客」が来る。リピーターになるような客を相手にしなくても、一回限りの観光客相手でも経営が成り立つもののようです。
 
 世界には、食べるに事欠く生活を続けなければならない地域も多いのに、政権打倒の闘いが続く地域、地震や噴火にふるえる地域もあるのに、「フカヒレが小さい」なんて文句を言いながらも、こうして親子で食事できる平和な社会にいることを感謝しなければいけませんね。
 姑は、孫息子孫娘といっしょに食事するだけで嬉しいようですから、誕生日祝いの気持ちは伝わった、ということにしました。

<おわり>


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 春庭の春散歩-横浜の午後201... | トップ | ベスナースベータ光の春2011... »

コメントを投稿