HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第1071話≪国民総幸福量」(GNH⇒Gross National Happiness)とは≫

2011年12月02日 | 時事用語
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、新婚1か月という国賓ブータン国王夫妻が日本に爽やかな旋風を運んでくれましたね。

          

 その時、初めて「国民総幸福量」(GNH「Gross National Happiness」)と言う言葉を耳にした方も多かったでしょう。

 「国民総幸福量」(GNH「Gross National Happiness」)を尊重する国ブータン。

 ブータン国王夫妻(ジグミ・ケサル国王陛下と王妃陛下)が来日され、急にブータンが近い国に感じられた方もいたことでしょう。

 日本との外交関係を樹立して2011年で25周年を迎えるブータンは、東日本大震災の際には、翌日に国王主催で被災者の安全を祈祷する式典を開催し、100万米ドルの義援金が送られました。そのほかにも、全国主要寺院での三日間にわたる一斉法要や、小学生らによるスポンサーウォークなど、ブータンからの支援は多方面にわたります。


 さて、ブータンの1人当たりの国民総所得は1,920米ドル(世界銀行、2010年)であるにもかかわらず、国勢調査(2005年)ではブータン国民の約97%が「幸せ」と回答しています。

 「国民総幸福量(GNH)は国民総生産(GNP)よりも重要である」と、1972年に、先代のブータン国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが提唱した「国民全体の幸福度」を示す「尺度」です。

 GNHは、経済成長を重視する姿勢を見直し、伝統的な社会・文化や民意、環境にも配慮した「国民の幸福」の実現を目指す考え方なのです。

 その背景には仏教の価値観があり、環境保護、文化の推進など4本柱のもと、9つの分野にわたり「家族は互いに助け合っているか」「睡眠時間」「植林したか」「医療機関までの距離」など72の指標が策定されています。国家がGNH追求のために努力することは憲法にも明記され、政策を立案、調整するGNH委員会が重要な役割を担っています。



 「国民総幸福量(GNH)」を提唱した先代のブータン国王が、1989年に昭和天皇の大喪の礼参列のため、来日したおりのエピソードがあります。

 それは、他の国の首脳の多くが日本から経済的な協力を得るために、葬儀の前後に日本政府首脳と会談する弔問外交を行うなかで、ブータン国王はこうした弔問外交を行わず、大喪の礼に出席して帰国しました。新聞記者が理由を尋ねると、国王は、「日本国天皇への弔意を示しに来たのであって、日本に金を無心しに来たのではありません」と答えたそうです。

 

 参考までに「幸福度による世界ランキング」は次のとおりです。

    第1位:デンマーク
    第2位:スイス
    第3位:オーストリア
    第4位:アイスランド
    第5位:バハマ
    第6位:フィンランド
    第7位:スウェーデン
    第8位:ブータン
    第9位:ブルネイ
    第10位:カナダ

   その他、主要国

    第23位:アメリカ合衆国
    第35位:ドイツ
    第41位:イギリス
    第62位:フランス
    第82位:中華人民共和国
    第90位:日本

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