HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第117話≪図書紹介「自分を生ききる」中川恵一、養老孟司著≫

2005年09月21日 | 引用伝授
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、先月新発売された「自分を生ききる」中川恵一、養老孟司著 を既に読まれましたか? YOMIURI ONLINEでも紹介されましたね。

             

 ◆ 著者:中川恵一 /養老孟司
 ◆ 出版社:小学館 ISBN: 409387557X
 ◆ サイズ:単行本/159p
 ◆ 発行年月:2005年08月
 ◆ 価格: ¥1,470 (税込)


 著者の中川恵一医師は「私は、癌で死にたいと思っている」という。

 怖い病気の代表とみられる癌は、実は緩やかに進行するのが特徴で、打つ手がないとわかっても、多くは死を迎えるまで半年から2年の時間がある。限られた寿命を有効に生かすことができる病気だともいえる。「癌で死んだ方が、心の準備ができるわけで、さまざまな良い点もありますよね」。『バカの壁』で知られる共著者、養老孟司さんは独特の語り口で、中川氏に同意する。

 中川さんは、東大助教授で同付属病院の放射線科医。治療とともに、患者のクオリティー・オブ・ライフ(生活の質)を確保するための緩和ケアも担当する。末期の患者には、中毒症状のないモルヒネの経口投与などで痛みを取ることを勧める。完治の見込みがないのに、抗癌剤を最後まで使って、患者を苦しませることに批判的だ。

 注:「QOL」
クオリティオブライフ(quality of life)は「生活の質」の訳。1989年にWHOが癌の診断時から終末期に至る全過程にQOLを重視した医療を提唱した。最近は幅広く、一般には心理・社会的な豊かさも含めて、心の問題、歯科、高齢者の生き甲斐、果ては住宅問題にまで使われる言葉となる。医学分野においても癌患者の疼痛や抑欝を越えて、多岐にわたる疾患において検討されている。例えば高齢者、精神障害者、神経難病患者、人工心臓装着患者、筋ジストロフィー患者等々において、また花粉症、アトピー皮膚炎、イレウスに対する報告もある。歯科領域における咀嚼など、高齢化社会において、益々検討されていく領域である。

 本書では、すべての日本人にとって、もっとも大事な、「人生、社会、医療」という大きなテーマを、深く鋭く、しかし、わかりやすく、ときにユーモアをまじえ、分析しています。

 癌が増えています。10年後には、2人に1人が癌で死亡すると予想されています。そして、癌になった方のおよそ半数が数年で命を落としています。まさに国民病です。

 しかし、現代の日本は「自分は死なない」ということが前提の社会です。「死」は日常にも、人々の意識のなかにもありません。このことが、延命中心の癌医療に繋がっています。


 「人間の死亡率は100%」「日本人の死に対する意識の中で、とくに興味深いのは『自分は死なない』という思い込みではないか」と語る養老さんの死生観は読者に発想の転換を促す。

 万人に身近な問題となってきた。本書では、現行の癌治療の実態と問題点を指摘し、「癌との上手なつきあい方」を提示する。

                

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