孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

「オマージュ」だろうと駄作は駄作。

2015年09月05日 | 日記
1964年東京五輪といえば「東洋の魔女」、
2020年東京五輪といえば「盗用の佐野」、
と揶揄されていたが、ネット住民のユーモアのセンスにはいつも感心させられる。

パクリエーター佐野氏のロゴが白紙に戻って、ひとまず安心したが、誰も責任を取ろうとしない現象は、国民を舐めきっているようだ。

むしろ、「分かりもしないのに、うるさい国民どもだ・・」と自分たちこそ被害者だと思っているふしがある。

2020年東京五輪組織委員会会長などは、巨体をゆすぶっていかにも不不機嫌そうだた。一人では大きな決断が出来ない性格のようで、いつも問題をこじらせてばかりいる感がある。

『蚤の心臓 サメの脳、 ゴリラの体 森きろう』 

都都逸みたいな戯れ句で笑いの対象になっているが、こういうのが居残ると、新たな問題が生じるようで不安は消えない。

パクリエーター佐野氏の作品は今回の五輪のロゴだけに留まらない点が非常に重要で、本人がいくら否定しても見る者の印象を覆すことは最早不可能ではないだろうか。

テレビでは、その筋の専門家が今回の不祥事を解説して、「この世界では完全なオリジナルというのは難しい・・」などと言っていたが、多分自分も思い当たるフシがあるのではないかと、聞いていて首を傾げた。

『オマージュ』と言って、過去の作品をリスペクトを持って真似る場合もある・・と、カタカナ言葉を重ねて説明する業界人もいた。

その時瞬間的に連想したのが、2本の映画だった。



名匠・小津安二郎監督の『東京物語』のオマージュ作品として、山田洋次監督が作った『東京家族』という映画があった。

小津の『東京物語』は、50代になってから鑑賞する映画だと私は思うのだが、何度見ても実に味わい深い名画である。

その名作を尊敬の念をもって真似た作品を、寅さん映画の山田洋次監督が手掛けるということで、私も当時関心があったのだが、テレビで予告編を見て大きく失望したものだった。



配役がいけない。まともな落語も出来ないような落語家「こぶ平」を使うようでは、ハナから観る気も起こらないではないか。

笠智衆の役をした男優も、名前は知らないが格が違いすぎて見るに耐えないと感じた。

かなり時間がたってから、テレビで放映されたので、我慢して観ようとしたが、30分も我慢できなかった。予想通りの酷い出来だったと思う。


もう一本の映画は、黒澤明の名作「椿三十郎」のオマージュ作品、というか脚本まで同じだったようだから、パクリ作品というべきか、リメイク作品などと呼んでいいものなのか、森田芳光監督の手掛けた映画、名前も同じ「椿三十郎」だった。

  

私はこの織田裕二主演の映画を期待して、映画館で観た。そして、大きく失望して映画館を出た。

まるで、年末のかくし芸大会みたいな、お子チャマのチャンバラ映画みたいで、実に酷い出来栄えだった。

脚本も当時の脚本を使用し、カメラアングルも真似たそうだが、あの出来栄えだった。もともと三船敏郎の役を演じようとすること自体が、何か勘違いしていたのではなかろうかと思いたくなった。

ただカツラをかぶって刀を振り回し、同じ表情を作って同じセリフを喋ったところで、同じ出来栄えになるはずも無い。黒澤の映画のワンカットは、それぞれが彼の美的センスを納得させる構図になっている。

それは小津映画も同じで、映画監督の力量の差が出来栄えとなって表れていた。

やれオマージュだ、リスペクトだと高尚な事を言っても、駄作は駄作であることに変わりはないのである。

埼玉の「ナッツ親子」。

2015年09月05日 | 日記
去年の暮れだったか、大韓航空の副社長がファーストクラスに乗っていた時、ナッツの出し方が悪いと激怒して、乗務員に「飛行機から降りろ」と命令して飛行機を遅らせた、いわゆる「ナッツ・リターン事件」があった。

当時は、実にバカバカしい出来事で、笑いながら事の成り行きを見ていたものだった。



その後、彼女はメディアのバッシングを受けて有罪判決となり、「ナッツ姫」という別名ももらい、うなだれた姿がテレビでも盛んに流されていた。それもそのはず、彼女は大韓航空の会長の長女だったからだ。

彼女の父親でもある会長はテレビカメラに向って頭を下げて、「娘の教育が至らなかった自分の責任だ。」と頭を下げて公に謝罪した。



「ナッツ姫」というあだ名は、英語のNuts がピーナッツという意味と、「馬鹿、アホ」という意味があることをかけた、面白い名前だった。

多分、裕福な家庭で、何の苦労も無くぬくぬくと育ってきたナッツ姫に対する韓国国民の非難は相当なもので、理解できなくも無かったが、その後彼女は執行猶予判決が下り、釈放されたようだ。

よその国の出来事だと、面白がって見たが、なんと同じような出来事が日本の埼玉県でも起きた。

文理佐藤学園という小学校・中学校・高校・大学・専門学校を経営する法人の学園長が学園の金を私的に流用したと報じられた。その金額、何と数千万円になるというから驚いた。この金には補助金(税金)が含まれているはずだ。



さらに、この44歳の佐藤仁美という方の父親は、学園の創始者で、現理事長の佐藤英樹という方だそうだ。何となく構図が大韓航空の「ナッツ姫」と似ている。

娘さんを自分の学園で小学校から大学まで学ばせ、挙句の果てに学園長という地位を与えている。しかし、この父親も、昨日しおらしく自分の娘の公費横領について謝罪会見を開いていた。



「学園長として、わきの甘さ、大変不適格と考える。しかし、しっかりと海外の教育サービスについて勉強もしてきてくれたことと思っています」と理事長は話していた。

当の本人は体調不良とかで会見には同席しなかったばかりか、こんな赤っ恥をかかせた娘を、「しっかり勉強もしてきてくれた・・」と庇っているところなど、典型的な「親馬鹿ちゃんりん、蕎麦屋の風鈴」で、聞いているほうが赤面してしまいそうだった。

韓国の人がこのニュースを見ていたら何と言うだろうか?

まともな父親なら、首に縄をつけてでも会見場に連れて来て、事情を説明させて謝罪させるだろう。

だいたい小学生のときからイギリスやアメリカに何週間も修学旅行につれていくような学校など、まともな学校とは思えず、西洋かぶれの見栄っ張りの親が金をかけて馬鹿息子・馬鹿娘に育て上げるパターンで、少し話を聞けばすべて察しがつく。

大韓航空の「ナッツ姫」を笑い飛ばすどころか、なんとも大恥をかかせてくれる「ナッツ親子」ではないか。